JXB準々決勝: LIXILディアーズ戦の見所

2017/11/05

リーグ戦を4勝2敗で終了したBigBlue。しかし同じ4勝2敗で並ぶ2チームが、リーグ戦で敗れたノジマ相模原ライズとLIXILディアーズ(以下、LIXIL)のため、全体順位では5位という結果に。さらにJXBトーナメント戦準々決勝では、リーグ戦4位と5位チームが対戦するため、昨年と同じく4位のLIXILと準々決勝で再戦することになります。昨年のリーグ戦では、今シーズン同様BigBlueが先制すると、前半をリードして折返しますが、その後点の取り合いとなり、4Qに3TD/21得点を奪われ逆転されて敗れています。しかし再戦した準々決勝では、前半を21-6で折り返すと、後半もディフェンスが失点を1TD/1FGの10得点に押さえ、一方BigBlueオフェンスは16得点を追加し、最終スコア37-16で勝利しました。今回はリーグ戦での反省も含めて、いかに後半、特に4Qで相手の攻撃を防ぎきるかが最大の課題となります。

ここまでのLIXILは、初戦の富士通戦での0-30の完封負けこそ意外でしたが、それ以外の試合では地力の強さに最後まで粘り強いプレーを見せる、LIXILらしさは健在。敗れたノジマ相模原戦も、4Q終盤の追撃中にQB加藤選手のヘルメットが脱げてプレーから抜ける不運も有り勝機を逸しましたが、隙の無さはリーグ随一です。この精密機械のようなシステムをどの様に狂わせていくのかが、いつものLIXIL対策になります。これまでは、QBへのプレッシャーが最大の攻撃でしたが、リーグ戦での逆転負けの切っ掛けになったオンサイドキックは今度は許さないように、キッキングゲームの対策もこの試合では大きな要素になりそうです。
 

オフェンスの見所

前節のアサヒ飲料戦は、激しい風雨という厳しい条件だったためパッシングオフェンスは90ヤードとラッシングヤードの115ヤードよりも少なくなっていますが、やはりBigBlueのオフェンスはパス優先のスタイルであることは間違いありません。過去のLIXILとの対戦でも、LIXIL QB加藤選手との投げ合いで競り勝ち勝利しています。ここまで、ルーキーのWR#82白根選手、WR#85鈴木選手がXリーグのプレーにも慣れ、ポイントとなるプレーを見せており、リーグ戦以上の活躍に期待が掛かります。また、WR#16梶川選手も、ここ一番でのプレーが光っており期待されます。TE#40スタントン選手へのパスは、これまで以上に厳しいマークが予想されるため、ショート・ミドルでの成功率をどれだけ上げられるかが鍵になりそうです。

RB陣では、RB#10末吉選手が相変わらずのパワーランを見せており、彼の堅実な走りがこの試合でも見所の一つになります。また大事をとってアサヒ飲料戦は欠場したRB#21髙木選手に変わって、RB#37伊藤選手が試合を通して出場し活躍を見せてくれました。こちらもXリーグのプレーに慣れてきたと思われ、この試合に出場すれば髙木選手張りのカットバック走法でのロングゲインが期待出来ます。特に、オープンに出てからのスピードに期待出来るため、ジェットスイープやオープンへのヒッチパスからのランなど、速いテンポでの展開が期待されます。

そのランにしてもパスにしても、どれだけテンポ良くプレーを出せるかがLIXILディフエンスを狂わす最初のステップであり、その為にはQB#3クラフト選手、QB#2政本選手と、プレーを入れるであろうサイドラインとのコミュニケーションが、この二週間の間にどれだけ成熟してくるかが気になります。特に政本選手が入る場合、自身のQBキープという「切り札」があるだけに、プレーの幅も広がります。DL#1平澤選手、LB#10安藤選手等、強力なLIXIL DL/LB陣もタイミングをずらしてプレッシャーを掛けてくることが予想されるため、いかに相手の間合いに巻き込まれずに、自分達のリズムを確立してプレーを出せるかが、この試合オフェンス最大の見所になるでしょう。
 

ディフェンスの見所

ディフェンスの目的はただ一つと言っても良く、それはQB#9加藤選手のパッシングオフェンスをどれだけ防ぎきるかにつきます。昨年のリーグ戦では序盤からパッシングオフェンスが炸裂し、加藤選手一人で442ヤードを投げ込みましたが、これはBigBlueのクラフト/政本二人QBよりも多い記録です。この時は、DL陣のプレッシャーが有りながらも、手品のようにパスを通されていきましたが、今回もWR#11前田選手、WR#18永川選手、WR#81杉田選手等、豊富なレシーバー陣との対決が鍵になります。どちらかと言えば、ミドルからロングに投げ込んでくるLIXILのパスオフェンスですが、アサヒ飲料戦では左右へ早いタイミングのパスに苦しんだBigBlue DB陣を見て、同様のプランにも警戒が必要です。

ランディフェンスでは、第五節の対戦で23回/65ヤードを許していますが、RB#22白神選手は16回/68ヤードを獲得しており、白神選手対策がイコールLIXILオフエンスのラン対策になります。RB#32前川選手も注意が必要ですが、リーグ戦での結果を見ると、ほぼ白神選手のランプレーが中心で有り、どれだけスクリメージライン上で対決出来るかに注目です。アサヒ飲料戦では、雨で滑りやすかったのかタックルを外される場面が何度か有り、またスクリメージライン上で一旦停止するような走法にタイミングを狂わされるプレーが何度かありました。守備の要となるLB陣が、前後左右にどれだけ緩急を付けてプレー出来るかに注目が集まります。

ディフェンスとしては、リーグ戦では3Qまでに6失点(2FG)しか許していなかったのに、4Qではモメンタムを喪失して一気に3TDを許してしまった精神的な立て直しを、どれだけ準備して臨めるかが重要。「蟻の一穴」の諺通り、最初は些細なミスや勘違いを放置することで、最終的に取り返しの付かない問題に一気に拡大してしまいます。ディフェンスには、キャプテンのDB#1中谷選手、バイスのDL#98森田選手、二人が入っているわけですから、彼らのキャプテンシーを更に発揮して、賢く大胆なプレーコールに注目したいところです。
 

試合の見所

敗れればそこでシーズンが終わるJXBトーナメント戦。昨年に習えば、今シーズンもリーグ戦での敗戦をこの試合で取り返したいBigBlueですが、一方のLIXILも昨年同様の敗退は受入難く、昨年以上に厳しい試合が予想されます。今のところの天気予報では、試合当日は晴か曇りの予報となっており、例年のように両チームの投げ合いの展開が予想されます。どちらも、相手の手の内は分かっている者同士の対戦ですが、その裏をかく奇策で相手のリズムを崩すのか、それとも予想されていてもそれを打ち破るだけのパワーと勢いで相手を圧倒するのか、両チームのコーチ陣が用意するであろうゲームプランも、これからの一週間の間にも何度も形を変えながら固められていくでしょう。

前節のアサヒ飲料戦がまさにそうであったと思われますが、反則やターンオーバーなど、やはりミスをしたチームがどんどん厳しい状況に陥っていくもの。「ミスをしないLIXILオフェンス」に対して、「ミスを誘うBigBlueディフェンス」の戦いがこの試合の中心になると予想されます。それは、ファンブルやインターセプトだけでなく、キックカバーやキックリターンでのミスやターンオーバー、さらにはFGやTFPキックでのブロックなど、両チーム総力戦の試合になることは間違いありません。目標はまだまだ先にあるものの、先ずはこの試合での勝利を勝ち取るためにも、全員の気持ちが一つにまとまる瞬間を見せて欲しいと思います。DOMINATE! BigBlue!

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