あるOBの呟き- セカンドステージ vs. パナソニック電工インパルス
2009/11/11
今シーズンから始まったセカンドステージ制。EAST/CENTRAL/WESTの1位、2位、3位チームがそれぞれ3ブロックに分散し、他のディビジョンのチームとリーグ戦を行います。BigBlueはWEST 1位のパナソニック電工インパルス、EAST 2位のオービックシーガルズと対戦。今回は、関西から川崎球場に遠征をしてきたパナソニック電工インパルスとの対戦です。
対戦チームのパナソニック電工は、昨シーズンのリーグ戦こそ最終戦のアサヒ飲料チャレンジャーズに敗れて2位となりましたが、Final-6に進出 すると他チームを圧倒し、2007年シーズンに続き2008年シーズンも社会人チャンピオン連覇を飾ったチームです。2007年シーズンは、ライスボウル で関西学院大を破ったものの、翌2008年シーズンは立命館大に僅差で敗れて連覇はならず、今シーズンは再び日本チャンピオンを目指しているチーム。その 好調さは、リーグ戦をXリーグチーム中最大得点、最少失点で終了した事にも現われています。
BigBlueが公式戦で関西のチームと対戦するのは、記憶する限りでは今回が初めて。フィールドで行うフットボールに違いはないものの、やはり日 頃見慣れない選手やチームとの対戦には不安が生まれます。勿論、TV放送やビデオなどで相手チームをスカウティングすることは今では常識ですが、やはり直 接試合を観て感じること・理解出来る事とは違います。やや暑さすら感じる絶好のフットボール日よりの中、BigBlueのキックオフで試合が始まります。
実力差? 広がる点差
イ ンパルス先発QBの#8高田選手は、ホットラインWR#7長谷川選手へのパス、エースRB#20石野選手のランでファーストダウンを更新すると、再び WR#7長谷川選手へのパス、RB#1小林選手のランでBigBlue陣内に入ります。そのファーストダウンのプレー、QB#8高田選手からピッチを受け たベテランRB#33粳田選手は、そのまま右サイドのオープンに走り出します。しかし、そこからゴール前でフリーとなったWR#81塚崎選手へのパスが成 功。そのままエンドゾーンに走り込み、フリーフリッカーからの41ヤードTDパスで先制されます。
いきなりのトリックプレーでTDを奪われ、やや動揺が感じられるBigBlue。その不安が的中したのか、続くBigBlueのオフェンスはファー ストダウンも取れずにパントで交替。一方インパルスは、ファーストダウンのプレーで、今度はホットラインWR#7長谷川選手への47ヤードパスが決まり、 一気にゴール前16ヤードまで前進。ここからRB陣が確実にボールを進めて、最後はRB#20石野選手が2ヤードを飛び込み2本目のTDを上げます。
インパルスのキックオフボールは、WR#3サンプル選手が自陣43ヤード迄戻すビッグリターンを見せ、BigBlueオフェンスチームに活を入れま す。ファースダウンのプレーで、RB#24中野選手が11ヤードを走りこの試合初めてのダウン更新。続いて、RB#2片岡選手も11ヤードを走りファース トダウンを獲得。やっとBigBlueのオフェンスにリズムが生まれます。しかし、ここからインパルスディフェンスが前進を許さず、パントでシリーズは終 了します。
得点には繋がらなかったものの、元気を取り戻したBigBlueはディフェンスも踏ん張ります。最初のプレーでWR#81塚崎選手に11ヤードのパ スが通りダウンの更新こそ許しますが、その後はプレッシャーを与え、さらにDL#90小山選手のロスタックルもあり、このシリーズは初めてパントに追い込 み攻守交代となります。これでリズムを掴みたいBigBlue。しかし、続くオフェンスシリーズでは、QB#14多川選手のパスをインパルスDB#6増谷 選手がインターセプト。なかなか試合の流れを掴めません。一方インパルスは、2Qに入りWR#7長谷川選手に37ヤードTDパスが成功。0-21と点差が開きます。さらにインパルスは、パス・ランとプレー毎にダウンを更新するような前進を見せ、さらにTDを追加。2Q中盤で、点差はさらに0-28と広がります。
何とか後半への切っ掛けを掴んでおきたい2Q中盤。QB#14多川選手からベテランWR#44天谷選手にパスが決まりスタンドが盛り上がると、 RB#30工藤選手が8ヤードを突進し、ファーストダウンを更新。ここから一気に畳みかけたいところですが、インパルスDLの厳しいラッシュに交替するば かりで、このシリーズもパントで攻守交代となります。
やや短かったパントは、敵陣の中央付近で止まり、ここからインパルスのオフェンスシリーズ。残り時間も考えて、ランプレー中心に組み立てるインパル スオフェンスに対して、BigBlueディフェンスは苦しい守備を強いられ前進を許してしまいます。最後は、QB#8高田選手からWR#5本多選手に3 ヤードTDパスが決まり、前半は0-35の大差での折返しとなります。
反撃するも時遅く
予 想以上のワンサイドゲームに、声もないハーフタイムでしたが、後半最初のBigBlueのオフェンスはやっと元気を取り戻します。インパルスのキックオフ をWR#3サンプル選手が26ヤード戻して、後半最初のBigBlueオフェンスシリーズの開始。ファーストダウンでのRB#24中野選手のキープは1 ヤードで止められますが、交替して入ってきたQB#15岡村選手からWR#44天谷選手に7ヤードのミドルパスが通り前進。3rdダウンでは、RB#30 工藤選手が4ヤード進みファーストダウンを獲得します。さらに、QB#14多川選手、RB#2片岡選手と走りダウンを更新すると、ボールはフィールド中央 でファーストダウン。ここからWR#17小川選手に11ヤードのパスがヒットして敵陣に入ります。
これで完全にリズムを掴んだBigBlueオフェンスは、RB#24中野選手のキープも決まり、QB#15岡村選手、QB#14多川選手とプレー毎 にユニットを交替しながら、ランとパスで着実に前進。ゴール前10ヤードでファーストダウンを獲得します。ファーストダウンではQB#14多川選手が1 ヤード前進、しかし続くセカンドダウンではQB#15岡村選手がロスタックルされて1ヤード後退。再びゴール迄10ヤードに戻ったサードダウン。DB陣と 競り合いながら左サイドラインを上がってきたWR#17小川選手にQB#14多川選手からのパスがヒット。インパルスDB陣3選手にタックルを受けながら も、WR#17小川選手はボールを伸ばしてエンドゾーンへ。「足りない?」と思った瞬間に審判の両手が上がり、TD。3Qの開始から、9分以上15プレー を費やしたシリーズが完結しました。
これで元気を得たBigBlueは、ディフェンスも踏ん張りを見せます。ダウンの更新は許したものの、DL#90小山選手のロスタックルや厳しい ラッシュでパスを失敗に追い込みインパルスをパントに追い込みます。エンドゾーンぎりぎりを狙ったパントは、しかしサイドラインに外れて、ゴール前25 ヤードからのBigBlueオフェンスシリーズ。RB#2片岡選手のランで5ヤード前進したあと、QB#14多川選手が2回持って前進しますが、1ヤード 届きません。自陣内では有りますが、ここでBigBlueは4thダウンギャンブルを選択。RB#30工藤選手が残り1ヤードを突進しますが、インパルス DL/LBの厳しいラッシュで進めず、ギャブル失敗。厳しいボールポジションで相手に攻撃権が移動します。
インパルスファーストダウンのプレーで、QB#8高田選手からWR#7長谷川選手に9ヤードのパスが通ったところで3Qが終了。最終4Qに入りサイ ドが変わった最初のプレーでインパルスは再び仕掛けてきます。QB#8高田選手からパスを受けたWR#5本多選手が、そこからボールを再びQB#8高田選 手に戻します。これでファーストダウンを獲得したインパルスは、RB#20石野選手が20ヤードを走り後半最初のTDを奪います。
続 くBigBlueのオフェンス、敵陣まですすむものの、4thダウンで7ヤードを残します。再びギャンブルに挑むQB#14多川選手WR#44天谷選手に パスを投じます。タックルを受けながらも、必死にボールを伸ばしてボールデッドにする天谷選手。しかし、無情にも僅かにファーストダウンには届かず、再び ギャンブルは失敗して攻守交代となります。
ここからインパルスはQBを#18山村選手に交替。ディフェンスも踏ん張るものの、ここに来て反則が続き相手に前進を許してしまいます。このシリーズも、最後はRB#20石野選手が1ヤードを飛び込みTD。点差はさらに7-49と広がります。
残り4分少しとなり、BigBlue最後のオフェンスシリーズ。ここに来て、ランプレーが出るようになり、ダウンを更新して前進。敵陣に入ったとこ ろで1分を切り、ここからTDを狙いますがパスも失敗。QB#14多川選手が自らキープして4ヤード前進し、ゴール前31ヤード迄前進したところで、最後 のタイムアウトを使い時計を残り1秒で止めます。最後に一矢報いるために、48ヤードのFGに挑むK#8崔選手。プレッシャーの中キックされたボールは、 距離は十分だったもののコースが僅かに右にそれて失敗。残念ながら追加点はならず、7-49で試合終了となりました。
まだまだ厚い壁
正直なところ、これが日本一のチームかというのが最初の感想。しかし、判官贔屓は多少有るにしても、もう少しBigBlueにも元気があればこれほ どの点差が開くことも無かっただろうという気もします。インパルスにしてみれば、これまでならFinal-6のトーナメント戦が始まっており、彼らとして はシーズンの中で一番チーム力を整えている時期。それに対して、初めてこの時期に試合をするBigBlueに取っては、まだまだ足りない「何か」が有った のでしょう。ファーストステージ中とはまた違った強さ、凄さを、上位チームは持っているものだと実感した試合でした。
ファイナルステージ進出のためには、2勝が絶対条件だったBigBlueは、これでセカンドステージでシーズン終了となります。残るオービックシー ガルズ戦は直ぐです。次回も厳しい試合が予想されますが、シーズン最後の試合に是非BigBlueらしいプレーを数多く見せてし欲しいと思います。
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