あるOBの呟き- 第二節 vs. オンワードスカイラークス

2007/09/18

い よいよやってきた、今シーズンの天王山Part-1。対戦チームのオンワードスカイラークス(ON-SKY)は、昨シーズンのXリーグチャンピオンチーム (Japan X Bowl優勝)であり、Rice Bowlも制して日本一になったチーム。当初は、オンワード・オークス、すかいらーく・スカイラークスと別々の強豪チームでしたが、2001年に合併し 「オンワードスカイラークス」として再出発。以後日本のトップチームの一つとしてXリーグで活躍しています。合併初年度の2001年シーズンこそ、ディビ ジョン3位でしたが、以後のシーズンでは毎年Final-6に進出し、2003年には合併後初めてXリーグチャンピオンに輝いています。昨年は、その時に 続き2度目のXリーグ制覇を飾ると、前回は立命館大学に敗れたRice Bowlでも学生チャンピオンの法政大学を30-29で破り、合併以来悲願の日本一を達成しました。

BigBlue は、昨年のリーグ戦で初めて対戦。BigBlueは初戦の鹿島戦に大敗し、二戦目の明治安田戦では辛勝。1勝1敗で迎えたON-SKY戦は、Final- 6進出のためにも負けられない試合でしたが、3-14と善戦むなしく敗退。Final-6進出を阻まれた試合でした。この時の収穫は、BigBlueの ディフェンス陣がON-SKYの強力オフェンスを2TDに押さえた事です。何とか得点のチャンスを生かし、1点差でもいいからリードした状態で試合終了の 笛を今回は聞きたいと願います。

この日の試合会場は東京ドームですが、祝日に開催されるという事で珍しいことにXリーグの試合が2試合開催されます。第一試合がBigBlue vs ON-SKY、第二試合がシーガルズ vs 富士通という、Xリーグ東・中地区の3位チームが上位チームに挑戦する試合が組まれました。BigBlue、富士通、どちらのチームにとっても昨年の雪辱 を果たす試合になります。コイントスの結果、BigBlueのキックオフで試合が開始されます。

静かな1Q、波乱の2Q

ON- SKY最初のオフェンスシリーズは、反則で相手にファーストダウンを与えるものの、4th Downパントに追い込み攻撃権が交替します。続くBigBlue最初のオフェンスシリーズも、ダウンを更新出来ずにパント。この後のそれぞれのシリーズ も、ダウンを更新することなく攻撃が移動して1Qも終わりに近づきます。BigBlue陣内30ヤードからのON-SKY 4th Downギャンブルの攻撃を守りきったBigBlueは、QB#15岡村からWR#81安田へのパスが決まり、ファーストダウンを獲得するとともにサイド が交替し2Qに入ります。WR#89円谷、SB#23貴志とロングパスが決まり敵陣18ヤードまで前進すると、QB岡村のスクランブルでゴール前7ヤード までさらに前進。ここからRB#39礒谷が2回ドライブをして、ついに先制のTDを上げます(TFP失敗)。このTDを皮切りに、試合の流れが激しく動き 出します。キックオフリターンを、大きくBigBlue陣内まで戻したON-SKYは、QB#10小島がランプレーを中心にダウンを更新しながら前進。 ゴール前1ヤードまで詰めると、最後はQB小島自身が飛び込みTD。TFPも決めてすかさず6-7と逆転します。

キッ クオフリターン後の反則で自陣奥からのオフェンスシリーズとなったBigBlueは、WR#44天谷に46ヤードのロングパスが決まると一気に敵陣に入り ます。再びWR天谷にパスが決まりゴール前3ヤードまで攻め込むと、ここでもRB礒谷がボールをエンドゾーンに持ち込み、直ぐに試合を12-7と逆転しま す(TFPでの2点コンバージョン失敗)。ところがON-SKYも、QB小島のランでBigBlue陣内まで大きくゲインをすると、パスを3回連続して通 し一気にTDを奪い返します。得点は14-12となり、ON-SKYが再びリードを奪います。

2Q 1分3秒を残して、BigBlueのオフェンスシリーズは、ON-SKYのオンサイドキックをDB#29井上が前でキャッチし、中央付近まで戻したところ からスタートします。すでにタイムアウトを使い切っているBigBlueは、QB岡村がWR#7福井に12ヤードパスを続けて通して敵陣に入ると、今度は WR天谷、WR安田にパスがヒット。ファーストダウンを更新しながらエンドゾーンを目指します。WR安田へのパス成功でゴール前11ヤードまで進んだもの の、残り時間を考慮するとQB岡村がパスをスパイクして時計を止め、FGに切り替えます。最初のTFPキックを失敗しているK#11井田ですが、ここは落 ち着いて29ヤードのFGを成功。再びBigBlueが15-14と試合を逆転して前半が終了します。

得点は互角でもBigBlue優位か

1Qはお互いに手の内を探っているのか、非常に静かな試合運びを感じさせたのですが、2Qに入ってから一気に試合が動き出しました。確かなことは、 この試合BigBlueのオフェンスは非常に調子が良いと言うことです。QB岡村選手のプレーコールは落ち着いており、パスで前進してゴール前ではRB礒 谷選手のパワーランでTDを奪うという教科書通りながら堅実なオフェンスシリーズが実行されました。普通であれば、格上のON-SKYのディフェンスに対 して不安を抱くのですが、今日のBigBlueオフェンスにはそれを感じさせない信頼感があります。

特に、2Q最後のFG成功に繋がる残り1分強からのオフェンスシリーズは、タイムアウトを使い果たしているためランプレーが難しい状況の中、確実に パスを通してダウンを更新していきました。WRの天谷選手、安田選手との確実なホットライン形成は、後半に向けて非常に心強い収穫です。

一方で、前回好調だったディフェンスには物足りなさを感じます。1Qではほぼ完全に相手の行き足を止めていたものが、2Qに入るとパスディフェンス にやや綻びが見えてきました。オフェンスの調子がよいうちはまだ良いのですが、オフェンスのリズムが止まったときにON-SKYが逆に点差を広げられる と、いかに調子が良い今日のBigBlueオフェンスチームといえども、逆転は難しくなります。オフェンスがON-SKYと競っている間に、何とか本来の ディフェンスが目を覚まして、相手の攻撃のリズムを先に断ち切って欲しいと願います。

激しい攻防となる後半戦

前 半戦と異なり、後半はいきなり波乱の幕開けとなります。ON-SKYのキックオフをWR福井が敵陣まで大きく戻して、後半最初のBigBlueオフェンス シリーズが始まります。まずこの日好調なRB礒谷が、いきなり16ヤードを走りダウンを更新します。1st Down、2nd Downとパスを失敗して3rd Down 10の攻撃。パスターゲット狙うQB岡村は、エンドゾーンに走り込んだWR安田に31ヤードのロングパスを投じ、これが見事に成功。3Q開始1分も立たな いうちに、BigBlueが21-14と点差を広げます(TFPキック失敗)。しかし続くON-SKYのオフェンスシリーズでは、QB小島、QB冨澤の二 人のQBが交互にプレーコールをし、これが功を奏したのかじりじりと前進すると最後はRB#34堤へのダイレクトスナップからダイブを決め、TFPのキッ クはDL#90小山がはじいて防いだものの、21-20とON-SKYが攻め寄ってきます。

こ こまで好調なBigBlueオフェンスは、まずRB礒谷が54ヤードのあわやTDというビッグゲインを見せます。次にQB岡村のキープでゴール前3ヤード まで迫りますが、ここで相手の厳しいディフェンスに合いRB礒谷のダイブがロスゲインに押さえられます。3rd Down 8となったところでベンチの選択はWR天谷へのパス。相手ディフェンスの裏側に走り込んだWR天谷に8ヤードのTDパスが通り点差を再び27-20と広げ ます。ここでTFPキックを蹴るK井田のキックが三度失敗。ここまで3回のTFPキックを全て失敗し、不安が残ります。この不安が的中するのが、ON- SKYの次の攻撃。ファーストダウンのパスが、WR#25前田に通ると、タックルをかいくぐり69ヤードを駆け抜けて1プレーで27-27の同点に追いつ かれます。

3Q に入り、それぞれオフェンスシリーズをTDで終了する激しい試合内容になります。後半3回目のBigBlueのオフェンスシリーズでは、WR安田へのパス でダウンを更新しながらRB礒谷とRB#2片岡のランでゲインを刻み前進していきます。ゴール前10ヤードからの2nd Down 10のパスが失敗したところで3Qが終了。いよいよ最終4Qに入ります。

この4Q最初のプレーコールでは、パスと見せかけたQB岡村が左オープンに走り出すと、そのままサイドライン際をON-SKYのタックルをかいくぐ りエンドゾーンに駆け込みTD。再び33-27と試合をリードします。TFPではK井田に変わり、DB#22中山が登場しますが、このキックもゴールポス トに嫌われて失敗。ここまで2点コンバージョンを狙った一回を除き、4回のTFPキックが全て失敗するという嫌な雰囲気が残ります。

4Q直後のTDは、逆にON-SKYに落ち着きをもたらしたのか、QB小島、冨澤、そしてRB堤と目まぐるしくスナップ先を換えて着実にゲインを重ねてゴール前に攻め込みます。BigBlueディフェンスも3rd Downの攻撃をゴール前1ヤードで止めて意地を見せますが、4th Down 1からこの日好調なRB堤が飛び込みTD。TFPキックも決まり、ついに33-34とON-SKYが再び試合のをリードします。

まだ8分近くが残る4Q、QB岡村はWR安田へのパスを皮切りに、RB礒谷とWR天谷へのパスでフィールド中央まで前進します。1st Downのパスが失敗した2nd Downのプレーで、SB#23貴志へパスが通ると、貴志は40ヤード近く突進して一気にエンドゾーンを目指します。しかしここでタックルを受けると痛恨のファンブル。ボールはエンドゾーンのタッチを割り、折角の得点チャンスがタッチバックに変わり、ON-SKYに攻撃権が移ります。

残り4分で攻撃権を得たON-SKY。インターセプトを警戒してランで時間を潰そうとしますが、厳しいBigBlueディフェンスに殆ど前進できません。さらにQBが冨澤に変わった3rd Downのパスも失敗に追い込み、4th Downパントに追い込み2分23秒を残して再びBigBlueに攻撃権が移ります。

すでに後半3回のタイムアウトを使い果たしているBigBlueは、ここから距離と時間の戦いになります。自陣44ヤードからのBigBlueオフェンスシリーズ、1st DownでSB貴志に6ヤードのパスが通り前進するものの、続く2nd/3rd Downでパス失敗。さらに4th Downではディレーオブザゲームで5ヤードを罰退し、4th Down 9と絶体絶命のピンチ。し かしQB岡村は落ち着いてWR安田に14ヤードのパスを通してダウンを更新。さらに、WR#89円谷、安田と次々にダウンを更新するパスが決まりゴール前 17ヤードまで迫ります。ここでTDを狙うパスを3回続けますがON-SKYの厚い守りに阻まれて失敗。残り試合時間7秒となり、4th Downのプレー選択では逆転のFGに全てを掛けます。

2Q最後のFGは成功しているものの、TFPキックをこの日3回失敗しているK井田。両チームスタンドからの大きな歓声とプレッシャーの中、K井田 の蹴ったボールは高々と舞い上がり34ヤードを跳び見事にゴール中央を通過。3秒を残して、再びBigBlueが36-34と試合を逆転しました。キック オフリターンTDに最後の望みを掛けるON-SKYですが、キャッチしたボールをジャッグルしリターンに失敗。タックルを受けた瞬間に試合終了となり、 BigBlueが大きな一勝を上げました。

まだ安心は出来ない

実 に熱戦、実に厳しい戦いでした。厳しい試合になることは予想したものの、その予想をはるかに上回るオフェンス戦となりました。BigBlueがXリーグ昇 格を賭けた五洋建設パイレーツ(当時)と戦い一点差で勝利した2001年の入れ替え戦を彷彿されるような厳しい試合でした。そんな厳しい試合でしたが、特 筆すべきは最初から最後まで落ち着いてプレーコールを出し完遂したQB岡村選手の強さと、BigBlueオフェンスチームの力強い成長です。強力なON- SKYディフェンスに対して一歩も引かず反って圧倒する位の迫力を見せつけて5TDを上げる大活躍でした。明治安田戦から着実に力強さを増しています。次 の鹿島戦は、さらに厳しい試合になることが予想されますが、Final-6に向けて一筋の光明を見たような気がします。

やや残念だったのはディフェンスチーム。一 発のプレーで抜かれてTDに結びつく場面が何度もあり、これは鹿島戦に向けてやや不安が残りました。しかし、タッチパック後のON-SKYのオフェンスを 4回でしっかり止めてオフェンスに逆転のチャンスを与えたシリーズは、この試合での隠れたファインプレーと言っても良いでしょう。また5TDを奪われたと は言え、全体的にON-SKYのオフェンスに対して優勢だった印象もあります。幸いなことに、次の鹿島戦まではたっぷりと時間があります。まずは、この試 合の反省を、そして次の天王山・鹿島戦に向けてじっくりとプレーを練り上げて欲しいと思います。

ON-SKYに勝利したことで、Final-6への道が大きく広がったことは事実です。しかし、2005年がそうであったように、これから上位チー ムの巻き返しが激しくなります。次の鹿島戦に勝たなければFinal-6も無いという気持ちで、是非次の試合にも勝利を勝ち取って欲しいと強く感じた試合 でした。

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