あるOBの呟き- 2025交流戦: vs オール三菱ライオンズ戦
2025/05/28
第45回パールボウルトーナメントとともに、2025シーズンが始まりました。春のパールボウルトーナメント一回戦の対戦では、昨シーズン7年振りに勝利したオービックシーガルズ(以下、オービック)と対戦。今回も勝利を目指しましたが、地力で優るオービックは序盤から攻守ともにBIG BLUEを圧倒。残念ながら、7-49の大差で敗れトーナメントから、交流戦へ回ることになりました。対戦相手は、パールボウルトーナメント一回戦で東京ガスクリエイターズ(以下、東京ガス)と対戦し、こちらは接戦の末敗れたオール三菱ライオンズ(以下、オール三菱)です。昨シーズンX1 Superに再昇格したオール三菱は、リーグ戦での勝ち星が無く入替戦に回りますが、入替戦では後半得点を積み重ね残留を決定。今シーズンはリクルーティングに注力し、有望選手の加入もありチーム力は大きく向上しています。東京ガスとの対戦も、終盤までは互角の内容が続きましたが、最後にターンオーバーが続き点差が開き残念ながら敗退しました。
オール三菱とは、BIG BLUEのXリーグ初年度の2002シーズンで初対戦し、この時は19-39で敗戦。翌シーズンも18-44で敗れますが、2004シーズンでは13-13の引き分けに持ち込むと、2006シーズンのリーグ戦では10-0で初勝利を上げると、以降の対戦では9連勝と大きく勝ち星でリードしています。春の対戦でも、2014年のやはり交流戦で対戦。この試合も34-10で勝利しています。勝ち星では大きくリードしている相手ですが、昨シーズンの対戦では24-12と僅差での勝利なったように、シーズン毎に力を取り戻しているチームです。以前は堅実なプレー印象のあるチームでしたが、今シーズンの試合では、オフェンスではQB#11山中選手のプレーコール、ディフェンスではLB#40海崎選手がタックルが冴え、オフェンス、ディフェンスともに、油断できない試合が予想されます。
ミスからの失点

BIG BLUE 2回目の攻撃は、RB#20秋元選手のランの後、WR#18井上選手へのパスでダウンを更新。しかし、その後も中々ターゲットが見つからずQB#2政本選手がスクランブルを繰り返して敵陣に入るものの、4thダウン1ヤードが残ります。ここで交代したQB#5水嶋選手が自らのランでダウンを更新。再びRB#20秋元選手がダウン更新のランで大きく前進すると、QB#5水嶋選手のスクランブルで15ヤード進み、ゴール前12ヤードでファーストダウンを更新します。オフェンスライン(OL)がパスプロテクションを持たせる中、QB#5水嶋選手からエンドゾーン中央に走り込んできたWR#86熊井選手へTDパスがヒット。7-3と逆転をします。
K#16東選手のキックオフがタッチバックとなり、自陣25ヤードからのオール三菱の攻撃。右サイドを上手く抜けたRB#1小林選手がするすると駆け上がると、一気に敵陣の49ヤードまでボールを運ぶロングゲインとなります。RB#1小林選手に続いて、RB#22中野(哲)選手が続けてボールを運び、敵陣29ヤードまで進んだところで2Qに入ります。敵陣30ヤードから3rdダウン8ヤードのプレーは、RB#25中野(直)選手のランを、LB#23玉川選手がシューストリングタックルで止めますが、DL#99島野選手の反則で逆に15ヤードの前進を与えてしまいます。ここで気落ちしたのか、QB#11山中選手から右エンドゾーンでフリーになっていたWR#9福田選手へ1プレーでTDパスが通り、オール三菱が7-10と逆転をします。リターナーに入ったWR#41加藤(大明)選手が自陣26ヤードまで戻してBIG BLUEの2Q最初の攻撃。QB#5水嶋選手がパスに苦しみ、4thダウン2ヤードとなりますが、パントフェイクからのRB#28加藤(大資)選手のランで一気に31ヤード前進。敵陣35ヤードでファーストダウンを獲得します。QB#5水嶋選手のパス失敗の後、2ndダウンではスクランブルから一気にエンドゾーンにQB#5水嶋選手が駆け込みますが、これはホールディングの反則で無効に。大きく後退するものの、RB#6柴田選手のドロープレーで大きく15ヤード前進してダウンを更新します。WR#18井上選手へのパスでダウンを更新すると、今度はWR#14遠藤選手へのショートパスが成功し、ゴール前9ヤードまで前進。ここからRB#28加藤(大資)選手がランでエンドゾーンを狙いますが、オール三菱の守りも堅く4thダウン4ヤードに。K#16東選手が24ヤードFGを狙いますが、これは残念ながら右に外れて失敗。同点のチャンスを逃します。
FGキックの失敗のため、自陣20ヤードからのオール三菱の攻撃は、QB#11山中選手のスクランブルでダウンを更新。しかし続くRB#1小林選手のランを、LB#57寺林選手、DL#95山本選手と好タックルで止めると、3rdダウンではDL#99島野選手が右サイドからラッシュすると-7ヤードのQBサックで相手を押し戻してパントに追い込みます。続くBIG BLUEの攻撃では、WR#30齋藤選手へのパスの後、RB#21平松選手のダイブでファーストダウンを更新します。しかし、次のRB#20秋元選手のランは、スクリメージラインを割って入ってくるオール三菱DL/LB選手に素早くタックルを受けて前進出来ません。3rdダウン14ヤードが残り、QB#5水嶋選手はダウン更新のパスを投じますが、これはレシーバーとのタイミングが合わず失敗。P#16東選手のパントに変わります。このパントキックをオール三菱WR#82白井選手がキャッチしますが、間髪入れずにWR#41加藤(大明)選手がタックル。2ヤード押し込み、オール三菱は自陣16ヤードからの攻撃となります。残り1分40秒からのオール三菱の攻撃ですが、QB#11山中選手のランの後、RB#22中野(哲)選手がダウンを更新。しかしオール三菱も無理をせず、プレーで時間を流して7-10とオール三菱がリードをして前半が終了します。
繋がらないプレー

QBがQB#5水嶋選手に替わった、後半3回目のBIG BLUEの攻撃は、まずはWR#41加藤(大明)選手へのパスでダウンを更新します。しかし1stダウンのパス失敗の後の2ndダウンでは、奥のWR#14遠藤選手を狙ったパスがやや短く、前に入ってきたDB#38鈴木選手がインターセプト。攻守交代となります。しかしディフェンスも奮起すると、DL#99島野選手のラッシュでパス失敗に追い込み、次のRB#1小林選手のランもDL#99島野選手がタックル。3rdダウンでは、QB#11山中選手が自らボールキープをして左オープンを目指しますが、素早く上がってきたDB#33藤田選手が2ヤードのロスタックルで止めます。ターンオーバーからのピンチを、4thダウンパントで攻撃権を奪い返します。
このオール三菱P#6高橋選手のパントは上手くコントロールされて、エンドゾーン1ヤードで止まり、BIG BLUEの攻撃は自陣1ヤードからと厳しいスタートに。QB#5水嶋選手はスナップを受けるとパスを投じようとしますが、ここにLB#40海崎選手がラッシュをしてファンブルフォース。エンドゾーン内にボールが転がると、DB#34松田選手がリカバリーし、オール三菱ディフェンスがTDを奪います。TFPのキックは右にそれて失敗しますが、得点は7-16となり2回の得点機会が必要な2ポゼッション差に広がります。オール三菱K#92溝口選手のキックオフを、再びWR#30齋藤選手が自陣26ヤードまで戻してBIG BLUEの攻撃が再開します。QB#3大橋選手のスクランブルの後、RB#6柴田選手がダウン更新のダイブ。この後3rdダウン11ヤードとなり、RB#28加藤(大資)選手へのスクリーンパスが1ヤードで止められたところで、試合は4Qに入ります。
P#16東選手のパントを、再びWR#82白井選手がキャッチしますが、今回もWR#41加藤(大明)選手が-1ヤードの好タックル。4Qもオール三菱はQB#11山中選手が登場すると、自らのキープでダウン更新はするものの、ここでオール三菱に反則が続きずるずると後退。3rdダウン16ヤードが残る中、オプションピッチを受けたRB#1小林選手は、左サイドラインを駆け上がりますが、パシュートしてきたDL#8森田選手が外に押し出し4thダウン8ヤードとしてダウン更新を許さず、4thダウンパントで交代します。BIG BLUE自陣30ヤードからの攻撃は、QB#5水嶋選手から、WR#14遠藤選手へ続けてロングパスが通り、一気に敵陣34ヤードまで攻め込みます。TE#89戸澤選手へのパスが成功して、ゴール前23ヤードでダウンを更新します。1stダウンのパス失敗の後、2ndダウンでは、QB#5水嶋選手がターゲットを探す中、右サイドラインをDBと並びながら右コーナーを目指すWR#83天田選手へロングパス。これをDBと競いながらギリギリでキャッチすると、右足をエンドゾーンに残してTDを奪います。14-16と、FGでも逆転可能な点差に迫ったBIG BLUE。続くオール三菱の攻撃を4thダウンパントに押さえますが、次のBIG BLUEもパスが通らずパントで交代します。次のオール三菱の攻撃を、タイムアウトで時計を止めながら4thダウンパントに追い込み、残り1分12秒からBIG BLUEの攻撃。自陣12ヤードからの厳しい状況ながら、QB#5水嶋選手から、WR#30齋藤選手へショートパスで繋ぎ、WR#14遠藤選手へのパスでダウンを更新します。何とかFG圏内まで進めたい焦りが出たか、QB#5水嶋選手のパスは、DB#38鈴木選手に投げ込んでしまい万事休す。オール三菱がニーダウンで残り時間を流して、試合終了となりました。
最後まで掴めないリズム
オール三菱の得点シーン(2TD/1FG)を見ると、最初のFGと2本目のTDは、どちらもオフェンスのプレーミスから相手に好機を渡しての失点ですし、1本目のTDはディフェンスの反則で掴みかけたチャンスを相手に渡してしまうミスからの失点。スタッツを見ると、ラッシングヤードではオール三菱が上まわったものの、パッシングでの喪失ヤードは26ヤードに押さえており、ディフェンスとしては決して悪くない内容だったと思います。ただ、1回の不要な反則が試合の流れを変えたわけで、こう言う不注意なプレーは昨シーズンからの反省点であり課題でもあると思います。オフェンスに関しては、まだまだ新人QBとレシーバーのタイミングが合っていない印象は残りますが、2回のTDを獲得したシリーズはテンポ良くプレーが進んだ印象もあり、秋までにどこまで練度を上げることが出来るか、こちらも大きな課題だと言えます。また、ランプレーでは東京ガス戦でも活躍したLB#40海崎選手の好プレーに阻まれるシーンが多くあり、予想される相手チームのキープレーヤーに対しての対策をどれだけ準備出来るか、これも秋のリーグ戦に向けての課題になるでしょう。
秋のリーグ戦に向けて、弾みを付けて春のシーズンを締めくくりたかったのが本音ですが、実際は厳しい結果に終わりました。オフェンスは、QB#3大橋選手、QB#5水嶋選手が良いプレーを見せており、秋までにどこまでBIG BLUEのオフェンスシステムに馴染む事が出来るか注目されます。TDを獲得したシリーズは、プレーにリズムも生まれレシーバーとの連携も出来ていたように感じられました。それらプレーの完成度を更に向上させて秋のリーグ戦に臨んでほしいと思います。ディフェンスも、プレー自体は悪くないものの、より精度の高いプレーを最初から最後まで続けられるような集中力が、まだまだ必要なように感じます。やはり勝利を掴むためには、相手を上まわるプレーをしないと届かないわけで、秋のリーグ戦では相手オフェンスを突き抜けるようなプレーを、是非見せて欲しいと思います。
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