あるOBの呟き- 2025第一節: vs 東京ガスクリエイターズ戦

2025/09/07

マイクフェアーHC&GM、2年目のシーズンとなる2025シーズンリーグ戦が始まります。X1 Super 12チームが3ディビジョンに分かれての対戦となる現行の形式は、今シーズンが2年目ですが、既に来シーズンからの新しい形式である「X Premium」が発表されており、今シーズンが最後のシーズンとなります。12チームがディビジョン内リーグ戦3試合と、他ディビジョンとの3試合、合計6試合の結果から順位か決定し、上位8チームがライスボウルトーナメントに進むことは同じですが、X1 Areaとの入替戦は行われず、既に決定しているX1 Premium 11チームでのリーグ戦が2026年からは始まります。ゴールである「ライスボウル初優勝」を目指す事に、今年も来年も変わることはありませんが、X1 Premiumは5月からシーズンが始まる事が予定されており、今シーズンで結果を出す事は来シーズンにとっても重要になります。

シーズン開幕戦の対戦相手は、昨シーズン第二節に東京ドームで対戦し、僅差で敗れた東京ガスクリエイターズ(以下、東京ガス)です。開始直後のキックオフリターンTDでBIG BLUEが先制するものの、その後はディフェンス戦となると、BIG BLUEのオフェンスが沈黙。代わりに東京ガスは、2Q最後にFGで3点を返すと、3Qには逆転のTDを奪い、さらにセーフティの2点を追加して逃げ切りました。東京ガスとは、2007年にXリーグで初対戦して以来、BIG BLUEが8連勝してきましたが、初黒星を喫する試合となりました。東京ガスの外国人/日本人QBのプレーが光るとともに、相手ディフェンスを切り崩すことが出来なかったBIG BLUEオフェンスに悔いが残る結果となりました。今回は、是非その雪辱を果たしたい試合と言えます。
 

相手の迫力に圧倒

コイントスでBIG BLUEは前半の選択権を選び、東京ガスK#89白本選手のキックオフで試合が始まります。リターナーのWR#85鈴木(隆)選手はゴール前5ヤードでボールをキャッチすると、上手くリードブロッカーを利用して40ヤードのビッグリターン。自陣45ヤードからBIG BLUE最初のオフェンスが始まります。スターターQBは、ルーキーのQB#10水嶋選手。WR#85鈴木(隆)選手、WR#18井上選手と、左右のジェットスイープで5ヤードボールを進めますが、3rdダウンのパスが失敗し、4thダウンパントに変わります。P#87東選手がパンターの位置に入り、スナップされたボールをパントキックしますが、目の前にフリーでラッシュしてきたDB#8森上選手がブロック。ゴール前19ヤードで東京ガスがボールを押さえ、攻守交代となります。

QB#4谷口選手から、WR#34大阪選手へのパスは、DB#13舟橋選手が素早くタックルし2ヤードのロス。続くRB#30星野選手のダイブは、DL#44福岡(祐)選手が1ヤードのロスタックルと、ゴールラインディフェンスが機能します。しかし3rdダウンでは、タイミングを遅らせてショベルパスを受けたRB#32森分選手が一気に抜けて行きますが、何とかDB#13舟橋選手、DB#24岸野選手がゴール前10ヤードでタックルし、4thダウン1ヤードが残ります。東京ガスは1回目のタイムアウトを取り、ギャンブルを選択。オプションフェイクから、ぽっかりと空いた中央をQB#16徳島選手が駆け抜けて先制のTDを奪います(TFPキック失敗)。

東京ガスのキックオフ蹴り直しの後、再びWR#85鈴木(隆)選手が31ヤード戻して自陣41ヤードからのBIG BLUEの攻撃。リードブロッカーを上手く使い右オープンに抜けたRB#21平松選手が18ヤード進み、ダウンを更新して敵陣に入ります。次も左サイドへモーションしたRB#21平松選手へフレアーパスが通りますが、ここでLB#11松倉選手のハードタックルを受けてボールをファンブル。DL#9吉田選手がこれを拾い上げると、一気にゴール前10ヤードまで運ばれてしまいます。再び厳しいゴールラインディフェンスを強いられるBIG BLUEですが、LB#22中山のロスタックルにパス不成功とエンドゾーンを死守します。しかし3rdダウンでは、左コーナーに走り込んだWR#28 Hobbs選手へ絶妙なパスが通りTD。0-13と点差が広がります。

中々思い通りに進まないBIG BLUEオフェンス3回目の攻撃は、自陣31ヤードから。QB#10水嶋選手のキープでダウンを更新すると、RB#15秋元選手のランとパスでダウンを更新して敵陣に入ります。さらに、RB#21平松選手、RB#28伊丹選手と、それぞれ9ヤードずつボールを進めて敵陣25ヤードでファーストダウンを更新します。ホールディングの反則で10ヤード後退しますが、RB#15秋元選手へのスクリーンパスが成功し14ヤード前進。さらに新加入のTE#5 Auger選手へ15ヤードパスが通り、ゴール前6ヤードでファーストダウンを更新します。しかし、1stダウンでRB#15秋元選手が2ヤード進めるものの、エンドゾーンを狙った2nd/3rdダウンのパスは失敗。K#11福岡(勇)選手の22ヤードFGで3点を返すに止まります。

続く東京ガスの攻撃は、QB#4谷口選手からRB#32森分選手へのショートスクリーンが21ヤードと大きく前進して、2Qに入ります。東京ガスのパスは失敗するものの、BIG BLUEのパスインターフェアの反則で敵陣に入りダウンを更新します。3rdダウンのQB#16徳島選手のランをDB#37松本選手が止め4thダウン1ヤードにしますが、東京ガスはRB#32森分選手のダイブでダウンを更新してゴール前29ヤードに進みます。パス失敗の後の2ndダウン、QB#4谷口選手からRB#10松元選手への中央ダイブでしたが、上手く東京ガスのラインが重なり壁が出来、ディフェンスのタックルが届かない間にスクリメージラインを抜けると、そのまま一気にエンドゾーンまでボールを運ばれてしまいます。

何とか点差を縮めたいBIG BLUEは、QBをQB#2政本選手へ交代。しかしパスのタイミングが合わず4thダウンパントで交替します。続く東京ガスの攻撃は、WR#25山下選手への24ヤードパスで一気に敵陣に侵入すると更にランでボールを進めます。しかしDL#91松本選手のラッシュを受けたQB#4谷口選手がインテンショナルグランディングの反則。これが響き東京ガスの攻撃もパントで交替します。何とか1本返して終わりたいBIG BLUEは、QB#2政本選手から、WR#14遠藤選手、WR#83天田選手、WR#84近江選手とパスが通り出します。RB#28伊丹選手のランで敵陣に入りますが、ここからのパスが通らず、4thダウンのギャンブルも失敗。折返しの東京ガスの攻撃も、ディフェンスが踏みとどまり前半が終了します。
 

一矢報いるものの...

後半3Qは、K#87東選手のキックオフで再開。RB#32森分選手が22ヤード戻して、自陣29ヤードから東京ガスの攻撃が始まります。WR#81出木岡選手のパスをDB#33藤田選手が4ヤードでタックルすると、次のQB#18若林選手のキープはDB#13舟橋選手、LB#45酒井選手が5ヤードで止めます。3rdダウン1ヤードからのプレーは、QB#16徳島選手からRB#19鳩谷選手へのハンドオフ。これもオフェンスラインが上手くスクリメージラインにホールを開けると、素早く抜けたRB#19鳩谷選手が独走。辛くもDB#1中谷選手がゴール前1ヤードでタックルしますが、東京ガスからはビデオ検証のリクエストが。検証の結果判定は変わらず、東京ガスのゴール前1ヤードからの攻撃は、DL#44福岡(祐)選手が今度はRB#19鳩谷選手を4ヤードロスでタックルします。しかし次のプレーでは、QB#16徳島選手が上手くタックルをすり抜けてTD。3-27と点差が広がります。

3Q最初のBIG BLUEの攻撃は、RB#21平松選手のランが続けて出ると、QB#2政本選手からTE#5 Auger選手へのパスも成功。3rdダウン1ヤードも、RB#15秋元選手が危なげなく更新し、敵陣33ヤードでファーストダウンを更新します。その1stダウンの攻撃、奧のターゲット狙うQB#2政本選手のパスは、やや左にリード気味にそれると、そこに背後からDB#0青野選手が飛び込みインターセプト。好守が交代してしまいます。続く東京ガスの攻撃は、QB#16徳島選手からWR#81出木岡選手へのリバースプレーを、一瞬潰しそうになったものの、潰しきれずにWR#81出来岡選手がオープンに走り出し、17ヤードの前進を許してしまいます。しかし、ここからDL#91松本選手、LB#47池田選手とタックルで前進を阻止し、パントで攻撃権が移動します。

QB#2政本選手の後半2シリーズ目は、RB#28伊丹選手のランでダウンを更新すると、WR#84近江選手へのパスで更にダウン更新。RB#21平松選手のランで2ヤード進んだ後の2ndダウン、QB#2政本選手からカウンタープレーでハンドオフを受けたRB#15秋元選手は、OL#55田宮選手の好リードブロックにも助けられて、タックルを受けながらもエンドゾーンに飛び込みます。しかし、ここでBIG BLUEに痛恨の反則で、ボールは敵陣26ヤードまで戻されてファーストダウンに。さらに、1stダウンではQB#2政本選手がDL#9吉田選手にQBサックを受けて5ヤード後退します。2ndダウンでRB#28伊丹選手のランで7ヤード戻しますが、3rdダウン、そして4thダウンギャンブルのパスが通らず、好守交代となってしまいます。

QB#4谷口選手のランをDL#90大島選手が2ヤードのロスタックルで止め、WR#28 Hobbs選手へのパスを5ヤードの前進で止めたところで、試合は4Qに入ります。3rdダウンでのRB#32森分選手のランをDB#24岸野選手が4ヤードで止め、4thダウンパントで攻撃権がBIG BLUEへと移動します。RB#28伊丹選手のラン、QB#2政本選手からTE#5 Auger選手へのパス、RB#21平松選手のランと、ダウン更新のプレーが続きゴール前20ヤードでファーストダウンを更新します。WR#85鈴木(隆)選手へのパス失敗の後、QBがQB#10水嶋選手に交代。しかしスナップを受けたQB#10水嶋選手がボールを溢して直ぐにWR#20渡邊選手へ渡しますがゲインは無し。さらに反則で10ヤード交代となってしまいます。しかし次の2ndダウン20ヤードからのプレーでは、QB#10水嶋選手が右コーナーに走り込むWR#84近江選手へパスを投じると、DB越しにWR#84近江選手がキャッチ。待望のTDレシーブとなります。

続く東京ガスのキックオフリターンでは、RB#32森分選手が30ヤード戻して自陣33ヤードから。1stダウンのRB#10松元選手のランは1ヤードで止めますが、次の2ndダウンでは、QB#4谷口選手がプレーアクションのワンフェイクから、フリーでダウンフィールドに抜け出ていたWR#6中井選手パスがヒット。そのまま独走状態になりますが、足が躓き転倒。ゴール前5ヤードでファーストダウンとなります。東京ガスは、RB#30星野選手、RB#32森分選手と中央突破を狙いますが、DL#90大島選手、DL#99島野選手と1ヤードずつ押し返します。しかし3rdダウンゴール前7ヤードから、QB#16徳島選手がオプションフェイクから得意のQBキープで右オープンに走り出ると、タックルを受けながらも勢いでエンドゾーンへ倒れ込みTDを奪われます。

QB#10水嶋選手の4thダウンギャンブルのキープが失敗し、次の東京ガスの攻撃もパントで交替し、続くBIG BLUEの攻撃。RB#4鈴木(恵)選手のランでダウンを更新すると、RB#28伊丹選手がフィールドを左右にカットバックし一気に33ヤード進みます。TE#88三浦選手のパスの後、QB#10水嶋選手のキープでダウン更新、さらにRB#15秋元選手へのパス成功とオフェンスにリズムが生まれてきます。残り2ヤードの攻防は、RB#4鈴木(恵)選手が飛び込みボールを差し出しますが、僅かに足らずギャンブル失敗。攻撃権が東京ガスへ移ると、残り時間を流して試合終了となります。
 

次節はやり切る覚悟で

昨年の対戦では、競り合いの中であと一歩足らず僅差での敗退となりましたが、今回は完全に相手のリズムの中で試合が進み、BIG BLUEらしさを殆ど出す事が出来ずに試合が終わった印象です。オフェンスでは東京ガスが圧倒した印象が残りますが、スタッツを見る限りでは、ラッシングヤードではBIG BLUEが勝り、パスでもほぼ互角の結果です。東京ガス最初の2TDは、ディフェンスのターンオーバーから好機を掴んでのTDで、まずはこれでBIG BLUEオフェンス、ディフェンスともにゲームプランが狂わされた気がします。残り3TDも、単純なプレーからのビッグゲインが得点へと繋がっており、決して点差ほどの力の差があったとは思えません。試合を見て感じたのは、多分事前準備や選手の能力では互角なのだろうけど、準備してきた物をどれだけ試合の中やプレーの中で「完遂(Execution)」出来るかという部分で、東京ガス側にかなりの分があったように感じます。また、東京ガス側の雰囲気として、試合が進むにつれて自分達の勢いがさらにチームとしてのまとまりを高めていたことも感じられました。そう言う小さな差の積み重ねが、最後にはこれだけの点差になったと言えるのだと思います。

試合後に感じる事は多々あると思いますが、まずは個々の選手が本来やるべき仕事をどれだけ完遂出来たか、もう一度見直してみることが次に繋がる第一歩になるように思います。その上で、もし問題があればそこに何か対策を適用するというよりは、もっと簡潔なシンプルな方法がないか考え、それによって実際のプレーでの完遂度を上げることが重要では無いでしょうか。この試合を見ていて感じたのは、出来るはずのことが出来ない、上手く行かない、じれったさのようなもので、それが結果的にプレーの精度を落としていったように感じます。次の試合まで時間は短いのですが、目指す事はより明確になったわけですから、しっかり準備をして実践して欲しいと思います。

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