あるOBの呟き- 2025第三節: vs オービックシーガルズ戦
2025/10/04
春の交流戦で惜敗したオール三菱ライオンズ(以下、オール三菱)に大差で完勝し、今季初勝利を納めたBIG BLUE。喜ぶ間もなく次の対戦相手は、やはり春のパールボウルトーナメントで完敗した、オービックシーガルズ(以下、オービック)です。リーグ戦でのオービックとの対戦は、これまで10回対戦し2勝8敗と大きく負け越しています。初勝利となった2017年の東京ドームでの開幕戦は、3Q中盤のパスインターセプトリターンTDで逆転すると、さらに2TDを追加して38-21と3ポゼッション差のリードを4Q終盤で付けます。その後2TDを返されますが、このリードを守り切り初勝利を勝ち取ります。2勝目は昨シーズンの劇的なサヨナラ勝ち。オフエンス、ディフェンス、ともにミスもありましたが、最後まで諦めない気持ちがK#11福岡(勇)選手のサヨナラFGへと繋がりました。
例年有望選手の加入が続くオービックですが、新加入のQB#3 Holley選手はチーム合流から短い時間でパッシングオフェンスに馴染み、ここまでの2試合でもメインターゲットであるWR#18渡邊選手、TE#85 Huff選手、WR#11成田選手ら豊富なパスターゲットとのタイミングも万全で、パッシング部門でもリーグトップを争っています。それ以上に好調なのはディフェンスで、この2試合でのディフェンスの失点は無く、唯一の失点はパスインターセプトリターンTDのみという鉄壁さです。重厚なDL陣に加えて、機動力のあるLB陣は効果的なランストップ能力があり、前節で勢いを取り戻してきたBIG BLUEのRB陣が如何にこの厚い壁を切り崩すかが課題になるでしょう。コイントスで後半の選択権を得たオービックは、K#12山﨑選手のキックオフで試合が始まります。
続かぬリズム

タッチパックで自陣25ヤードからのBIG BLUE 2回目の攻撃は、2ndダウンでWR#18井上選手への10ヤードパスが通り、ダウンを更新します。しかし、RB#28伊丹選手(※この試合は#19で出場)のランが3ヤードのマイナスゲインとなり、さらに交代違反で5ヤード罰退します。3rdダウン18ヤードからの攻撃は、QB#2政本選手が右に移動しながらのTE#5 Auger選手へのパス。これをキャッチしたTE#5 Auger選手は、ランアフターキャッチ(RAC)で更に前進しますが、残念ながらダウン更新には届かず、この攻撃もP#87東選手のパントで交替となります。
パントリターンを許さず、オービックの自陣23ヤードからの攻撃は、QB#3 Holley選手からWR#82成田選手へのパスが続けて通りますが、DB#25土窪選手がタックルで防戦。RB#32西村選手のダイブでダウンを更新すると敵陣に入ります。フィールド中央からのオービックの攻撃は、RB#0荒竹選手がまずランで4ヤード進めると、つぎはパスレシーブで5ヤード前進。そして自らのランで4ヤードボールを進めて、一人でダウン更新を見せます。敵陣37ヤードからのオービックの攻撃は、右へスプリントアウトしたQB#3 Holley選手からWR#81佐久間選手へ19ヤードのスクリーンパスが成功。たまらずBIG BLUEは1回目のタイムアウト(TO)をとり、流れを一旦止めます。しかし次のプレーでは、右サイドへのWR#18渡邊選手へ18ヤードのTDパスが成功。0-14と点差が広がります。何とか攻撃のリズムを掴みたいBIG BLUEオフェンスですが、RB#21平松選手のラン、TE#5 Auger選手へのパスと前進が続きますが、3rdダウンで1ヤード残ります。ダウン更新を狙ったRB#15秋元選手へのパスは、しかしカットされて失敗。このシリーズもパントで攻守交代となります。逆にオービックのQB#3 Holley選手のパスは好調で、RB#29島田選手、WR#82成田選手と続けパスが成功して敵陣に入ると、WR#81佐久間選手のリバースで一気に23ヤード前進。さらに、RB#29島田選手へのパスのあと、TE#85 Huff選手のパスをDB#32村岸選手がゴール前8ヤードで止めたところで、試合は2Qに入ります。その最初のプレー、エンドゾーンに走り込んできたTE#85 Huff選手へのTDパスが成功し、さらに点差が0-21と広がります。
2Q最初のBIG BLUEの攻撃は、QB#2政本選手からWR#18井上選手へ続けパスが通ると、RB#28伊丹選手がダイブでダウンを更新します。さら、ラッシュを受けながらもQB#2政本選手からWWR#14遠藤選手へのパスが成功した後、RB#15秋元選手が中央をランで突破してダウンを更新。オフェンスにリズムが生まれてきます。続くプレーではR#14遠藤選手へのパスが通り、この試合初めて敵陣へボールを進めますが、次のTE#5 Auger選手へのスクリーンパスは相手に読まれて1ヤードの後退。RB#28伊丹選手が6ヤードボールを進めますが、続く3rd/4thダウンのパスが失敗し攻撃権が移動します。自陣44ヤードからのオービックの攻撃は、QB#3 Holley選手のパスが好調で一気にゴールライン前までボールを進めると、LB#45酒井選手、LB#47池田選手と好タックルを見せるものの、3rdダウン2ヤードから3本目のTDパスがWR#18渡邊選手へと通り、さらに点差が広がります。何とか1本返したいBIG BLUEは、TE#5 Auger選手へのパスからRACで敵陣43ヤードまで前進。しかしここからのランプレーは止められ、4thダウンギャンブルのパスも失敗しオービックへ攻撃権が移動します。残り時間も少ないなか、WR#18渡邊選手へのロングパスでゴール前29ヤードでファーストダウンを獲得します。しかし、DL#91松本選手がQBサックで9ヤード戻したところで前半終了となります。
ビッグプレーは出るものの

後半からはQB#10水嶋選手が登場すると、まずは得意のQBキープで12ヤードボールを進めます。WR#83天田選手へのパスで5ヤード進みますが、3rdダウンのパスは失敗して、残念ながらこのシリーズもP#87東選手のパントで攻撃権が移動します。自陣23ヤードからのオービックの攻撃は、ハンドオフを受けたRB#32西村選手がOLのブロックの隙間を抜けで左オープンに走り出します。そのまま独走かと思われましたが、直ぐさまDB#24岸野選手、DB#25土窪選手が追走。特にDB#25土窪選手は、重心に乗った軽快なフォームで加速して間合いを詰めると、右手で相手の保持するボールをパンチング。これが見事に決まりボールが弾き出されてフィールドを点点とするところに、DB#1中谷選手がスライディングで確保し、ビッグプレーでターンオーバーを奪います。
自陣6ヤードからの厳しい攻撃は、QB#2政本選手が登場。パス失敗の後、RB#28伊丹選手がダイブで飛び込みますがボールをファンブル。殺到する中、WR#85鈴木(隆)選手がリカバーして何とか難を逃れますが、ボール位置は変わらず自陣6ヤードのまま。3rdダウンではパスでダウン更新目指しますが、残念ながら失敗となりP#87東選手のパントで攻撃権が移動します。続くオービックの攻撃では、QB#3 Holley選手のパスが止まらず、ゴール前10ヤードでファーストダウンを更新します。エンドゾーン狙うパスをDB#32村岸選手がカットすると、次のRB#34廣長選手のオープンランは、LB#22中山選手が手を掛けてスピードを殺したところに、DB#1中谷選手がタックルで1ヤードで止めます。3rdダウンではDL#92 Schaffer選手がプレッシャーで失敗に追い込むと、最後はK#12山崎選手の27ヤードフィールドゴール(FG)に止めます。自陣25ヤードからの最初のプレーであるWR#16齋藤選手のスイープは4ヤードのロス。次のプレーでは、QBにQB#10水嶋選手が入りますが、左サイドのレシーバー位置にQB#2政本選手もセット。スナップを受けたQB#10水嶋選手は、そのQB#2政本選手へバックパスでボールを渡すと、QB#2政本選手は右オープンに走り出ていたQB#10水嶋選手へフォワードパスを通します。RACもあり、これで一気に16ヤード前進します。しかし次のシリーズでは、QB#10水嶋選手がQBサックを受けて11ヤード後退。さらにRB#28伊丹選手へのスクリーンもすかさずタックルされてさらに4ヤード後退。P#87東選手のパントが外に出たところで、試合は4Qに入ります。
WR#18渡邊選手のジェットモーションで9ヤード前進した後の2ndダウン1ヤードのプレー。ラッシュを受けて左オープンにスプリントアウトしながらターゲットを探すQB#3 Holley選手は、エンドゾーンでフリーになっているWR#18渡邊選手へパス。これが42ヤードのTDパスとなり、WR#18渡邊選手も4本目のTDレシーブとなります。続くBIG BLUEの攻撃はRB#21平松選手が28ヤードのビッグランを見せますが、4thダウンギャンブルが失敗し攻守交代。オービックはRB#0荒竹選手のランでゴール前2ヤードまで進むと、RB#29島田選手が飛び込みさらにTDを奪います。その直後のキックオフでは、K#12山崎選手のキックオフボールを丁度ゴールライン上でリターナーのRB#21平松選手がキャッチ。左サイドに走り出しリードブロッカーの壁を抜けると、今度は右サイドにカットバックして加速。K#12山崎選手のタックルをかわすと、後は独走状態となり100ヤードを走りきり、100ヤードキックオフリターンTDを奪います。続くキックオフではオンサイドキックで攻撃権を狙いますが、逆にWR#18渡邊選手に28ヤードもどされ、これがK#12山崎選手の32ヤードFGに繋がります。更にRB#29島田選手のTDランで追加点を許し、残り2分を切ったところから最後のオフェンスに。TE#5 Auger選手へのパスでボールを進め、敵陣35ヤードで4thダウンとなると、K#11福岡(勇)選手が53ヤードのFGトライ。残念ながらこのキックは距離が足らず失敗となり、最後はオービックがニーダウンで時計を進めて試合終了となりました。
「E1M」を積み重ねる
オフェンス、ディフェンス共に、残念ながら本来の力を出し切れたとは言えず反省点の多い試合になりました。春の対戦から様々な努力はしてきたものの、相手もそれ以上に成長しており、相対的な力の差は縮められなかったと言えます。オフェンスでは、オービックのDL/LBの壁が厚く特にランプレーではランナーが通る走路(ホール)が開かず攻撃の選択肢が大きく狭められました。特に、カウンターのような遅いプレーでは、LBが確実にキャリアーを見極める余裕があるように感じられ、前節で活躍したRB陣が封じられた印象でした。ディフェンスでは、DL/LB陣が相手QBに迫るものの、紙一重のところで間合いを見極められているようなタイミングでロングパスを許し、これがそのままTDに繋がるケースが見られました。力でそのまま押し切るのか、テクニックで素早くQBに迫るのか、次の試合までに何らかの工夫が必要と感じます。
一方で、オフェンスではTE#5 Auger選手への速いパスはタイミングがあってきており、キープレーとして期待出来ると感じます。BIG BLUEオフェンスのイメージとしては、自分達のリズムでテンポ良くプレーを繰り出して、相手に反撃の糸口を与え無いことだと思います。この試合でも、そういう場面が散見されましたが、折角掴みかけたリズムを壊さずに最後まで完遂する能力に関してはまだ力不足を感じます。次節までに自分達の核となるプレーをどれだけ確立できるかが、大きな課題でしょう。ディフェンスは、3QにDB#25土窪選手が見せた、最後まで諦めずにしっかりとやるべきことをやる、という気概が全てだと思います。BIG BLUEディフェンスの選手の能力は、決してオービックのディフェンス選手に引けを取らないと思いますが、いざプレーが始まると個々に相手に対応しようとして「穴」が生まれ、そこを相手オフェンスに突かれて失点しているような印象でした。それに対してオービックディフェンスは、DL/LBの厚い二重の壁が崩れること無く前進して止められているように感じます。そんな中で、この試合RB#21平松選手が100ヤードのキックオフリターンTDを見せたように、今シーズンのキッキングゲームはここ最近のシーズンの中では一番の成長が感じられます。この良い雰囲気をチーム全体に伝染させて、次の試合の勝利に結びつけて欲しいと思います。
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