第三節: オービック シーガルズ戦の見所

2012/09/26

第二節での富士ゼロックスとの対戦を、52-3と完勝し、今シーズンの勝敗を1勝1敗の五分に戻したBigBlue。第三節の対戦チームは、2010年、2011年、それぞれのシーズンで無敗の日本チャンピオンとなった強豪・オービック シーガルズとの対戦です。オービックとはリーグ戦で3回(14-21@2003、17-35@2008、10-46@2011)、セカンドステージで2回(14-44@2009、27-55@2010)対戦していますが、完敗している相手。特に問題なのは、最近の対戦になるほど点差が開きその力の差が広がっていることです。
 
オービックは、2010年春のパールボウル決勝で富士通に13-15で敗れたのを最後に、その年のファーストステージ、セカンドステージ、ファイナルステージ、Japan X Bowl、RICE BOWLと負け無しのシーズンで終了。2011年は元々第四回ワールドカップ参加のため春のシーズンは交流戦が予定されていましたが、震災の影響も有り2試合を完勝すると、再び秋のシーズンではファーストステージから年始のRICE BOWLまで、一度も土を付けられる事無く2年連続してパーフェクトシーズンを完了しました。今シーズンも、富士ゼロックス、東京ガスに完封勝ちをしすでに2勝を上げ、この試合に臨んできます。
 
ディフェンスの見所
この試合の見所は、なんと言ってもBigBlueディフェンスがどれだけ相手の攻勢を押しとどめて失点を少なくするかに尽きます。ここまでの試合、ファーストステージの3試合での総失点は108点、一試合平均36失点を記録しています。セカンドステージの2試合も含めると、207失点で一試合平均41.4失点とさらに悪化します。これを、まずは30失点以下に押さえるのがBigBlueディフェンスの目標。勿論、富士通戦の24失点、あるいは10点台まで相手の得点を押さえることが出来れば、さらに勝率はアップします。
 
前節の試合、東京ガス戦のスタッツを見てみると、オービックの6TDの内訳が、二つのラッシングTD、二つのパスTD、そして二つのパントリターンTDです。まずは2回のTDパスは、一つ目がファーストダウンでの46ヤードTDパス、二つ目がセカンドダウンからの36ヤードのTDパスと、何れもシリーズの早い時期にロングパスが決まり得点しています。従って、DLがQBにプレッシャーを掛け早くボールを投げさせ、DBはキャッチは許してもそれ以上は前進させない確実なタックルプレーが重要です。DLでは若手の#96林選手、ルーキー#93奥野選手のスピード、中堅の#92諸星選手、#98瀧川選手の突進力がどれだけオービックOLに通じるか重要な点です。さらに、DB陣では、ルーキーながらも経験豊富で活躍を見せている#23Miller選手や#25面條選手のビッグプレーが注目です。
 
前節の試合では、オービックのパッシングレコードは16回中8回の成功と決して成功率は高くありません。しかし、QB龍村選手は6回投げて1回成功したパスが36ヤードのTDパスに繋がっていますし、スターターが予想されるQB菅原選手は10回中7回成功と安定感を見せています。どのボールポジションからのどの選手のどのプレーであっても、一回のプレーでTDを奪う力を持っているチームだけに、確実にボールを確保して攻撃権を取り戻すまでは息を抜かずに、そのシリーズを完了させるスピリッツを最後まで忘れずにプレーする事が鍵です。
 
もう一つオービックオフェンスは、運動能力に優れた選手を生かして、意表を突いたプレーをぶつけてくることです。これに対応するのが、LB陣の仕事ですが、今シーズンはキャプテンの#7岸本選手を筆頭に、どの選手も積極的なプレーで相手のオフェンスに対応しています。これまで通りのプレーをこの試合でも見せてくれれば、30失点以下の目標達成も確実です。さらにこれまでの二試合のように、相手のランプレーに対応出来れば、20点失点以下の目標達成も可能でしょう。マークすべきは#20古谷選手と#32原選手。そして機動力も高いQB#6菅原選手との対戦が見所です。
 
オフェンスの見所
シーズン前から注目されていたQB#3 Craft選手。そうで無くてもスカウティング力が高いオービックであれば、ここまでの2試合である程度の傾向は掴んでいるはずです。しかし、情報戦では日本の数段上を行くUSカレッジで揉まれてきた経験を持つだけに、彼自身によるオービックディフェンスの解析も済ませているでしょう。この日米の頭脳戦が、もう一つのこの試合での見所です。富士通戦での成功率83%は厳しいとしても、70%台の成功率を達成できれば、かなりの得点が期待出来ます。今シーズンのホットラインWR#40 Stanton選手やWR#18高木選手は勿論、ルーキーながらも活躍が目立つWR#83松尾選手が、オービックDBとのマッチアップに競り勝つ活躍を見せれば、これまでの最大得点27点(2010年セカンドステージ)を超える、30点台に届く可能性もあります。
 
オービックディフェンスとしては、いかに#3 Craft選手にパスを投げさせず、パス失敗、あるいはスクランブルに追い込みプレーを浪費させるかが最大のテーマ。ここで注意が必要なのが、オービック副将のDL#11 Jackson選手と、今シーズン加入したDL#23 Beatty選手の「壁」。昨年の試合では、QB#15岡村選手のパスが、#11 Jackson選手に止められるシーンが何度もありましたが、この壁を越えてあるいは避けてどれだけ#3 Craft選手がターゲットにパスを通せるかが見物です。特に同じPAC-12の南地区で競い合う、UCLA出身のBigBlue QB#3 Craft vs Colorado Univ.出身のオービックDL#23 Beattyの対戦には注目です。
 
また、特に注意が必要なのが、4thダウンパントでのキッキングゲームです。オービックは前節の6TDのうち2TDをパントリターンTDで獲得しています。さらに、さらに、パントキックを効果的に戻して好位置からのオフェンスポジションを獲得することで、少ないプレー数・獲得距離でも効率的に得点をしています。逆に言えば、必ずしもオフェンス力で相手を上回っていると言えないBigBlueにとっては、いかにキッキングゲームを有利にコントロールするかが、大きく勝敗に影響するわけです。キッキングゲームの成功・不成功が、そのまま試合に勝敗に直結すると言っても良いでしょう。厳しいラッシュや激しいタックルが予想されますが、まずはボールを確実にキック・確保してボールコントロールをする事が最優先事項。富士通戦でのキャッチミスから相手に再び攻撃権を渡してTDを許したようなプレーは、この試合では許されません。相手がパワーとスピードで攻めてくるのであれば、こちらはプレーの精確さと確実さで着実にボールを進める強い意志が、この試合の勝機と言って良いでしょう。
 
試合の見所
上位リーグに進出するためには、どこか上位チームを破って勝星を挙げなければいけません。その為にも、このオービック戦は負けられない試合であることは間違いありません。これまで二年間負け無しのオービックに初めて土を付けるチームになるのか。非常に厳しい課題だと思いますが、それだけの事を達成する気配はこれまでの二試合で十分感じることが出来ました。後は、それを"Execution"実行するのみです。
 
これまでの対戦では、序盤では互角あるいは相手をリードする事があっても、一旦逆転されてしまうと一気に試合のモメンタムだけで無くチームの気力まで相手に持って行かれてしまう雰囲気がありました。厳しい試合になることは分かっているわけですが、これまで以上に爆発力のあるオフェンスが今シーズンのBigBlueにはあります。ある程度の点差ならキャッチアップ可能な力が、今シーズンのBigBlueにはあります。その強い気持ちこそが、この大きな相手に勝つ一番の原動力になるはずです。Go BigBlue!

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