2ndステージ: パナソニック インパルス戦の見所

2012/10/30

今週末から始まる2ndステージの試合。BigBlueは2年振りに上位シリーズに戻り、パナソニック インパルスとの試合に臨みます。パナソニックとは、現在の3ステージ制が始まった2009年に初めて対戦。この時もパナソニック(当時はパナソニック電工インパルス)が川崎球場に遠征し対戦しましたが、7-49で完敗。翌年2010年には、2ndステージでの対戦は無かったものの、ヘッドコーチ就任初年度の山田HCが抽選でワイルドカードを引き当て、チーム初めてFinalステージに進出し、ここで再びパナソニックと対戦。今度はBigBlueが大阪長居陸上競技場へ遠征しての対戦となりました。この試合、3Q序盤までは3-21と大きくリードを許す厳しい試合となりましたが、3Qに#15岡村選手から#1岸選手へのTDパスを皮切りに点差を詰め、4Q中盤にとうとう28-28の同点に追いつきますが、試合巧者のパナソニックは終了1秒前にFGを成功させ、惜しくも28-31で敗れた試合でした。
 
パナソニックが所属する西地区は、今シーズン混戦のリーグ戦でした。これまでは、パナソニックとアサヒ飲料チャレンジャーズの2チームが最終節で全勝対決をして雌雄を決するシーズンがほとんどでした。しかし、今シーズンは、第三節にアサヒ飲料がアズワンブラックイーグルスに0-6で敗れると、最終戦ではアサヒ飲料が粘りの試合展開を見せ、4年振りにパナソニックを破り、結果この3チームが4勝1敗で並ぶ事になります。得失点差から地区順位はパナソニック、アサヒ飲料、アズワンとなりますが、この「4勝1敗」で2ndステージに入る事が、BigBlueに自力グループ優勝、自力Finalステージ進出の可能性を復活させました。今回のパナソニック戦、そして続くノジマ相模原ライズ戦にBigBlueが勝てば、残り1試合の結果にかかわらず1位が確定し、2年振りのFinalステージ進出が決まります。自らの力で結果を勝ち取れるこの状況で試合が出来る事は、チームのモチベーションアップとして非常に大きな効果が生まれると言えるでしょう。
 
ディフェンスの見所
パナソニックの今シーズンの成績は、得点193点、失点35点、得失点差68点という結果です。BigBlueの得点187点、失点106点、得失点差36点と比較すると、BigBlueディフェンスに不安が感じられます。しかし、パナソニックの1stステージの結果を見てみると、第三節の西宮ブルーインズ戦で80-0という試合をしており、他チームの対西宮戦と比較して突出しています。ですから、この部分はある程度割り引いて考える必要があるでしょう。そうなると、200点以上を得点している、同地区のオービックシーガルズや富士通フロンティアーズと比較して、BigBlueディフェンスとしても勝機があると言えます。
 
パナソニックオフェンスは、点差の開いた西宮戦、サイクロンズ戦ではパスとランが半々の内容ですが、それ以外の試合ではランプレー中心のオフェンスを展開しています。そのプレーも、突出したエースランナーが一気にヤードを獲得すると言うよりは、複数の選手が確実にショートヤードを獲得して、ダウンを更新していくように感じられます。理想を言えば、富士通戦で見せたランディフェンスがここでも再現されれば、かなり相手の得点力を押さえることが出来ます。ただし、ここまでの5試合の内容を相手も研究してきているでしょうから、BigBlueとしてもそれを十分に考慮しての対策が必要です。
 
鍵となるのは、キャプテンのLB#7岸本選手を中心としたLB陣で、彼らの活躍がこの試合の勝敗を決めると言っても過言では無いでしょう。重要な事は、ファーストコンタクトで確実にタックルをして相手を止めること。これまでの試合では、スクリメージラインを割って相手にコンタクトしているのに、そこでタックル出来ずにズルズルとタックルミスで相手の前進を許してしまう場面がありました。これからの試合は、そう言うプレー一つで試合の流れが大きく変わります。中心となるランプレーが止められれば、当然パスで得点を狙わなくてはならず、これは今回の場合BigBlueにとってチャンスと言えます。
 
試合会場となるアミノバイタルフィールドは、隣に調布飛行場があるためか高い構造物が周りに無く、フィールドに入ると非常に開放的な印象を受ける試合会場です。その為、QBがパスを投げるときには距離感が掴みにくいとも言われています。勿論、条件はBigBlueにとっても同じですが、学生時代や過去の経験を含めてBigBlue側に地の利があると言えます。DB陣の中でも、これまでの試合でインターセプトやターンオーバーをしている、DB#22中山選手、#23ミラー選手、#25面條選手達のビッグプレーを是非期待したいところです。雪駄試合でのパナソニックオフェンスのパス成功率は、だいたい50%台を記録しています。一試合で15~20回のパスプレーで8回から12回位の成功率になりますから、DB陣が踏ん張り一つのインターセプト、さらにパスカットを追加できれば、勝機は大きくBigBlueに傾くことになります。
 
オフェンスの見所
試合の勝利数には結びつかないものの、大物ルーキーQB#3クラフト選手の力は大きく、オフェンス力としては上位チームと比べても遜色ないと言えるでしょう。気になる、アミノバイタルフィールドの環境ですが、実は米国の高校のフィールドと似た雰囲気があり、同じ初めての会場とはいえ、クラフト選手にとっては逆に懐かしい雰囲気の中での試合になるかもしれません。また、クラフト選手のパスは、ショート・ミドルのパスが多く、余り周りの雰囲気や背景に惑わされることが少ないとも言えます。ここまで5試合を経験して、やっとレシーバー陣との呼吸も合いだし、またクラフト選手が英語でコールするオーディブルへの対応もオフェンスチームとして慣れてきた印象を受けます。この2ndステージから、いよいよビッグオフェンスの本領が発揮されるでしょう。
 
パナソニックとしては、まずは徹底的にQBにプレッシャーを与えるために、DL/LBによる厳しい突進が予想されます。ここまでの試合でも、相手選手の進入を許してQBがカップから追い出されたり、サックを受ける場面が何度かありましたが、BigBlue OL陣としてこの試合では意地を見せて欲しいところです。今シーズン、クラフト選手は1,628ヤードを投げてXリーグの記録を大きく更新しましたが、その陰にはOL陣とRBのパスプロテクションがちゃんと仕事をしたと言うことがあります。1stステージ5試合平均で74%の成功率を上回るパス成功がこの試合で達成されれば、BigBlueとして大きく前進する第一歩になるでしょう。注意点は、相手ディフェンスによるインターセプト。クラフト選手は、これまで4回の被インターセプトを記録していますが、富士通戦で2回、オービック戦で2回と、やはり力のあるチームのディフェンスには注意が必要です。パス中心のオフェンスと分かっているだけに、パナソニックDB陣も手ぐすねを引いてインターセプトを狙っているはずです。残り時間の間に、どれだけQBとWRの意思疎通が密に出来るか、試合前からの戦いも重要です。
 
一方で、この2ndステージから試合時間が1Q=15分と、これまでよりも3分、全体として12分長くなります。1stステージと比較すると、1Q(=12分)まるまる増える事になります。そこで重要な事が、タイムコントロールです。時間を以下に効果的に消費するかも、これからの試合では重要な戦術になります。その為には、ランプレーを効果的に利用しなくてはなりません。今シーズンのBigBlueは、ルーキーのRB#10末吉選手という大きな戦力を得て、試合でも活躍をしてくれています。しかし、彼一人の活躍で試合のモメンタムを掴めるほど、これからの試合は甘くありません。これまでの試合でも活躍しているRB#24中野選手は勿論、走れるQBとして前節の試合でも活躍したQB#14多川選手の投入も面白いかもしれません。QBキープと分かっていても止められない多川選手の走りは、時間消費という目的だけでなく、相手のディフェンスリズムを狂わせる重要な要素になります。尻上がりにオフェンス力が向上しているだけに、この試合でもその流れを止めずに、相手を圧倒するオフェンスを期待したいところです。
 
試合の見所
最初に、この2ndステージ2勝すれば自力で1位通過決定と書きましたが、逆に言えばこの試合を落としてしまうと、残り試合がそのまま今シーズンの最終戦になってしまいます。2ndステージは、3チームによるリーグ戦形式の対戦ではありますが、BigBlueにとっては勝って次に進むか、負けて終わるかの、トーナメント戦のつもりで、この2試合に臨まなければなりません。少なくとも、他地区の1位チームが5勝0敗で1stステージを追えた中、パナソニックが不本意ながらも4勝1敗で終了してBigBlueに有利な条件で2ndステージに臨めることは、試合会場が関西のチームには不慣れなアミノバイタルフィールドであることも含めて、BigBlueにアドバンテージがあると感じます。それらを可能な限り活用して、なりふり構わず「勝利」に向かってチーム一丸となれれば、この強豪相手の試合にも十分に勝機はあると言えます。2年前のパナソニック戦の時からは、メンバーも大きく入れ替わっていますが、3-21の劣勢から28-28までの同点に後半追いついた実力は今もあるはず。その底力を、この試合で是非見せて欲しいと思います。
 
また、試合巧者なパナソニックだけに、まずは試合開始のキックオフ・リターンから仕掛けてくることも考えられます。オービック戦のように、たった1つのプレーで脆くも崩れることの無いように、15分×4Qという時間をフルに活用して、最後に相手を1点でもいいからリードして終わるという、その一点に集中して試合を進めていくことが重要です。強いチームは、帰路に現れる獲得ヤードは別に、キックオフ、パント、キック・バントリターンという「隠れヤード」を必ず大きく獲得しています。ここまでのBigBlueは、残念ながらその「隠れヤード」を十分獲得していたとは言えません。この試合では、そういった表には見えないプレーでも相手を圧倒し、さらには選手だけで無くコーチやスタッフも含めたベンチワークでも相手に優る、"One Team"としての戦いが要求されます。Go BigBlue!

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