2ndステージ: パナソニックインパルス戦の見所
2013/10/26
2ndステージ最初の対戦相手は、昨年も2ndステージで対戦した西地区1位のパナソニックインパルス。2009年(7-49)、2012年(17-34)と2ndステージでは3回目の対戦となりますが、2010年にはファイナルステージでも対戦し、この時は後一歩まで追い詰めたものの28-31で破れています。
昨シーズンは1stステージ最終戦でアサヒ飲料に破れたものの地区1位で通過。今シーズンはその雪辱なのか、1stステージは総得点280点、喪失点14点という、圧倒的な攻撃力と守備力で相手チームを撃破してきました。Xリーグでは数少ない企業チームながら、60名を超える豊富な選手層に加えて、多くのオールジャパン選手も所属しており、日本のトップチームの一つ。しかし、なんとしてでも昨年の雪辱を果たして、BigBlueのファイナルステージ進出のための1勝を勝ち取りたい試合です。
オフェンスの見所
昨シーズンの試合では、この年にデビューしたQB#3クラフト選手の右腕に大きな期待が掛かったのですが、パナソニックDLの厳しいプレッシャーに肝心のパスオフェンスが安定せず、期待されたオフェンス力を発揮することが出来ませんでした。理由は幾つかあるとは思いますが、一つはクラフト選手のプレーコールにまだオフェンスチームが習熟しておらず、大きな試合で十分に実力を発揮することが出来なかったと言うこと。もう一つは、やはり他チームもBigBlueのオフェンスを研究し、QBにプレッシャーをかける戦術を徹底してきたことと言えます。
前者に関して言えば、勝敗こそ3勝2敗ですが、上位のオービック、ノジマ相模原と互角のオフェンス戦を見せてきた今シーズンのBigBlueオフェンスは十分にパナソニックディフェンスに対抗出来るレベルにあると言えるでしょう。今シーズン、文字通りチームの司令塔として、プレーコールだけで無くオフェンスコーディネーターとしても活躍しているクラフト選手としては、十分に昨年の試合も解析してこの試合での雪辱を狙っていることは間違いありません。
また後者に関して期待されるのが、今シーズンOLコーチとして厳しくBigBlue OL陣を鍛えている昌原コーチ。アサヒ飲料でコーチとして長年インパルスと対決してきた経験があり、その知識と経験はこの短い準備期間の間にも厳しくそして確実にBigBlue OL陣に注入されていることでしょう。またOL陣の中には、今シーズン移籍してきたOL#58江口選手、#79島崎選手という、関西での経験豊富な選手が加わり、彼らの知識と経験も、このパナソニック戦では貴重な武器になるはずです。
選手のプレーとしては、まずはRB#10末吉選手のランプレーで昨年以上の活躍を期待したいところです。昨年の試合では、22回/100ヤード/1TDの記録を残しましたが、今シーズンの1stステージの試合ではよりパワフルな走りを見せており、この末吉選手のランプレーでリズムを掴み得点に繋げていきたいところです。レシーバー陣では、ショート・ミドルではやはり信頼できるTE#40スタントン選手、ロングではベテランWR#17小川選手、そして今シーズン期待のルーキーWR#81栗原選手の活躍が、試合の趨勢を大きく左右することは間違いありません。特に栗原選手は昨年までパナソニックで活躍していた選手だけに、一層期待が高くなります。前節ライオンズ戦でも2TDを上げる活躍を見せてくれましたが、春のパールボウルでもあったように、リターナーとしても非凡な能力があるため、キッキングゲームでの活躍にも期待が高くなります。
敗れたとは言え、強力なディフェンスを持つノジマ相模原、オービックと互換の勝負を見せたBigBlueオフェンス陣としては、その悔しさをバネにこの試合でこれまでの鬱憤を晴らすプレーを見せて欲しいと思います。
ディフェンスの見所
この試合に関して言えば、BigBlueディフェンス陣最大の武器は、今シーズンディフェンスアドバイザーとしてBigBlueディフェンスを鍛えている上田コーチの存在です。長くアサヒ飲料でコーチを努められ、今シーズンからは晶原コーチとともにその活動の場を関東に移し、BigBlueの選手を鍛えてきました。就任一年目ということで、ディフェンス陣としても100%そのシステムを理解して実行出来るとは言えないまでも、シーズンが進み試合を経験する毎に効果が現れていると言って良いでしょう。
BigBlue今シーズンの総失点数は73点でSuper-9中8番目の記録です。これだけをみると決して誉められた事では無いのですが、昨年の106失点からは大きく向上していることと、73失点のうち66点がオービック、ノジマ相模原戦での失点であることを考えると、ディフェンスとしての安定度は向上していると言えます。特に今シーズンの試合では、DL/LB陣のラッシュが強力になっており、スクリメージライン周辺でのプレーが増えていることは大きな前進と言えます。まずはこの堅実なランディフェンスがどれだけこの試合で生かされるかが、まずは勝利のための第一条件と言えます。
一方でパナソニック先発が予想されるQB#8高田選手は、日本屈指のパサーでもあります。BigBlueディフェンスとしては、以下に高田選手にパスを投げさせないか、投げたパスをどうやって防ぐのか、厳しい戦いが予想されます。昨年の試合では、QBは高田選手は出場せずQB#18大原選手が試合をリードしましたが、パナソニックの硬いパスポケットを崩すことが難しく、18/22回、200ヤード、2TDを許しています。ランプレー同様、まずは堅固なパナソニックOLの壁をどう崩すのかが見所の一つです。
さらに今シーズンのBigBlue DB陣は、ルーキー選手を中心に良いプレーを見せてくれています。欲を言えば、レシーバーとのマッチアップでの結果にやや不満は感じるものの、DB#20矢部選手のインターセプトやDB#23保宗選手の好タックルなど、昨年と比べて活気を感じるDB陣だけに、この試合ではこれまで以上のビッグプレーを期待したいところです。
強いて不安な点を上げるとすると、どうしても一瞬息が抜ける瞬間が有り、その時に失点を許してしまうことが多くあったことです。前の試合のライオンズ戦での失点も、後からみると何の変哲も無いパスプレーが、そのままエンドゾーンまで運ばれてしまいました。それまでのディフェンスのプレーみていると、そのプレーの時だけ何か虚を突かれたというしかないようなプレーで有り、ああいうプレーが強豪との対戦では命取りになるのはこれまで嫌と言うほど経験しています。この2ndステージからは1Q=15分とこれまでよりも1Q分長くなるだけに、より集中していく必要があります。
試合の見所
この2ndステージから1Q=15分と正式計時で開催されるため、これまで以上の波乱も生まれる要因になります。以前なら僅差で敗れた試合も、逆転する時間が得られる反面、そこそこの点差のリードでは一気に逆転される危険性も生まれます。2010年ファイナルステージでのパナソニック戦は、まさにその様な試合展開であり、最後のFGで逆転負けとなった悔しい試合でした。その試合を経験している選手もまだ多く残っているだけに、この試合では是非あの時の雪辱を果たして欲しいところです。
どちらのチームも強力なオフェンス力を持っているだけに、ディフェンスユニットの頑張りが試合の勝敗を決するでしょう。BigBlueが勝利するためには、接戦に持ち込み僅差で逃げ切るパターンが一番考えられるだけに、相手にリードを許しても点差を広げさせない試合展開が必須となります。最後は逆転のFGで勝敗が決まるのか、あるいは劇的なTDで終わるのか。3勝2敗という厳しい条件で望む2ndステージですが、ただの3勝2敗のチームでは無い事をこの試合で証明して欲しいと思います。Go BigBlue!
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