パールボウル2017: 東京ガス クリエイターズ戦の見所

2017/05/14

パールボウルブロック予選は、ブロック一位をかけた東京ガスクリエイターズ(以下、東京ガス)との対戦。前節の試合では、BULLSフットボールクラブ(以下、BULLS)と対戦し、4Qに2TDを奪われて終盤追い上げられるものの、前半のリードが幸いし、41-21で勝利した東京ガス。同じ一勝同士の対戦は、勝利チームがブロック一位となり、ブロックAの一位チームと対戦するトーナメント準決勝に進むことになります。

東京ガスとは過去リーグ戦で6戦6勝。昨年のパールボウルブロック予選でも対戦し、この時は49-6で勝利しています。今シーズンの東京ガスは、昨シーズンまでチームを率いたカートローズヘッドコーチに代わり、やはり昨年まで関西大学カイザーズのヘッドコーチを務めていた板井征人氏がヘッドコーチに就任。その手腕が試されるシーズンスタートとなりました。初戦の東京ガスは、前半を31-7と大量リードで折り返すと、3Q途中で38-7とさらにリード。しかし4Qに入るとFGで追加点をするものの、BULLSも2TDを返し、41-21と追い上げられての試合終了となりました。現在のBigBlue同様、シーズン序盤であるためまだチームの方向性を模索している様子が伺われます。どちらのチームにとっても、そこが攻め所で有り、今後に繋がる課題と言えるでしょう。

オフェンスの見所

BULLS戦での最大の収穫は、ルーキーながらこの試合のリーディングラッシャーとなったRB#30伊藤(隆)選手でしょう。小柄な体格ながら、素早くスクリメージラインを抜けると、ダウンフィールドでもスピードを落とすこと無く確実にゲインを獲得する走りは、RB#21高木選手を彷彿させるプレーです。試合前半は、RBの#19鈴木(恵)選手がレシーバーに入ったため、その分出場機会も増えていたとは思いますが、この試合でも同様の活躍が出来れば今シーズンの戦力として大いに期待されます。

BULLS戦では、QB#2政本選手を中心にオフェンスを回したBigBlue。2年目のシーズンを迎えてプレーにも自信が感じられるようになりました。バッシングに関してはルーキー、ベテラン満遍なくパスが通り、またこの試合スクランブルが4回ありましたが、そのうち1回は22ヤードのTDランになるなど、思い切りの良さとプレーの厚みが感じられます。この試合、甲子園ボウルでのホットラインであったWR#9鈴木(隆)へのパス機会は有りませんでしたが、鈴木選手もQB#3クラフト選手からTDパスをキャッチしており、この試合では往年のホットライン復活が期待されます。

レシーバー同様ルーキーが多く出場したOLですが、復帰組のOL#57渡辺選手は別として、それ以外のルーキー選手にはまだまだ動きのぎこちなさが感じられました。サイズ的にはチーム一の巨漢OL#66伊藤選手に引けを取らないOL#75高橋選手や#58泉二選手は、この一月間での成長に期待が掛かります。上位チームとの対戦では、サイズよりも技術で勝負が決まりますから、その伸び代をどれだけこの試合で見せてくれるかが見所の一つと言えるでしょう。特にBigBlueのオフェンスは、ノーハドルでテンポ良く進む場合が多く、そのスピード感にも慣れる必要があります。学生時代とは大きく異なるであろうそのスタイルにどれだけ馴染んでこの試合に出場してくるかが、秋に向けての楽しみとも言えます。

ディフェンスの見所

BULLS戦での反省点は、やはり200ヤードを許したパスディフェンスです。パス成功率61%は高いとは言えないものの、QBにプレッシャーを掛けながらもフリーになったレシーバーにロングパスが成功し、ダウン更新を許してしまう場面が何度かありました。それ故に、オフェンスの試合時間がBigBlueは15分7秒に対して、BULLSは32分53秒と大きく偏った結果になりました。最終的に失点はFGの3点だけではありましたが、相手の攻撃を確実に絶つ決定力が不足していたことは確かです。

まずはディフェンスの基本であるDLのプレッシャーが、今回はどれだけ機能するかが重要です。今シーズンポジションリーダーを務めるDL#44福岡選手を中心に、スクリメージラインを割ってQBにプレッシャーをかける場面がどれだけ増えるかが見所の一つです。昨年のパールボウル予選での対戦では、今回も先発が予想される東京ガスQB#1中本選手に対してはプレッシャーを掛けて、ラン・パス共に押さえましたが、QBが#8徳島選手に代わると逆に何度もスクランブルを許してしまいました。BULLS戦での東京ガスのスタッツを見ると、ラン・パス、それぞれ104ヤードずつ合計208ヤードを獲得しています。ただし、特に2Qには3回のパスインターセプトから2TDを奪うなど、ボールポジションに恵まれており、またパントリターンTDも記録するなど、単に獲得ヤードだけで判断するのは危険です。DLとしてはスクリメージライン上でどれだけ勝負出来るかがこの試合の課題でしょう。

またディフェンスではルーキー選手の出場がオフェンスよりも少なかったのですが、DB#26森岡選手が学生時代を彷彿させるようなプレーを見せてくれました。また、昨シーズンは練習生として参加し、今シーズンのロースター入りを狙うDB#28熊谷選手も好プレーを見せており、2年目、3年目の若手選手のポジション争いがDB陣の中ではさらに厳しさを増しそうです。また、LB陣では、ポジションリーダーのLB#5コグラン選手を筆頭に、同期のLB#35高橋選手、そして移籍組のLB#6坂口選手と、ルーキー・若手の活躍が目立つ中で、ベテランLB#22中山選手も負けないプレーを見せており、LB/DBのセカンダリー陣がどれだけ前回よりもプレーの厚みを見せてくれるかが、ディフェンス戦の見所と言えるでしょう。

試合の見所

BULLS戦での東京ガスオフェンスは、10回の攻撃シリーズがあり、そのうち6回でFG/TDで得点をしています。その6回の得点シリーズも、5回は敵陣あるいは中央からシリーズが始まっており、残り1回も自陣41ヤードからと好ポジションから始まっています。またBULLSの攻撃シリーズを見てみると、自陣奥から始まるシリーズが多く、東京ガスはキックカバー・キックリターンどちらでも優勢に立つことで有利に試合を進めたことが伺えます。キッキングゲームに拘りを持つBigBlueとしては、先ずはそこから相手を崩していくことが、この試合最大のテーマと言えます。BULLS戦でのキックオフリターンでは、平均20ヤード(5回/98ヤード)を戻されていますが、これはもっと早くリターナーに対応して10ヤードの前半に押さえたいところです。逆に、BigBlueのパントリターンでは、平均で8ヤード余(4回/33ヤード)と、物足りなさを感じる記録になりました。昨年の対戦時でも、東京ガスのキックオフリターンは平均22ヤード(7回/151ヤード)に対して、BigBlueは平均18ヤード(3回/55ヤード)とやや劣勢でした。今回はこれを逆転することが先ずは必要です。一方でパントリターンでは、平均30ヤード(3回/89ヤード)と十分な結果を出しており、こちらはさらなる成長に期待が掛かります。

さらにルーキーや若手選手にとっては、ポジション争いの重要な試合になります。試合の結果だけで評価されるものではありませんが、試合で結果を残せなければ次に繋がる事もありません。春の試合機会は、この試合も含めて最大で3回、敗れれば2回。いずれの場合も、自らをアピール出来るチャンスは決して多くは有りません。フィールドに入っている、11名どの選手のプレーからも目が離せない試合になることは確実です。 Go BigBlue!

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