あるOBの呟き- パールボウル: vs オービックシーガルズ戦

2017/06/22

昨年に続き、今年も決勝に駒を進めたBigBlue。しかし対戦相手は昨年とは事なり、今回はOBICシーガルズ(以下、OBIC)です。昨年は古庄新ヘッドコーチ1年目ながらJapan X Bowlに進出。しかし富士通に破れ、3年振りの社会人チャンピオンには届きませんでした。その反動からか、今シーズンは春から圧倒的なパワーで予選ブロックを勝ち抜くと、準決勝でもLIXILディアーズを圧倒。すでに、シーズン終盤の優勝がかかった試合かと思われるような勢いで、ここまで勝ち抜いてきました。今シーズンのOBICは、選手の入れ替わりは限定的で有り、しかも新加入の選手は全員力のある選手ばかり。特に注目されるのが、ハワイ大から加入した、QB#12のウーズィー選手です。

ハワイ大での成績は決して目立つものでは無かったものの、OBICのスタイルにはぴったりはまったのか、デビュー戦の明治安田戦では4TDパスに自らの1TDランと大活躍。続くアサヒビール戦ではQB#6菅原選手が中心にプレーしましたが、それでも2TDラン、1TDパスと活躍。LIXILでは再び2TDラン、2TDパスと活躍し、すでにOBICオフェンスの大黒柱的存在になっています。さらに重量級RB陣には新人のRB#22李選手、#30地村選手、#41成瀬選手とさらに厚みを増し、ここまでの躍進を支える最大の理由と言って良いでしょう。またOBICディフェンスにはルーキー加入は無いものの、それは昨年の強力なメンバーがそのまま残っているわけで有り、チームワークと言う意味では昨年よりも手強くなっていることは確実。BigBlueとしても、春のパールボウルという意識では無く、リーグ戦終盤、あるいはJapan X Bowlのつもりで向かう強い気持ちが必要になる試合です。


悔やまれる失点

大歓声の中、K#11佐藤選手のキックオフで試合開始。しかしこのボールを大きく戻されて、自陣41ヤードからOBICの攻撃が始まります。最初のプレーは、そのリターンをしたWR#84西村選手へ32ヤードのパスが通り、一気にゴール前27ヤードまで攻め込まれます。しかし、ここでDE#34ブルックス選手がロスタックルをし、さらにDL#98森田選手、DB#1中谷選手の好タックルでダウン更新を阻止し、何とか37ヤードのFGでの失点に止めます。

続くBigBlueの攻撃はQB#2政本選手が登場。RB#21髙木選手へのパスでダウン更新するものの、その後のプレーでプレッシャーをうけ無理な体勢から投げたパスはOBIC DB#27田中選手がインターセプト。ゴール前15ヤードからOBICの攻撃となり、ここは1プレーでQB#12ウーズィー選手からWR#84西村選手へTDパスが成功。さらにOBICは2点コンバージョンを狙いますが、QB#12ウーズィー選手のパスをLB#35高橋選手がカットしインコンプリートとなり、得点は0-9となります。

いきなり出鼻を挫かれた格好となったBigBlue。2回目の攻撃シリーズでは、RB#19鈴木選手のランでダウンを更新すると、WR#7白根選手へのパスでさらにダウン更新。これでリズムを掴むと、WR#81栗原選手へのパスが通りゴール前7ヤードまで進めます。RB#21髙木選手が5ヤード進めるものの、パス失敗の後はスクランブルに出たQB#2政本選手がロスタックル。4thダウンゴールまで3ヤードとなりBigBlueの選択肢はギャンブル。左からエンドゾーンに走り込むWR#81栗原選手へTDパスが成功し、今シーズン初めてOBICから前半で得点を奪います。しかしTFPのK#8小田倉選手のキックはブロックされて失敗。得点は6-9となります。

TDを奪い意気上がるBigBlue側スタンド。ところが次のキックオフでは、ボールをキャッチしたWR#83水野選手がキックカバーの密集を左オープンへ抜けると一気に加速。あっと言う間に98ヤードのキックオフリターンTDを返されてしまいます。先ほどの歓声が大きなため息に変わる中、TFPのキックも成功し、得点は再び6-16と2ポゼッション差に広がります。

気を取り直してのBigBlueの攻撃。自陣17ヤードからの厳しいスタートながらも、WR#7白根選手へのパスとRB#21髙木選手のランでダウン更新をすると、RB#30北詰選手も中央を突破してダウン更新とリズムが生まれてきます。TE#40スタントン選手へのパスで敵陣に入ると、WR#9鈴木選手、TE#84小林選手と続けてパスが成功したところで、試合は2Qに入ります。モメンタムを掴みつつあるBigBlueオフェンスは、ゴール前17ヤードでファーストダウンを更新。ここからQB#2政本選手はエンドゾーン狙ってパスを投げ込みますが3回続けて失敗。4thダウンとなり、今度はK#8小田倉選手が33ヤードのFGを狙います。しかしこれをDL#11ジャクソン選手がブロック。追加点を取ることが出来ません。

ブロックしたボールをフィールド中央付近で確保したOBICは、RB#22李選手へのハンドオフにQB#12ウーズィー選手のキープでダウンを更新。しかしOBICホールディングの反則で後退したものの、今度はBigBlueがパスインターフェアの反則で前進を許し、ゴール前14ヤードでファーストダウンとなります。ここからQB#12ウーズィー選手は、パスと見せかけて自ら走り出しますが、LB#6坂口選手、DB#20矢部選手、そしてDL#98森田選手と前進を阻止。4thダウンとなりOBICもK#49星野選手が33ヤードFGを狙います。このキックをDE#34ブルックス選手がブロックして失敗。一進一退の中で試合は進みます。

この流れを追加点に繋げたいBigBlueですが、QB#2政本選手がスクランブル気味に走り出しながら投じたパスを、再びDB#27田中選手がインターセプト。あっと言う間に攻守が交代します。しかしBigBlueディフェンスは気落ちすることは無くOBICの攻撃を止め、4thダウンパントで直ぐさま攻撃権を奪い返します。

次のBigBlueの攻撃から、QB#3クラフト選手が登場。WR#18上廣選手へのパスを通すと、次のダウン更新のRB#21髙木選手のプレー中にフェイスマスクの反則が有りさらに15ヤード前進。この後RB#19鈴木選手がゴール前6ヤード迄進めてファーストダウンを更新します。しかしゴールラインを背負ったOBICのディフェンスは厚く、1st/2ndダウンのパスは失敗。そして3rdダウン。エンドゾーン左奥に入ったWR#81栗原選手へぎりぎりのパスが投げられると、栗原選手は右足をエンドゾーンに残してキャッチ。再び13-16と1ポゼッション差に追いつきます。

2Q残り1分40秒からのOBICの攻撃。ファーストダウンを更新してフィールド中央付近からのプレーは、QB#12ウーズィー選手が厳しいプレッシャーを受けて2回続けて失敗。しかし3rdダウンでは、DL#92エルビー選手のサックを受ける直前に投じたパスがWR#83水野選手に通り20ヤード更新。ゴール前31ヤードからの1stダウンプレーでは、ポスト下に走り込むWR#83水野選手とのタイミングを見計らって投じたパスが通り、TDを奪われてしまいます。結局、一時は点差を縮めたものの、19-23と再び点差を広げられて前半を終了します。
 

終盤の攻防

3QはBigBlueの攻撃から再開します。自陣26ヤードからの最初のシリーズは、RB#21髙木選手のランとTE#40スタントン選手のレシーブで、それぞれダウンを更新するものの、そこからは逆にOBICの厳しいラッシュにプレー毎に下げられて4thダウンパントで交替。続くOBICの攻撃ではQB#6菅原選手が登場。WR#18木下選手へのパスでダウン更新は許すものの、2ndダウンで投じたパスをDB#20矢部選手がインターセプト。すかさず攻撃権を奪い返します。

後半2回目のBigBlueの攻撃。RB#19鈴木選手、#21髙木選手のランに、TE#40スタントン選手へのパスとリズム良くダウンを更新。続くパスは2回失敗するものの3rdダウンでは左オープンに走り出しながら投じたパスがWR#18上廣選手に通るとランアフターキャッチで大きく28ヤードを獲得し、一気に敵陣に入ります。ここからWR#81栗原選手に19ヤードパスが通りゴール前9ヤードでファーストダウンを更新します。1stダウンでは相手がオフサイドをしてフリープレーとなり大胆にコーナーへのTDパスを狙いますが失敗。2ndダウンではTE#40スタントン選手へパスが通りますが、ゴールライン手前で止められ届かず。そして3rdダウンでは、パスアクションからQB#2政本選手が左パイロン隅にボールを持ち込みTD。キックも決まり、20-23と再び点差を詰めます。

続くOBICの攻撃には続いてQB#6菅原選手が登場。キックオフをBigBlue陣内42ヤードまで戻しての攻撃は、右オープンへのTE#2髙木選手が29ヤードのロングゲインとなり一気にゴール前10ヤードまで前進します。ホールディングの反則で10ヤード下がると、QB#6菅原選手のキープをLB#5コグラン選手が6ヤードと止め、続く2nd/3rdダウンのパスはDB#22中山選手のパスカット等で防ぎ、三度4thダウンでFGトライとなります。距離は2回目のFGと同じ33ヤード。キッカーも同じくK#49星野選手。そしてこれまた同じく、DE#34ブルックス選手が中央から飛び込みボールをカット。2回目のFGブロックとなりますが、この前のプレーから足を痛めていたブルックス選手は一旦サイドラインへ下がります。

自陣20ヤードからのBigBlue 1stダウンのプレーで、WR#81栗原選手へのパスは、WR#7白根選手の好ブロックも有り27ヤードのロングゲインとなります。ここでサイドが代わり、試合はいよいよ4Qに入ります。一気にTDを狙った1stダウンのパスはオーバースローで失敗となりますが、2ndダウンのWR#9鈴木選手へのパスは通るものの6ヤードと足らず、3rdダウンではQB#2政本選手がロスタックルを受けて後退。4thダウンパントで攻守交代となります。

OBICはQBを再び#12ウーズィー選手に交代。最初のプレーでWR#86前田選手へ20ヤードのパスが通り前進すると、今度は一転してRB#43望月選手へボールを渡し5回続けて突進。これをディフェンスが止めきれずゴール前24ヤードまでボールを運ぶと、QB#12ウーズィー選手のキープの後、今度はRB#22李選手が2回突進してゴール前12ヤードまで迫ります。そして、3rdダウンではエンドゾーンでフリーになったWR#85萩山選手にTDパスが成功。しかしTFPのキックでは、大きくジャンプしたDE#34ブルックス選手の手が当たったのか、軌道が外れて失敗。それでも20-29と点差が広がります。

続くOBICのキックオフ。大きく蹴り込まれたボールをゴールライン手前でキャッチしたWR#81栗原選手は、ブロックラインに沿って左オープンに走り出ます。タックルを二人外して前方が開くとそのまま一気に加速。大歓声の中、93ヤードを駆け抜けてリターンTDを奪います。K#11佐藤選手のTFPキックも成功し、これで点差はFGでも逆転可能な27-29の2点差となります。

続くキックオフでは、K#8小田倉選手がオンサイドキックを蹴りますが、これはWR#7池井選手がリターンするも直ぐにタックルを受けて自陣42ヤードから攻撃が始まります。4Qも丁度半分を過ぎてからのOBICの攻撃は、前のシリーズで好調だったRB#43望月選手に再びボールを集めますが、DL#92エルビー選手が対応して押さえ、4thダウンパントで攻撃権を奪い返します。

BigBlueの攻撃はパントが大きく伸び、自陣16ヤードからと厳しい状況。残り時間は3分50秒あるため、できるだけ時間を消費して逆転するのがベストなシナリオ。しかし1stダウンのRB#19鈴木選手のランはゲイン無しで止められ、2ndダウンのWR#9鈴木選手へのパスも3ヤード止まり。3rdダウンではQBサックを避けるためQB#2政本選手が投げたパスがインテンショナルグランディングとなりさらに後退。ゴール前3ヤードからの4thダウンパントは、OBICの敵陣39ヤードからのファーストダウンと替わります。

残り2分19秒からのOBICの攻撃は、時間を目一杯使いながらRB#43望月選手が突進してダウンを更新。BigBlueもタイムアウトをとり時計を止めて対抗しますが、3回のタイムアウトを使い切り、ゴール前20ヤードで4thダウン残り3ヤード。ここでOBICは35秒を残してタイムアウトを取りプレーを選択します。OBICの選択は、残りの時間を使い切るギャンブル。DE#34ブルックス選手がQB#12ウーズィー選手の前にジャンプしてパスを邪魔するものの、パスはWR#7池井選手に通りダウンを更新。すでに時計を止める術が無いBigBlueは、そのまま時計が進み2点差を詰められずに試合終了となります。


全ては、開幕戦の再戦で

試合を振り返れば、やはり1Q序盤での失点と、2Q終盤に一度は点差を詰めながらも、最後に再び引き離されてしまった詰めの甘さが、最後の最後に響いた気がします。れば・たら話は禁物とは言え、どちらかにもう少し対応出来ていたらと悔やまれます。また、全体を観戦して感じるのは、OBICの「スピードと間」。特にOBICレシーバー陣とのマッチアップでは、そのスピードに追いつけない場面が何度か見られ、OBICディフェンスのランナーに反応する速度も、これまでの対戦では見られなかった素早さでした。また、OBICのランプレーでは、微妙にBigBlueディフェンスとの距離とタイミングを計る「間」のようなものが感じられ、知らない間にBigBlueディフェンスのプレーのリズムが狂わされていくような印象を受けました。このあたりがOBICがOBICたる所以なのでしょう。

昨年の対戦に続き、この試合も非常に悔しい結果で終わりました。春のシーズンとは言え、一度は手の中に入れた勝利の可能性を、最後にしっかりと掴みきれなかった事は大いに悔やまれます。昨年の対戦でも、残り2秒からのFGで同点に追いつかれてオーバータイムで敗れ、その前年のセカンドステージでの対戦は、前半はほぼ互角に推移したものの、終盤の攻防で競り負けファイナルステージ進出が阻まれました。ただ、これまでは敗戦後に「何が足りないのだろう」という気持ちになっていたものが、今回は「どうしたら持てる力を出し切れるのか」と、少し前向きな気持ちになったのも事実です。敗れて良しとは思わないけれど、9月5日の「本番」に向けて、やるべき事がより明確になったと考えれば、この試合の意味も変わるでしょう。3カ月後に、今度は「挑戦者」として対する時に、是非その答えを見せて欲しいと思います。 Go BigBlue!

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