あるOBの呟き- JXB XXXI: vs 富士通フロンティアーズ戦

2017/12/24

"DOMINATE!"のチームスローガンの元、3年振り2度目のJapan X Bowl(JXB)出場を勝ち取ったBigBlue。その対戦チームは、前回と同じ富士通フロンティアーズ(以下、富士通)です。富士通は、5年連続9回目のJXBとなり、前回のBigBlueとの対戦でJXB初優勝を飾ると、昨年もオービックを破り2回目のJXB優勝を勝ち取り、今回はチーム初のJXB連覇を狙っています。QB#3キャメロン選手を中心としたオフェンスは、ホットラインのWR#81中村選手へのパスが最大の武器。さらには、WR#1強選手等優秀なレシーバーが多く控えており、厳しいパッシングゲームが予想されます。ディフェンスでも、DB#40アディヤミ選手とBigBlue WR#81栗原選手とのマッチアップが勝敗を大きく左右しそうです。

リーグ戦を4勝2敗で通過したBigBlueは、しかし全体順位は5位と昨年と同じ。さらに、準々決勝でも昨年と同じLIXILと対戦し、リーグ戦での雪辱をすると、準決勝では関西に遠征し無敗のパナソニックと対戦。この試合も最後まで粘りの試合内容を維持し、5回目の対戦で初勝利を奪いました。リーグ戦途中からは、WR#81栗原選手やRB#21高木選手が故障で出場出来ない試合もありましたが、その分を埋め合わせるルーキー選手の活躍も有り、3年振りのJXB進出となりました。前回のJXBでの雪辱は勿論、昨年のJXB準決勝で残り2秒から逆転サヨナラ負けを喫した雪辱も果たす必要があり、これまで以上に気持ちが高ぶる試合になります。両チームのスタンドはともに1階席は埋まり、3階席にも誘導されて入るほどの観衆の中、K#11佐藤選手のキックオフで試合が始まります。
 

乱打戦から始まる前半

K#11佐藤選手の蹴ったボールは、大きくエンドゾーン手前まで伸びます。これをキャッチした富士通期待のルーキーWR#84猪熊選手は、巧みにタックラー交わすと一気にダウンフィールドに抜け出し、そのまま99ヤードをリターンしTD。開始14秒で先制点を奪われます。

続くBigBlueのファーストシリーズは、RB#21高木選手がキックオフを30ヤード迄戻して開始。WR#85鈴木選手へのパスでダウンを更新すると、QB#3クラフト選手はスクランブルからやはりダウンを更新して敵陣に入ります。さらにQB#3クラフト選手がラッシュを受けながらも投じたバスをRB#10末吉選手がキャッチするとゴール前12ヤード迄運んでダウンを更新します。次のプレーでは、ハンドオフを受けたRB#21高木選手が正面のエンドゾーンに走り込んだWR#85鈴木選手へパスを投げる得意のプレーを見せますが、これは富士通DB#7藤田選手がカット。しかし続くプレーでは、またハンドオフを受けたRB#21高木選手が今度は自らスクリメージライン中央を抜けると、そのまま真っ直ぐ駆け上がり、最後はタックルを受けながらも両手を伸ばしてボールをエンドゾーンへ入れてTDを奪い返します。

続く富士通のファーストシリーズは、QB#3キャメロン選手からホットラインWR#81中村選手へのパスと、怪我から復帰したRB#29ゴードン選手のランが光ります。WR#81中村選手へのロングパスで一気にゴール前に進むと、最後はWR#1強選手へTDパスが成功し直ぐさま逆転されます。さらにBigBlueの4thダウンパントの後の富士通の攻撃では、前のシリーズ同様WR#81中村選手への41ヤードパスでゴール前4ヤードまで前進されると、次のプレーでWR#89福井選手へTDパスが成功。1Q終盤で7-21とさらに点差が広がります。

次のBigBlueの攻撃では、RB#21高木選手がパスをキャッチし敵陣まで運んだところで試合は2Qに入ります。このシリーズは4thダウンで7ヤード残りますが、ハドルにはQB#2政本選手が残りギャンブルの隊形を取ります。しかしスナップを受けた政本選手は、そこからクイックパントを蹴りますが、スクリメージラインを割って入ってきたDL#98南選手にブロックされてロスゲインとなり攻守が交代します。

敵陣41ヤードからの富士通の攻撃は、RB#29ゴードン選手へのパスで14ヤード前進されますが、パス失敗の後の2ndダウンのプレー。ターゲットを狙うQB#3キャメロン選手の背後からLB#5コグラン選手が迫ると右腕を叩きボールをファンブルさせると、これをDL#98森田選手がリカバーし攻撃権を奪い返します。このチャンスからBigBlueはゴール前21ヤードまでボールを進めますがエンドゾーンには届かず、K#11佐藤選手の38ヤードFGの3点に留まります。逆に富士通は、次のシリーズでWR#81中村選手へ74ヤードTDパスを成功させて点差を広げると、続くBigBlueの攻撃ではQB#2政本選手のパスをLB#16ニクソン選手がインターセプトをすると、そのまま60ヤードを戻してTD。点差は10-35とさらに広がります。

何とか前半少しでも点差を縮めて折り返したいBigBlue。RB#21高木選手がその気持ちを汲んだのか、ゴール前1ヤードからリードブロッカーを利用して一線を抜けると、さらに自らのスピードを生かして敵陣31ヤードまで68ヤードをリターンします。絶好の得点機会ですが、富士通のパスカバーは厚く失敗。再び4thダウンでK#11佐藤選手が登場すると、50ヤードのFGをトライを成功させ13-35とします。この後、富士通の攻撃をパントに押さえて、再びBigBlueが攻撃権を得ます。TE#40スタントン選手へのパスでダウンを更新すると、次のパスはLB#35竹内選手とWR#18上廣選手が競り合いボールが浮いたものの、上廣選手が飛び込みながらぎりぎりでキャッチ。判定は「コンプリート」だったものの、富士通が公式戦初となるビデオ判定を要求。しかし、ビデオ確認後判定が確定し、再びダウンを更新となります。しかしその後は富士通の厳しいラッシュでQBサックを受けて後退。追加点を上げること無く前半が終了します。
 

気持ちで離される後半

予想外の点差での折返しとなった前半。後半オフェンスを選択したBigBlueとしては、一つ一つのシリーズで確実に得点することが必要になります。その気持ちが通じたのか、リターナーに入ったRB#21高木選手は、リードブロッカーのエッジに沿って右オープンに走り出ると、自陣49ヤードまで大きく戻します。後半最初のBigBlueの攻撃は、1stダウンでRB#10末吉選手へのフレアーパスで2ヤード進み敵陣に入った2ndダウン。今度はハンドオフを受けたRB#10末吉選手は、オフセンターを抜けると、さらに左サイドにカットバック。これでLB/DB陣を振り切ると、そのまま一気にエンドゾーンまで49ヤードを独走してTDを奪います。前半の劣勢を払拭するビッグプレーに、スタンドも大いに盛り上がります。

しかし富士通も、RB#29ゴードン選手のランにWR#81中村選手のロングパスでゴール前29ヤードまで進むと、さらにBigBlueのオフサイドの反則で5ヤード前進。再びゴードン選手が2ヤード進めると、最後はWR#1強選手へ3ヤードTDパスが成功し、直ぐさま点差を広げられます。BigBlueも、RB#21高木選手のラン、TE#40スタントン選手へのパスでダウンを更新して前進。ゴール前22ヤードまで進みますが、TDを狙ったTE#40スタントン選手へのパスが失敗。K#11佐藤選手が、この試合3回目となる39ヤードFGを成功させ、23-42とします。

続く富士通の攻撃は、1stダウンでは、ハンドオフを受けたRB#29ゴードン選手が、右から走り込んできたWR#84猪熊選手へボールをトス。QB#3キャメロン選手がリードブロックを努めて左オープンに走り出ると敵陣46ヤードまで大きく前進します。さらにTE#87水野選手へのパスでゴール前14ヤードまで進められると、最後はQB#3キャメロン選手がオプションからのキープで1ヤードを飛び込みTDを奪います。

今度はWR#19鈴木選手が大きく戻してのBigBlueの攻撃。ゴール前5ヤードで2ヤードでファーストダウンを更新し、TDを狙うシリーズ。1stダウンでは、右コーナーパターンでDB#40アディヤミ選手とWR#85鈴木選手のマッチアップとなりパス失敗。2ndダウンでは、今度はポストパターンで再び#40アディヤミ選手と#85鈴木選手のマッチアップとなりますが、一瞬早く前に回り込んだ#40アディヤミ選手がインターセプト。得点チャンスを失います。タッチバックからの富士通の攻撃は、RB#29ゴードン選手のランでフィールド中央付近まで進んだところで4Qに入ります。ゴードン選手のランはLB#9星田選手がロスタックルで止めたものの、次のオプションではボールを抜いたQB#3キャメロン選手が中央を抜けると、そのまま54ヤードを独走してTD。23-56とさららに点差が広がります。

何とか攻撃の糸口を掴みたいBigBlueは、QB#2政本選手が登場。得意のQBキープでダウンを更新した後の1stダウンのプレー。ハンドオフを受けたRB#21高木選手がスクリメージラインを抜けようとしたところにタックルを受けてボールをファンブル。これをDB#7藤田選手がリカバーし攻撃権が移動します。敵陣39ヤードからの富士通の攻撃は、RB#29ゴードン選手にボールを集め、最後は25ヤードを走られてTD。点差はとうとう23-63と40点差まで広がります。

続くBigBlueの攻撃も、敵陣にはいったところでQB#2政本選手のパスをDB#34樋田選手がインターセプト。しかしQBが#12平本選手に交替した富士通の攻撃は、RB#33高口選手へのハンドオフが乱れてファンブル。これをDL#92トゥアウ選手がリカバーし攻撃権を奪い返します。何とか一矢報いたいBigBlueですが、4thダウンギャンブルに失敗し攻守交代に。BigBlueもLB#5コグラン選手が富士通の4thダウンギャンブルをロスタックルで止めて攻撃権を再び得ますが、ゴール前8ヤードまで進んだところでタイムアップ。23-63の大差での敗戦となりました。
 

「三度目の正直」を目指して

仮に敗れるとしても、接戦の勝負を予想していただけに、この大会記録(最大得点(富士通63点)、最大得点差(40点))での大敗は、正直予想外で有りショックでした。1Qから先行され、前半で13-35と点差が開いたものの、それでも3Q最初のシリーズでTDを奪い、これが弾みになると期待していました。しかしその後は前半同様相手にTDを許し、こちらは逆に得点機会を上手く繋げることが出来ず、最終的にはさらに点差が開いての大敗となりました。勿論選手やチームスタッフは一生懸命試合に臨んでいたはずですが、これまでの激戦に耐えてきたものがここに来て余力を失い、一気に瓦解して崩れたような印象を受けた試合内容でした。

厳しい言い方をすれば、「チームとしての体幹の弱さ」を改めて感じたように思います。あるいは、「得意技」「お家芸」の無さと言っても良いのかもしれません。例えば今回対戦した富士通であれば、今回の1Q/2Qのようにチャンスを掴めば畳み掛ける力強さを持っています。あるいはLIXILの様に20点差程度であればきっちり取り返してくるプレーの確実性と正確性があります。また、オービックは一見個々の選手の能力重視のように感じられますが、それを生かす基盤としてのチーム力の裏付けがあればこそと言えます。そう言う視点で今シーズンの試合を見返してみると、数年前と比べて確かにチーム全体の底上げは出来ているし、能力の高い選手も多くなってきたけれど、それで平均値は上がっても、ここ一番という時の「決めのプレー」であったり、苦境になったときにこそ発揮されるべきリーダーシップであったり、自らチームの雰囲気を変えるようなムードメーカーであったりというような、オービック戦やパナソニック戦では感じられた「新しい力」が、この最後の試合では見ること無く終わってしまったように感じられます。

オービック戦での初勝利から始まったシーズンは、富士通に記録的な大敗をして終わりました。そのギャップは大きく、選手やスタッフに取っても大きな影響を与えたと想像されます。ただ、だからこそ来シーズンに向けて大胆な変革も可能になるだろうし、大きく成長出来るチャンスとも言えます。どれだけ逞しくなって来シーズン戻ってくるのか、それを楽しみにしたいと思います。 DOMINATE! BigBlue!

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