2020第一節: エレコム神戸ファイニーズ戦の見所

2020/10/19

苦難のスタートとなった2020年シーズンが、いよいよ始まります。コロナ禍の中、春の公式戦は全て中止となり、秋のリーグ戦も開催が危ぶまれましたが、多くの関係者の努力により変則的な形式ながらも、2020リーグ戦が始まります。今年は、X1 Super 8チームが、A/B二つのブロックに分かれてリーグ戦を開催。各ブロックの1位チームが、Japan X Bowl (JXB)に進出します。BIG BLUEはAブロックに入り、初戦はエレコム神戸ファイニーズ(以下、エレコム神戸)、続いて富士通フロンティアーズ(以下、富士通)、そしてノジマ相模原ライズ(以下、ノジマ相模原)と対戦する予定です。確率上は、2勝1敗でのトップ通過の可能性もありますが、実質的には一戦も落とせない、厳しい短期決戦のシーズンとなります。

エレコム神戸との対戦成績は、全体で3勝1敗。その1敗が昨年のリーグ戦での敗戦であり、勝率では3勝4敗で並んだものの直接対決で敗れていたため、BIG BLUEは3年振りにJXBトーナメント進出を逃すシーズンとなりました。試合は、序盤は相手に先行を許すも、ほぼ追い上げて前半を終了。後半も点の取り合いとなりましたが、最後にあと一歩及ばず1TD差で敗れた試合でした。この試合のために、入念に準備をしてきたエレコム神戸にBIG BLUEとしての良さを封じられてしまい、十分に力を発揮できなかった試合と言えます。今回はBIG BLUEが関西へ遠征しての試合となり、地の利も相手にあります。ただ、関西での遠征試合の総合戦績では9勝2敗と、それほど苦手とはしておらず、この試合にも大いに期待が掛かります。

オフェンスの見所

オフェンスとしての見所以上に、この試合最大の見所と言っても良いのは、QB#2政本選手の復活でしょう。昨シーズン第二節の試合で負傷し、その後のリーグ戦にも出場出来ずシーズンが終わり、不本意なシーズンだったと想像されます。今年春の公式戦を目標に、治療も完治しましたが、コロナ禍のためここまで開幕が遅れたことは、より完全に完治して試合の準備が出来たと考えれば、逆によかったのかもしれません。また、負傷の原因となった自信のスクランブルは、厚みを増したRB陣のランプレーが期待出来ますので、今シーズンはこれまで以上にスリリングなパッシングプレーが期待されます。

そのRB陣には強力な三人の新人が加入。まずは2018年関東TOP8リーディングラッシャーのRB#32元山伊織選手(早稲田大)。甲子園ボウルでも活躍した、タフでパワフルな突進力と突破力が魅力です。二人目は、2018年関西学生リーディングラッシャーのRB#21佐藤航生選手(京都大)。今シーズンからコーチに就任した、先輩高木稜コーチの背番号を引き継ぎ、高木選手同様スクリメージ突破後のカットバックとスピードが魅力です。そして三人目は、RB#43山口祐介選手(関西学院大)。元山選手との甲子園ボウル対決の直前に怪我をし、昨年は治療に専念。サイズを生かした、速くて倒れないプレーが復活しました。この三人も含めた、RB陣6名のグランドアタックが、この試合の大きな見所になります。

オフェンスで気になるのは、四人が抜けたOL陣ですが、強力な二人の選手が加入。OL#53藤川凌選手(神戸大)は、高校まではDLの選手でしたが、神戸大ではOLとなるも、ポジションチェンジでは無く「OL/DL兼任」として出場。そのタフネスさは、人数が減ったOL陣の大きな助けになるでしょう。もう一人はOL#55藤井基弘選手(東京学芸大)。バランスの良いサイズ感でスピードもあるため、BIG BLUEお得意のパワープレーでの活躍が期待されます。課題は複雑なオフェンスシステムの理解ですが、それも十分にあった時間で解決されているでしょう。2年振りにメンバーが入れ替わったOL陣ですが、復活した政本選手をどう守っていくのか、スクリメージラインを挟んだ戦いも必見です。

ディフェンスの見所

前回敗戦の要因を考えると、一つは二つの40ヤード以上の独走TDランを許したこと。もう一つは、決勝点を含む3本のTDパスを決めた、QB#19ソコール選手からWR#21オヌワー選手へのホットラインを防げなかったことと言えます。ランプレー対策は昨年の最大の課題と言って良く、ファーストタックルが決まらない、カットバックに対応出来ない等、相手選手の成長に追いつけていない印象を受けました。その解決策の一つが、新人LB#35ハーバート・ガンボア選手(モンタナ大)です。昨年はオーストリアリーグでRBとして活躍。8試合で1,709ヤード/17TDのリーディングラッシャーでしたが、本業はLBでサイズとスピードがあり、BIG BLUEとして不足していたピースにピタリとはまる存在です。また機動力ある新人LB#49中野航選手(京都大)も加わり、さらに厚みを増したLB陣のプレーが大きな見所の一つになります。

もう一つの課題、パスディフェンスに付いては、まずDL陣にDL#92草野裕哉選手(京都大)が入り、パスラッシュを強化する意図が伺えます。昨年まで中央を守っていたトゥアウ選手が抜けた穴は、LB陣の厚みでカバーし、その分QBへのプレッシャーを厚くすると思われます。先輩DL#9植村選手とのコンビネーションも期待されます。さらには、QBサックキングのDL#44福岡選手の活躍にも注目。新任のパウロズニック ディフェンスコーディネーター(DC)がどの様なゲームプランを準備してくるか、大いに期待が膨らみます。

パスオフェンス最前線のDB陣には、最多5名が加入。中でも、DB#13佐藤成生選手(明治大)とDB#26松浦直希選手(慶應義塾大)は、昨年の練習生からの登録となり、一年間じっくりと準備してきた成果から即戦力として期待出来ます。即戦力と言えば、DB#45植山雄太郎選手(法政大)は、他チームでの経験も豊富で、そのプレーが注目されます。また、DB#23永井雄太選手(早稲田大)とDB#33家田泰成(早稲田大)は、共に昨年の甲子園ボウルでも活躍しており、この二人のプレーにも注目です。チーム最多15名が所属するDB陣には、キャプテンDB#1中谷選手を筆頭に、実力あるベテラン選手も多く、出場機会がどれだけあるかは分かりませんが、さらに活気ある力が注入されたことは確かです。

試合の見所

初戦の見所の一つは、いつも新人選手の活躍する姿を見ることと言って良いでしょう。QB陣には、2018年LIXILディアーズでXリーグデビューをした、QB#7馬島臨太郎選手(法政大)が加入。パス能力に加えて、オプション等機動力にも優れており、3QB体制となったオフェンスは多様性を増し、ゲームプランの幅を大きく広げることは確実です。受けるWR陣には、WR#84近江選手の系譜を受け継ぐ、WR#17野呂隼人選手(立命館大)に期待大。また、WR#86九里遼太選手(明治大)は、昨シーズン明治大躍進の立役者の一人として実力は十分。さらにWR#16高野内大輝選手(東海大)は、1980年代から90年代にBIG BLUEでQBとして活躍したお父様に続く、チーム初の「親子鷹」でキャッチングセンスも十分。それぞれの実力を、どの様なシーンで発揮するか、是非ご注目ください。そして、これら新戦力も含めて今年も一人三役となるクラフトヘッドコーチが、どの様なオフェンスプランを準備するか注目されます。昨年のリーグ戦総得点数では、259点でリーグ2位と決してオフェンス力で劣っているわけでありません。しかし、トップの富士通は325得点と抜きん出ており、ここに近づくことが今年の課題でしょう。

一方で新任のパウロズニックDCによるディフェンス改革は急務です。昨シーズンの総失点は、233失点でリーグ6位と奮いません。昨年のエレコム神戸の試合では、実は相手の総獲得ヤード368ヤードのうち、ラン獲得ヤードは119ヤードと決して割合は高くないのですが、48ヤード、45ヤードの独走2TDランを許しており、確実にスクリメージラインで止める対策は必須です。またパスディフェンスに関しては、どのチームも優秀なQBとレシーバーが揃っており、ディフェンス側がオフェンスの進歩を追いかける状態と言えます。ただ、やることは二つだけで、いかにQBにボールを投げさせないかと言うことと、レシーバーとのマッチアップに勝つ事です。特に最近のQBは、パスポケットから逃げながらでもTDを狙える選手が多く、パスラッシュのスピード感がさらに重要になるでしょう。また、DBのマッチアップでは、仮にキャッチは許しても、そこからのランアフターキャッチを止めることが必要。プレー精度をどこまで高められるかが注目されます。

どのチームに取っても、苦しく厳しい条件の中準備を進め、やっと今年のシーズンが始まります。残念ながら、シーズン参加を辞退したチームもあり、シーズン開始後も細心の注意が要求されます。これまでに無い状況での厳しいシーズンとなりますが、だからこそ試合が出来る喜びを、必ず勝利に繋げて欲しいと思います。

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