2023第43回パールボウル: 東京ガス クリエイターズ戦の見所
2023/04/26
2023年シーズンがいよいよ始まり、春の公式戦として第43回パールボウルトーナメントが4年振りに開催されます(※2020年第42回大会は開催中止)。今大会では、これまでのようなブロック予選は無く、関東圏に所属するX1 Superの8チームがトーナメント戦を開催し、決勝戦が第42回パールボウルとなります。BIG BLUE初戦の対戦相手は、昨年の春の交流戦でも対戦した東京ガスクリエイターズ(以下、クリエイターズ)です。この試合に勝利して準決勝に進出した場合は、同日開催されるオービックシーガルズ(以下、シーガルズ)と胎内ディアーズ(以下、ディアーズ)戦の勝者と準決勝を対戦します。逆に初戦で敗れた場合には、オービック対ディアーズ戦の敗者と交流戦を戦うことになります。
東京ガスとは、昨年春の交流戦で対戦して以来、1年振りの対戦となります。昨年の対戦では、1QにQB#2政本選手からWR#84近江選手へ2本のTDパスが成功して先制すると、その後は二つのTDランとFGで点差を広げ、30-7でシーズン開幕戦を勝利で飾りました。昨シーズンのクリエイターズは、リーグ戦を1勝4敗で終わり、リーグ5位となったため順位決定戦へ進むと、オール三菱ライオンズには13-7で勝利しX1 Super残留を決めた苦しいシーズンでした。現状ではどの様な補強選手が加入するか不明ですが、オフェンス、ディフェンス、ともに大きく変化する可能性もあり、BIG BLUEとしても相手の戦力を見極めつつ、今シーズンのチームスタイル確立を探る慎重な試合展開が予想されます。
オフェンスの見所
オフェンス最大の見所は、なんと言っても昨シーズン最後に開催されたJapan-USA Dream Bowlで全日本選抜チームメンバーに選出されたQB#2政本選手のプレーでしょう。外国人QBを招聘するチームが増える中、その先駆けと言えるクラフトヘッドコーチ(HC)の薫陶を受け、日本を代表するQBに成長した政本選手。昨シーズンも、パッシングレコード争いでは、リーグトップを競う成績を残しましたが、試合結果には繋がらず消化不良の印象を残したシーズンとなりました。ロングパスは通るものの、確実にヤードを獲得出来るショート、ミドルのパスの精度が低かったように感じられ、春の試合ではテンポの良いオフェンスシリーズの展開が課題になりそうです。
今シーズンも、WR#84近江選手、WR#85鈴木(隆)選手、WR#82白根選手らを筆頭に、慣れ親しんだレシーバー陣は健在。春の時点でどれだけパスオフェンスの完成度を上げられるか、秋のリーグ戦に向けて重要な試金石になるでしょう。また、春の試合では新加入選手も多く試合に参加するため、彼らとの連携も重要になります。練習では当然何度もパスを受けているとは思いますが、実戦の厳しい条件の中でどれだけ実力を発揮することができるか注目されます。一人当たりのプレー数も限定されると予想される中、確実に結果を出して自分をアピールできるか、早くも始まるポジション争いが、先ずはこの試合の大きな見所になるでしょう。
昨シーズンのオフェンスでは、課題であったランオフェンスの充実を進めましたが、その期待に答えてルーキーながら好プレーで活躍を見せたのが、今季2年目となるRB#28加藤選手です。学生時代からの特徴であった、その体格を生かしたパワフルなランプレーでは、Xリーグでも通用する突破力を見せてくれました。1年目から活躍した結果が認められ、オフシーズンに開催されたCFLコンバインへ招待され好成績を残し、現在は現地5月2日(日本時間3日未明)に開催されるCFLドラフトでの指名を待っている状態です。ドラフトで選抜された場合、その後CFLチームのキャンプ参加のため日本を離れるため、この試合は彼のパワフルなプレーを観る事が出来る貴重な試合になるかもしれません。
ディフェンスの見所
9シーズンに渡りBIG BLUEディフェンスの中心選手として活躍したBrooks選手が退団したため、今シーズンのBIG BLUEディフェンスは好むと好まざるとに関わらず大きな変革が要求されます。その責任を託されたのが、今シーズンからディフェンスコーディネーター(DC)に就任する、馬場翔健DCです。昨シーズンまではディフェンスコーチとしてチームを見てきており、チーム事情や状況に関しては熟知しています。更に強力な援護として、NFLやCFLでの豊富なコーチ経験を持つマイク ファイアー氏をディフェンスコンサルタントとして招聘。多角的な指導や提案を受ける事で、BIG BLUEディフェンスの更なる成長へと繋げるシーズンになります。まだスタートしたばかりの春の試合ですが、これまで以上にアグレッシブなディフェンスプレーが期待されます。
そのBrooks選手の抜けた穴を埋めるのが、2年目となるDL#99島野選手であることは誰もが認めるところでしょう。そのパワーとスピードは外国人選手にも引けを取らず、昨シーズンも多くのビッグプレーを見せてくれました。島野選手らしいプレースタイルがどこまでこの試合で発揮されるか、ディフェンスの見所の一つでしょう。またベテランメンバーでは、昨シーズンチーム復帰したDL#8森田選手が、以前と変わらない熱いプレーを見せてくれました。同世代の、DL#44福岡選手、DL#93佐久間選手らベテラン勢も健在で、ここに新人選手が加わる事でディフェンスユニットの基盤となる新しいディフェンスライン(DL)が、どの様に生まれるか注目されます。
ラインバッカー(LB)では、チーム最年長の大ベテランLB#22中山選手が今シーズンもロースター入りを目指します。中山選手以外は全て20代となるLB陣としては、まずはこの大ベテランを超えるプレーで存在感を見せる必要があります。LB#57寺林選手を中心に、ランプレー対策が春の課題になるでしょう。またディフェンスバック(DB)では、コーチ兼任となるDB#1中谷選手を筆頭に、DB#10小阪田選手、DB#21田尾選手、DB#29米田選手らベテラン勢がどの様にユニットを盛り上げていくか注目されます。どのチームもパスオフェンスを充実されてきている為、今シーズンも厳しいマッチアップが数多く見られると思います。昨シーズンの試合では、DB間でのコミュニケーションミスと思われるプレーも散見されただけに、新加入選手も含めた連係プレーがどれだけ発揮されるか注目されます。
試合の見所
今シーズン適用される可能性のあるルール変更の一つに、2Q/4Qの最後2分を除いてインフィールドでのファーストダウン更新時にゲームクロックを止めないというものがあります。このルールが適用された場合、昨年と比較して最大で3割程度プレー数が減る可能性があります。これまでの試合では、1試合当たり大体80プレー、1チーム当たり40プレーのオフェンス機会がありました。これが1試合当たり60プレー、1チーム当たり30プレーで確実に得点するオフェンス力の構築が、今シーズンの課題になりそうです。少ないプレー数で確実に得点出来るパスオフェンス力が鍵になりますが、一方でランオフェンスでタイムコントロールして、相手の攻撃機会を奪うというゲームプランがこれまで以上に重要になるでしょう。試合経過や状況、ボールポジション等の要素を精確に把握しつつ、より緻密なゲームプランの実行が要求されるため、より完成度の高いチームシステム構築が要求されるシーズンになるでしょう。
オフェンスコーディネーターを兼ねるクラフトHCのプランとしては、QB#2政本選手を中心に構築してきたBIG BLUEオフェンスを、一つの完成形に仕上げる勝負のシーズンと言って良いでしょう。昨シーズンはランオフェンスの強化を図り、一定の結果は出たと言えます。しかし、ここぞという場面での決定力に関してはまだ不満が残る場面も多く、この春のシーズンは秋に向けてさまざま試行をするチャンスと言えます。ディフェンスでは、馬場翔健DCが新しいBIG BLUEディフェンスをどの様に生み出すか注目される春シーズンとなります。Brooks選手が抜けた大きな穴をどの様に埋めていくかが直近の課題となります。あえてその機会を利用してこれまでの形を崩して練り上げて、新しいディフェンススタイルが生まれることが期待されます。最初の試合となるこの試合では厳しい場面も予想されますが、新しいBIG BLUEスタイル誕生の瞬間を見ることが出来るかもしれません。オフェンス、ディフェンス、ともにこれまでに無いプレーが期待される試合になります。
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