第一節: 富士通フロンティアーズ戦の見所

2012/08/27

いよいよXリーグ2012が始まります。記憶する限りでは、初めて開幕戦が8月に開かれる今シーズン。その開幕戦からBigBlueが登場します。対戦チームは、ここ数年確実に力をつけてきている富士通フロンティアーズ。BigBlueは過去二回対戦しており、昇格初年度の2002年(13-24)と2009年(7-24)と2戦2敗中の相手です。過去二回の対戦時もそうでしたが、ビジネスの世界でもIT業界ではライバル企業として日々鎬を削っている関係から、特に注目が集まるマッチメイクの一つです。今回も同様に、8月の開幕戦、ライバル企業同士の対戦、そして両チームともに新ユニフォームのお披露目の試合でもあり、さらに注目度がアップする試合となりました。

富士通フロンティアーズと言えば、2010年セカンドステージ最後に山田HCの神の手がBigBlueにワイルドカードを引き当てた年を除けば、2007年から毎シーズン、ファイナルステージに進出し、うち2007年、2009年、2011年にはJapan X Bowlにも進んでいる強豪チーム。しかし、Japan X Bowlの優勝には今一歩届かないシーズンが続いており、今シーズンに賭ける意気込みはこれまで以上と予想されます。満を持して日本一を狙っているチームと、初戦から厳しい試合が予想されます。
 
オフェンスの見所
今シーズンのBigBlueオフェンスの見所は、なんと言っても期待のルーキー二人。まず一人目は、今シーズンのBigBlueオフェンスの司令塔QB#3 ケヴィン クラフト選手。すでに複数のメディアにも取り上げられているように、USカレッジフットボールの強豪UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)出身の彼は、2008年シーズンにはUCLA歴代第2位のパス成功回数を記録するなど、その実力は十分。プロコーチである父親から、選手としてだけで無く、フットボール指導者としての教育も受けてきた彼は、春にチームに合流するとこれまでのBigBlueオフェンスの短所・長所を洗い出し、新しいBigBlueオフェンスの構築に時間を費やしてきました。勿論、彼の実績に甘えるだけで無く、チームとしてもプレーコールはすべて英語に統一するなど、チーム全体で新しいオフェンスを作る努力も続けてきました。登録の関係で春の試合には出場できず、日本での実戦経験はまだ無いものの、練習試合や合同練習を積み重ねて、日本のフットボールを理解して創り上げた新しいBigBlueオフェンスがこの試合で試されます。
 
もう一人の注目ルーキーは、RB#10末吉選手。早稲田大学時代から、日本のトップランナーの一人として実績を残し、この春にはNFLのトライアウトにも参加したことは以前にもお知らせしています。春の試合では、入社直後で忙しく練習も十分に出来ない状態ながら、確実にヤードを獲得できるパワーランを見せ、その実力を証明しました。これまでパワーランナーとして活躍していた#42吉津選手が今シーズンLBにコンバートされたため、確実にヤードが必要な時のパワープレーから、一気にオープンを抜けてTDまで繋がるビッグゲインまで、彼の活躍が試合の趨勢を握っていることは間違いありません。

今回のBigBlueオフェンスは、#3クラフト選手のパッシングオフェンスを中心に組み立てられると予想されます。ここで気になるのが、そのパスをキャッチするレシーバー陣。今シーズンのレシーバーユニットは、チーム最大の13名が登録されて、4名の新人も含まれています。その中でも、USカレッジ経験のある#40 ジョン スタント選手には注目です。ビッグイーストカンファレンスに所属する、セントジョーンズ大学出身で、USカレッジの「パス」にも慣れています。さらに、188cm/93kgという恵まれた体格で、リードブッカーとしても春の試合では活躍しました。WR#17小川選手と共に、ここ一番のターゲットとして是非注目したい選手です。
 
ディフェンスの見所
過去上位チームとの対戦では、大差の失点で大敗する試合も多くありましたが、少なくとも富士通との過去の対戦では、BigBlueディフェンスはどちらの試合も24失点という、ぎりぎりの内容で乗り切っています。理想を言えば切りがありませんが、今シーズンはオフェンス力の爆発が期待出来るので、仮にBigBlueディフェンスがこれまで同様24失点に抑えれば、勝率もかなり高くなります。とは言っても、24失点を超えるためには4TD=28点が最低でも必要になり、これは幾ら破壊力が期待出来る今シーズンのBigBlueオフェンスにとっても厳しい課題と言えます。これを、3TD=21点、あるいは2TD+2FG=20点に抑えることが出来れば、今回の勝利がぐっと手繰り寄せられます。

昨シーズンと今年の春の試合を見ると、一番気になる失点シーンが、何の変哲も無いプレーあるいは追い込んだシチュエーションから、ロングゲインを許して、それが得点に繋がる場面。やはり、守り最後の要である、DB陣の活躍が、この試合でのディフェンス戦で相手を上回る必要条件と言えます。今シーズン、10名の選手がDBポジションとして登録されていますが、そのうち半分の5名がルーキーです。ルーキーとは言え、#23ジャバリ ミラー選手や、#25面條選手は他チームでの活躍の経験もあり、即戦力として春の試合でも活躍しました。ここにベテラン5名も加わり、今シーズンは昨シーズンのリベンジを虎視眈々と狙うユニットでもあります。新しい刺激を活力に、昨年以上のパフォーマンスを期待したいのが、このDB陣です。

そのDB陣の前列を守るLB陣は、ルーキーの加入こそありませんが、RBからコンバートされた#42吉津選手は、RB時代の重い突進力を、今度はえげつないタックルに今シーズンは変更して春から活躍しました。また、今シーズンはチームキャプテンを務める#7岸本選手は、体格こそ小柄ですが学生時代から鍛え上げてきた身体は今シーズン一層磨きが掛かり、その機動力は昨シーズン以上です。最も円熟味を増したこのLB陣の活躍が、24点というボーダーラインをどこまで下げてオフェンスを楽にするか、もう一つの注目ポイントと言えます。
 
試合の見所
「IBM vs 富士通」というタイトルを見ただけで、フットボール以外の関係者も興味を引かれるだろうこの試合。今シーズンの社会人チャンピオンに一番近いチームの一つ・富士通との対戦だけに決して油断も楽観視も出来ません。ただ、今シーズンBigBlueが準備したオフェンス・ディフェンスパッケージの完成度を確かめる相手としては、非常に理想的なチームとも言えます。堅実な富士通ディフェンスに対して、予備情報の少ない#3クラフトを中心としたBigBlueオフェンスの意外性と、過去大量失点は許さなかったBigBlueディフェンスの意地が、この試合の趨勢を決めるキーワードです。

両チームとも、この試合で新ユニフォームのお披露目を予定しており、それもファンに取っては楽しみの一つ。さらに両チームの共同企画で、旧ユニフォームの抽選会ドーム内見学ツアーオーラビジョン投影など、両チームでこの試合を今シーズンのベストゲームにする準備をしています。フィールドの中だけでなく、東京ドーム全体に期待が高まる、今シーズン最初にして最高の試合になるかもしれません。Go BigBlue!

アーカイブ