あるOBの呟き- 1st Stage Week 3: vs. オービック シーガルズ

2012/10/01

川崎球場に吹く少し強めの風が台風17号の接近を感じさせますが、それを除けば再び夏の暑さが戻ってきたような厳しい残暑の中、1stステージ最大の山場とも言える、オービックシーガルズ(以下オービック)との試合が始まります。開幕戦では富士通に後一歩及ばず破れてしまいましたが、この試合に勝利を納め、さらに得失点差でプラスに転じることが出来れば、地区優勝の可能性も生まれます。とはいえ、相手は最近の2シーズンを負け無しで全日本チャンピオンに輝いたオービック。BigBlueが今持てるすべての力を出したとしても、厳しい試合になることは明らかです。
 
初対戦の2003年には14-27とまずまずの結果だったものが、17-35(2008年)、10-46(2011年)と年々力の差が広がってきています。特に序盤に続けざまに失点し、試合のモメンタムを奪われる場合が多く、この試合ではBigBlueディフェンス陣がどれだけオービックの攻撃を抑えて、オフェンスにボールを回すかがキーポイントと言えます。オフェンスでは、3試合目となり、日本のフットボールにも慣れてきたルーキーQB#3クラフト選手の活躍が大いに期待でき、少なくともこれまでの試合とはひと味違う展開になると期待されます。気になるのはやはり天候で、台風の接近でコンディションが急変した場合、BigBlue得意なパッショングオフェンスの効果が削がれないかが心配です。
 

いきなりの大量失点

試合は向かい風の中、BigBlue K#8小田倉選手のキックオフで始まります。自陣30ヤードからのオービックの攻撃は、QB#6菅原選手が1stダウンのパスは失敗するものの、2ndダウンのパスがWR#18木下選手に通ると、そのまま70ヤードを独走してTD。TFPのキックはDL#96林選手がブロックして防ぐものの、試合開始30秒で先制点を許してしまいます。
 
さらに続くBigBlueのオフェンスは4thダウンパントとなり、P#11井田のパントが風に煽られてショートに。絶好のポジションからオービックは、今度はRB#21中西選手が5ヤードのTDランを獲得します。2点コンバージョンのTFPのパスをDB#25面條選手が弾いて何とか意地を見せますが、1Q序盤で2TDを奪われ、嫌な雰囲気が漂います。
 
何とか反撃の糸口を掴みたいBigBlue。その切っ掛けとなったのが、ルーキー同士ながらホットラインとなりつつある、QB#3クラフト選手からTE#40スタントン選手の29ヤードのパス。続いて、再び#40スタントン選手にロングパスが通り一気に相手陣内に走り込みますが、ここにタックルを受けてファンブル。これをオービックがリカバーし攻撃権が移動してしまいます。
 
このピンチにディフェンスが奮起。LB#42吉津選手がQBサックで6ヤード後退させると、一度ファーストダウン更新を許すものの、次の攻撃でルーキーDB#20西岡選手がインターセプトで攻撃権を奪い返します。しかしボール位置はゴール前1ヤードと厳しい状況。プレーも限られるため、ランプレーで5ヤード進むのが精一杯で4thダウンパントとなりますが、これが再びショートパントになり、オービックはゴール前17ヤードからオフェンスを開始します。今度はRB#20古谷選手が3ヤードを飛び込み、早くも3TDを許してしまいます。
 
続くBigBlueオフェンスでは、WR#17小川選手へのパスを軸にダウンを更新。さらに3rdダウン3ヤードからRB#10末吉選手が突進しますがオービックに厚い壁に阻まれ4thダウン残り2ヤード。ここで自陣40ヤードというボールポジションながら、ベンチはギャンブルを選択。再びRB#10末吉選手が突進するものの1ヤード届かず攻撃権が移動します。
 
このチャンスにオービックは3rdダウンで再びWR#18木下選手にロングパスが通り、41ヤードを独走されてTD。1Qに4TDを奪われる屈辱的なクオーターとなってしまいます。
 
気持ちを切り替えて2Qに入ると、今度はWR#1岸選手へのパスが通り中央付近まで進むと、#17小川選手へのパスを挟み、#10末吉選手がオープンを独走してゴール前11ヤードまで前進します。ここから#3クラフト選手からWR#18高木選手に11ヤードのTDパスが入り、やっと一矢報いることが出来ます。
 
オフェンスがリズムを掴んできたところで、早くボールを戻して得点に繋げたいBigBlueディフェンス。しかし#18木下選手へのパスで大きく前進すると、さらに反則で相手の前進を許してしまいます。最後はWR#85萩山選手に15ヤードTDパスが決まり、2Q中盤で7-32とさらに点差を広げられてしまいます。
 
何とか点差を詰めて前半を折り返したいBigBlue。しかし、オービックのマークがきつく#3クラフト選手がスクランブルにでざるを得ません。4thダウンギャンブルでもターゲットが見つからずフィールドに自ら走り出ますがダウンを更新することは出来ずに攻撃権が移動。BigBlueディフェンスが続くオービックの攻撃を抑えて、何とか追加点を許さずに2Qを終了します。
 

反撃の切っ掛けを掴むものの...

3QはBigBlueのオフェンスから。最初のプレーで#3クラフト選手がいきなりサックされ大きく後退。しかしWR#80瀧選手に10ヤードパスが通りロスを取り返すと、再び#80瀧選手にパスが通りダウン更新。と、思われたものの、#80瀧選手が一度サイドラインを外に出てからキャッチしたイリーガルタッチの反則を取られてダウンを喪失し、パントで終了してしまいます。
 
続くオービックはQBを#15龍村選手に交替。ランプレー中心に組み立てますが、2ndダウン1ヤードからLB#4坂本選手のロスタックル、さらに3rdダウンのパスも防ぎ、後半最初の失点はFGの3点に押さえます。
 
まずは後半最初の得点が欲しいBigBlueですが、3rdダウンショートまではボールを進めるものの、もう一歩詰め切れず相手に攻撃権を渡してしまいます。オービックにしても、BigBlueディフェンスの厳しい守備に前半ほど前進出来ず、ボールがパントで移動していきます。3Q中盤のBigBlueオフェンスでは、再び#3クラフト選手から、#17小川選手、#83松尾選手、#40スタントン選手とプレーが繋がりだしリズムをつかみ出しますが、このシリーズはオービックDL#23ビーティー選手のインターセプトで止められてしまいます。お互いに責め手を欠いたまま、試合は4Qに入ります。
 
3Q終盤から始まったBigBlueのオフェンスシリーズ。ゴール前3ヤードからの厳しいスタートですが、RB#10末吉選手にボールを集めると、ダウンを更新して前進。相手の反則もあり、フィールド中央で敵陣に入りファーストダウンを更新します。ここからパスでエンドゾーンを目指す#3クラフト選手ですが、オービックの厳しい守備にパスが阻まれ、4thダウンでもターゲットが見つからず自らスクランブルに出るところをタックルを受けて攻守交代。歯がゆい時間が続きます。
 
続くオービックの攻撃を4thダウンパントに押さえたものの、今回もゴール前1ヤードからの厳しいシリーズスタート。しかし、ここから#17小川選手へ続けてパスが決まりレッドゾーンを脱出すると、#40スタントン選手、#83松尾選手とホットラインが繋がりさらに前進します。自陣37ヤードからの2ndダウンの攻撃。#40スタントン選手がパスをキャッチすると、リードブロッカーにも助けられて、63ヤードを独走し待望のTDを獲得します。
 
これで流れはBigBlueに傾きます。自陣15ヤードからのオービックのオフェンスは、LB#13北村がファンブルリカバーで攻撃権を奪い、ゴール前4ヤードからのファーストダウンをオフェンスに渡します。この絶好のチャンスに#3クラフト選手は冷静に、正面に走り込んできた#17小川選手にクイックパスを通してTD。残り時間は5分弱と少ない物の、逆転の可能性も見えてくる21-35と点差をじわりと縮めます。
 
これでオービックも焦りを感じたのか、続くシリーズでは再びQB#6菅原選手を投入。しかし勢いに乗るBigBlueは、DB#22中山選手がブリッツして入ってくると、QBからのピッチを奪いターンオーバーを見せ、直ぐに攻撃権を奪い返します。これで一気に得点を追加したいBigBlueですが、オービックも厳しいディフェンスを見せてパスを通させません。残念ながらこのシリーズは4thダウンパントとなり攻撃権は再びオービックに移動します。
 
4Qは残り3分弱。何とかもう一度攻撃権を奪い、2TDを追加して先ずは同点に追いつきたいBigBlueですが、オービックはランプレーで時間を消費していきます。タイムアウトを取り時計を止めて何とかボールをもう一度戻したいBigBlueですが、オービックにダウン更新を許すと3回のタイムアウトも使い切り、そのまま21-35で試合終了となりました。
 

反省し、そして次の目標へ

理由はどうあれ、1Qの4TD、前半だけで5TD/32失点が最後まで痛かった試合でした。後半はFGの3失点だけに押さえただけに、返す返すも1Qの大量失点が悔やまれます。また、序盤の大量失点で気持ちが切れたとは言いませんが、その反動からか、詰まらない反則で罰退する場面がこの試合では多かったことが悔やまれます。オービックも反則による罰退は多かったものの、それに合わせる必要は無いわけで、その点「気持ち」の面まで相手に負けていたことが残念でした。チームとして一つになってこそ、BigBlueとしての強さが生まれるはずです。その気持ちをもう一度思い出して、残り2試合に臨んで欲しいと思います。
 
この試合に敗れたことで、残り2試合に勝利しても勝点は6(3勝)が最大になります。その為、すでに対戦が終了しており勝点6を獲得している、オービック、富士通を上回ることが出来ず、1stステージでの中地区3位以下が確定しました。残り2試合で、同じく1勝2敗で並んでいる、東京ガス、オール三菱と対戦します。この2チームに確実に勝利してまずは地区3位を確定し、そして続く2ndステージではBigBlueらしい試合内容で、上位チームを破る場面を見せて欲しいと思います。条件は厳しくなったものの、まだファイナルステージへの道は閉ざされていません。最後の1秒まで、BigBlueのプレーを、シリーズを、試合を見せて欲しいと思います。Go BigBlue!

アーカイブ

BIGBLUE PARTNERS

日本情報通信株式会社 AIT 協和警備保障株式会社 SoftPlex BELL GROUP PM Global E-net UOS 日立チャンネルソリューションズ株式会社 AEON MALL イオンモール幕張新都心 BATHCLIN ADP 幕張温泉 湯楽の湯 urgent! Drone Center JETSTROKE R&Y RENTAL JOY ROUTE