あるOBの呟き- パールボウル 1回戦: vs. ハリケーンズ
2013/04/29

2013年フットボールシーズンの開幕を告げる、第36回パールボウルトーナメント。今年は、これまでのようなブロック予選の1位チームでのトーナメント方式では無く、最初から関東地区12チームによるトーナメント方式での対戦に戻りました。負ければ次の試合はもう無い、サバイバルマッチが続きます。そのパールボウルトーナメント最初の対戦チームは、昨シーズンX-X2入替戦に勝利して、3年振りにXリーグに復帰したハリケーンズです。3シーズン前、当時X2で優勝した相模原ライズ(当時)と入替戦で対戦し残念ながら降格。その翌2011年シーズンはX2で優勝するものの、入替戦で富士ゼロックス・ミネルヴァAFCに破れました。しかし、昨シーズンは再びX2で優勝すると、入替戦では同じ対戦チーム、富士ゼロックスに今度は勝利し、Xリーグに戻ってきました。
ハリケーンズはBigBlueがX2に所属していた頃から何度も対戦し、Xリーグでも2005年(49-32)、2009年(31-16)と2回対戦し勝利しています。オフェンスはランプレーを中心にした組み立てを昨シーズンの試合ではしており、昨シーズンの試合では6:4でランの比率が高くなっています。しかし、パスプレーではロングパスでTDを獲得している試合もあり油断は出来ません。過去の対戦成績からも、BigBlue有利の展開が予想されますが、シーズン初めはいつもエンジンの掛かりが悪いBigBlueだけに、相手に合わせた試合をしてしまう不安があります。昨シーズン最後を良い内容で締めただけに、今シーズンの開幕戦ではその勢いを失うこと無いスタートダッシュを見せて欲しいと思います。
ミスもあったが圧倒する前半

試合はハリケーンズのキックオフで開始。リターナーに入るのは、NFLを目指す期待の新人の一人WR#81栗原選手。栗原選手はボールをキャッチして右オープンに走り出ると、そのままスピードで相手選手を振り切り85ヤードのキックオフリターンTDを見せます。さらにTFPでは、QB#3クラフト選手が自らエンドゾーンに走り込み、試合開始15秒で8-0と先制点を奪います。
続くハリケーンズ最初のオフェンスシリーズは4thダウンパントとなりますが、パントボールへの対応が中途半端になり、BigBlueの選手にボールが触れたところをハリケーンズがリカバーし攻撃権を再び得ます。嫌な雰囲気が一瞬流れたものの、再度相手の攻撃を4thダウンパントに追い込み、攻撃権が移動します。
今シーズンはオフェンスコーディネーターも兼ねるQB#3クラフト選手最初のプレーは、昨年のホットラインTE#40スタントン選手への10ヤードパスでダウンを更新します。さらにWR#80瀧選手に12ヤードのパスを通すと、今度はRB#10末吉選手が18ヤードのロングゲインを見せ、プレー毎にダウンを更新して前進します。WR#16梶川選手に続けて16ヤード、26ヤードとパスが通ると、最後はWR#17小川選手へ8ヤードのTDパスが決まります。
続くハリケーンズのシリーズ。4thダウンパントキックを、WR#81栗原選手が大きくゴール前20ヤードまで戻すと、今度はWR#80瀧選手へTDパスが成功。次のBigBlueオフェンスシリーズは、自陣ゴール前14ヤードからの厳しいシチュエーションからのスタート。RB#26原田選手のダウンを更新する走りで36ヤードまで前進するものの、反則で後退し自陣30ヤードで3rdダウン残り16ヤード。しかし、ここからWR#17小川選手にパスが通ると、ランアフターキャッチで70ヤードを走り1Q 4本目のTDとなります。
続くハリケーンズのシリーズ。4thダウンパントキックを、WR#81栗原選手が大きくゴール前20ヤードまで戻すと、今度はWR#80瀧選手へTDパスが成功。次のBigBlueオフェンスシリーズは、自陣ゴール前14ヤードからの厳しいシチュエーションからのスタート。RB#26原田選手のダウンを更新する走りで36ヤードまで前進するものの、反則で後退し自陣30ヤードで3rdダウン残り16ヤード。しかし、ここからWR#17小川選手にパスが通ると、ランアフターキャッチで70ヤードを走り1Q 4本目のTDとなります。

怒濤の攻撃を展開した1Qの勢いは、2Qに入っても止まりません。RB#24中野選手のダウンを更新するランが続きゴール前15ヤードまで進むと、最後はRB#29原田選手が15ヤードを突進してTD。続くハリケーンズのオフェンスシリーズは、4thダウンパントのキックをリターナーに入ったWR#81栗原選手がキャッチすると、リードブロックにも助けられて47ヤードを戻してTDになります。
さらに2Q中盤、自陣47ヤードからのシリーズでは、WR#80瀧選手へ11ヤード、29ヤードと続けてQB#3クラフト選手からパスが通ると、最後はTE#39仲濱選手へ13ヤードのTDパスが成功し3プレーで得点を奪います。このTD後のTFPでは、ロンリーセンター体系からDL#92諸星選手にボールがスナップされると、そのまま#92諸星選手が突進してTFP成功。実は、このプレーは1Qにも試みられましたが、この時は失敗。2回目のトライで成功しました。

次のオフェンスシリーズでは、RB#10末吉選手とRB#24中野選手のランプレーで時間を使いながら前進。敵陣に入ったところで、TE#40クラフト選手にパスが通り、そのままエンドゾーンを目指しますが、惜しくも1ヤード手前でタックルされてダウン。しかし残り1ヤードは、RB#24中野選手が飛び込み、この試合8本目のTDを奪い前半を終了します。
1Q、2Qともに4TDずつ、合計8TDを奪う猛攻を見せたオフェンスチームですが、ディフェンスチームも、最初のパントリターンのミスの時を除けば、その後はハリケーンズオフェンスにファーストダウンの更新を許さないディフェンスを見せてくれました。DL#98瀧川選手、DL#96林選手の2QBサックもあり、ハリケーンズのオフェンスチームをBigBlue陣内に入れること無く、ほぼ完璧と言えるディフェンス戦を見せて前半を折り返します。
モメンタムは渡さずに

K#8小田倉選手のキックオフで始まる3Q、ハリケーンズの攻撃を押さえて4thダウン6ヤードを残してパントになります。ここで、相手のラインを割って飛び込んできたDB#5春日井選手がパントボールをブロック。転がるボールをルーキーDL#31藤村選手がリカバーして、ゴール前25ヤードから後半最初の攻撃権を得ます。
後半になりQBは#14多川選手に交代。後半最初のプレーは、得意のQBキープで25ヤードを独走しTDを奪います。続くハリケーンズの攻撃は、1stダウンのパスが通り、この試合初めてプレーでのダウン更新を許してしまいます。しかし、次のパスをDB#1 Millar選手がインターセプト。17ヤードをリターンしてBigBlueの攻撃が始まります。敵陣45ヤードからの最初のプレーは、ルーキーRB#35土井田選手へのハンドオフ。ここから、サイドライン際を駆け上がり、長躯45ヤードのTDランを奪います。
続くハリケーンズの攻撃は、自陣31ヤードで4thダウン残り1ヤード。何とか一矢報いたいハリケーンズは、自陣ながらもギャンブルを選択。中央突破を狙うハリケーンズのキャリアーに対して、正面から突進したDL#42吉津選手が行き足を止めると、そこにDL#98瀧川選手に、さらにLBのポジションに入ったRB#10末吉選手も加わりギャングタックルでキャリアーを引き戻し、相手のギャンブルを失敗に追い込みます。

ゴール前31ヤードと、絶好のボールポジションから始まるオフェンスシリーズ。RB#29原田選手は、TE#39仲濱選手の好リードブロックにも助けられて16ヤードのロングゲインでエンドゾーンに迫ります。この後、2ndダウンで12ヤードの場面から、QB#14多川選手はプレーアクションパスからエンドゾーン右に走り込んでいたWR#83松尾選手へ12ヤードのTDパスが成功。ついに得点は77-0となります。この77得点は、BigBlueの過去の最大得点70点を上回る記録更新となります。
大量得点に相手の攻撃もほぼ完璧に抑えてきた試合ですが、暑い天候の下長くなる試合時間もあり3Q中盤のハリケーンズのオフェンスシリーズでは、ハリケーンズにとってこの試合最長となる15ヤードのパスが成功し、この試合2回目のファーストダウン更新を許します。これでモメンタムを掴みたいハリケーンズですが、その気持ちが逆に焦りを生んだのか、次のプレー開始前に交代違反の反則を犯してしまい5ヤード後退してしまいます。ここからのハリケーンズのシリーズ、まずはDL#96林選手がゲインを許さないタックルで1stダウンのプレーを潰すと、続く2ndダウンのパスは、ルーキーDB#23保宗選手があわやインターセプトのパスカット。3rdダウンのランプレーはLB#33須藤選手がやはりゲインゼロのタックルで止め、このシリーズもパントで攻守交代となります。
さらに追加点を積み重ねたいBigBlueオフェンス。しかし、3rdダウン残り9ヤードの場面から投じられたパスは、リード気味となり、レシーバーが弾いたボールはハリケーンズにインターセプトされてしまいます。この試合初めてオフェンスのシリーズが、TD以外で交代となります。

自陣49ヤードでチャンスを掴んだハリケーンズ。しかし、BigBlueディフェンスはここで意地を見せます。最初のQBキープをDL#96林選手がゲイン無しで止めると、続くRBの突進をLB#42北村選手がタックル。さらに3rdダウンのオプションプレーでは、ピッチマンへDL#92諸星選手が襲いかかり、8ヤードのロスを強います。ここで3Qが終了し、サイドが変わって4Qに入るとハリケーンズはパントで攻守交代。1ヤードの攻防をBigBlueディフェンスが凌ぎきり、自陣への進入を許さず最終4Qになります。
時間の消費も考え、この日TDを記録しているRB#35土井田選手にボールを集めて前進すると、最後はRB#24中野選手が5ヤードを飛び込みTD。TFPのプレーは失敗したため得点は83-0となりましたが、さらにチーム最大得点を延ばします。
続くBigBlueのオフェンスシリーズでは、ルーキーQBの#4橋本選手が登場。RB#21藤井選手のランでダウンを更新するものの、その後のプレーはハリケーンズの厚いディフェンスにあい前進出来ず、この試合初めてFGを狙います。ポストまで43ヤードのトライは、K#8小田倉選手にとって決して難しい距離ではなかったものの、距離は足りていたもののボールは右に逸れて失敗。残念ながら追加点はなりません。
この後のハリケーンズの攻撃も4thダウンパントに押さえると、残りの試合時間を消費し、83-0の大差で終了しました。
さらに精度を上げて次の試合へ

春の試合は毎年中々リズムに乗れず、どうしても相手に合わせた内容となり、課題も色々と生まれるのですが、この試合はほぼ満点の出来と言えるでしょう。オフェンスはチーム最多の83得点/12TDを奪う猛攻を見せ、56回のプレーで594ヤード獲得という、1プレー平均10ヤードを超える結果となりました。ディフェンスにおいても失点は無く、相手に許したゲインも55ヤードと圧倒する内容となりました。特に、3Qにあった1ヤードの攻防も含めて、相手のオフェンスを自陣から出さなかった守備力は、今シーズン最初の嬉しい結果と言って良いと思います。
ただし、次の対戦チームが強豪の鹿島ディアーズで有ることを考えると、この結果に甘えている余裕はなく、もっとプレーの精度を上げないといけません。オフェンスの得点力アップは実感したものの、あまりシリーズを構成して得点する機会が無かったことが逆に次の試合に向けての不安とも言えます。またディフェンスにしても、ファーストダウン更新は2回に押さえましたが、途中のプレーではタックルの甘さが見られる場面もあり、こちらも「安心出来る」というレベルにはまだ達していません。次の試合までは2週間ですが、G.W.の休みの間の準備期間も有り、今回の試合の反省点を修正する時間はたっぷりあるでしょう。パワーという意味では、例年に無く手応えを感じた試合でした。次の試合では、そのパワーを的確に相手に向けることが出来る「精度」にこだわった試合を展開して欲しいと思います。
Go BigBlue!
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