第一節: 明治安田パイレーツ戦の見所
2013/08/27
今年もいよいよリーグ戦が始まります。BigBlueの2013シーズンは9月2日(月)、東京ドームから始まります。初戦の対戦チームは、明治安田パイレーツ。前身チームの五洋建設パイレーツ時代から累算した対戦成績は3勝2敗と勝ち越しており、しかも最近の対戦ではBigBlueが3連勝中と相性の良い相手です。とは言っても、一番最近の対戦は2009年であり4年振りの対戦となる今回の試合では、これまで知っている「パイレーツ」とは異なるチームと試合をする覚悟が必要と思われます。
今シーズンからパイレーツは、日本大学OBで学生援護会ロックブルで活躍した松岡輝茂氏をHCとして招聘し、コーチ陣も一新しました。チームシステムがかなり変わることが伺えます。実際、これまでのパイレーツはランプレーを軸に、ショート・ミドルのパスを織り交ぜてドライブする印象がありますが、春の試合では初戦の日本ユニシス戦でも続く富士通戦でも、かなりパスオフェンスに軸足を移している雰囲気が伺えます。その原動力と言えるのが、ルーキーQBの広野選手(早稲田大OB)。新HCに新QBというフレッシュなコンビと対戦する開幕戦です。これはBigBlueにとっても同様で、特に今年は21名のルーキーが加入し、チームの雰囲気もさらに活力あるものに変わりました。開幕戦と言うことで、彼らルーキーの活躍が最大の注目点と言えるでしょう。
オフェンスの見所
昨シーズン、XリーグのQB記録を大きく塗り替えた#3クラフト選手は、今年はチームのオフェンスコーディネーターも兼任し、チームオフェンス全ての責任を背負いながら試合に臨みます。昨年は練度不足も散見された、英語のオーディブルによるノーハドルオフェンスですが、昨年の反省に基づきオフシーズンからシステムの再構築を開始し、さらに磨きを掛けています。特に今シーズンは、ルーキーの#81栗原嵩選手が加入。今年の春にはボルチモア・レイブンズのトレーニングキャンプに参加するなど、将来のNFLプレーヤーを目指す選手の一人ですが、クラフト選手とのマッチングはお互いの能力の高さもあり、ぴったりと息が合っています。昨シーズンは、#40スタントン選手とのルーキーコンピのホットラインが活躍しましたが、今シーズンはさらにこの栗原選手がもう一つのホットラインになることは確実です。
一方のグランドアタックでは、春の試合で活躍したルーキー#35土井田渉選手の走りに注目です。BigBlueには、パワーランの#10末吉選手、カットバックの#24中野選手、デイライト走法の#29原田選手と個性有るランナーが揃っていますが、それら先輩ランナーとはまた違った走りを見せる土井田選手。スクリメージラインで一瞬止まった・止められたと思った次の瞬間から、一気に抜け出す、言わばチェンジオブペース走法のランナー。今シーズンもBigBlueオフェンスの中心はクラフト選手のパスオフェンスにありますが、そのパスを生かすためにも、RB陣が確実にゲインして相手ディフェンスを前に引きつけ、後のスペースを空けなくてはいけません。パスが通れば、今度はスクリメージラインの前が空きますから、その時はRB陣が活躍する場面です。オフェンスシリーズの中での、ランとパスでのモメンタムチェンジの実現が、この日から始まるシーズンで勝ち残る武器の一つとなるはずです。
BigBlueオフェンスを支えるオフェンスラインにも、頼もしいルーキー二人が加入。チーム一の巨漢#72村上選手(191cm/118kg)とほぼ同サイズの、#58江口慎一郎選手(190cm/120kg)と#79島崎綾介選手(189cm/115kg)です。勿論ライン戦はサイズで勝負が決まるわけでは無く、自分の体格を生かしたスピード、パワー、テクニックの組合せが重要。その点江口選手は、今年初めに開催されたNFLリージョナルコンバインにも参加した実績を持ち、サイズだけで無くスキルの点でもBigBlueオフェンスラインに厚みをもたらしてくれることが期待されます。より重厚な布陣になったBigBlueオフェンスの爆発が、この試合第一の見所と言えるでしょう。
デイフェンスの見所
BigBlue今シーズン浮沈の鍵を握るのは、なんと言ってもディフェンスチームです。昨シーズン2ndステージ上位リーグ進出の9チーム中、唯一100点台の失点を許しているのがBigBlueだからです。最少失点は鹿島の29点、9チームの平均失点は55点、という結果から比較すると、余りに大きい失点と言えます。原因はいろいろ考えられると思いますが、他の上位チームが下位チームとの対戦ではしっかりと無失点、最少失点で勝利しているのに対して、BigBlueは得点も多いが失点も多いという試合が散見されます。選手個人の能力というよりは、やはりシステムとしての完成度がまだまだ十分でないと言えます。そこで、今シーズンは昨年で選手を引退した林俊也氏をディフェンスコーチに、アサヒ飲料で活躍された上田拓氏をディフェンスアドバイザーに招聘。過去の試合を徹底的に洗い出し、ディフェンスシステムを春から構築してきました。
その影響が最も大きいのが、DB陣でしょう。今季11名登録された選手のうち、7名がルーキーであるため、否応なしに新しいシステムを構築しなくてはなりませんでした。逆の言い方をすれば、これまでの柵を全て忘れて、新規の状態からユニットを作る事が出来る分、効率的に試合に臨めるはずです。注目されるルーキーは、今年お正月のライスボウルに関西学院大学の選手として出場して活躍した#23保宗大介選手。春の試合から出場し、DB陣の中心選手としての活躍しています。また、立命館大学で活躍した、#20矢部伯門選手と#32椙田圭輔選手の新旧コンビの加入ももう一つ注目点です。パイレーツのオフェンスが、パスに重点を置いてくることが想定されるだけに、DB陣活躍がこの試合で最も重要な部分であることは間違い有りません。
フロントラインで注目したいルーキーは、#61木下剛選手(登録名:木下マリオ)。今年オービックシーガルズから移籍した木下選手は、元々はラガーマンであり、高校代表、U21、日本選抜、日本代表と、各年代で日本のトップチームで活躍した経歴を持ちます。一般的には同種のスポーツと見られがちなラグビーとアメリカンフットボールですが、その内容は大きく異なります。木下選手も、当初は戸惑うことが多かったようですが、今では完全にフットボールに馴染んでいます。特に「タックル」という動作はどちらのスポーツでも共通ですから、DLというポジションは理想的と言えます。スクリメージラインを超えて、QBに突進する木下選手のプレーに注目です。
試合の見所
シーズン開幕戦は、どのチームにとっても重要であることは間違いありません。ある意味、そのシーズンの趨勢を決める試合とも言えるため、お互いに相手の意表を突く準備をしてくるものです。特にBigBlueにとっては、第二節のノジマ相模原戦、第三節のオービック戦と、立て続けに予定されている上位チームとの対戦を占う試合でもあり、単に試合に勝つのでは無く、どの様に試合をマネージして勝つのかと言う、より高いレベルでの試合内容が要求されます。明治安田は、昨年の地区順位はBigBlueよりも下位ですが、中堅以上のポジションを常に狙える力のあるチームだけに油断は出来ません。ただBigBlueとしては、まずは今シーズンBigBlueのオフェンス・ディフェンスとして何をやりたいのか、それを実際のフィールドで実現する事が重要です。自分達が信じて積み上げてきたものが、どれだけの完成度でシーズンインを向かえたのか、その結果がそのまま試合の結果に繋がるはずです。
オフェンスについては、東京ドームというノイズの多い会場で、QBクラフト選手のノーハドルオフェンスがどれだけ機能するかが、今後の試合を占う注目点の一つです。時にはレディーフォープレー直後にプレーを始める、あるいは40秒をぎりぎりまで使い切ってプレーを開始する。そういったタイムマネージメントも、オフェンスが繰り出せる有効な武器の一つです。不利な環境の中で、そういった部分も含めてオフェンスの完成度を確認する良い機会になるでしょう。また、ディフェンスについては最後の砦であり、今シーズン最もメンバーがフレッシュになったDB陣の活躍が、昨シーズンの3桁失点という不名誉を返上する機会となるでしょう。DBだけで無く、DLにとってもLBにとっても、自分達が信じて取り組んできたことを100%実行出来るかどうかが勝利への道です。単純でシンプルな課題ですが、それ故に実現するためにはこれまでの努力の積み重ねで決まると言えます。是非、その結果を東京ドームで見せて欲しいと思います。
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