第一節 vs. 鹿島ディアーズ戦の見所

2010/09/06

いよいよ今年も始まるXリーグ。BigBlueの初戦は、これで9シーズン連続しての対戦となる、昨年度のXリーグ、そして日本チャンピオンの鹿島 ディアーズです。毎シーズンFinal-6、Final-4に進出し、何度も優勝をしている印象のあるディアーズですが、意外なことにリーグ優勝は12年 ぶり。

オフェンスの見所

昨年度から頭角を現してきた若手QB多川選手は、春のパールボウルでも活躍。自ら密集に突進するプレースタイルには、ベンチサイドとしてはハラハラ させられますが、相手ディフェンスにとっては今日にもなる力です。また、同じく若手QBの澁井選手も本格的に始動開始し、シルバースターとの交流戦では 2TDパスを決めるなど、学生時代を彷彿させるプレーを見せてくれました。ここにベテランQB岡村選手も加わり、オフェンスプレーの厚みは、ここ数年で一 番充実していると言えます。

オフェンスプレーでは、まずRBの吉津選手のパワーアタックに注目です。オフェンスのプレースタイルとしてはパスプレーの比重が高いBigBlue ですが、パスを生かすためにはやはり確実に距離を獲得できるランプレーが無くては成立しません。体重とスピードを生かした突破力は、春の試合で証明済みで す。さらに、スクリメージラインを抜けてからの加速力もあり、ロングゲインも期待できます。

レシーバー陣では、ロングターゲットのWRイアン選手とWR小川選手へどれだけボールを集められるかが重要。勿論、ディフェンス力にも定評のある ディアーズですから、簡単にはパスを許さないと思われますが、昨シーズンから多くの選手が入れ替わっていることと、初戦と言うこともあり切り崩すチャンス は大いにあると思われます。過去の対戦では、ディアーズのLB陣がブリッツでQBにプレッシャーをかけて、パス失敗に追い込まれるシーンが多くありまし た。OL陣の活躍は勿論、そのブリッツの裏手に入り込む、SB/TEへのショートパスが試合での重要な要素になるかもしれません。

大量得点は望めない相手だけに、少ないチャンスを確実に得点に結びつけなければいけません。FGも勿論ですが、キッキングゲームの善し悪しが試合の 流れを大きく変えるでしょう。今シーズンは、K井田選手が再び復帰し、K崔選手とともにキックプレーに登場します。彼らのキックで、どれだけディアーズを 陣地奥に押し込めるか。これも重要なオフェンスプレーだと言えます。

ディフェンスの見所

ディフェンス陣は、昨年手薄だったLB陣を大幅に強化。コーチ兼任ですが、LB坂本選手が再びフィールドに戻り、春もビッグプレーを何度も見せてく れました。また、新人のLB岸本選手とLB鄭選手も、ルーキーながらディフェンスの中心として春から活躍し、秋のシーズンに期待が高まります。これまで試 合では、どうしても第一線を突破してきたディアーズRBを、このセカンダリーで確実に止めることが出来ず、そのままロングゲインを許してしまう場面が多く 観られました。昨年の試合では、ランプレーだけで260ヤード以上を許し、試合支配時間とモメンタムをなかなか取り戻すことが出来ませんでした。逆に言え ば、そこを解決することで勝機も見えてくるわけで、このLB陣とDL陣の踏ん張りが勝利のための絶対条件です。

春の試合では、インターセプト、ファンブルリカバーといったディフェンスのビッグプレーが多く観られました。これはボールに対しての執念・集中力で 相手チームを上回っていたという点で評価できる内容だと言えます。特に春のアサヒビール戦では、3回のファンブルのうち2回をリカバーし得点にもつながり ました。ファンブルにはならなくても、相手を押し戻すくらいのハードタックルと早い集まりの場面も何度もありました。強力なディアーズオフェンス相手に厳 しい場面もありますが、春から取り組んできた「ファーストステップ」を意識したスタートで、一瞬でも早く相手の中に飛び込むことでディフェンスの優位性は 大きくなります。鹿島戦に向けて、春のスタート時から取り組んできたことだけに、是非この試合でその成果と結果を見せて欲しいところです。

試合の見所

BigBlueの勝機は、まずは相手に得点を許さずロースコアに持ち込み、ワンチャンスを必ずものにして確実に得点をして僅差で逃げ切ることにつき ます。対戦相手は違っても、例年シーズン初戦ではキックオフリターンTDや、ロングゲインでのTD等で相手に試合のモメンタムを持って行かれ、結局それを 取り戻せずに終わってしまうケースが何度もありました。相手のキックオフ、あるいはファーストプレーを、確実に止めて次のプレーに移る、まずは冷静な対応 が望まれます。その上で、やはりディフェンス陣がどれだけディアーズを苦しめるかがBigBlue勝利の鍵です。

オフェンスでは、ここまで毎シーズン悔しい思いをしてきたQB岡村選手の活躍に期待したいところです。毎年対戦し、相手のこともよく分かっている QB岡村選手から、やはり相手をよく知るベテランWR天谷選手へのTDパスが前半で見られれば、試合の流れは一気にBigBlueへと傾くでしょう。

BigBlueのシーズン最初の試合は、一番熱い試合になることに間違いありません。

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