東日本交流戦2015:アサヒビールシルバースター戦の見所

2015/04/25

今年もいよいよフットボールシーズンが開幕します。今シーズンは、7月にアメリカのフットボールの聖地オハイオ州キャントン市で第5回IFAFアメリカンフットボール世界選手権(ワールドカップ)が開催されるため、例年春に開催されているパールボウルは中断し、代わりに東日本12チームによる交流戦が各チーム2試合ずつ予定されています。BigBlue 1試合目の対戦チームは、アサヒビールシルバースター(以下、アサヒビール)です。BigBlueは秋のリーグ戦でこれまで4回対戦し、2勝2敗(3-16@2004, 29-20@2005, 20-17@2010, 13-27@2011)の五分の成績を残しています。2011年の対戦以降、春の試合を含めてもこれまで対戦する機会が無く、久しぶりの対戦となります。

アサヒビールは、社会人優勝4回、ライスボウル優勝3回を誇るリーグの強豪チームながら、ここ最近のシーズンでは上位チームの壁に阻まれ、BigBlue同様地区3位が定位置になりつつあります。今シーズンは2011年シーズン以来の同地区となり、この秋のリーグ戦での対戦が予定されています。2011年は、第一節でアサヒビールに敗れると、第二節ではそのシーズンXリーグに昇格したノジマ相模原ライズに24-31で敗れ、さらに第四節でもオービックシーガルズに10-46と敗れ、アサヒビールは地区3位、BigBlueは地区4位となり、2ndステージ制が2009年に始まってから、初めて上位リーグに進出出来ないシーズンとなりました。久しぶりの対戦となるこの試合は、秋のリーグ戦での対戦も意識した、どちらのチームにとっても重要な試合となります。

ディフェンスの見所

この試合、と言うよりも今シーズンの開幕にあたり、最大のニュースの一つと言って良いのが、アサヒビールに今シーズンから加入した、サンディエゴ大学(University of San Diego/USD)出身のQBメイソン ミルズ(Mason Mills)選手。BigBlueのクラフト選手、エレコム神戸ファイニーズのフナキ選手、富士通フロンティアーズのキャメロン選手に続く、Xリーグ4人目のアメリカ人QBです。正直なところ、古豪チームでありフットボールスタイルに関しても個人的には保守的な印象のあるアサヒビールというチームに、アメリカ人QBという組合せをイメージするのは難しいのですが、それだけチーム改革に対して本気で有り、大きな飛躍に繋がる可能性も大きいと言えます。

ミルズ選手のこれまでの成績を見ると、大学最後の2シーズン(2012/2013)にチームMVPを受賞。学生最後の2013シーズンには、388試投/256成功、3,463パッシングヤード、35TD、5インターセプトの記録を残しており、大学の所属するパイオニア フットボール リーグ(PFL/Div. I-FCS)2013シーズンの"Player of the Year"を獲得しています。また、通算パッシング記録(11,104ヤード)とTD記録(95TD)は、どちらもPFLの歴代2位の記録です。身長180cm/体重88kgと、クラフト選手、キャメロン選手と比べるとやや小柄な体型ですが、大学時代の試合映像を見ると、ミドル・ディープエリアのレシーバーにピンポイントでパスを通す正確さを感じます。またディフェンスラッシュを受ける場合のモビリティ能力も高く、スプリントアウトからのパス能力の高さも伺えます。この試合ではまだアサヒビールのレシーバー陣との練度の問題があるかもしれませんが、秋の試合では注意が必要となるでしょう。

従って、この試合での最大の見所は、BigBlue DB陣がどれだけミルズ選手のパスに対応出来るかです。ディープゾーンへのパスであっても、高い位置に飛んでくるミルズ選手のパスに対して、DB陣が空中戦でどれだけ対応出来るかが勝負となるでしょう。昨シーズン活躍して、現在オールジャパン候補選手にもなっているDB#1中谷選手は上背もあるため、彼としてもこれまで以上にインターセプトが狙える試合になるのでは無いでしょうか。同じくオールジャパン候補選手のアサヒビールWR林選手は、体格も大きくミルズ選手のNo.1ターゲットになる事が予想されますが、この二人のマッチアップが大いに注目されます。ただ、その為に両サイドのカバーが甘くなり、レシーバーが少しでも先に出るようであれば、今度はそこにピンポイントでボールを落とす能力を持っているミルズ選手ですから、注意は必要です。

アサヒビールは、以前はランオフェンスで押してくるチームと言う印象でしたが、最近のシーズンではパッシングオフェンスにスタイルを変え、それを支えるOL陣には巨漢選手が揃っています。この大きな壁の隙間に素早く進入し、機動力もあるミルズ選手に対してプレッシャーを与え続けることがBigBlueディフェンスとして一番の仕事になります。DL#31藤井選手、#34ブルックス選手のチャージに、LB#7岸本選手、#97國方選手のブリッツ等がどれだけ通用するのか、秋の試合に向けて重要な試金石になるでしょう。

オフェンスの見所

3シーズン目にして、Japan X Bowl初出場という一つの目標を達成したQB#3クラフト選手を中心としたBigBlueオフェンス。しかし、そのオフェンスの大黒柱の一人であったWR#17小川選手が昨シーズンで引退したため、今シーズンは大きなシステム変更が予想されます。昨年のBigBlueパス攻撃(243回成功/3,324ヤード獲得、36TDパス)のうち、小川選手はパスレシーブ33回(13.6%)、獲得距離は397ヤード(11.9%)、TDレシーブについては7TDレシーブ(19.4%)を占め、攻撃力の1割、最後の決定力(TD)の2割を失った状態で今シーズンはスタートする必要があります。また秋のシーズンを考えると、先日のNFL Veterans Combineで注目されたWR#81栗原選手も参加出来ない可能性が考えられ、二人合わせると30%近いオフェンス力の減退となります。TE#40スタントン選手は健在ながらも、小川選手や栗原選手のように、ロングレンジのパス攻撃が期待でき、かつここ一番での決定力も持つ若手選手の台頭が大いに望まれます。ターゲットとしてサイズも大きなWR#11原選手、#28岸選手、#83松尾選手、さらにはベテランの#89円谷選手には、ディープゾーンでの活躍を大いに期待したいところです。

また昨シーズンはショートパスからのRAC(Run After Catch)が効果的だったBigBlueオフェンス。ホットラインのTE#40スタントン選手は盤石としても、プレーに幅を持たせるためにも更なるレシーバーが必要です。WR#16梶川選手は昨シーズン復帰したベテランルーキーですが、要所でのレシービングに光るものがありました。今シーズンの活躍が大いに期待されますが、さらに有望なレシーバーの登場が望まれます。昨シーズンは、元OLの#91村上選手をTEにコンバートし、メインのブロッキング能力だけで無くファイナルステージのLIXIL戦ではTDまで記録しましたが、今シーズンもこの試合で意外な選手の登場があるかもしれません。

またランプレーでの注目は、やはりオールジャパン候補に入っているRB#21髙木選手のプレーでしょう。小柄な体型ながら、デイライトを巧みに駆け抜け、さらにダウンフィールドに出てもカットバックで相手をかわす技術は、今年も大きな戦力になるはずです。昨シーズンの二枚看板、RB#10末吉選手、#21髙木選手は今シーズンも健在ですが、ランプレーに厚みを持たせるためにも、この二人以外に活躍できる選手が必要です。その候補者の誕生を、この試合の中で是非見せて欲しいところです。

また、オフェンスを支えるOL陣に関しても、今年は更なる努力が必要となります。昨シーズンJapan X Bowlまで進んだものの、富士通の強力なディフェンスには2度敗れ、またそれ以外の試合でも苦しい状況がありました。殆どのOLメンバーがそのまま残るため今シーズンはチームとして昨年の積み重ねを生かせる利点がある半面、相手チームにも研究をして対策を準備する余裕を与えることになります。ライバルチームにとって最大の課題は、いかにクラフト選手のオフェンス、特にパスプレーを潰すかで有り、その為にはまずOLの壁をどの様に崩すかと言う事になります。アサヒビールにとってもそれは同じ事で、サイズとスピードを兼ね備えたDL陣達は、秋のリーグ戦を念頭に置きながらいろいろと試してくる試合になると予想されます。お互いに手の内は見せずに、どれだけ相手のプレーを引き出せるか、その駆け引きも大きな見所です。

試合の見所

昨シーズンも、クラフトvsキャメロンのアメリカ人QB対決が大いに話題になりましたが、この試合もクラフトvsミルズの対決、特にパスオフェンスでの攻防が最大の見所と言えます。日本ではあまり馴染みの無い全米カレッジのPFL出身のため、この試合で得られるミルズ選手の情報は貴重であり、秋のリーグ戦に向けて試合結果にかかわらず大きな収穫になるでしょう。

また、2月から個人毎にシーズンをスタートし、この時期は"BigBlue 2015"として一つの形が出来つつあるタイミングです。アサヒビール、そして次の対戦予定のオービックという、どちらも力のあるチームと対戦することで、より多くの課題や改善点も見つかるでしょう。それらは秋のリーグ戦に向けての重要な目標にもなります。またベテラン、新人、多くの選手が登場することが予想されるこの試合は、チーム内でのレギュラー争い、ポジション争いの場でもあります。いつも以上に緊迫感のある試合が期待されます。Go BigBlue!

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