パールボウル2016: ノジマ相模原ライズ戦の見所
2016/05/23
対戦チームの都合から変則的なスケジュールとなったパールボウル2016ブロック予選。BigBlueは大差で勝利を飾り、チームとしては初のパールボウル準決勝に進出しました。A~D各ブロックの1位チームがそれぞれ対戦する準決勝。BigBlueの対戦相手は、Dブロックをオーバータイムの競り合いで勝ち抜いてきた、ノジマ相模原ライズ(以下、ノジマ相模原)です。秋のリーグ戦では過去3回対戦し、初対戦の2011年は1TD差(24-31)、2013年には1FG差(21-24)で破れるものの、2014年にBigBlueのホームゲームとして八千代市で対戦し、30-21と粘りのディフェンスで勝利を勝ち取りました。実はセカンドステージでは2012年に対戦しており、この時は48-17と予想外の大差で勝利。実質的には2勝2敗の五分の戦績と言って良いでしょう。
昨シーズンのノジマ相模原は、新加入QBアンダーソン選手の活躍も有り、3年振りにファイナルステージまで進出しました。しかしこの春の試合では、立命館大学で活躍した荒木選手がオフェンスを指揮しています。アサヒビール戦ではパスオフェンスが決まらず苦労した後が伺えますが、逆にそれが良い経験となりこの二週間の間に準備してくることが予想されます。BigBlueが勝つためには、やはりオフェンスの競り合いで相手に優る必要があり、12分Qと短い時間の中でどれだけ確実にオフェンスシリーズを得点に繋げられるかが勝負になります。
オフェンスの見所
東京ガス戦では7TDを獲得したBigBlueオフェンス。しかし今回のノジマ相模原ディフェンスはさらに強力であり、前回のようなオフェンスプレーは期待出来ません。前回の試合では、相手ディフェンスがスクリメージラインを超えてQBやRBに迫る場面はほとんどありませんでしたが、今回は厳しいチャージを覚悟する必要があります。ランプレーでは、一旦スクリメージラインを超えてダウンフィールドに出れば、それぞれのRB選手の個人技である程度のヤード獲得は期待出来るため、いかに走路を確保するか、OLの役割は重要です。今シーズンメンバーが替わり、やや不安も感じるスタートとなったシーズン初戦でしたが、大きな破綻も無く無難に努めたと言って良いでしょう。ただ、今回はディフェンスの厳しいプレーが予想されるだけに、特にホールディングなどの反則にはこれまで以上に注意が必要です。2年目ながらすでに中心選手の一人になっているOL#66伊藤選手、DLから今回コンバートされたOL#55林選手達が、ベテランのOL#58岡田選手、OL#76秋葉選手達とどう連携してプレー出来るかが、勝負を左右するでしょう。
ランプレーでは、当然RB#10末吉選手に対しての対策を準備してくると予想されます。パワー、スピード共に昨シーズンよりも一段成長した末吉選手の走りには、ノジマ相模原ディフェンスも手を焼くと予想されます。末吉選手のランプレーを軸として、どの様にラン・パスのバランスを取った攻撃プランを準備出来るか、オフェンスコーディネーターを兼ねるクラフト選手の采配が、やはりこの試合最大の見所でしょう。一気に10ヤードを超えるようなランプレーは、今回はなかなか厳しいと考えられ、それよりも確実に4ヤード、5ヤード進み、ダウンを刻みながら更新してエンドゾーンを目指す辛抱のオフェンスが要求されるでしょう。
パスプレーでは新人も含めたレシーバー陣が満遍なくキャッチし、この試合でも相手にターゲットを絞らせない事が重要です。ただし、ノジマ相模原はアサヒビール戦で3つのインターセプトを獲得しており、その守備力は決して侮れません。試合では、東京ガス戦で活躍したWR#18上廣選手やホットラインTE#40スタントン選手が中心になると思われますが、前回2TDの活躍を見せたダークホースWR#32今井選手のプレーも見逃せません。ランプレー同様、ロングパスが一気に決まる場面は難しく、ショート、ミドルパスを確実に成功させて、オフェンスシリーズをしっかり組み立てながら最後には得点して完了するという強い意志が必要でしょう。
オフェンスとしては、やはりRB#10末吉選手のランを軸に、どの様に攻撃プランを組み立ててくるかが最大の見所でしょう。DB/LBのマークも厳しくなるため、レシーバー陣は苦労すると思われますが、秋には上位チームとの対戦が目白押しとなるだけに、相手とのマッチアップを競り勝つ能力は必須となります。昨年は、WR#81栗原選手がその仕事を一手に引き受けていた印象がありますが、さらに多くの選手がそれだけの力を身につけないと、秋のリーグ戦での勝利はありません。第二、第三の栗原選手と呼べるだけのプレーを見せてくれる選手があらわれるかどうかが、試合での注目点の一つになるでしょう。
そして前回のノジマ相模原とアサヒビールの試合を見るまでも無く、スペシャルチームの活躍が最後の最後に勝負を決める試合になります。FGの3点は言うまでも無く、TFPキックの1点も貴重です。K#8小田倉選手の右足が、最後の最後に試合を決める場面が生まれるかもしれません。
ディフェンスの見所
昨年ノジマ相模原オフェンスを牽引したQBアンダーソン選手が参加しておらず、ここまでの2試合は荒木選手がチームオフェンスを指揮しています。1試合目の明治安田戦では70%近かったパス成功率は、2試合目のアサヒビール戦では50%と相手ディフェンスに止められています。これはランプレーも同様で、29回のプレーで60ヤードしか獲得しておらず、これまでのノジマ相模原のイメージとはほど遠い印象です。昨年はアンダーソン選手、それ以前は木下選手がオフェンスをリードとしてきており、スターターとしてチームオフェンスを指揮するのは実質的に今シーズンが初となります。それ故、まだシステムに慣れていない部分があるのかもしれません。逆に言えば、そこがBigBlueディフェンスの攻めどころで有り、いかにQBに対してプレッシャーを与えられるかが勝負の分かれ目になります。
その恵まれた体格も有り、学生時代からフィールド奥に投げ込んでくるタイプの印象がある荒木選手。パスポケットに居る時間をいかに短くさせるかが先ず最初の課題で、その為には副将のDL#31藤井選手を中心としたDL陣がどれだけプレッシャーをかけられるかが鍵です。ノジマ相模原のOL陣も強力なので、正面勝負ではなかなか厳しいものがあります。その為スピードのある、DL#96長尾選手やDL#98森田選手がどれだけスクリメージラインを割ってQBに迫ることが出来るかが見所の一つでしょう。
RB陣も充実しているノジマ相模原。その中でもまずマークしなければならないのが、RB#2宮幸選手。サイズ的にはBigBlueの#21髙木選手と同じくらいですが、走り方は#10末吉選手タイプのパワーランナーをイメージさせ、この試合でも相手オフェンスのキープレーヤーです。アサヒビール戦では、12回/44ヤードと不本意な内容でしたが、当然この試合までには十分に準備してくるでしょう。その、対宮幸選手対策として期待したいのが、前回の試合でリーディングタックラーとなったルーキーのLB#47作道選手です。スピードとパワーを兼ね備えたベテランランナーに対して、期待のルーキーがどの様なプレーを見せるか、注目される対決となるでしょう。勿論、宮幸選手以外にも能力あるランニングスタッフを揃えているノジマ相模原だけに、気の抜けないディフェンス戦が続きます。
50%と低調なパスオフェンスの中で、複数回のレシーブを記録したのが、WR#16佐藤選手、TE#84吉田選手、WR#85八木選手のルーキー3選手です。この若いレシーバー陣に対するのが、キャプテンDB#1中谷選手を中心としたベテラン主体のBigBlue DB陣です。前回の試合では、中谷選手、さらには還ってきたベテランDB#22中山選手に、DB#23保宗選手の堅実が守備が光りました。また、上背の高さを生かした光るパスディフェンスを何度も見せたDB#25小林選手のプレーも楽しみです。アサヒビール戦では、最長でも16ヤードのパス成功と、辛抱のパスオフェンスを展開したと言えるノジマ相模原オフェンスですが、今回はQB荒木選手の持ち味である奥へのパスを狙う可能性が高いと思われます。ディープゾーンでのマッチアップで競り勝つことが、この試合で勝つために必須条件となります。
試合の見所
春の試合と言う事で、まだまだ戦力の予想が難しい対戦となりますが、一つだけ確かなことはどんな試合でもミスをしたチームは敗れると言う事。スタッツでは優勢だったアサヒビールが敗れた直接の理由は、オーバータイムでのFG失敗ですが、3回の被インターセプトで得点の機会を失っており、これも大きな理由と言えるでしょう。一方ノジマ相模原も、1Q最後のプレーでFGを失敗(ブロック)しており、これが成功していればオーバータイムまで苦労することも無かったでしょう。そのオフェンスを救ったのが、ディフェンスの3インターセプトと言っても良いと思います。結局、ミスをしないことが大前提ではあるけれど、それを繰り返さない、そしてそれを挽回するプレーを次に実行出来るかどうかが、勝ち残って行くために必要な事です。今シーズンからJapan X Bowlは、上位8チームからのトーナメント制で行われます。そのための疑似体験という意味でも、先ずこの試合に勝ち、決勝に駒を進めることが秋のためにも必要になります。
チームとして、初のパールボウル準決勝となるこの試合。当然チームの目標としては、その先の決勝戦であるパールボウルに進むことで有り、そこで初優勝することです。勿論初優勝したからと言って、秋のリーグ戦での成績が保証されるわけではありません。しかし、この時期にノジマ相模原と対戦し、さらにその次にLIXILあるいはOBICという強豪チーム達と対戦することは、秋のシーズンに向けて貴重な経験となります。その為にも、まずはこの試合で勝利を勝ち取って欲しいと思います。
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