あるOBの呟き- JXB準々決勝: vs LIXILディアーズ戦

2017/11/13

リーグ戦を4勝2敗、5位で終了したBigBlue。JXBトーナメントの準々決勝の相手は、昨年と同じく4位のLIXILディアーズ(以下、LIXIL)となります。試合日こそ一日違いですが、奇しくも場所は同じ横浜スタジアム、BigBlueはビジターチームとなり17:00キックオフの第三試合という昨年とほぼ同じ設定での対戦。さらにリーグ戦では今シーズンまで12連敗中なれど、プレーオフでは4連勝中であり、となればこの試合結果に関しても昨年同様勝利で終わって欲しいと、この時ばかりは縁起を担ぎたくなります。

リーグ戦でのLIXILは、初戦の富士通戦では0-30と完封負けしたものの、続く警視庁戦、アサヒビール戦と連勝。ノジマ相模原戦では僅差で星を落とすものの、BigBlue、エレコム神戸と連勝し、チームの雰囲気としては上り調子と言って良いでしょう。特にXリーグではトップクラスのQBである#9加藤選手のパッシングオフェンスは、波に乗り出すと手が付けられなくなることは、昨シーズンも十分に経験しており、そうなる前にどれだけ点差を広げられるかが重要です。しかし、その「点差」が20点30点でも安心出来ないところに、このLIXILというチームの怖さがある事も事実。どう言う状態であろうとも、4Qに試合の全てが集約されることは、今回も間違いないと思われます。日もすっかり落ち、肌寒さを感じるコンディションの中、試合はK#11佐藤選手のキックオフでいよいよ始まります。
 

波乱の幕開け、一進一退の前半

自陣22ヤードからLIXIL最初の攻撃。QB#9加藤選手が投じたパスを、DL#92トゥアウ選手がチップ。それをLB#5コグラン選手がキャッチするとエンドゾーンへ持ち込み、32ヤードのインターセプトリターンTDを開始16秒で奪います。所がその直後のキックオフ、ボールをキャッチしたWR#11前田選手は、中央に空いた穴を一気に駆け上がり、そのまま96ヤードのリターンTDを直ぐさま奪い返します。開始31秒で両チームTDの奪い合いで7-7の同点。この試合も最後まで分からない混戦を予想させる、波乱の幕開けでスタートします。

さらにLIXILは次のキックオフでオンサイドキックを見せます。両チームの選手が飛び込む中、DB#1中谷選手が押さえ、敵陣49ヤードからの攻撃となります。BigBlue最初のオフェンスシリーズは、QB#3クラフト選手からTE#40スタントン選手へのミドルインのパスでダウンを更新すると、RB#37伊藤選手が8ヤード前進。さらにWR#18上廣選手へのアクロスパスが通り、ゴール前9ヤードでダウンを更新します。ここから3回エンドゾーン奥のコーナーへパスを投げ込みますが、何れも失敗。4thダウンでK#11佐藤選手が登場し、26ヤードのFGで3点を追加します。

次のLIXILの攻撃は、WR#15田邊選手へ24ヤードのロングパスが成功しフィールド中央まで進むと、さらにWR#81杉田選手へのパスで前進。RB#22白神選手がダウン更新をし、ゴール前37ヤードからの2ndダウンのプレー。加藤選手からWR#11前田選手へのパスが成功。しかしランアフターキャッチ(RAC)で走る前田選手からDB#20矢部選手がボールを掻き出し、それをLB#6坂口選手がリカバー。攻撃権を奪い返します。自陣14ヤードからのBigBlueの攻撃ですが、反則による罰退やQBサックによる後退が響きパントで攻撃権が移動します。一方LIXILの攻撃も、DE#34ブルックス選手のノーゲインタックルやDB#1中谷選手のタックルでダウン更新を許さず、こちらもパントで攻撃権が移動します。

続くBigBlueの攻撃は、4thダウンパントを蹴りますが、この時にキッカーへの反則があり、ダウン更新となります。次のプレーでは、ターゲットが見つからずスクランブルにでたQB#3クラフト選手が、大きく29ヤードの前進。さらにQB#3クラフト選手がプレッシャーを受けながらもスローバック気味に投げたパスがWR#85鈴木選手に通り、ゴール前1ヤードまで持ち込んだところで1Qが終了します。サイドが変わった1stダウンのプレー、先ずはRB#10末吉選手がオープンを突きますがゲイン無し。続いてRB#33森重選手が中央にダイブするものの僅かに届かず。3rdダウンではQB#3クラフト選手がプレーアクションパスから右サイドに逃げながらも、右奥コーナーで待っていたWR#81栗原選手へTDパスがヒット。17-7と点差を広げます。

続くK#8小田倉選手のキックオフは、低く蹴ったボールがLIXIL選手に当たり、それを自陣49ヤードでリカバーします。ここからテンポ良くパスとQB#9加藤選手のランでレッドゾーンまで前進すると、BigBlueのパスインターフェアの反則でゴール前6ヤードでファーストダウンとなります。最初のプレーはWR#7宮本選手へのゴールラインぎりぎりのパス。これをDB#23保宗選手がTD直前で止めます。続くRB#32前川選手のダイブはDE#34ブルックス選手が1ヤード押し込んでタックル。3rdダウンのパスも失敗し、4thダウン残り2ヤードとなりますが、LIXILはFGでは無くギャンブルを選択。QB#9加藤選手がQBドローでエンドゾーンへ持ち込み、17-14と点差を縮めます。

この後お互いに1回ずつパントを交換した後、2Q終盤のBigBlueの攻撃。直前のLIXILのパントが短く、自陣42ヤードからの攻撃。RB#37伊藤選手の19ヤードパスで敵陣39ヤードまで攻め込むと、さらにQB#3クラフト選手がタックルを振り切りながらWR#85鈴木へ投げたパスがパスが成功し21ヤードまで進みます。しかしここからのパスは3回失敗。K#11佐藤選手が登場し、この試合2本目となる38ヤードFGを成功させ、20-14とリードを広げます。

2Qも残り2分5秒からのLIXILの攻撃。自陣26ヤードからQB#9加藤選手はパスを投じますが続けて失敗。3rdダウンのパスは成功するもののダウン更新には至らず、4thダウンパントとなり、BigBlueの攻撃が自陣34ヤードから始まります。1stダウンのプレーは左ワイドのWR#81栗原選手へのパス。弾道が低く手前でワンバウンドしたかと見えましたが、ボールをキャッチしたLIXIL DB#24佐野選手が42ヤードを戻してインターセプトリターンTD。TFPキックも成功し、20-21とここでLIXILが逆転に成功します。

2Q残り1分13秒、自陣11ヤードからのBigBlueの攻撃。TE#40スタントン選手へのパスでダウンを更新すると、今度はWR#18上廣選手、RB#37伊藤選手とさらパスが成功し自陣42ヤードまで進みます。引き気味に守るLIXILディフェンスに対して、今度はRB#37伊藤選手が12ヤードを進み敵陣に入ります。さらにRB#37伊藤選手へのスクリーンパスでフェイスマスクの反則があり、一気にゴール前29ヤード迄進み、残り12秒となります。次のプレーでTE#40スタントン選手へのパスは通るものの、時間を使いすぎ残り2秒でタイムアウトをとります。前半最後のプレーとして、K#11佐藤選手が登場し、42ヤードFGで再度逆転を狙うものの。ここでLIXILも残っているタイムアウトを続けて取りプレッシャーを掛けます。これが影響したのか、FGキックは右に外れて失敗。20-21と逆転を許したまま、前半が終了します。
 

後半は先手必勝、モメンタムを逃さず

過去勝利した試合では、何れもリードして折り返しており、ビハインドでの後半スタートは初めて。3QはLIXILのキックオフをWR#19鈴木選手が自陣20ヤードまで戻して始まります。最初のプレーはパスフェイクを入れたRB#10末吉選手のドロープレー。これが当たり、スクリメージライン中央を抜けると、一気に80ヤードを独走してTDを奪います。さらにTFPでは、2点コンバージョンを選択。左サイドから走り込んできたTE#40スタントン選手へボールがハンドオフされると、レシーバー陣のリードブロックの間を駆け抜けてTD。28-21と再逆転に成功します。しかし喜んだのもつかの間、大きく蹴り込んだキックオフボールをキャッチしたWR#18永川選手はタックルをステップで抜けるとどんどん加速していきます。しかし今度は辛くもDB#24齋藤選手がゴール前21ヤードでタックルし、試合開始直後の再現は回避します。

LIXILの後半最初の攻撃は、1stダウンのパスはオーバースローで失敗すると、2ndダウンではRB#22白神選手の突破を9ヤードでダウン。3rdダウンではLB#22中山選手がパスをカットし失敗。LIXILはK#14青木選手が30ヤードのFGを成功させこのシリーズを終わります。続くLIXILのキックオフでは、WR#19鈴木選手がボールをキャッチすると、フィールドを左から右に斜めに快走。残念ながらゴール前19ヤードでタックルされますが、一気にチャンスを掴みます。ここからRB#37伊藤選手が2回のランでゴール前4ヤードでファーストダウンを更新。そして次のプレーではエンドゾーンぎりぎりでWR#18上廣選手へTDパスが成功。すかさず35-24と点差を広げます。

好調なオフェンスにディフェンスも刺激されます。自陣40ヤードからのLIXILの攻撃は、RB#22白神選手のランをLB#35高橋選手が2ヤードで止めると、次のプレーではターゲットを探すQB#9加藤選手に、DE#34ブルックス選手、DL#92トゥアウ選手、LB#5コグラン選手、LB#35高橋選手の4人が殺到。7ヤードのロスタックルとなります。3rdダウンでもRB#22白神選手のランをLB陣総掛かりで止め、4thダウンパントで交替となります。

続くBigBlueの攻撃は、TE#40スタントン選手へのスクリーンパスでダウン更新するものの、次のプレーでフリープレーと思ったQB#3クラフト選手がDL#1平澤選手にタックルされ16ヤードの後退。これが響き4thダウンパントで攻撃権が移動します。しかしBigBlueディフェンスも、DL#44福岡選手が-7ヤードのQBタックルを決め、これが響き4thダウンパントとなります。

3Q終盤のBigBlueの攻撃は、ゴール前4ヤードと厳しい条件ですが、タイムマネージメントも意識してかRB#37伊藤選手にボールを集め、その期待に答えてダウンを更新。さらにRB#10末吉選手もレッドゾーンを脱出する走りを見せます。WR#85鈴木選手へのパスで敵陣に入ると、TE#84小林選手へ31ヤードのパスが通りゴール前17ヤードまで攻め入ります。ここで3Qが終了し、試合はいよいよ最終4Qに。フィールドのサイドが変わったところで、TE#40スタントン選手、RB#37伊藤選手のランでダウンを更新すると、最後はラッシュから逃げるQB#3クラフト選手からTE#40スタントン選手へ6ヤードのTDパスが成功。K#11佐藤選手のキックも決まり、42-24と3ポゼッション差まで点差を広げます。

しかし、ここから本領を発揮するのがLIXILの怖いところ。K#8小田倉選手のスクイーズキックは、DL#1平澤選手がキャッチすると、その体格にものを言わせて敵陣47ヤードまで15ヤード戻します。さらにRB#22白神選手の中央のダイブは、タックルに来るBigBlue選手を2度、3度とスピンでかわし、ゴール前17ヤードまでボールを進めます。1st/2ndと守り抜き3rdダウン9ヤード、ゴールまで16ヤードの場面、ターゲットを探したQB#9加藤選手は中央に入ってきたWR#11前田選手にパスを通すと、そのままエンドゾーンに駆け込みTD。42-31と、LIXILの反撃がじわりと始まります。

次のBigBlueの攻撃は、再びWR#19鈴木選手が30ヤードと大きく戻して自陣40ヤードから。WR#85鈴木(隆)選手、WR#19鈴木(恵)選手、TE#40スタントン選手とテンポ良くパスが成功し敵陣34ヤードまで前進します。RB#10末吉選手が15ヤード進めると、今度はWR#19鈴木選手へのパスが成功しゴール前16ヤード。そして次のプレーもタイミングを計り、エンドゾーンでフリーになっていたWR#19鈴木選手へTDパスが成功。48-31と点差を広げます。

LIXIL自陣25ヤードからの最初のプレー、スクランブルに出たQB#9加藤選手にLB#5コグラン選手が正面からハードタックル。これで加藤選手はサイドラインに下がり、QBは#12大和田選手に交替します。WR#11前田選手へのパスでダウンを更新しますが、オープンから回り込んできたDE#34ブルックス選手にロスタックルを受けて後退。4thダウンギャンブルのパスも、DB#20矢部選手がカットし、BigBlueに攻撃権が移動します。

敵陣37ヤードからのBigBlueの攻撃は、WR#19鈴木選手がQBの位置に入るワイルドキャット隊形。目一杯プレークロックを使い、ダウン更新はなりませんでしたが4thダウンでパントを蹴ります。K#11佐藤選手のキックはゴール前7ヤードでサイドラインを割り、残り1分59秒からLIXILの攻撃が始まります。

QBはそのまま#12大和田選手。1stダウンでは厳しいラッシュを避けてスクランブルに出ますが、5ヤードでサイドラインを割り結果的に後退。2ndダウンでもドロップバックをしてターゲットを探しますが、ブラインドサイドからDE#34ブルックス選手がラッシュしセーフティを奪います。これで51-31となり、しかもLIXILのキックオフとなります。LIXILはオンサイドキックを蹴りますが、これをWR#85鈴木選手が確保。残り1分46秒で敵陣39ヤードからBigBlueの攻撃となります。BigBlueはQBに#3クラフト選手が再び入りますが、ランプレーでボールを確保しつつ時計を進めます。しかしLIXILも残り3回のタイムアウトを使い切り、1分12秒を残して攻撃権を得ます。

ここでLIXILはQB#9加藤選手が再び登場。DB陣が引いて守ることもあり、パスは通しますが逆に時計を進めさせます。パスインターフェアの反則で、敵陣43ヤードでファーストダウンを得たLIXIL、スナップと同時にラッシュするディフェンスから逃げるQB#9加藤選手を、背後から迫ったDL#98森田選手が加藤選手の右手を叩きボールがファンブル。これをLB#35高橋選手がリカバーし、BigBlueが攻撃権を奪います。残り31秒は、QB#3クラフト選手がニーダウンをし、51-31でビクトリーカウントダウンの中試合が終了します。
 

この一年の成長を証明出来るか

リーグ戦での嫌な負け方から来る不安の一方、これまでプレーオフでは負けていないという験担ぎからの期待感もある複雑な気持ちの中、前半での一進一退の内容は不安な気持ちが優る状況でした。しかし後半開始直後のRB#10末吉選手のTDが、この試合の流れを大きく変える切っ掛けになり、それ以降のオフェンス・ディフェンスともに、ほぼ満点の内容と言って良い試合でした。これまでの試合の中では、第一節のオービック戦が一番の内容でしたが、それ以上に内容も結果も収穫があった試合と言って良いでしょう。

オフェンスでは、ルーキーの#37伊藤選手がXリーグのスピードに慣れ、スクリメージラインを確実に超えてヤードを稼げる力を見せてくれました。また今シーズンはレシーバー登録になったWR#19鈴木選手は、ランナー、レシーバー、QB、リターナーと八面六臂の活躍で、次の試合でも貴重な戦力となる事が期待されます。レシーバー陣も、WR#81栗原選手、WR#18上廣選手が復帰し厚みが戻り、クラフト選手とのタイミングも最高のコンディションになりつつあると感じられます。やはり得点力あってのBigBlueだけに、この試合以上の成果を次の試合で出せるかどうかがJXB進出の大きな鍵になるでしょう。

ディフェンスも、最初のプレーでのLB#5コグラン選手のインターセプトリターンTDを始め、ターンオーバーにはならなかったものの、好プレーが随所に現れていました。結果的に4TDを許しましたが、そのうち二つはキックオフリターンやインターセプトからのリターンTDであり、ディフェンスが実際に与えた失点は2TD/1FGの17失点と、十分に合格と言える内容です。ただ、次に対戦が予定されているパナソニックは、ラン・パス共にさらに強力なオフェンスを擁しており、やはり今日以上の内容を見せないと勝利することは厳しくなります。その為に何が必要なのか、この二週間でしっかり準備をして欲しいと思います。

昨年に続きJXB準決勝進出を果たしたBigBlue。しかし次の試合で敗れてしまえば、結果としては昨年と同じ、成長したとは言えません。対戦相手は、ここまで今シーズン無敗のパナソニックインパルスになりますが、シーズンとしては勿論、これまで4戦4敗の対戦成績に初めて勝星を追加する事が出来るか、今回以上の試合を見せて欲しいと思います。 DOMINATE! BigBlue!

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