第一節: 富士通フロンティアーズ戦の見所

2018/08/21

一週間後に迫ってきた2018シーズンの開幕戦。BigBlue初戦の対戦相手は、昨年のリーグチャンピオンである富士通フロンティアーズ(以下、富士通)です。富士通とは昨年のジャパンXボウル(JXB)で対戦。二回目のJXB挑戦となったBigBlueに対して、JXB連覇を狙う富士通の壁は高く厚く、23-63の大差で敗れてシーズンが終わりました。その前年、2016年シーズンでは、JXBトーナメント準決勝で対戦。この時は、4Q終盤までリードしていたものの、残り0秒で決勝フィールドゴールが決まり、26-28で敗れると言う悔しい結果でした。あと一歩迄迫りながらも、再び大きく差が開いた昨年。今シーズンはどこまで迫り、そして勝ち越せるのか、厳しい試合が初戦から始まります。

今シーズンの富士通は、昨年までチームのオフェンスを牽引していたQBのキャメロン選手が引退。さらにグランドアタックの主力でもあったRBのゴードン選手も引退しました。春の試合ではベテランQB平本選手が主にプレーを出し、さらにLBだったニクソン選手をRB兼任として起用していましたが、新QBとしてバードソン選手が加入し、さらにLBとしてNFLのサマーキャンプ参加経験もあるマシス選手が加入するなど、未知数ながらも戦力補強は十分と言えます。

オフェンスの見所

今シーズン、ヘッドコーチ(HC)も兼任することになったQB#3クラフト選手ですが、司令塔としてのプレーの割合は、その分QB#2政本選手が増える事が予想されます。実際パールボウルでは政本選手が先発し、オフェンスの半分を担っています。昨年のJXBではクラフト選手が主にコールを出しており、経験値という意味ではクラフト選手が有利ですが、HCとしての立場を考えて、まずは政本選手を先発して客観的に流れを判断するのか、あるいは自らフィールドで感じたことをHCとしての采配に生かすのか、一人三役としてのゲームマネージメントが注目されます。

富士通のゴードン選手引退と同様に、BigBlueオフェンスの核であるRB末吉選手の引退は、BigBlueオフェンスに大きな影響を与えました。その体格を生かしたスピードとパワーに溢れたランニングプレーで何度もチームの窮地を救い、それ故にBigBlueの持ち味であるパッシングオフェンスにも好影響を与えました。RB陣には、末吉選手と両輪を成す#21高木選手が健在で、さらに昨年ルーキーながら試合毎に成長した#28伊藤選手(#37から番号変更)、RBポジションに戻ってきた#19鈴木選手、さらには#29鎌田選手、#37安齋選手、#47山中選手と新人3選手が加わり、陣容としては昨年以上になりました。勿論、ビッグプレーを大いに期待するところではありますが、確実にヤードを獲得しダウン更新を積み重ねることが出来る堅実なプレーを、先ずは期待したいところです。

レシーバー陣では、2年目の選手に注目が集まります。まずはTEの#42高田選手と#88細谷選手。TEと言えば、#40スタントン選手の代名詞でもありますが、その分年々マークも厳しくなって来ています。二人の選手の活躍でスタントン選手への圧力を弱めることが出来れば、オフェンスとしての流れを掴む切っ掛けが増えるでしょう。同じく2年目となる#82白根選手と#85鈴木選手の二人には、昨年以上の活躍が期待されます。ルーキーながらもベテランレシーバー陣と遜色ない活躍をした昨年以上の活躍が、今シーズン勝利の絶対条件です。さらに今シーズン加入した、#14前田選手、#83仲村選手、#84近江選手のルーキー3選手の活躍にも期待が掛かります。厳しい富士通のDB陣との対決でどれだけ優ることが出来るか、今後の試合にも繋がる重要なマッチアップになります。

課題となるのは、マシス選手の加入でさらに強力となった富士通DL陣に対するBigBlue OL陣でしょう。パールボウルでは残念ながら無得点だったオフェンスですが、OL陣の堅実なプレー無くしてはボールを進める事は出来ません。ベテランの#53樋之本選手が復帰し、さらに学生時代活躍した#55橋本選手、#70西本選手がルーキーとして加入。戦力としては昨年と遜色ないと言って良く、後は11名の選手がこの短いオフの間にどれだけ成長したかをフィールドで見せてくれるかに、勝利の行方はかかっていると言って過言では無いでしょう。

ディフェンスの見所

チームにおいての最大の変化は、なんと言ってもディフェンスコーディネーターに就任したカウマイヤーコーチでしょう。昨シーズンまで今回の対戦相手富士通のデイフェンスコーチとして活躍し、BigBlueも含めた他チームを苦しめてきた一人です。春のシーズンでは、これまでの殻を破るためか、より積極的なプレーを選手に要求。パールボウル準決勝まではそれが功を奏していましたが、決勝のオービック戦ではまだまだ力不足も感じられました。本番となる秋のリーグ戦、しかもその初戦で昨年大差で敗退した相手に対して、どれだけ互角の勝負を見せられるのか、ディフェンスチームの成長がこの試合一番の見所でしょう。

春の試合で「カウマイヤー効果」を最も感じられたのは、LB/DBセカンダリー陣のプレーと言って良いでしょう。キャプテンの#1中谷選手とディフェンスキャプテンを務める#5コグラン選手を中心に、DB/LB陣の守備範囲が広がり、以前よりも前に出る積極性が感じられました。これは、春のノジマ相模原戦で相手のランプレーを36回49ヤードに押さえたことでその効果は明らかですが、その分パスカバーが手薄になり、パスでは308ヤードを許した所が課題でもあります。JXBのオービック戦では、そのランディフェンスにも苦戦し、結果的に失点を重ねることになりました。3TDで踏みとどまりタイブレークで逃げ切ったノジマ相模原戦に対して、後半立て続けに2TDを与え、結果4TDまで許して敗れたオービック戦。今回も3TD以下に踏みとどまれれば十分に勝機は生まれるでしょう。

QBは交替しましたが、優秀なレシーバー陣はそのまま残ります。メインターゲットの#1強選手に#81中村選手、昨年のJXBで痛いリターンTDを許した#84猪熊選手等どの選手も脅威。対するDB陣では、ミドルを守る#20矢部選手、#23保宗選手、#41森岡選手に、ディープを守る#24宮川選手、#25寺中選手達のマッチアップに注目されます。春の試合でも活躍したルーキーの#10小阪田選手は、ランディフェンスにも期待が掛かり、ベテランの#22中山選手、#35高橋選手達とのコンビネーションにも注目です。RBでは、LB兼任のニクソン選手対策が必須ですが、QBのバードソン選手に対しても体格を生かしたQBキープに注意が必要でしょう。

ディフェンス最大の課題は、リーグトップの富士通OL陣の攻略方法です。#34ブルックス選手、#92トゥアウ選手を中心に、春活躍を見せたルーキーの#90遠藤選手、#95植村選手、さらにはベテランの#44福岡選手、バイスキャプテンの#98森田選手らに、成長著しい#93佐久間選手や#96樫本選手(#95から番号変更)等、総合的に力を付けてきたDL陣の活躍が、試合の行方を左右する事だけは間違いありません。QBバードソン選手が実戦の勘を取り戻す前に、どれだけプレッシャーを掛けて崩せるか、DL陣の序盤のプレーが注目されます。

試合の見所

対富士通戦での最多得点は、2016年トーナメント準決勝での26得点。オフェンスは少なくとも30点台まで伸ばす必要があります。一方ディフェンスも、昨年のJXBでの63失点、2014年の2回の対戦での40点台の失点を除けば、あとの試合では20点台の失点と決して悪い内容ではありません。強敵であることに間違い無いものの、決して手が届かない相手では無いことは確かです。状況としては、昨年の初戦オービックと対戦した時と同じと言って良いでしょう。但し、結果も同じになるかは分かりません。オービック戦では、前半リードされて終わりましたが、追い上げての折返しでした。また後半早々にインターセプトリターンTDのビッグプレーが出ると、そこから2TDを続けて奪いリードを広げて逃げ切りに成功しました。しかし昨年のJXBでは、前半に大きくリードを許すと、そのままズルズルと後半も失速してしまい、追加点のチャンスもなかなか掴めないまま試合が終わりました。

インターセプトリターンTDという大きな切っ掛けが試合のモメンタムを引き寄せたことは事実ですが、それ以前にも相手のリードを広げさせない粘り強さがあったから、そのチャンスも掴めたであろうし、最終的に勝利に繋がったと言えます。そう言う「気持ち」の部分での強さを、昨年のJXBや春のパールボウルの経験を糧にして発揮できるかどうかで、試合の流れは決まっていくでしょう。ターンオーバーのようなビッグプレーで無くても、ここぞという場面でのパスカット、ギャンブルでの1ヤードのダイブ、逆に相手のギャンブル阻止のように、どんなプレーでも大きな切っ掛けになる可能性があります。そう言ったプレーを確実に最後まで積み重ねて行けば、自ずと結果もついてくるでしょう。その為にも、"DOMINATE!"の気持ちを、全員が信じて共有することが必要です。DOMINATE! BigBlue!

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