あるOBの呟き- 第二節: vs 富士通フロンティアーズ戦

2020/11/09

満を持して向かえた初戦エレコム神戸ファイニーズ(以下、エレコム神戸)との試合を、試合終了7秒で逆転され苦しいスタートとなったBIG BLUE。続く第二戦の相手は、これまで一度も勝ち星の無い昨年度のリーグチャンピオン、富士通フロンティアーズ(以下、富士通)との対戦になります。初戦で、ノジマ相模原ライズ(以下、ノジマ相模原)と対戦した富士通は、試合開始直後のキックオフでリターンタッチダウンを奪うと、1Qだけで大量28点を奪い主導権を握り、ノジマ相模原の反撃をフィールドゴール(FG)の3点のみに押さえ、48-3で完勝しています。

今シーズンも、攻守ともに全く隙の無い富士通に対して、最後の最後に逆転されて勝利を逃したBIG BLUEに取っては、短いインターバルでの対戦となり、選手のモチベーションがどう切り替えられるか気になるところです。とは言っても、仮に初戦で勝利をしていても、この富士通戦に勝たなければブロック1位通過も出来ない訳で、少なくとも今シーズンの目標が変わったわけではありません。この試合のためにこれまで準備してきたことに加えて、前節のからの反省点をどれだけ生かした試合が出来るか注目されます。コイントスの結果、キャプテン中谷選手は後半の選択権を選び、K#19佐藤選手がオンサイドキックを狙いますが、富士通が自陣47ヤードで押さえ、ここから試合が始まります。
 

リードされるも、ディフェンスが覚醒

富士通のファーストプレーは、QB#3バードソン選手からRB#29グラント選手へのハンドオフ。しかし、BIG BLUEディフェンスが一気にスクリメージラインを割り、DB#1中谷選手が10ヤードロスさせてタックルします。幸先の良いスタートですが、次のプレーではプレーアクションパスから余裕を持って投げたパスを、フリーになったWR#85松井選手がキャッチすると、そのまま63ヤードの先制TDを奪われてしまいます。続くBIG BLUEの攻撃はQB#3クラフト選手が登場しますが、パスが通らずLB#5コグラン選手のパントで攻守交代となります。

次の富士通の攻撃は、DL#34ブルックス選手のQBサックに、交代したQB#18高木選手にDL#92草野選手が-11ヤードロスのQBサック。これが響き富士通もパントで攻守交代となります。続くBIG BLUEの攻撃では、フリープレーでTE#40スタントン選手へのパスでダウンを更新すると、QBにワンポイントでQB#7馬島選手が登場し、RB#28伊藤選手、RB#21佐藤選手とグランドアタックするもののダウン更新には至らず4thダウンとなります。サイドラインからは、早くもギャンブルの指示がでますが、パス失敗で攻守交代となります。

次の富士通の攻撃は、再びディフェンスが踏ん張り4thダウンパントに。P#39吉田選手のパントを、WR#85鈴木選手がボールをファンブルしてしまい富士通がすかさずリカバー。富士通はゴール前12ヤードでファーストダウンを更新します。RB#29グラント選手のランを、再びDB#1中谷選手がノーゲインで止めますが、次のパスプレーではBIG BLUEのパスインターフェアの反則でボールはゴール前2ヤードに。再度RB#29グラント選手のダイブは1ヤードで止めたものの、最後はWR#1強選手へプレーアクションパスが決まり0-14とリードが広がります。

富士通のキックオフをWR#85鈴木選手が自陣35ヤード迄もどし、ファーストプレーでWR#86九里選手へパスが成功したところで、試合は2Qに入ります。QB#3クラフト選手からTE#40スタントン選手への9ヤードパスで敵陣に入りと、WR#85鈴木選手、TE#40スタントン選手と続けてバズか成功。再びワンポイントでQB#7馬島選手が入り相手のプレーを確認してQB#3クラフト選手がフィールドに戻ると、WR#82白根選手へ17ヤードパスが成功し、最後はTE#87松岡選手がパスをキャッチすると、タックルを受けながらもエンドゾーンに飛びこみ21ヤードTDパスとなります。K#19佐藤選手のトライフォーポイント(TFP)キックも決まり、得点は7-14となります。

続くBIG BLUEのキックオフでは、K#19佐藤選手がオンサイドキックを蹴ると、WR#85鈴木選手がリカバー。続けて、敵陣41ヤードからの攻撃権を得ます。パス失敗の後、RB#21佐藤選手が9ヤード進むと、QB#2政本選手とLB#35ガンボア選手が入り、2ヤード前進してダウンを更新。するとQB#3クラフト選手が登場し、ここからパスでエンドゾーンを狙いますが、4thダウンギャンブルまで失敗し得点のチャンスを逃します。逆に富士通は、クイックスクリーンからWR#19小梶選手が52ヤードを一気に運び、7-21と再び点差を広げます。

次のキックオフでは、WR#85鈴木選手が20ヤード戻し自陣25ヤードからのBIG BLUEの攻撃は、QB#3クラフト選手のパスプレーが冴え、WR#86九里選手、WR#80河村選手と成功すると、ラフィングザパサーの反則でさらに15ヤード前進して敵陣に入ります。フォルススタートの反則で5ヤード下がるものの、交替したQB#7馬島選手が、ランパスオプションからTE#40スタントン選手にダウン更新のパスが成功。ここからRB#28伊東選手、RB#21佐藤選手がグランドアタックで前進し、ゴール前3ヤードでダウンを更新すると、最後はQB#3クラフト選手から、WR#82白根選手へTDパスが成功。14-21と再び点差を縮めます。

2Qも2分を切り、富士通の攻撃は自陣35ヤードから。QB#3バードソン選手がWR#85松井選手にパスを集め、一気にゴール前35ヤード迄進まれると、BIG BLUEはたまらず一回目のタイムアウトを取ります。この後DL#34ブルックス選手がQBサックで7ヤードロスとしますが、WR#9宜本選手へのパスでゴール前20ヤードでダウン更新と富士通も盛り返します。ここからエンドゾーンを狙うQB#3バードソン選手ですが、厳しいラッシュにパスが定まらず、またホールディングの反則でゴール前30ヤードまで後退となります。TDを狙ったWR#81中村選手へのパスをDB#10小阪田選手がカットすると、富士通は3rdダウン20ヤードとなり、K#11西村選手が登場。47ヤードのフィールドゴール(FG)トライで前半を終えようとします。ここでボールがスナップされた瞬間、右エンドの間隙からDB#25寺中選手が飛び込み、ボールをカット。リードは許しているものの、富士通に追加点を許さず、ディフェンスが互角の勝負を見せて前半を折り返します。
 

しぶとく粘る、があと一歩及ばず

3Qは、富士通K#5納所選手のキックオフで再開します。キックはタッチバックとなり、BIG BLUE自陣25ヤードからの攻撃は、4thダウンパントで交替。富士通は反則で罰退するも、WR#9宜本選手へ35ヤードパスが成功し一気に敵陣36ヤード迄前進します。ここから富士通は、反則とパス失敗で後退した後の2ndダウン7ヤードのプレー。右にロールアウトして逃げながらQB#3バードソン選手が投じたパスを、WR#81中村選手がキャッチ。すかさず後ろからDB#10小阪田選手がボールを叩き出すと、これをLB#57寺林選手がリカバーします。しかしここで審判からビデオリプレーの要求が出される、レビューの結果残念ながら判定は覆りパス失敗となります。さらに、続くブレーでラフィングザパサーの反則で前進を許し、最後はWR#81中村選手へ10ヤードパスが成功。後半序盤に追加点を許してしまいます。

続くBIG BLUEの攻撃からQBはQB#2政本選手が登場。しかし、パスが失敗し4thダウンパントになります。LB#5コグラン選手がキックしたパントボールを、WR#13高津佐選手がファンブル。これをWR#85鈴木選手がサイドラインぎりぎりでリカバーし、BIG BLUEの攻撃が続きます。TE#40スタントン選手へのパスで敵陣に入りますが、QB#2政本選手は厳しいQBサックを受け後退。ここからダウン更新を狙いますが、4thダウンで再びQBサックでロスを受け、自陣44ヤードからの富士通の攻撃に変わります。

富士通は、WR#81中村選手へのパスに、BIG BLUEの反則もありゴール前15ヤードでファーストダウンを更新。しかしここから、LB#35ガンボア選手、LB#57寺林選手と好プレーでBIG BLUE陣内40ヤードまで押し戻します。これでFG圏内から出た富士通は、P#39吉田選手が登場。富士通は、このパントをゴール前1ヤードで止め、BIG BLUEに厳しいスタートを強います。ファーストプレーでは、RB#21佐藤選手がダイブしますがゲイン無く、ここから試合は最終4Qに入ります。

サイドが替わり4Q最初ののBIG BLUEの攻撃は、QB#2政本選手がパスで陣地回復を狙いますが続けて失敗。LB#5コグラン選手がパントを蹴り、富士通はゴール前24ヤードからの攻撃権を得ます。RB#29グラント選手のオープンは、DB#29米田選手がナイスタックルで止めると、2ndダウンのパスは失敗。3rdダウンのパスも失敗しますが、ホールディングの反則も発生。BIG BLUEは、反則は取らず4thダウン8ヤードとなるため、富士通はK#11西村選手が登場し、39ヤードFGを成功させます。これにより、点差は14-31とさらに広がります。

その直後のキックオフ。K#5納所選手のキックボールを、ゴール前1ヤードでキャッチしたWR#85鈴木選手は、綺麗に空いた左から右に流れるレーンを駆け抜けると一気に加速。追走する富士通選手を置き去りにして、99ヤードのキックオフリターンTDとなります。K#19佐藤選手のTFPキックも決まり、得点は21-31と再び1TD/1FG差まで縮まります。この後、互いに攻めあぐねパントを交換したした後、4Q中盤の富士通の攻撃は、自陣33ヤードから。2ndダウン1ヤードからのプレーで、ラッシュを受けたQB#3バードソン選手は、前にいたRB#29グラント選手へショベルパスを投じます。これを受けたグラント選手は、一気に駆け上がり、辛くもゴール前4ヤードでDB#31茂木選手が止めます。しかし、ここからWR#85松井選手へショルダーパスが成功し、再び点差は21-38と3ポゼッション差に広がります。

何とか追加点を早く取りたいBIG BLUEですが、QB#3クラフト選手のパスをDB#23奥田選手がインターセプト。敵陣46ヤードから始まった富士通の攻撃は、ゴール前25ヤードまで進みますが、ここで4thダウン3ヤードとなり、K#11西村選手が三度登場。42ヤードFGを蹴り込み、21-41と点差をさらに広げます。残り2分5秒からのBIG BLUEの攻撃ですが、富士通の厳しい守りもあり4thダウンギャンブルも失敗。富士通QB#18高木選手がニーダウンをして時間を流し、試合終了となりました。
 

「変革」をへて、次は真の「OneBLUE」へ

結果はダブルスコアの完敗では有りましたが、そこから得たものも大きかった試合でもあったと思います。特に、ここ数年課題であったディフェンス戦では、序盤のもたつきで先制TDこそ許しましたが、その後は4Q序盤まで互角の対戦に持ち込み、特に富士通の看板であったランオフェンスを封じたことは最大の成果だったと言えるでしょう。一方で、前掛かりの積極的な守備故に、漏らしたレシーバーをフリーにして失点を許す場面もありましたが、これはリスクを取ってQBへのプレッシャーを優先したと理解し、それを確実に実行出来る力を付けることが、次の課題になるでしょう。

スペシャルチームも、WR#85鈴木選手の99ヤードリターンTDを筆頭に、キックリターンではBIG BLUEの7回221ヤードに対して、富士通に対してのキックカバーでは4回15ヤードと押さえており、十分に目的は果たしたと言えるでしょう。惜しむらくは、パントリターンでのミスから失点する場面もあり課題も残りましたが、スペシャルチームの活躍がこの試合を崩壊させずに何とか踏みとどまらせたことは事実でしょう。

悔やまれるのは、オフェンスが2Qの勢いを後半に持ち越せなかった事で、これはやはり試合巧者の富士通ディフェンスが一枚も二枚も上手であったと言えます。ただ、ラインを3名にして、後ろを厚く守る富士通のパス中心のディフェンスの中、TE#40スタントン選手や、WR#82白根選手、WR#85鈴木選手といったメインターゲットだけでなく、若手のTE#87松岡選手、WR#80河村選手、WR#86九里選手、WR#14遠藤選手と言ったターゲット達もその中でプレーできており、全体的な底上げ感は十分に感じられた内容でした。QB 3人体制のバリエーションも見られ、更なる攻撃力アップが期待されます。

この試合の最大の課題であり敗因は、メンタル、それも「試合をやり抜く気持ち」が空回りしたことでしょう。度重なる反則で、プレーが中断しリズムが掴めない場面や、重要なターンオーバーのプレーが覆ると、その直後に大きな反則を犯すなど、試合の波に乗ることは出来ても、自ら自分達の波を作る事が出来ないのが、上位チームに手が届かない理由の一つと言えます。オフェンス、ディフェンス共に、前半のモメンタムを後半に持ち込めなかったのは、ひとえに富士通の底力と言えますが、さらにそれを上回るチーム力を付けることが、来シーズンの最大の課題と言えます。それこそが「OneBLUE」の目標であり、ゴールと言って良いでしょう。

それでも、これまでは目の前に見えてはいるが手が届かなかった「トップステージ」へのドアノブに、この試合で初めて手が届いたと言って良い内容だったと思います。ただし、手は届いたもののまだしっかりと掴んだわけではありませんし、次に進むためのドアはまだ開いていません。次のステージへの扉をこじ開けるためには、まだまだ努力と忍耐が必要です。それまでに、また何年も費やすのか、あるいは次の最終戦で証明してみせるのか、必ずやこれが「OneBLUE」の神髄と納得出来る試合で、今シーズンを締めくくって欲しいと思います。Go BIG BLUE! One BLUE!

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