あるOBの呟き- 春季交流戦: vs 東京ガスクリエイターズ戦

2022/05/30

新型コロナウイルスの影響のため中断されていた春の公式戦が、三年ぶりに戻ってきました。残念なことに、まだ終息しないコロナ禍のため、これまでのようなパールボウルトーナメントではなく、春季交流戦を2試合開催という形式ではありますが、ファンの方とともにスタジアムで試合が出来る喜びは一入です。その記念すべき2022シーズン最初の対戦相手は、昨シーズンのリーグ戦最終節で対戦し、シーソーゲームの展開で苦しめられた、東京ガスクリエイターズ(以下、東京ガス)です。

昨シーズンの東京ガスは、アメリカ人QBとWRのホットラインでオフェンス力が強化され、最終節までRICE BOWLトーナメント進出をかけて試合をしてきました。BIG BLUEとの最終戦の直前に終わった他チームの結果から、東京ガスは進出の可能性が消え、BIG BLUEもトーナメント進出には東京ガスに勝利することが必須条件となりましたが、東京ガスは高いモチベーションで試合を進め、最後までシーソーゲームの接戦となりました。今回は、新しいシーズン開幕となる春の試合のため、両チーム共に多くのメンバーが新人選手と交代し、昨年の対戦時とは状況は大きく異なっています。どちらのチームにとっても、秋のリーグ戦に向けて現状を確認する重要な試合になると思われます。
 

ホットラインが機能するオフェンス

K#19丸山選手のキックオフは、タッチバックとなり、東京ガスは自陣25ヤードからのファーストドライブ。LB#57寺林選手のロスタックルが響き、このシリーズは4thダウンパントで交代します。BIG BLUE最初の攻撃は、自陣42ヤードから。QB#2政本選手から、まずはWR#85鈴木(隆)選手にダウン更新のパスが通り敵陣に入ると、次はWR#84近江選手へパスが成功。続くプレーは、相手ディフェンスバック(DB)の裏に回り込んだWR#84近江選手へ高めのパスが成功すると、そのまま反転してエンドゾーンに走り込み、3プレーで先制のTDを奪う幸先の良いスタートとなります。

続く東京ガスの攻撃では、この試合直前に発表されたイコールワン福岡SUNSから移籍したDL#99島野選手が登場。そのパワーで相手をパントに押さえます。次のBIG BLUEの攻撃では、RB#32遠藤(集)選手、RB#4鈴木(恵)選手のランプレーが続き敵陣に入るものの、そこからのパスが繋がらずパントで交代となります。次の東京ガスの攻撃も、DL#99島野選手のノーゲインタックルで4thダウンパントに追い込むと、BIG BLUEは敵陣45ヤードからファーストダウン開始となります。QB#2政本選手から、WR#84近江選手へのパスの後、TE#87松岡選手へのパスでダウンを更新して、ゴール前28ヤード迄進みます。続くプレーでは、フィールド中央のオープンスペースに走り込んだWR#84近江選手へパスが通ると、1本目と同じく直ぐさま反転してエンドゾーンに飛び込みTD。TFPキックは失敗しましたが、1Q終了時点で13-0とリードします。

東京ガスの攻撃は、ランプレー中心に組み立て直すと、これが功を奏してダウンを更新して敵陣に入ります。しかし、BIG BLUE陣内に入ってきたところでBIG BLUEディフェンスも対応。LB#6大滝選手の好タックルに、3rdダウンではLB#57寺林選手がRB#22菅原選手を-7ヤードのロスタックルで止め、パントで攻撃権がBIG BLUEへと移動します。次のBIG BLUEの攻撃では、QBにQB#7馬島選手が登場。TE#87松岡選手へのパスは成功しますが、ダウン更新には至らず、このシリーズもパントで終了となります。

2Q中盤での東京ガスの攻撃。ここからQB#16中井選手のパスが通り出し敵陣に入ると、BIG BLUEの反則もありさらに前進。ゴール前30ヤードで3rdダウン残り8ヤードの場面から、QB#16中井選手は、右からのDL#92草野選手のラッシュを受けて、大きく後ろに回り込みながら左サイドに走り出しターゲットを探します。しかし、一端スローイングを躊躇したところでDL#92草野選手にタックルを受けるとボールをファンブル。これをLB#6大滝選手が拾い上げてリターンをし、丁度フィールド中央からBIG BLUEの攻撃が始まります。

RB#32遠藤(集)選手のランで大きく前進すると、QB#7馬島選手からWR#83木村選手へのパスでダウンを更新。さらにTE#87松岡選手に18ヤードパスが成功して、ゴール前14ヤードに前進します。ここからRB#32遠藤(集)選手が9ヤード進めると、RB#4鈴木(恵)選手が2ヤードダイブでダウン更新。さらに鈴木選手が1ヤード進めた後、最後はRB#32遠藤(集)選手がタックルを受けながらも、最後は両手を伸ばしてボールをエンドゾーンに運び、TDを奪います。2Q 2分58秒を残して、20-0とBIG BLUEがそのリードを広げます。

RB#21石川選手のキックオフは、リターナーのRB#26林選手がリードブロッカーを上手く使い、自陣34ヤードまで大きく戻します。QB#16中井選手のパスは失敗するものの、BIG BLUEのパスインターフェアの反則で敵陣に入ります。ここからリズムを取り戻した東京ガスは、BIG BLUEの反則にも助けられてレッドゾーンに入ります。QB#16中井選手からWR#89朴選手へパスが成功しますが、DB#24岸野選手、DB#11村井選手、DB#30藤崎選手と三人かがりでゴール前1ヤードでタックル。タイムアウトを使い切っている東京ガスは、急いでスパイクで時計を止めます。次のプレーでは、QB#16中井選手が右サイドのターゲットを探しますが見つからないと判断すると、すかさず左サイドにスクランブル。これをディフェンスが止めきれずTDを許してしまいます。この後のキックオフリターンで2Qが終了し、20-7で前半を折り返します。
 

新加入選手も活躍する後半

後半3Qは、QB#2政本選手が登場し、BIG BLUEの自陣25ヤードから開始。RB#32遠藤(集)選手のランでダウンを更新し、敵陣に入ってのファーストダウンのプレー。左サイド奧へパスを投じますが、これをパスルート手前に入ったDB#21西川選手がインターセプト。一瞬で攻撃権が移動します。敵陣49ヤードから東京ガスの攻撃シリーズの開始。QB#16中井選手からWR#26林選手へのパス、RB#28小伊津選手、RB#36成田選手のランでダウンを更新します。3rdダウン5ヤードからのRB#36成田選手のダイブを、LB#57寺林選手が2ヤードで止めると、東京ガスはK#89朴選手が48ヤードのフィールドゴール(FG)を狙いますが、キックは距離が足らずに失敗。自陣31ヤードからBIG BLUEの攻撃に変わります。

QBは、QB#7馬島選手が登場。WR#18井上選手へのパスで敵陣に入ると、RB#4鈴木(恵)選手のラン、WR#14遠藤(健)選手へのパスとテンポ良く前進して行きます。さらに、新人のRB#21石川選手のランでゴール前9ヤード、3rdダウン2ヤードが残ります。QB#7馬島選手は、スクランブルに出ながらも、WR#14遠藤(健)選手を見つけてパスを投げますが、これが逆リードとなり失敗。4thダウン2ヤードとなり、K#19丸山選手が登場すると、27ヤードFGを蹴り込み、このシリーズを完結します。

RB#21石川選手のキックオフを、自陣34ヤードまで大きく戻して東京ガスの攻撃が始まります。しかし厳しいラッシュもあり続けてパスを失敗し、4thダウンパントで交代。しかし続くBIG BLUEの攻撃も、レシーバーとタイミングが合わず、同じく4thダウンでパントとなります。ここで、パンターとして移籍加入したP#16近藤選手が登場。高く滞空時間の長いパントで攻撃権が移動します。東京ガスの攻撃は、自陣41ヤードから。ランプレーで前進を狙いますが、LB#42酒井選手、LB#43本田選手と好タックルが突き、3rdダウンではLB#42酒井選手が-9ヤードのQBサックでさらに押し戻します。東京ガスK#17高橋選手がパントを蹴ったところで、試合は4Qに入ります。

QBはQB#7馬島選手が登場すると、WR#83木村選手、TE#87松岡選手、TE#88三浦選手とパスを繋げていきますが、敵陣に入ったところでレシーバーとタイミングが合わず続けて失敗。4thダウンとなり、P#16近藤選手が登場し、再び滞空時間の長いパントで場内を沸かせます。エンドゾーンギリギリを狙ったパントキックは、残念ながらエンドゾーンに転がり込みタッチバックとなり、東京ガスの自陣20ヤードからの攻撃となります。東京ガスはQBがQB#18若林選手に交代。パスで活路を開こうとするものの、厳しいディフェンスに苦しみます。3rdダウンでは、スクランブルに出るQB#18若林選手を、DL#44福岡選手がロスタックルで止め、このシリーズもパントで終了します。

BIG BLUEの攻撃は、再びQB#2政本選手が登場すると、WR#83木村選手、RB#21石川選手、WR#18井上選手、WR#86熊井選手と、若手レシーバー陣へダウンを更新しつつ投げ分け前進し、ゴール前9ヤードでファーストダウンとなります。ここからRB#21石川選手が中央を突きますが、2ヤードで止められます。次のプレーでは、インモーションをしてきたTE#40スタントン選手がオフタックルに走路を開けると、そこをRB#32遠藤(集)選手が駆け抜けてTD。この試合2本目のTDランを奪い、30-7とさらにリードを広げます。

この後、互いにパントを交換した後の東京ガスの攻撃。QBにQB#16中井選手が戻ると、WR#25山下選手へのパス、RB#36成田選手のランでダウンを更新。さらにスクランブルでサイドラインに出たQB#16中井選手へのパーソナルファウルの反則でBIG BLUE陣内に攻め込まれます。4thダウン4ヤードからギャンブルでダウン更新を狙う東京ガスですがこれは失敗。BIG BLUEに攻撃権が移動しますが、RB#21石川選手が背後からタックルを受けてボールをファンブル。残り29秒で東京ガスが攻撃権を奪います。何とか一矢報いたい東京ガスは、パスでTDを狙いますが2回失敗し、3回目もダウン更新には足らず、最後のタイムアウトを取り4thダウンギャンブルで得点を狙います。最後の一投でTDを狙うQB#16中井選手ですが、ラッシュしてきたDL#99島野選手がタックルし試合終了となります。
 

まだまだ物足りない、伸び代はあるはず

QB#2政本選手がリードしたオフェンスは、1Qからテンポ良くプレーがつながり、WR#84近江選手への2本のTDパスは、画に描いたようなパスでした。QB#2政本選手のパス能力と、WR#84近江選手のキャッチング能力が、ベストな状態で組み合わさったと言えるようなプレーでした。また、春の試合という事で、新人選手や若手選手も積極的に起用されましたが、高いレシーバー能力が見られ、秋までの成長が楽しみな内容でした。ランプレーでは、ベテランのRB#4鈴木(恵)選手に、若手のRB#32遠藤(集)選手、RB#21石川選手と活躍し、2TDを奪った遠藤選手の当たり負けしないランプレーは、オフェンスプレーの軸の一つになったと言えます。後は、プレーの精度、特にパスではコミュニケーション不足の場面も見られた部分を、どれだけ秋までに修正していくかが課題と言えます。

ディフェンスでは、DL/LB/DB陣の活躍が多く見られた内容だったと言えます。ランディフェンスでは37回で85ヤードに押さえ、1回当たり2.7ヤードと3回でダウン更新を許さない内容は満足出来る内容だったと言えます。パスディフェンスでも、12回、80ヤードに押さえ、QBにプレッシャーを与え続けました。東京ガスQB#16中井選手は、ラン記録として8回、-27ヤードが記録されていますが、それだけパスラッシュが厳しかった証拠だと言えるでしょう。やはりDL#99島野選手のパスラッシュは威力があり、DL#34ブルックス選手とのコンビネーションが実現する秋のリーグ戦での活躍が大きく期待されます。

春の試合とはいえ、ベテラン選手は昨シーズンからの成長を、新加入選手は自分達をアピールできた試合だったと言えます。次戦の富士通戦は、しかしもっと厳しい状況での試合になる事は確実です。次の試合までの3週間で、更なる成長を積み重ねて、今回以上の内容の試合を見せて欲しいと思います。

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