あるOBの呟き- PB準決勝: vs 富士通フロンティアーズ戦

2024/05/29

シーズン開幕戦となった第44回パールボウル準々決勝の富士フイルム海老名Minerva AFC戦を55-3と完勝し、幸先の良いスタートを切ったBIG BLUE。マイクフェアーHCのデビュー戦でもあったこの試合ですが、まだチーム作りが始まったばかりでもあり、さらには新人・新加入選手も多く参加していたこともあり、オフェンス・ディフェンスともにプレーを絞り、シンプルなゲームプランで試合に臨んだように見えます。試合は、十分に結果が出た内容だったと思いますが、例えばオフェンスでは3回のQBサックにトータル36ヤードものマイナスゲインを許した事や、ディフェンスでは何度かのインターセプトチャンスを逃すなど、まだまだプレーの精度と実行力の課題を感じた試合でもありました。まだ春のシーズンが始まったばかりという事情はあるものの、やはり次の対戦相手を考えると無視できるものではありません。

準決勝の対戦相手は、昨シーズンのX1 Superチャンピオンチームである富士通フロンティアーズ(以下、富士通)です。昨シーズンでライスボウル三連覇を達成し、国内のトップチームとして盤石の地位を固めています。初戦となる東京ガスクリエイターズ戦では、序盤にTDを許して同点となる場面があり、終盤も追加点が取れないなか相手のフィールドゴールを許すなど、中盤でこそ大きくリードを奪いますがややスロースタートな印象を受けます。ただ、三週間のインターバルがありますから、それら課題は確実に修正し、さらに上のレベルをこの試合で要求してくることは確実です。BIG BLUEも前回の勝利は忘れて、気持ちを切り替えて臨む必要があります。
 

粘りのオフェンス

富士通K#5納所選手のキックオフはタッチバックとなり、自陣25ヤードからのBIG BLUE最初の攻撃。この試合はQB#2政本選手が不在のため、前の試合でX1 Superデビューを果たしたルーキーQB#15平岡選手がプレーコールをします。RB#21平松選手が2回走り8ヤード進むと、3rdダウンではWR#85鈴木(隆)選手へ6ヤードのパスが成功し、ダウンを更新。次にQBサックを受けて厳しい洗礼を受けるものの、3rdダウンではTE#89戸澤選手へダウン更新のパスを通し、攻撃にリズムが生まれ始めます。さらに次も3rdダウンで11ヤードが残りますが、QB#15平岡選手から左サイドライン際のWR#83天田選手へ24ヤードパスが成功。三度ダウンを更新して敵陣に入ります。ここでマイクHCは最初のタイムアウト(TO)を取り、いったん攻撃のリズムを整える様です。

ここまでのQB#15平岡選手は、厳しい富士通オフェンスライン(OL)のラッシュを受けながらも、3rdダウンではダウン更新のパスを成功させ、落ち着いたプレーコールを見せています。最近のBIG BLUEオフェンスでは珍しく、QBがハドルを組みプレーを伝えるとハドルブレークをしてセットする動作を、じっくりと時間を掛けて繰り返して前進していきます。TO明けのプレーは、QB#15平岡選手のキープで3ヤード進み、ウォーターブレークのため一度時計が止まります。次のRB#4鈴木(恵)選手のダイブはスクリメージライン(LOS)を割って入ったDL#9宮川選手にロスタックルされて2ヤード後退します。続く3rdダウン9ヤードからのプレー、ポストパターンで奧に走るWR#83天田選手へのパスはやや浮き気味となり、後ろにいたDB#12北川選手がインターセプト。約7分ものロングシリーズは、非常に残念な形で終了しました。

自陣20ヤードからの富士通の攻撃は、RB#21三宅選手が2回運びダウンを更新。次の1stダウンのプレーは、QB#20鎌田選手からWR#4グラント選手へミドルパスが通ると、そこからランアフターキャッチ(RAC)でBIG BLUEディフェンスのタックルをかわし右オープンへ抜け、さらにタックルを三人四人とかわして、ゴール前25ヤードまでボールを進めます。RB#28香川選手がダウン更新のランで前進すると、最後はRB#21三宅選手が6ヤードのTDランで富士通が先制します。

富士通のキックオフはタッチバックとなり、再び自陣25ヤードからのBIG BLUEの攻撃。3rdダウン6ヤードが残り、ここでもWR#86熊井選手へパスが成功しますが、ダウン更新には僅かに届かず4thダウン1ヤードが残ります。K#11福岡選手が登場し、今回はパントで攻撃権を放棄。このパントキックをWR#13高津佐選手がキャッチしようとしたものの、キャッチ出来ずファンブルし前に転がってします。そのボールをキックカバーチームに入っていたRB#32柴田選手がリカバーし、BIG BLUEが攻撃権を奪い返します。敵陣44ヤードからの1stダウンの攻撃でWR#82白根選手へのパスが成功したところで1Qが終わり、2Qに入ります。WR#80小鳥居選手へのパスが成功し、ゴール前31ヤードで1stダウンを更新。しかし、ここからのプレーに苦しみ、反則による罰退もあり4thダウン14ヤードとなり、53ヤードのフィールドゴール(FG)を狙います。K#11福岡選手のキックは見事に成功。3-7となります。

富士通の攻撃をLB#45酒井選手、LB#42村岸選手らの好プレーで4thダウンパントに押さえて、続くBIG BLUEの攻撃。WR#85鈴木(隆)選手へ20ヤードのパスが成功し、自陣47ヤードまで大きく前進をして1stダウンを更新します。次のプレーでは、QB#15平岡選手がターゲットを探しますが、LB#50海崎選手にQBサックを受けるとボールをファンブル。これをDB#43井本選手が拾い上げると、そのまま28ヤードを独走してリターンTDを奪われてしまいます。

続くBIG BLUEの攻撃はダウン更新出来ずに4thダウンでパント。次の富士通の攻撃は、RB#21三宅選手のランでダウン更新を許すものの、LB#57寺林選手、DB#1中谷選手と好タックルで前進を阻止し4hダウンパントにこちらも押さえます。自陣3ヤードからの厳しいスタートになりますが、WR#85鈴木(隆)選手へ13ヤードのパスが成功しダウン更新をします。しかし富士通ディフェンスのタックルも早く次のダウン更新には至らず、自陣20ヤードで4thダウンパントとなります。K#11福岡選手がセットし、ボールがロングスナップされますが、これが大きく上にそれて後逸となり、さらにエンドゾーンを割って外に出たため、相手にセーフティーの2点を与えてしまいます。セーフティーのため、BIG BLUEのキックオフで試合再開されますが、富士通はニーダウンで時計を進め、3-16で前半が終了します。
 

突然の崩壊

後半3Qは、RB#20石川選手のキックオフで再開します。RB#21三宅選手が23ヤード戻し、自陣29ヤードから富士通の攻撃は、そのRB#21三宅選手が最初のプレーでファンブルし、富士通がリカバーしますが5ヤード後退します。さらに反則もあり5ヤード罰退したため、富士通は4thダウンパントで後半最初のシリーズを終わります。続くBIG BLUE後半最初のシリーズは、RB#32柴田選手が力強いランプレーでボールを運び3rdダウン1ヤードとなります。三度RB#32柴田選手がボールを持ってダイブしますが、これは富士通も予想しておりゲイン無し。4thダウン1ヤードとなりますが、サイドラインからはギャンブルの指示がありQB#15平岡選手がセットします。しかし痛いフォルススタートの反則で5ヤード罰退。BIG BLUEもパントで攻撃権が移動します。

自陣44ヤードからの富士通の攻撃は、QB#20鎌田選手からのパスが冴えます。余裕を持ってWR#83柴田選手へダウン更新のパスが通ると、パス失敗の後再びWR#83柴田選手へパスが成功します。3rdダウン5ヤードからのプレーは、三度WR#83柴田選手へのパスで、これはRACで大きく前進し、ゴール前18ヤードでファーストダウンを更新します。続く1stダウンのプレーは、QB#20鎌田選手からWR#25坂本選手へのスクリーンパスが通ると、ラインのブロックを上手く利用してエンドゾーンまでボールを運ばれます。これで点差は3-23となりますが、まだ十分に射程距離圏と言えます。

まずは一つ返したいBIG BLUEオフェンスは、キックオフボールをエンドゾーンでキャッチしたRB#21平松選手がそこから走り出すと、上手くブロックする選手の横を抜け得意のカットバックも交えて左サイドライン際を自陣28ヤードまで戻します。QB#15平岡選手は、パス失敗の後さらにフォルススタートの反則が有り3rdダウンで残り13ヤードと厳しい状況になりますが、ここから際どいタイミングのスクリーンパスをRB#20石川選手へ通すと、上手くリードブロックも機能し20ヤード前進してダウンを更新します。これでリズムを掴んだように見えましたが、富士通のディフェンスライン(DL)の強烈なラッシュによるQBサックが2回続き大きく後退。このシリーズはK#11福岡選手のパントで好守が入れ替わります。

富士通はQBをQB#8濱口選手へと交代。RB#26横川選手のランの後、RB#21三宅選手へのパスでダウンを更新して敵陣に入ります。更にRB#26横川選手のランが大きく前進し、敵陣30ヤードでファーストダウンを更新します。しかしここからディフェンスが本領を発揮。RB#26横川選手の中央ダイブを、DL#99島野選手がノーゲインで止めると、次のRB#26横川選手のオープンをDB#1中谷選手がタックルしファンブルを誘いますが富士通がこれをリカバーして結果2ヤードのゲインに。3rdダウン8ヤードからは、QB#8濱口選手がドロップバックすると、LB#52山本選手がチャージしてQBに手が掛かりますが、これをすり抜けたところを今度はLB#57寺林選手がタックルし7ヤードのロスとなります。ここで3Qが終わり4Qに入ると、最初の4thダウン15ヤードのプレーでK#5納所選手が52ヤードFGを蹴り込み、3-26と点差が広がります。

先ずは一本返したいBIG BLUEですが、次のシリーズは4thダウン1ヤードとなりパント。K#11福岡選手がパントを蹴りますが、割ってラッシュしたLB#50海崎選手がブロックしリターンTDを奪われてしまいます。更に次のBIG BLUEの攻撃では、相手の反則でダウン更新するものの、次のパスをインターセプトされ攻撃権を奪われてしまいます。富士通はRB#28香川選手のランプレーで時間を使いながらボールを進めますが、BIG BLUEもDB#42村岸選手、LB#41本田選手、DB#35対馬選手、LB#47池田選手とロングゲインを許さないタックルが続きます。3rdダウンで5ヤード残っているため、パスでダウン更新を目指しますが、DB#23玉川選手がこれを阻止。最後はK#5納所選手がこの試合2本目となる49ヤードFGを成功させ3-36と点差がさらに広がります。

何とか糸口を見つけたいBIG BLUEですが、互いにパントで攻撃権が移動したあとのBIG BLUEのシリーズでは、QB#15平岡選手が背後から強烈なQBサックを受けるとボールを掻き出されてファンブル。これをDL#99髙橋選手がリカバーするとエンドゾーンまで運びリターンTDを奪われます。その後BIG BLUEの攻撃となりますが、ダウンを更新したところで試合終了となります。
 

秋までの宿題

正直なところ、試合スタートから3Q終盤までは、後塵を拝していたとは言え相手の背中が見えて、もう少し頑張れば手も届きそうな距離感だったと思います。オフェンスに関しては、QB#2政本選手不在の中ルーキーのQB#15平岡選手は十分にその役割を果たしたと思います。勿論、まだまだ改善するべき部分は多いものの、厳しいプレッシャーの中ダウン更新のパスをしっかりと通しており、今回の試合は非常に貴重な経験になった事は間違いありません。更に試合経験を積めば、何度か受けたQBサックやロスタックルの回避能力も上がるでしょう。後は、レシーバーとの微妙なタイミング、所謂「コミュニケーション」をどれだけ豊かに出来るか、秋までの成長が期待されます。ただ、オフェンスユニットとしての練度・習熟度はまだまだ足りないと感じ、秋のリーグ戦までの大きな課題と言えます。

結果的には5TD/2FG/1セーフティで43失点となりましたが、このうち3TDはターンオーバーからでありセーフティーを除く4シリーズ(2TD/2FG)が、ディフェンスの正味の結果と言って良いでしょう。単純計算で20失点というのは、決して悪い成績では無いでしょう。また2FGと言う事は、2TD機会を防いだという意味でもありますから、かなり健闘したと言って良いと思います。ただ、途中のプレーではタックルミスでロングゲインを許すなど、反省が必要な部分も少なくなかったと思います。特に今回は、新チーム体制スタート直後という事もありますから、基本となるプレー・アサイメントは、確実に実行出来る必要があります。次のレベルステージへ進むためにも、さらなる基本動作(ファンダメンタル)の確立が必要と感じました。秋の試合では、是非そういうプレーを量産して欲しいと思います。

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