あるOBの呟き- 1st Stage Week5 vs. オール東京ガス クリエイターズ
2011/10/24
1st Stageも第五節、最終戦。対戦チームは、ここまでBigBlueと同じく1勝3敗と勝ち星を伸ばせずに来たオール東京ガスクリエイターズです。どちらのチームにとっても、すでに地区4位以下が確定しており、残念ながらJapan X Bowlに繋がる2nd Stage上位リーグへ進むことは出来ません。しかし、気持ちを切り替えて、さらにその先にある次のシーズン、次のチーム作りを見据えて臨む重要な試合には違いありません。BigBlueに取っては、今シーズン十分に発揮することが出来なかったBigBlueのフットボールをまずは取り戻す試合にしなければいけません。もう一度自分たちの目標を思い出し、それを実現できるチームを取り戻し、そして次に繋げる第一歩となる大切な試合に、この試合はしなければなりません。
オール東京ガスとは、リーグ戦で過去2回対戦。いずれも勝利を納めていますが、決して楽な対戦チームではありません。Xリーグでの最初の対戦となった2007年シーズンの試合では、前半を23-0と大量リードで折り返すものの、後半20失点を許して何とか37-20で逃げ切った試合でした。また、翌年2008年シーズンの試合では、逆に前半を3-8とリードされて折り返し、何とか4Qに3TDを集中して31-14と逆転勝ちをした試合でした。結果だけ見れば、ほぼダブルスコアに近い勝利ですが、その途中経過は決して楽な展開ではなく、もしちょっとした切っ掛けでモメンタムが相手に傾けば、そのまま敗れてもおかしくない試合でした。この試合、勝てば地区4位、敗れれば5位という順位だけでなく、続く2nd Stageでの試合結果も含めてリーグ順位が確定するだけに、どちらのチームにとっても落とせない重要な試合です。
先制するも不満の残る失点
オール東京ガスのキックオフで始まった試合。ボールは大きく伸びてほぼエンドゾーンまで届きます。これをキャッチしたルーキーRB#21小椋選手は、フィールドポジションを間違えたのか数歩進んだところでニーダウン。ゴール前6ヤードからBigBlueのオフェンスシリーズが始まります。プレーコールをするのはQB#14多川選手。まずはRB#30工藤選手、続いて自らボールをキープして4ヤードずつ進むと、3rd DownコンバージョンではWR#17小川選手へ8ヤードのパスを通して、この試合最初のファーストダウンを獲得します。続けて、WR#17小川選手へ23ヤードのロングパスが繋がり一気に陣地を回復すると、RB#30工藤選手のランの後SB#31松浦選手へのパスで再びダウンを更新します。続く1st Downのプレー、左サイドラインを駆け上がるWR#17小川選手へ肩越しのパスが通ると、そのままエンドゾーンに走り込みTD。安定感のあるオフェンスシリーズで、試合を先制します。
さらに続くキックオフでは、LB#7岸本選手が相手リターナーのボールをファンブルさせリカバー。続けてオフェンスチャンスを掴みますが、このシリーズは攻め手に欠けてパントで終了。まだ詰めの甘さを感じる、最初のオフェンス2シリーズでした。
オール東京ガス最初のオフェンスシリーズでは2回ダウン更新を許すものの、その後のプレーは相手を後退させ、自陣33ヤードで4thダウン7ヤード。ここでオール東京ガスはFGで3点を狙います。しかし距離もあったためこのトライアルは失敗。再びBigBlueのオフェンスに戻ります。
どちらかというとオプションQBの印象が強いQB#14多川選手ですが、このシリーズではパスが冴えます。まずはWR#18高木選手へのパスでダウンを更新して敵陣に入ると、RB陣のグランドアタックで今度はダウンを更新。その後はWR#17小川選手へ26ヤードのロングパスが決まると、このシリーズをWR#18高木選手への11ヤードTDパスで締めくくります。
試合のモメンタムを掴んだと思われる好調な滑り出しですが、直後のキックオフでミスが出ます。K#8崔選手が蹴ったボールは、相手陣内20ヤード付近まで届きます。これをキャッチしたリターナーはBigBlueのカバーチームをかわして一気にフィールドを駆け上がります。何とか、RB#29原田選手がタックルで止めますが、ボールはゴール前9ヤードまで運ばれてします。1st Downのランプレーは止めるものの、次のパスを通されてTD。2Q中盤で、14-7と追い上げを許してしまいます。
予想外の失点にこのまま相手にリズムを掴まれる不安が生まれますが、それを払拭したのが続くオフェンスシリーズ。この試合のゲームキャプテンを勤めるRB#24中野選手がランで16ヤード前進してダウンを更新すると、次はパスをキャッチして12ヤード前進の活躍で敵陣に入ります。ここからもオフェンスラインの力で相手ディフェンスを押し戻しつつ、RB#30工藤選手、RB#24中野選手が確実に距離を獲得して前進。最後は、再びWR#17小川選手に、この試合2本目の18ヤードTDパスが決まり、21-7で前半を折り返します。
もっと貪欲なオフェンスを
3Q最初のオール東京ガスのオフェンスは4thダウンパントで交替し、自陣23ヤードから後半最初のBigBlueのオフェンスシリーズが始まります。前半最後のシリーズ同様、オフェンスラインの力強いサポートで、RB陣がボールを進めますが、ここでホールディングや交替違反というつまらない反則が続き、パントで交替。しかし、相手の反撃を2Qの1TDだけに押さえてきたBigBlueディフェンスは、ここでも4thダウンパントで直ぐに攻撃権を取り戻します。
自陣42ヤードからの最初のプレー、QB#14多川選手から右サイドラインのWR#18高木選手へのパスが通ると、そのままサイドラインに沿って駆け上がります。WR#17小川選手の効果的なリードブロックもあり、相手ディフェンスを振り切り58ヤードを一気に走り抜け後半最初のTDを得ます。1プレーで後半最初の得点を挙げ、このまま一気に試合の流れを手繰り寄せたいBigBlueですが、しかしオール東京ガスも負けません。
何とか流れを変えたいオール東京ガスは、ここでQBを#10柴田選手に交替します。1st/2nd Downでのプレーは止められるものの、3rd Downコンバージョンをパスで成功させ前進。さらにラフィングザパサーの反則も重なり、ゴール前2ヤードでオール東京ガスは1st Downを獲得します。しかし絶好のTDチャンスに気が焦ったのか、オール東京ガスはフォルススタートの反則で5ヤード後退。1st Downではドローで2ヤード前進して、残り5ヤード。しかしBigBlueディフェンスの厳しいプレッシャーに苦しめられ、残り3回のパスは不成功となり、このゴール前の勝負にディフェンスチームが勝利します。
ゴール前の攻防が終わり、試合は4Qに。エンドゾーンを背負った厳しいシチュエーションですが、RB陣が確実にゲインを獲得してダウンを更新して前進。敵陣まで進むものの、最後は相手ディフェンスの粘りに負けてパントで攻守交代となります。後半やや淡泊なオフェンスで試合の流れが少し相手に傾いた印象の中で始まるオール東京ガスのオフェンス。4Qも1/3が過ぎたタイミングのため、パスに比重を置いたシリーズにならざるを得ません。1st Downのパスは成功するものの4ヤードとBigBlueディフェンスが守ります。続く2nd Downのプレー、1st Downを狙って投じたパスを、DB#47池選手がインターセプト。試合の流れを一気に引き寄せるビッグプレーで、再び得点のチャンスを得ます。
ゴール前16ヤードという絶好のポジションからのBigBlueのオフェンスシリーズ。ここでは力勝負にこだわり、グランドアタックで中央突破を計ります。フォルススタートの反則で一旦は後退するものの、4thダウン2ヤードまで盛り返します。ここでサイドラインはギャンブルを選択。ボールをハンドオフされたRB#24中野選手は、一度密集に捕まり前進が止まるものの、そこから相手タックラーに掴まれながらも懸命に前進し、5ヤードを獲得してダウンを更新。残り3ヤードとなったところで、RB#21小椋選手がオフェンスラインの隙間を走り抜けてTD。35-7とさらに点差を広げます。
何とか一矢報いたいオール東京ガスですが、QBがボールを持つ時間が長くなり、逆にDL#90小山選手、LB#6北守選手のタックルを受けて後退。さらに、エンドゾーンを狙って投げたパスも、DB陣のカットで失敗に追い込まれ、4Q終盤に再びBigBlueにオフェンスチャンスが回ってきます。
ほぼフィールド中央付近から始まるBigBlueのオフェンスシリーズ。約3分という残り試合時間を考え、このシリーズではRB#21小椋選手、#25藤井選手というルーキーコンビを交互に使い、時間を消費しながら前進。ゴール前13ヤードまで迫りますが、ここから逆に3ヤード戻され4thダウン7ヤードと距離は広がり、さらに時計も刻々と進んでいきます。残り3秒まで時計を進めると、BigBlueがタイムアウトを取り、サイドラインからはFGチームが入ってきます。残り3秒からの34ヤードのFGトライアルは、K#8崔選手が落ち着いてゴールポストを狙い成功。そのままタイムアップとなり、38-7で1st Stage最終戦を勝利で飾りました。
グッドゲーム、しかしまだまだ課題も
オフェンス、ディフェンス、ともに「機能するシステム」を感じられる試合内容でした。ただし、もっともっと完成度を高めないと、上位チームには通用しないでしょう。特に気になるのは、5回の反則(26ヤード罰退)。そのうち後退違反が1回にフォルススタートが2回と、最も基本的な部分でミスをしています。勿論、それ以外のホールディングやラフィングザパサーと言った、より重い反則も問題ですが、まずは基本的なミスをしない集中力がもっと必要です。もう一つは、3rd Downコンバージョンの成功率をもっと高めたいことでしょう。この試合3回のパントがありましたが、そのうちの1回、出来れば2回は得点に繋げたかったところです。
ディフェンスについては、やっとBigBlueらしいプレーを見ることが出来た気がします。欲を言えば、相手の総獲得距離を100ヤード以下にしたかったことと、唯一のTDがDB/LBのコミュニケーションミスから与えたような印象を受けたので、レシーバーに対してもっと厳しいマークが出来るくらいの力が欲しいところです。
唯一の不満は、キッキングゲーム、特にキックカバーの拙さです。TDに繋がった74ヤードリターンを筆頭に、40ヤードを超える2回のリターンを含めると、6回のキックオフリターンのうち半分はこちらの陣地にまでボールを戻されています。幾ら鉄壁のディフェンスを持っていたとしても、エンドゾーンに近くなればなるほどリスクは高くなります。昨シーズンはキッキングゲームはBigBlueの得意分野でもあったはず。どんな小さな課題であっても、必ず残り2試合で解決しさらに完成度を高めて今シーズンを締めくくって欲しいと強く思います。Go BigBlue!
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