あるOBの呟き- 東日本交流戦 vs. 東京ガス クリエイターズ
2012/06/11
東日本交流戦は、BigBlueはDブロック2位の東京ガスクリエイターズとの対戦。東京ガスとは昨シーズン同地区であったため、1stステージの最終戦で対戦。両チームともこの試合までに地区4位以下が確定しており、地区4位・5位を掛けた試合でした。試合は、WR#17小川選手への45ヤードTDパスで先制すると、次はWR#18高木選手へTDパス。相手にも1TDパスを許すものの、その後は、再び#17小川選手、#18高木選手とTDパスが成功し、さらにRB#21小椋選手のTDランに最後はK#8崔選手の34ヤードFGが決まり38-7で締めくくった試合でした。今シーズンも、同じ中地区に所属し、1stステージでの対戦が予定されているだけに、春シーズンの締めくくりとしても、秋に向けての試金石としても、この試合は大切な試合です。
春の二試合を振り返ってみると、初戦のブルザイズ東京戦は雨が降る中ボールコントロールに苦しむものの、ランプレーで402ヤードを獲得し逆に相手のランは51ヤードに抑える堅実な試合展開でした。第二戦のノジマ相模原ライズ戦も、先制TDをあげ序盤から試合をリードし、一時は14点差を付けましたが、その後地力に優る相手に追いつかれ逆転され、昨年のリーグ戦同様悔しい結果となりました。この試合の反省点から、一発TDを避けることと、後半の得点力がこの試合におけるBigBlueに宿題と言えます。
スロースタートな前半
暑い日差しが照りつける中、K#1小田倉選手のキックオフで試合開始です。東京ガスのオフェンスは、QB#14室田選手のパスが成功し、ダウンを更新しながらBigBlue陣内まで早くも前進。やや浮き足だった様子も感じられるBigBlueディフェンスですが、相手の反則に助けられてこのシリーズはパントで攻守交代となります。
パントがアウトオブバウンズとなり、ほぼフィールド中央付近からBigBlue最初のオフェンスシリーズ。RB#10末吉選手、#24中野選手が走りダウンを更新。さらにTE#98 Stanton選手に25ヤードのパスが成功し、一気にゴール前15ヤードまで進みファーストダウンを獲得します。絶好のTDチャンスと期待が膨らみますが、反則で大きく罰退しエンドゾーンが遠くなり、このシリーズはK#1小田倉選手の40ヤードFGの3点にとどまります。
この後、お互いにパントで交替し、1Qが終了。2Qに入り東京ガスのオフェンスシリーズ。3rdダウンコンバージョンを、WR#1佐藤選手への14ヤードパスで成功させるボールはBigBlue陣内に入ります。ランプレーで一度ダウンを更新した1stダウンの攻撃。手堅く右サイドへのパワープレーと思った瞬間に、逆方向に走り込んできたWR#16岩越選手へピッチ。リバースプレーに虚を突かれたBigBlueディフェンスを尻目に、35ヤードのTDランとなり、東京ガスが逆転をします。
同じTDを取られるにしても、ショックが大きいトリックプレーからのTD。しかしBigBlueオフェンスチームは、相手キックオフがタッチパックとなり自陣25ヤードからの最初のプレーで、再びTE#98 Stanton選手へ24ヤードのパスが決まりボールはフィールド中央まで前進。ここから、#10末吉選手、#24中野選手、#30工藤選手とRB陣が確実にゲインを稼ぎ、ダウンを更新しながら前進していきます。ゴール前11ヤードでファーストダウンを獲得すると、まずは#10末吉選手が突進し6ヤード前進。続いてルーキー#31山下選手が2ヤード進みますが、3rdダウンのパスは失敗。4thダウンで残り2ヤード、ゴールまで3ヤードの場面で、ベンチからの指示は逆転出来ないFGではなくギャンブル。ここで#24中野選手が相手のタックルを受けながらエンドゾーンに飛び込み、ギャンブルを成功させ試合を10-7と再び逆転します。
6分近いオフェンスドライブをギャンブルで締めくくったBigBlueは、これで試合の流れを掴んだのか、続く東京ガスの攻撃を4thダウンパントに抑え、直ぐに攻撃権を取り戻します。1stダウンのパスは失敗したものの、2ndダウンではディレーでダウンフィールドに走り出た#30工藤選手にダウン更新の13ヤードパスが成功。ここから再びRB陣が確実な走りを見せ、ダウンを更新しつつ前進。途中、WR#29原田選手へのパスを織り込みながら、時間を使いながらゴール前レッドゾーンの20ヤードでファーストダウンを獲得します。1stダウンはQB#14多川選手がターゲットが見つからずスクランブルするものの1ヤードの前進。2ndダウンでは#30工藤選手が5ヤード前進しますが、3rdダウンコンバージョンのパスが失敗し、4thダウン残り4ヤードとなります。ここで今回はFGを選択。再びK#1小田倉選手が登場し、30ヤードのFGを成功させ、さらに得点を13-7と広げます。
2Qも残り1分を切り東京ガスのオフェンスシリーズ。1TDで逆転可能な点差だけに、何とか追加点を上げて前半を終了したい東京ガスですが、その焦りが出たのかキックオフリターン中にパーソナルファウルの反則で大きく後退。これで諦めたのか、残り時間はランプレーで消費し、結局前半は13-7のBigBlueリードで折り返します。
後半持ち直すも、課題も多く
気持ちを切り替えて臨む後半3Q。東京ガスのキックオフは大きく伸びてエンドゾーンまで届きます。これをキャッチしたルーキーWR#41河本が33ヤードまで戻します。ファーストプレーでは、QB#14多川選手からルーキーWR#93梶川選手へ21ヤードのロングパスが先ずヒット。さらに、RB#10末吉選手があわやTDという34ヤードのビッグゲインで、敵陣の12ヤードまで一気に前進します。1stダウンで#24中野選手が3ヤード突進した後の2ndダウンのプレー。コーナーパターンでエンドゾーン右隅に走り込んできたルーキーWR#83松尾選手に、やや浮かし気味のパスが通り、3Q最初のシリーズでTDを奪います。
後半開始早々のTDで、このままモメンタムを掴みたいBigBlue。続く東京ガスのシリーズはパントに抑えるものの、これがゴール前11ヤードで止められ厳しいポジションからのスタート。その為か、反則でさらに後退しパスも続け失敗し、BigBlueも4thダウンパントに終わります。エンドゾーン奥からのキックだったため、東京ガスのオフェンスはBigBlue陣内38ヤードからの絶好のポジション。このチャンスに、東京ガスのランプレーで前進すると、さらに18ヤードのパスが通り、ゴール前6ヤードでファーストダウンを奪われます。相手の反則で、10ヤード罰退するものの、最後はWR#81中島選手へ15ヤードTDパスが決まり、折角掴みかけたモメンタムを再び相手に持って行かれてしまいます。
なかなか思うような試合が出来ないBigBlueですが、ここまでの試合すべてオフェンスをリードしてきたQB#14多川選手は、落ち着いたプレーコールを見せます。この日好調なルーキーWR#93梶川選手へ9ヤードのパスを決めると、RB#24中野選手が3ヤードを走りダウンを更新します。次のプレーではWR#81山下選手へ7ヤードのパスを通すと、3rdダウンでも再び#81山下選手へ6ヤードのパスが通り、ボールはフィールド中央付近まで進みます。ここで、相手のオフサイドで敵陣に入ると、続くRB#30工藤選手の10ヤードランでパーソナルファウルの反則があり、さらに敵陣奥に前進。そして、QB#14多川選手がQBスクランブルでゴール前7ヤードでファーストダウンを獲得します。ここから、相手のディフェンスに3ヤード戻されますが、3rdダウンでは再び自らフィールドに走り出し、そのままTDを獲得します。この時点で得点は26-14。2TDで相手に逆転されてしまうため、ベンチはPATで2点コンバージョンを指示。ショットガン隊形からQB#14多川選手にボールがスナップされますが、これがオーバースローとなり多川選手がジャンプして辛くもキャッチ。これでプレーは一旦壊れますが、東京ガスのディフェンスも混乱し、その間隙を付いて#14多川選手がエンドゾーンへ突進。最後はディフェンス3人からタックルを受けながら、何とかボールをエンドゾーンに入れてTFP成功。28-14と、点差をダブルスコアに延ばします。
#14多川選手の気迫溢れるシリーズで、再びモメンタムを取り戻したいBigBlueですが、試合は再び膠着状態に。3Qが終わり、4Q序盤もお互いにパントで攻撃権が移動しながら時間が過ぎていきます。4Qも5分が過ぎてのBigBlueオフェンスシリーズ。3rdダウン11ヤードをルーキーWR#93梶川選手への16ヤードパスでダウンを更新すると、次の3rdダウン2ヤードの場面では、RB#10末吉選手が突進して、敵陣35ヤードでファーストダウンを獲得します。これで両チームにホッとしたような雰囲気が流れた、次の1stダウンプレー。左サイドラインを駆け上がってきた、ルーキーWR#83松尾選手へミドルパスが通ると、そのまま35ヤードを走り抜けてTD! 35-14と試合をほぼ決定づけます。
盛り上がるBigBlueベンチとスタンド。しかし、これで心に隙が出来たか、続く東京ガスのオフェンスシリーズで甘さが出てしまいます。最初のシリーズを相手の反則もあり3rdダウン14ヤードからのプレー。相手QBにプレッシャーを掛けながらも、パスを許してしまいそれが17ヤードのダウン更新のパスになってしまいます。さらに相手にダウン更新を許し、BigBlue陣内まで進んで3rdダウン7ヤードのプレー。ダウン更新を狙って、プレッシャーを受けながらも右ストレートを走るレシーバーに投じたバス。これをDBがカットに入りますが僅かに届かず、逆にそのボールをキャッチしたレシーバーは、そのまま無人のフィールドを47ヤード独走しTDにしてしまいます。35-21と、時間帯を考えれば勝敗には関係無い失点ではありますが、非常に悔しいTDです。
この後、試合時間は3分弱残っており、BigBlueもタイムアウトで時計を止めながら追加点を狙うプレーを見せますが、最後は無理をせずにニーダウンで時計を進め、35-21でこの試合を終了しました。
勝負と得点にこだわるチームに
厳しい事を言えば、ディフェンスにはもう少し頑張って欲しかったというのが正直なところです。特に、最後に許した一発TDは、試合の勝敗には影響しないものではあったけれど、35-14の21点差(得失点差+20)と、35-21の14点差(得失点差+14)では、1stステージの試合では大きな違いとなりえます。その試合に「勝つ」事が最重要命題ではあるけれど、その上で上位チームとの混戦を勝ち抜くためにも、得失点差でも常に優位に立つことを考えないといけません。過去勝ち点では並ぶものの、得失点差で何度も苦い経験をしているBigBlueであれば尚更です。「勝ちにこだわる」事以上に「勝ち方にこだわる」事も、この秋のシーズンでは意識して欲しいと思います。
オフェンスも、35得点は合格点ではあるけれど、もう少し安心できるレベルに成長をして欲しいところです。この試合では、正直相手の反則に助けられたところもあり、決してこれで満足はして欲しくないと思います。そんな中でも、ルーキー陣、特にオフェンスの中心になるレシーバー陣に元気な選手が揃ったことは収穫です。さらに言えば、BigBlueの得意技であるキッキングゲームに磨きを掛けることが、秋に向けての課題でしょうか。秋に向けて、一層強くなって戻ってくることを期待しています。
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