第四節: 東京ガス クリエイターズ戦の見所
2012/10/04
第三節・オービックシーガルズ戦に21-35で敗れ、1勝2敗と再び厳しい状況となったBigBlue。残り2試合に勝利しても3勝2敗の成績となり、すでに3勝をしているオービック、富士通を超えることが出来ないため、地区3位以下が確定してしまいました。しかし2nd Stageへは3位までが上位リーグに進むことが出来るので、まずは残り2試合を確実に勝利し、次のステージへ進むことが重要です。その2試合のうちの一つが、この東京ガス クリエイターズ(以下、東京ガス)との対戦です。
東京ガスとはXリーグ昇格後3回対戦し、3勝0敗(37-20@2007年、31-14@2008年、38-7@2011年)と相性の良い相手。対戦する毎に失点が減っているのは良い点ですが、それに対して得点が伸びていないのはチームとしての課題と言えます。今シーズンはオフェンス力を強化したBigBlueなので、これまで以上の得点を得ることがこの試合での課題と言えます。しかし今シーズン東京ガスもチーム力を補強しており、BigBlueと同じ1勝2敗ながらも、初戦のオール三菱戦では、終了間際に10ヤードのTDパスが通り、10-7と逆転勝利を掴んでおり、これまで以上にしぶとさを感じる今シーズンです。
ディフェンスの見所
これまでの3試合の内容を見ると、パスの比重がやや多い東京ガスオフェンス。先発が予想されるQB#14室田選手は、早いタイミングでのパスを確実に通して、そこからレシーバーがヤードを稼ぐパターンが多く見られます。これは、これまでのBigBlueディフェンスのゲームプランから言えば得意なパターンと言えます。前節ではディフェンスにとって厳しい試合内容となりましたが、DB#20西岡選手、DB#22中山選手、DB#25面條選手などとDB陣の活躍が何度も見られました。この試合では、LB陣もバスディフェンスに積極的に参加して、さらにプレッシャーをかけることで、対戦毎に減らしている失点をさらに減らすことも可能でしょう。東京ガスは、これまでの3試合で、パッシングで342ヤード/平均114ヤードの記録を残していますが、これを上回る成績がディフェンスとしてのまず最初の目標となります。
初戦のオール三菱戦では、4Q最後のオフェンスシリーズに大ベテランのQB#12田選手が登場し、自陣20ヤードからの2分42秒のドライブで逆転勝利を掴みましたが、このシリーズ11プレー中9プレーがパスであり、TDパスも含めて7回成功しています。その後のオービック戦、富士通戦では田選手はプレーをしていないため、この試合での出場があるかどうかは分かりませんが、場合によってはダウン更新の切り札として、ワンポイントで登場するかもしれません。東京ガスは、さらにQB#8徳島選手もおり、この3QBでプレーを回してきた場合、ディフェンスとしても的を絞りきれ無い場面もあるかもしれませんが、そう言う場合でも確実にキャリアーを止めてプレーを切る強さが、上位を狙うチームでは必須です。
BigBlueディフェンスとして気になるのは、ランプレーかもしれません。前節の試合ではカットバックで大きくゲインを許す場面が何度もありました。初戦の富士通戦では、ほぼ完璧と言って良いランディフェンスを見せてくれましたが、その後の試合ではここ一番という場面でロングゲインを許し、それがダウン更新やTDに繋がっていた印象があります。チームの違いはあるものの、まずはスクリメージラインを通過させないくらいの迫力ある守備を期待したいところです。
またこれまでの記録を見ると、東京ガスのパンターP#19飯島選手は、どの試合でも平均40ヤード前後のパントキックを蹴っています。これまではキッキングゲームで優位に立ち得点をしてきたBigBlueとして、このパントリターン、キックオフリターンからオフェンスに流れを繋ぐ、一体感のあるプレーを見せて欲しいと思います。リターナーとして予想される、WR#83松尾選手やWR#80瀧選手の走りもそうですが、その前を固めるリードブロッカーの仕事が大きく影響する部分です。前節では早い潰しに会い、満足できるリターンシーンが少なかったので、この試合ではリターンTDも含めたビッグプレーを期待したいところです。
オフェンスの見所
QB#3クラフト選手、RB#10末吉選手という、二人の大物ルーキーのこれまでの活躍は言うまでもありませんが、オフェンスの獲得ヤードの印象に対して実際に獲得した得点は正直物足りなさを感じます。理由の一つは、相手のキッキングゲームが成功して、オフェンスのスタートが厳しいボールポジションから始めなければならないと言うことでしょう。これは、リターナーの頑張りに大きく依存するわけですが、それでもなおゴール前1ヤードからのオフェンススタートでも確実に前進する「強さ」は強豪チームと呼ばれるためには必要なわけで、その「強さ」をこの試合では見せて欲しいところです。
例えば、これまでの試合ではRB#10末吉選手へのパスが何度も見られますが、ランプレーの代わりにレシーバーに早いタイミングでショートパスを通していくのも、QB#3クラフト選手の能力を見れば効果的では無いかと思います。それによって、ミドル・ロングレンジのターゲットが狙いやすくもなるでしょう。クラフト選手のスローイングスピードは、やはり本場のカレッジで揉まれてきただけに一般的な日本人QBと比較して倍くらい違う印象を受けます。レシーバーにとっては大変な仕事かもしれませんが、DBが動き出す前にボールをキャッチしていた、と思えるくらいの素早いプレーの展開がこれからは必要です。勿論、単にボールのスピードが速いだけがパスの要素では無く、いかにレシーバーに対してピンポイントでヒットさせることが出来るか、タイミングと精度こそがパスの命と言えます。2nd Stage進出を勝ち取り、再び上位チームとの対戦をして勝ち上がるためにも、やはりQBクラフト選手とBigBlueレシーバー陣とのコミュニケーションをもっと向上させて欲しいところです。この試合での見所兼課題の一つと言っても良いでしょう。WR#40スタントン選手、WR#18高木選手、WR#83松尾選手と、QBとの相性の良い印象を受けるレシーバーをもっと増やす必要があります。
もう一つのオフェンスの軸、ランプレーですが、大勝した富士ゼロックス戦を除けば、やや物足りない印象が残ります。#10末吉選手、RB#24中野選手の活躍はありますが、他チームのRB陣と比較してみるともう少し記録が伸びても良いのでは無いでしょうか。記録的には、例えば前節のオービック戦では、25回/94ヤードと平均3.8ヤードと3回でファーストダウンを獲得できる3.4ヤードは超えているものの、やはりの足りない数字です。オービックは39回/159ヤードで平均4.1ヤードを獲得したので、BigBlueとしても最低でもこの試合では平均4ヤードを超える記録を残して欲しいところです。中心は、やはりルーキーの#10末吉選手の活躍になると予想されますが、#24中野選手、#30工藤選手、#21藤井選手、#31山下選手と5名登録されているRB陣の活躍を大いに期待したい試合です。
試合の見所
現在1勝2敗で並ぶ、BigBlue、東京ガス、そしてオール三菱。2nd Stage上位リーグに進むためには、どのチームも残り2試合を連勝して、勝ち数を3まで積み上げる必要があります。両チームとの直接対決を残すBigBlueは、自力で勝敗を決められるのである意味有利とも言えます。この3チームの中で、すでにオール三菱に勝利している東京ガスを破ることは、仮に2勝3敗で再び同率で3チームが並んだ場合に得失点差で勝ち上がるために必要な条件の一つ。その為にも、過去の対戦成績は忘れて、もう一度開幕戦のつもりでこの試合に集中する事が必要です。
さらに、前節では反則の多さが目立ちました。プレーの流れ上どうしても相手にぶつかることもあるでしょうし、興奮することもあるでしょう。しかし、キッキングゲーム同様、そういう記録には表れない「ヤード」も含めて試合の勝敗は決まります。記録では相手に勝っても、勝負で負けていては意味がありません。記録でも勝負でも、相手を圧倒する内容でこの試合を決めて欲しいと思います。Go BigBlue!
« オービック シーガルズ戦のギャラリーを公開しました | あるOBの呟き- 1st Stage Week 4: vs. 東京ガス クリエイターズ »
- 2024年12月(1)
- 2024年11月(6)
- 2024年10月(6)
- 2024年9月(5)
- 2024年8月(2)
- 2024年7月(4)
- 2024年6月(1)
- 2024年5月(5)
- 2024年4月(4)
- 2024年3月(2)
- 2024年2月(4)
- 2024年1月(2)
- 2023年12月(5)
- 2023年11月(7)
- 2023年10月(10)
- 2023年9月(9)
- 2023年8月(3)
- 2023年7月(4)
- 2023年6月(2)
- 2023年5月(5)
- 2023年4月(4)
- 2023年3月(2)
- 2023年2月(4)
- 2023年1月(3)
- 2022年12月(2)
- 2022年11月(7)
- 2022年10月(6)
- 2022年9月(7)
- 2022年8月(3)
- 2022年7月(5)
- 2022年6月(4)
- 2022年5月(6)
- 2022年4月(3)
- 2022年3月(2)
- 2022年2月(1)
- 2022年1月(1)
- 2021年12月(5)
- 2021年11月(8)
- 2021年10月(6)
- 2021年9月(6)
- 2021年8月(4)
- 2021年7月(2)
- 2021年6月(1)
- 2021年5月(1)
- 2021年4月(7)
- 2021年3月(3)
- 2021年2月(1)
- 2021年1月(2)
- 2020年12月(3)
- 2020年11月(7)
- 2020年10月(9)
- 2020年9月(2)
- 2020年8月(7)
- 2020年7月(6)
- 2020年6月(3)
- 2020年5月(3)
- 2020年4月(4)
- 2020年3月(7)
- 2020年2月(4)
- 2020年1月(1)
- 2019年12月(2)
- 2019年11月(4)
- 2019年10月(5)
- 2019年9月(7)
- 2019年8月(2)
- 2019年7月(2)
- 2019年6月(9)
- 2019年5月(4)
- 2019年4月(3)
- 2019年3月(3)
- 2019年2月(1)
- 2019年1月(1)
- 2018年12月(3)
- 2018年11月(5)
- 2018年10月(5)
- 2018年9月(7)
- 2018年8月(6)
- 2018年7月(2)
- 2018年6月(9)
- 2018年5月(3)
- 2018年4月(4)
- 2018年3月(4)
- 2018年2月(3)
- 2018年1月(2)
- 2017年12月(7)
- 2017年11月(10)
- 2017年10月(13)
- 2017年9月(12)
- 2017年8月(10)
- 2017年7月(3)
- 2017年6月(16)
- 2017年5月(12)
- 2017年4月(12)
- 2017年3月(8)
- 2017年2月(4)
- 2017年1月(4)
- 2016年12月(2)
- 2016年11月(7)
- 2016年10月(8)
- 2016年9月(7)
- 2016年8月(4)
- 2016年7月(4)
- 2016年6月(5)
- 2016年5月(12)
- 2016年4月(10)
- 2016年3月(4)
- 2016年2月(5)
- 2016年1月(3)
- 2015年12月(1)
- 2015年11月(6)
- 2015年10月(7)
- 2015年9月(8)
- 2015年8月(4)
- 2015年7月(8)
- 2015年6月(2)
- 2015年5月(4)
- 2015年4月(8)
- 2015年3月(2)
- 2015年2月(4)
- 2015年1月(5)
- 2014年12月(13)
- 2014年11月(9)
- 2014年10月(6)
- 2014年9月(8)
- 2014年8月(6)
- 2014年7月(3)
- 2014年6月(5)
- 2014年5月(7)
- 2014年4月(4)
- 2014年3月(6)
- 2014年2月(2)
- 2014年1月(3)
- 2013年12月(5)
- 2013年11月(8)
- 2013年10月(10)
- 2013年9月(7)
- 2013年8月(3)
- 2013年7月(3)
- 2013年6月(4)
- 2013年5月(4)
- 2013年4月(6)
- 2013年3月(4)
- 2013年2月(2)
- 2013年1月(3)
- 2012年12月(6)
- 2012年11月(5)
- 2012年10月(11)
- 2012年9月(8)
- 2012年8月(10)
- 2012年7月(4)
- 2012年6月(4)
- 2012年5月(10)
- 2012年4月(4)
- 2012年3月(2)
- 2012年2月(3)
- 2012年1月(5)
- 2011年12月(3)
- 2011年11月(9)
- 2011年10月(11)
- 2011年9月(12)
- 2011年8月(4)
- 2011年7月(4)
- 2011年6月(11)
- 2011年5月(4)
- 2011年4月(2)
- 2011年3月(2)
- 2011年2月(7)
- 2011年1月(3)
- 2010年12月(4)
- 2010年11月(6)
- 2010年10月(6)
- 2010年9月(8)
- 2010年8月(3)
- 2010年7月(1)
- 2010年6月(3)
- 2010年5月(3)
- 2010年4月(4)
- 2010年3月(2)
- 2010年2月(1)
- 2009年12月(2)
- 2009年11月(5)
- 2009年10月(7)
- 2009年9月(4)
- 2009年8月(2)
- 2009年7月(3)
- 2009年6月(3)
- 2009年5月(3)
- 2009年4月(4)
- 2009年3月(4)
- 2009年2月(3)
- 2008年11月(1)
- 2008年10月(2)
- 2008年9月(2)
- 2008年6月(1)
- 2008年5月(1)
- 2008年4月(1)
- 2007年11月(1)
- 2007年10月(2)
- 2007年9月(2)
- 2007年5月(2)
- 2006年11月(1)
- 2006年10月(3)
- 2006年9月(1)
- 2006年5月(2)
- 2006年1月(1)
- 2005年11月(1)
- 2005年10月(2)
- 2005年9月(2)
- 2005年5月(1)
- 2005年4月(1)
- 2005年1月(1)