あるOBの呟き- 1st Stage Week 5: vs. オール三菱ライオンズ
2012/10/23
1stステージ最終戦は、中地区3位を賭けてオール三菱ライオンズ(以下、オール三菱)との対戦です。オール三菱は、昨シーズン3勝2敗の成績で1stステージを終了し、初めて2ndステージ上位リーグに進出。今シーズンも、昨年以上の成績を目指してシーズンに入りましたが、ここまで1勝3敗と不本意な成績となっています。しかし、この試合に9点差以上で勝てば、BigBlue、オール三菱、東京ガスが2勝3敗で並び得失点差で3位を獲得できる重要な試合になります。BigBlueは、勝てば勿論、敗れる場合でも8点差以内であれば、同様に得失点差で3位が確定します。
オール三菱とはこれまで5度対戦し、3勝(10-0@2006、35-3@2008、34-7@2010)、2敗(19-39@2002、18-44@2003)、1分(13-13@2004)という成績を残しています。BigBlueがXリーグに昇格した直後の対戦では、選手層や経験値の差が荒分けて完敗していますが、3回目の対戦を引き分けで終わってからは、BigBlueの力が相手を上回り勝利を納めています。しかし、昨シーズンはBigBlueを上回る地区3位を確定した力と、この試合結果で3位から5位まで大きく地区順位が変わるだけに、相手チームもこの試合に賭ける意気込みは大きいはずで、それゆえ厳しい試合が予想されます。
ハイパーオフェンス爆発
試合はオール三菱のキックオフで始まります。QB#3クラフト選手からの最初のプレーは、WR#1岸選手への23ヤードのロングパスでダウンを更新。ノーはドルオフェンスで畳み掛ける次のプレーは、WR#83松尾選手への34ヤードパスが成功しすでにゴール前8ヤードまで前進します。1stダウンのパスは失敗したものの、2ndダウンではWR#18高木選手へのパスで5ヤード前進。そして3rdダウンではWR#80瀧選手へ3ヤードのTDパスが成功し、試合開始1分1秒という最速最短記録で得点します。
続くオール三菱の攻撃。QB#11田中選手からWR#39丸茂選手へのロングパスで大きく前進するものの、シリーズの中心はランプレーで攻撃を組み立てます。自陣からBigBlue陣内に入ったところで、QB#11田中選手のキープで27ヤード前進してレッドゾーンに入ると、最後はWR#80西崎選手に17ヤードTDパスが成功。1Q中盤に同点に追いつかれてしまいます。
しかしこれまでの4試合でレシーバー陣との連携もかなり進んだQB#3クラフト選手は、次のシリーズではTE#40スタントン選手への17ヤード/19ヤードと続けてパスを通してゴール前22ヤードまで前進。さらにベテランWR#44天谷選手へ10ヤードのパスを通しエンドゾーンに迫ります。RB#10末吉選手のアタックはエンドゾーン手前で止められるものの、最後はRB#24中野選手へのディレーパスが決まり14-7と試合を逆転します。
これで火がついたBigBlueは、デイフェンスがオール三菱の攻撃を4thダウンパントで終了させ、再びBigBlueの攻撃。ここでもTE#40スタントン選手へ34ヤードのロングパスが成功し敵陣に大きく切れ込むと、WR#17小川選手へのパスが成功して20ヤードまで前進。次のプレーではターゲットが見つからず、QB#3クラフト選手がスクランブルしますが、それでも11ヤード前進してファーストダウンを獲得。ここで1Qが終了しサイドが変わった2Q最初のプレーは、ホットラインTE#40スタントン選手に9ヤードのTDパスが成功し、21-7と点差を広げます。
オール三菱も反撃を見せます。キックオフリターンにBigBlueの反則も重なり、自陣46ヤードからという絶好のポジションを得たオール三菱は、ランプレー中心のシリーズを組み立てます。ビッグゲインこそBigBlueディフェンスも許しませんが、確実にヤードを獲得し、さらに4thダウンコンパージョンを成功させて、じりじりと前進してきます。ゴール前17ヤード2ndダウン8ヤードのプレー。ロングスナップされたボールをQBがファンブル。ここにLB#13北村選手が飛び込みボールを確保し、ピンチを救います。
折角のチャンスでしたが、このシリーズはパントで攻守交代。再びオール三菱の攻撃が自陣の22ヤードから始まります。最初のプレーでピッチを受けたRBがボールを後にそらすと、BigBlueのDL/LBが殺到。最後はDL#97國方選手がボールを確保し、ゴール前12ヤードからの攻撃権をオフェンスを渡します。
再び得た絶好の得点チャンス。1stダウンでは、QB#3クラフト選手がターゲットを探すもカバーに会いスクランブルで2ヤードの前進。そして次のプレーでは、プレーアクションパスがWR#80瀧に決まり、28-7とさらに点差を広げます。
続くオール三菱の攻撃を4thダウンパントに押さえ、再びBigBlueの攻撃シリーズ。ここではRB#29原田選手のランプレーと相手の反則でゴール前2ヤードまで進みます。しかし1stダウン2ヤードのプレーでは、スナップされたボールがインモーションをしているWR#80瀧選手に当たってしまいルーズボールになったところをオール三菱がリカバーし、折角の得点チャンスを失ってしまいます。しかし、この後の攻撃を押さえて、前半は28-7で折り返します。
後半も好調、しかし最後に詰めの甘さも
後半はK#8小田倉選手のキックオフで始まります。キックを大きく戻されて、オール三菱自陣45ヤードからの攻撃。ここでは、最初にプレーをDL#97國方選手がゲイン無しでタックルすると、2ndダウンのランプレーを今度はDL#98瀧川選手がやはりゲイン無しで止めます。3rdダウンでは6ヤードのパスを許してしまいますが、最初のシリーズは4thダウンパントに押さえ、攻撃権がBigBlueに移動します。
前半の勢いを継続したいBigBlueオフェンスですが、反則が続きボールを進める事が出来ずにパントで攻守交代となります。しかし、次のオフェンスシリーズでは再びビッグオフェンスを見せてくれます。自陣37ヤードからのシリーズは、まずTE#40スタントン選手への15ヤードパスで敵陣に進みます。続いてWR#17小川選手へ17ヤードのパスがとおると、次はRB#24中野選手が18ヤードのロングゲインを見せ、ゴール前10ヤードでファーストダウンを獲得します。ここからまずはWR#18高木選手へのパスでTDを狙いますが、これゴール前3ヤードでタックルを受けて止められます。しかし次のプレーでは、ゴールポスト下に走り込んできたWR#17小川選手にTDパスが成功し、後半最初の得点となります。
3Qも半分が経過し、オール三菱もオフェンスをパス中心に切り替えて追加点を狙います。自陣19ヤードから始まったシリーズはパスで前進し、自陣46ヤード2ndダウン残り9ヤードのプレー。BigBlueディフェンスのプレッシャーを受けながらもターゲットを狙うオール三菱QB#11田中選手。ここからディープゾーンで待つWR#19栗原選手にパスを投じますが、時間が掛かった分DB#22中山選手が回り込む時間が生まれ、ジャンプしてこのボールをインターセプト。ディフェンスも波に乗ります。
このチャンスから、まずはWR#16梶川選手へ25ヤードのロングパスが通り一気に敵陣に入ると、ここからはRB#10末吉選手にボールを集めて、相手ディフェンスの壁を崩しながら前進します。敵陣19ヤードで3rdダウン残り4ヤード。QB#3クラフト選手は、スナップを受けるとゆっくりと横に移動しながらターゲットを探します。ここで見つけたのは、ホットラインの一つTE#40スタントン選手。パスをキャッチすると、そのままエンドゾーンに走り込み、この日2本目のTDパスをキャッチします。
試合は4Qに入ります。ここまで各Qに2TDパス、合計6TDパスを成功しているQB#3クラフト選手。4Q最初のシリーズには、QB#14多川選手が登場しQBキープで27ヤードのロングゲインを見せます。このまま4Qは多川選手に任せるのかと思ったところ、QB#3クラフト選手と1プレーで後退。そして、TE#40スタントン選手へ24ヤードのパスが成功すると、次はあわやTDという29ヤードパスが続けて成功します。残り2ヤードを狙うプレーは、プレーアクションと見せかけてから、QB#3クラフト選手が自らエンドゾーンに飛び込むドロープレー。この試合初めてランプレーでTDを奪います。
お互いに一度ずつパントで攻撃権が移動した後のオール三菱の攻撃。RB#36石垣選手にショートパスが通ると、ランアフターキャッチで大きく前進し、この試合両チーム最長となる39ヤードパスが成功します。一気にゴール前21ヤードまで前進したオール三菱は、パスは通るもののゴール前12ヤードで4thダウン残り1ヤード。これをRB#森西選手のダイブでダウンを更新すると、最後はTE#88田嶋選手に6ヤードTDパスが成功し、待望の追加点を上げます。続くトライフォーポイントのキック。スナップと同時にスクリメージラインを割って飛び込むBigBlueメンバー。その中のDL#96林選手が、キックされたボールをブロックして、TFPを不成功に導きます。
この後のオフェンスでは、QB#14多川選手が再び登場。得意のQBキープでダウンフィールドに走り出すと、カットバックで相手ディフェンスを振り切り一気にエンドゾーンに迫ります。しかし直前でタックルを受け体制を立て直すときにボールをファンブル。このボールがエンドゾーンに入り外に出てしまったため、残念ながらタッチバックとなり、攻撃権がオール三菱に移動してしまいます。残り3分27秒でもう一矢報いたいオール三菱ですが、DL#93奥野選手がラッシュでQBを追い込み、18ヤードも後退させるプレーも有り、オール三菱はダウンを更新出来ません。そのまま試合は、49-13でBigBlueが勝利し、中地区3位を確定しました。
モメンタムを掴め
厳しい事を言えば、オフェンスは7TDを奪い大量得点をしたものの、幾つかのシリーズはミスが重なりパントで終わった場面もありました。もっと貪欲に得点を狙う気持ちは、これからはもっと要求されるもの。更にスピードと精度を高めて、2ndステージではさらに強力なオフェンスを見せて欲しいところです。そういう部分はあるものの、シーズン最初の頃と比べると、QB#3クラフト選手とOL/RB/WR陣のコミュニケーションがスムーズになってきた印象は強く受けます。これをさらに完璧に近づけることが、2ndステージ突破の重要な要素です。
ディフェンスについても、1Qの得点直後のシリーズでTDを許してしまうのは、試合のモメンタムを掴む上で望ましい事ではありません。一気に得点した後だけに相手の気持ちを早く挫くチャンスでもあったわけで、ここは踏ん張ってFGあるいは無得点に押さえる努力をもっと見せて欲しかったところです。さらに、4Qの失点も、すでに試合の趨勢は決まっていたとはいえ、気の緩みは無かったか、さらに高いレベルでのプレーを期待したいところです。
2ndステージの相手は、西地区1位のパナソニックインパルス(4勝1敗)と東地区2位のノジマ相模原ライズ(4勝1敗)との対戦。フットボールの神様の粋な計らいで、兎に角この2チームに勝てばBigBlueの地区1位が決まり、Finalステージ進出が決まります。自分達の力で結果を出すことが出来ます。決して楽な戦いでは無いし、相手もそのつもりで来るでしょう。しかし、尻上がりに成長している今のチームならば、2ndステージで何かやってくれる、そう言う期待感を感じます。
Go BigBlue!
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