あるOBの呟き- パールボウル 2回戦: vs. 鹿島ディアーズ

2013/05/16

第36回パールボウルは2回戦。対戦チームは、前年東地区優勝をした鹿島ディアーズです。BigBlueが2002年にXリーグに初昇格した時に最初に対戦したチームが、この鹿島ディアーズ。その後、2010年シーズンまで常に同地区に入り毎年対戦し毎回苦渋を味わった相手です。当時から既に日本の強豪チームであったため、楽に勝てる相手ではないものの、ときには肉薄する年も有り、何とかこのチームから勝ち星を上げる事が、BigBlueは勿論、上位を狙う他のチームにとっても大きな目標の1つでした。しかし、シーズンイン直前に今年度を持って「鹿島ディアーズ」としての活動を終了する発表があり、多くのフットボールファンが驚きます。
 
今シーズンも鹿島とは所属地区が異なるため、秋のリーグ戦で対戦するためには、1stステージを勝ち上がり2ndステージに進出して組合せで同グループに入るか、さらに勝ち上がってファイナルステージ、あるいはJapan X Bowlで対戦するしかチャンスはありません。場合によっては、今回のパールボウルでの対戦機会が「鹿島ディアーズ」と試合が出来る最後のチャンスになるかもしれません。それだけに何としても、この試合に勝ちたいというチームの意気込みを感じます。また鹿島にとっても、残された試合が限られている以上、どの試合に対してもこれまで以上に気持ちを込めて臨んでくるはず。それを上回る気力と力をこの試合で見せて欲しいと思います。
 

不本意なスタート
 

鹿島のキックオフで始まった試合は、ルーキーRB#35土井田選手が15ヤードを戻して、自陣25ヤードからBigBlueの攻撃開始。ファーストプレーはRB#10末吉選手へのハンドオフで、スクリメージラインを突破すると一気に中央を駆け上がります。しかしタックルを受けた時にボールをファンブル。直ぐに鹿島に攻撃権が移動してしまいます。このチャンスに、鹿島はエースRB#29丸田選手が快走しゴール前に攻め込むと、最後はWR#11前田選手に2ヤードTDパスが通り先制点を許してしまいます。
 
続くBigBlueのオフェンスシリーズ。QB#3クラフト選手のキープで前進するものの、3rdダウンで9ヤードの場面。ファーストダウンを狙って投じられたパスは、相手LBに弾かれそれをインターセプトされてしまいます。再び鹿島に得点のチャンスが生まれますが、ここでBigBlueディフェンスチームが奮起。3rdダウン残り1ヤードと、4thダウンギャンブルの2回のプレーをゲインゼロに押さえて、やっとBigBlueらしい雰囲気が生まれてきます。
 
この流れはオフェンスにも続き、TE#40スタントン選手へ20ヤードのパスで大きく前進すると、最後も#40スタントン選手へ26ヤードのTDパスが通ります。しかし、TFPのスナップが乱れてキックが出来ず、得点は6-7と1点ビハインドのままです。やっとリズムが生まれてきたBigBlueですが、その直後の鹿島のドライブではWR#11前田選手の好キックリターンとパスキャッチでレッドゾーンに入ると、さらにRB#20岩倉選手の突進で2ndダウン5ヤードと攻め込まれます。ここからディフェンスが踏ん張り、2ndダウン、3rdダウンのパスは失敗。TDは許さず、何とかFGの3点に止めます。
 
次のBigBlueのオフェンスでは、まずはRB#10末吉選手のランを軸に相手陣内に進むと、今度はRB#29原田選手がカットバックで前進し、ゴール前11ヤードでファーストダウンを獲得します。この絶好の得点チャンスですが、TDを狙ったパスがインターセプトされタッチバックとなり、折角掴んだリズムがまた狂い出します。
 
苦しみながらも試合は2Qに入ります。鹿島の攻撃をLB#13北村選手のQBサックで交代させパントで攻撃権を得たBigBlue。自陣10ヤードからのシリーズは、RB#10末吉選手とRB#24中野選手の確実なゲインに、WR#80瀧選手の28ヤードパスを挟んで前進すると、今度はRB#29原田選手のランが進み、ゴール前6ヤードでファーストダウンを獲得します。ここから鹿島の守備に阻まれて4thダウンで1ヤード。TDを求めてRB#10末吉選手が飛び込みますが、鹿島の厚い壁は破れず得点出来ずに攻守交代となります。しかし気合いの入ったBigBlueディフェンスは、1stダウンのランプレーこそ5ヤードの前進を許しますが、2ndダウン、3rdダウンのパスは失敗。自陣6ヤードからの鹿島パントはミスキックとなり、敵陣30ヤードからBigBlueのオフェンスが始まります。
 
この試合、ランプレーでは確実に相手のディフェンスラインを押していたBigBlueは、RB#10末吉選手、RB#24中野選手のグランドアタックでゴール前3ヤードでファーストダウンを獲得します。残り3ヤードを、今度は末吉選手か中野選手かと思った1stダウンのプレーは、フェイクを入れたQB#3クラフト選手が自らオープンを駆け上がりTD。K#8小田倉選手のTFPキックも決まり、13-10と逆転します。
 
2Qも残り5分を切り、このままリードして折り返したいBigBlueは、ディフェンスが鹿島の攻撃を防ぎ4thダウンパントで攻撃権を直ぐに奪い返します。再び得点のチャンスを得たBigBlue。しかし、その1stダウンのプレーでQB#3クラフト選手がターゲットを探す時間が長すぎたのか、投じたパスをインターセプトされ一瞬で再び攻守交代。これで気持ちの糸が切れてしまったのか、残り3分17秒からの鹿島の攻撃を防ぎきれずにTDを許してしまい、前半は13-17と再逆転されて折り返します。
 

最後の競り合いで負ける
 

前半はつまらないミスで得点チャンスを失ったBigBlue、気持ちを切り替えてK#8小田倉選手のキックオフで3Qが始まります。後半最初の鹿島のオフェンスは、ランプレーで押し込んできますが、ダウンを2回更新されたところでBigBlueディフェンスもエンジンが掛かり、4thダウンパントで攻守交代となります。しかし続くBigBlueのオフェンスもパントで終了。次の鹿島の攻撃を再び4thダウンパントで凌いだ後のBigBlueのオフェンス。再びRB#10末吉選手にボールを集めて前進すると、続いてRB#24中野選手のランもヤードを稼ぎます。そして、この日好調なRB#29原田選手が走った後、再びRB#10末吉選手にボールを集めてゴール前20ヤードでファーストダウンを獲得します。しかし、エンドゾーンを背にした鹿島ディフェンスは厚く、4thダウン7ヤードとなったため、K#8小田倉選手がこの日最初の34ヤードのFGを成功させ、16-17と1点差に迫ります。
 
その直後のキックオフ。キックボールは敵陣深く5ヤードまで飛びますが、リターナーに入った鹿島#11前田選手が大きく36ヤードを戻して、自陣41ヤードからの鹿島の攻撃。1stダウンのプレーを終了したところで、試合は最終4Qに入ります。ここから鹿島は、ロングパスを2本続けて決めて一気にTDを獲得。点差は再び16-24とFGでは追いつけない点差に広がります。
 
だんだんとリズムを取り戻しつつあるBigBlueですが、1stダウンのプレー前にフォルススタートの反則で5ヤードの罰退。しかし、RB#10末吉選手とQB#3クラフト選手のランでダウンを更新します。続くプレーでは、WR#81栗原選手に7ヤードのパスが成功しますが、ここで鹿島によるパーソナルファウルの反則で敵陣に入りファーストダウンを得ます。パスが安定してきたQB#3クラフト選手は、WR#17小川選手に20ヤードのロングパスを決めると、一気に敵陣のレッドゾーン、ゴール前15ヤードでファーストダウンを獲得します。再び訪れたTDのチャンス。しかし、鹿島のゴールラインディフェンスの厚い壁を破ることは出来ず、再びK#8小田倉選手が登場し28ヤードのFGが成功し19-24と点差を縮めます。
 
何とか相手の攻撃を終わらせて、早く攻撃に移りたいBigBlue。その焦りがキックオフに出たのか、鹿島#34藤森選手に40ヤードのキックオフリターンを許してしまい、フィールド中央から鹿島の攻撃が始まります。ここから鹿島は、ノーハドルオフェンスに加えて、RB#38佐藤選手にスナップを出すワイルドキャット隊形を使い、テンポ良く確実に前進していきます。気がつくと、ゴール前9ヤードでファーストダウンを許してしまい、ここからはワイルドキャット隊形から、WR#11前田選手がスナップを受けると、そのままQBキープでエンドゾーンに飛び込みTDとなります。さらに鹿島はTFPでプレーを選択。これも成功し、得点を19-32とします。点差が13点差に開いたため、BigBlueとしては残り3分8秒で2TD以上を獲得しないと逆転出来ません。
 
先ずは出来るだけ早くTDを獲得したいBigBlueは、QB#3クラフト選手がテンポを上げてノーハドルオフェンスをリード。WR#89円谷選手の21ヤードパスでダウンを更新すると、休む間もなくTE#40スタントン選手、WR#80瀧選手とパスを成功させ前進します。WR#80瀧選手へのパス成功でゴール前8ヤードでファーストダウンを獲得したBigBlueは、一気にWR#17小川選手に8ヤードTDパスを決め、26-32と鹿島を猛追。残り1分7秒に逆転の望みを掛けてキックオフに向かいます。
 
ここでキッカーとしてK#11井田選手が登場。右サイドにオンサイドキックを蹴り攻撃権の獲得を狙いますが、残念ながら鹿島がホールを確保。この後は、残り時間を鹿島が消費して、試合は26-32で終了となります。
 

獲得距離よりはミスの削減
 

決して負け惜しみで無く、これまでの鹿島との試合のなかでは、一二を争う内容の濃い試合だったと思います。オフェンスも、インターセプトやファンブルリカバーといったミスは合ったものの、総獲得距離では鹿島を大きく上回ったはずです。只、それでも勝てないのは、ゴール前まで攻め込みながら最後の最後でミスが出て自らチャンスを潰してしまう場面が何度もあったことと、相手のプレーが常に半歩先一歩先に有るため、その積み重ねがシリーズの最後には致命的なワンプレーを生んでいる気がします。それは、鹿島ディアーズが強豪チームとして10年以上もXリーグのトップを確保していた底力と言えます。チャレンジャーとして上位チームを倒すためには、相手より一歩二歩程度のリードでは力不足です。相手を足下からすくい上げて倒す位の圧倒的な力を見せないと、こういった大きな相手に対しての白星・金星は生まれないと言うことを実感しました。
 
パールボウルトーナメントは、残念ながらこれで敗退となってしまいチームとしての春の目標は達成出来ませんでした。ただ有意義なことを考えれば、今回は秋までの反省点も多く見つかったと同時に「手応え」も多く得られた2試合だったのでは無いでしょうか。それは今シーズンのチームの方向性は間違っていないという証明で有り、後はその方向からぶれること無くベクトルを長く太く延ばしていくだけとも言えます。3カ月後の開幕戦には、より逞しくなったBigBlueを期待したいと思います。
Go BigBlue!

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