第37回パールボウル予選: 太陽ビルマネージメントクレーンズ戦の見所
2014/05/11
すでに始まっている第37回パールボウルトーナメント。BigBlueの2014シーズンがいよいよ始まります。初戦の相手は、昨シーズンX2セントラルで優勝(3勝1敗)し、続く入替戦では警視庁イーグルスに終盤追い上げられながらも、17-16と1点差を守り切りXリーグ初昇格を勝ち取った、太陽ビルマネージメントクレーンズ(以下、クレーンズ)です。クレーンズは既に初戦を終えており、昨シーズンのチャンピオン、オービックシーガルズ(以下、シーガルズ)と対戦しましたが、111-0と圧倒的な大差で敗れ、Xリーグの厳しさを体感したところです。
東亜建設工業クレーンズとしてスタートした同チームは、クラブチーム化、スポンサー企業の変更などチーム力向上に努め、ついに昨シーズンXリーグ昇格を勝ち取りました。オフェンスは、どちらもBigBlue OBである、QB#4石川選手のパスとRB#29工藤選手のランプレーが中心のチーム。X2時代には、基本的な中に堅実さのあるプレーを展開し得点力もありましたが、初戦では堅固なシーガルズディフェンスに苦労したようです。またディフェンスについても、Xリーグの選手のスキルの高さに対応出来無い場面も多くあり、2試合目となるBigBlue戦にはその経験を生かした対策を準備してくることが予想されます。
オフェンスの見所
3シーズン目となる、QB#3クラフト選手を中心としたBigBlueオフェンス。昨シーズンは、1年目の反省点を解決し、安定感のあるオフェンスを展開してくれました。また、クラフト選手からの英語でのコールやオーディブルに対しての対応も、3年目となる今年はオフェンスラインやレシーバー陣の多くが昨年の経験者であるため、さらに精度の高いプレーが期待できます。
オフェンスの注目選手は、今シーズンチームキャプテンを努めるTE#40スタントン選手。クラフト選手と同時に2年前からBigBlueでプレーを始めたスタントン選手は、直ぐにクラフト選手のホットラインとなり、重要な場面では確実なパスキャッチと、ランアフターキャッチでヤードを獲得する、頼れる選手の一人になっています。プレーだけで無く、その人柄からもチームメンバーの人望を集め、今シーズンはチームキャプテンとしてチームを勝利に導く重要な役割を担います。
RB陣には、現在スウェーデンで開催中のカレッジワールドカップで活躍し、中国戦、スウェーデン戦でのMVPを獲得したRB高木稜選手(京都大)と、昨年の関西学生リーグで活躍したRB前田眞郷選手(関西大)の二人は、ルーキーながら即戦力として多いに期待出来ます。カレッジワールドカップから帰国した直後の試合となるため、コンディションに不安は残りますが、彼らのランプレーが今シーズンのBigBlueオフェンスの幅をさらに広げることは確実です。
昨シーズン、1stステージでは、オービックに41-42、ノジマ相模原ライズ(以下、ライズ)には21-24と僅差で破れたものの、互角のオフェンス戦を展開しました。しかし、昨年よりもさらに高い位置に進むためには、一層の努力が必要です。昨シーズンは、悲願だった鹿島ディアーズ(現LIXILディアーズ、以下、ディアーズ)に56-35と完勝し、良いイメージでシーズンを締めくくることができました。まずは、そのイメージをもう一度思い出し、今シーズンのスタートラインを確定することが、この試合での目標と言えるでしょう。
ディフェンスの見所
どんなスポーツにも、「れば、たら」は禁物ですが、シーガルズ戦、ライズ戦での接戦で、もしディフェンスがあのプレーを止めていれば、TDを防いでいれば、という気持ちは正直なところあります。勿論、接戦に至るまでには多くのグッドプレー、グッドタックルがあったことも事実です。実際、シーズン最後のディアーズ戦では、前半はオフェンス・ディフェンス互角の内容でしたが、後半は徐々に相手の反撃を抑えて、4Qは無失点で試合に押さえる力を見せました。オフェンス同様、ディフェンスにとっても、昨シーズン最後の想いにどれだけ近づき、あるいはそれよりも高い位置から、今シーズンのスタートが切れるか、それが課題でもあり見所です。
今シーズンのディフェンス陣の見所は、さらに強力になったフロントライン。まずは、オービック、アサヒ飲料チャレンジャーズで活躍したオールジャパンメンバーでもある、DL紀平充則選手が今季加入。実績、実力ともに日本を代表するディフェンスラインであり、その突破力は今シーズンの大きな武器になるでしょう。
LB陣では、春のドイツ戦、シニアワールドカップアジア予選フィリピン戦にシニアオールジャパンとして出場したLB#7岸本選手を中心に、今シーズもよりアグレッシブなプレーを目指します。昨シーズンの試合を見ると、能力の高いランナーとの対決になった場合、相手に先に動きを読まれてタックルをかわされてしまい、ロングゲインを許した場面が何度かあった印象があります。DL/LBと連携して相手の前進を止めるプランである以上、LBだけの責任とは言えませんが、DLの縦への動きに対して、LBはもっと横への移動を意識して、柔軟に広く守る姿勢が今シーズンは要求されると思います。厚みを増したデイフェンスの壁を、今度はいかに柔軟性を持たせて横に広げてカバーするディフェンスへと変革させるか。その第一歩をこの試合で見せて欲しいところです。
DB陣にも昨年の戦力がほぼそのまま残り、昨年以上のパフォーマンスが期待されます。昨シーズンルーキーとして加入した、DB#20矢部選手、DB#23放送選手、DB#32椙田選手の活躍に今シーズンも期待が高まります。特にDB#20矢部選手は、昨シーズンの最多インターセプトを記録。一瞬で局面が変わるターンオーバーは、考えていてもできるプレーではありませんが、そう言う場面を作り出すのもディフェンス力の一つと言っても良いでしょう。ディフェンスの使命として「得点を許さない」事が大前提ですが、さらに一歩進んだ「得点するディフェンス」を、この試合では見せて欲しいと思います。
試合の見所
前節の試合では、シーガルズから厳しい洗礼を受けたクレーンズ。この2週間の間に、選手はどれだけ故障や疲労を回復し、本来のコンディションに戻れたのか。またチームとしてはXリーグでの試合に対して、これまでのシステムをどの様に修正して対応するのか、次のBigBlueとの試合に向けて準備を進めていることは確かです。それはBigBlueにとっても同じ事で、選手は2月から準備してきたことをどれだけこの試合で発揮できるかという課題があり、チームとしても昨シーズンの反省点を解決したり、今シーズンの新しい仕組みの確認といった課題をこの試合で解決しなければなりません。
前節の試合では、オービックが111-0というリーグ記録で勝利したことが大きな話題になりました。勿論試合をする以上、得点や失点記録に拘ることも重要ですが、春のシーズンと言う事を考えると、重要な事はプレーの精度ということだと思います。秋に向けて、現在の理解度を確認するためにも、まずはターンオーバーをしない、反則をしない、という基本的な事の完遂が最も大切です。その上で、オフェンスは貪欲に得点を目指し、ディフェンスは失点は勿論ファーストダウンも許さない厳しさを、4Qの最後まで維持できる強さをこの試合ではまず見せて欲しいと思います。Go BigBlue!
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