第37回パールボウル予選: オービックシーガルズ戦の見所
2014/05/25
パールボウル2014ブロック予選2試合目は、昨年度のチャンピオンチーム、オービックシーガルズ(以下、オービック)とのDブロックの優勝決定戦です。前節では、初昇格の太陽ビルマネージメントクレーンズに72-13と大勝したBigBlueですが、オービックはそれを上回る111-0という、Xリーグの最多得点、最大得点差で完勝。その実力を遺憾なく発揮して、この試合に臨んできます。
昨シーズンは同地区に所属し、1stステージ第三節で対戦。試合は両チーム点の取り合いとなり、どちらも5TD/2FGと五分の内容ではあったものの、TFPで2点コンバージョンを成功させていたオービックが、42-41の1点差で逃げ切った試合。オービックにとって41失点は過去最大失点の試合ではあったものの、個々の選手能力だけで無く、チームとしての試合巧者の実力を見せられた試合でした。
オフェンスの見所
昨年の試合でのBigBlueオフェンスは、QB#3クラフト選手のパッシングオフェンスが爆発。総獲得距離461ヤードのうち、84%に及ぶ387ヤードはパスによる獲得ヤードです。当然オービックとしては、このパスオフェンスをマークしてくることは明らかです。この試合でターゲットになったWR#81栗原選手、WR#17小川選手、TE#40スタントン選手の3レシーバーに80%のパスが集中しており、これらの選手へのマークは厳しくなるでしょう。その分、それ以外のターゲットへのチャンスが増えるわけで、前節の太陽ビル戦で活躍したWR#83松尾選手、WR#84小林選手、WR#16梶川選手といった若手選手の活躍が一つの鍵になるでしょう。
もう一つの予想される対策は、オービックDL陣によるQBへのプレッシャーです。昨年の試合では、BigBlue OL陣の頑張りも有り、QB#3クラフト選手は比較的余裕を持ってターゲットを探すことができました。今シーズンのオービックは、DLの両翼を固める#11ジャクソン選手、#23ビーティーJr選手の二人に加えて、力のある新人選手も補強されており、さらに厳しいプレッシャーが予想されます。昨年の試合と事なり、このパールボウルは1Q=15分で開催されることも有り、最後まで厳しい相手のラッシュに対応できるか、OL陣としては昨年の試合が決してフロックでは無い事を証明する必要があります。
BigBlueのオフェンスプランとして、パス攻撃が中心となることは確かですが、試合時間も考えるとランプレーは前回以上に重要になります。昨年の試合では、RB#10末吉選手がほぼ一人でボールを運びましたが、今回はさらに期待の新人RB#24高木選手とRB#26角選手の二人の走りに期待が掛かります。太陽ビル戦での10TDのうち、高木選手が3TD、角選手が1TDを記録しました。その好調な走りがこのオービック戦でも発揮されれば、BigBlueのオフェンス力は昨年の試合時と同等以上と言って良いでしょう。
ディフェンスの見所
Xリーグ初昇格のチーム相手とは言え、15TDを叩きだしたオービックオフェンスは、まだ春のシーズン中とは言え、昨年のシーズンピーク時以上の調子をすでに取り戻していると言って良いでしょう。昨年の試合では、オービックも獲得ヤード(501ヤード)のうち78%(392ヤード)がパスによるもので、双方壮絶な空中戦を展開しました。この試合ではQB龍村選手が試合をコントロールしましたが、今シーズンのオービックは、龍村選手、菅原選手に加えて、関西学院大で活躍した畑選手が加入。1年間のブランクがあったものの、太陽ビル戦では後半登場し、活躍を見せました。本来はパス・ラン、ほぼ同等にバランス良く展開してくるチームですが、実力のある3QBが登場してプレーやシリーズ毎にオフェンスに変化を付けられると、BigBlueディフェンスとしても対策を準備することが難しいでしょう。
そのディフェンスの中で期待したいのが、オービックで活躍し今シーズンアサヒ飲料チャレンジャーズから移籍したDL#99紀平選手です。そのスピードとパワーはまだまだ強力であり、太陽ビル戦では何度もスクリメージ中央を割って入り、QBやRBにプレッシャーを与え続けました。さらに強力なオービックOL陣に対しては、簡単には中へ入れないと思いますが、紀平選手へ相手の意識が集中すれば、横に並ぶDL#31藤井選手、DL#93佐久間選手、DL#96林選手達がプレーをする余裕が生まれてきます。スピードとパワーに加えてどれだけコンビネーションを発揮して、相手のプレーを止めることができるか、ディフェンスのフロントラインとして鬩ぎ合いが続く試合になるでしょう。
さらにオービックのオフェンスには、WR#17平野選手、WR#18木下選手、WR#85萩山選手といった強力なレシーバー陣が控えています。確実なレシーブ力でファーストダウンを更新し、さらにはロングターゲットとして一発でTDを奪う破壊力も秘めています。昨年のルーキー組である、DB#20矢部選手、DB#23保宗選手、DB#32椙田選手といった、インターセプト能力も高いDBユニットの活躍が昨年以上に重要になります。太陽ビル戦では、パスで118ヤードの前進を許してしまいましたが、その反省点を洗い出し対応出来るかが試合の行方を決める重要な要素でしょう。
試合の見所
BigBlueに勝機があるとすれば、やはり昨年のように点の取り合い、オフェンス戦に持ち込み逃げ切るパターンです。ただし、オービックも昨年の経験から十分に対策を準備してくるはずですので、昨年ほどの点の取り合いにもならず、30点台での攻防となるのではないでしょうか。3年目を迎えて経験値の蓄積も増えてきた、BigBlueオフェンスの要、クラフト選手率いるBigBlueオフェンス対Xリーグ最強と言って良いオービックディフェンス。3人のQBによる多彩なオービックオフェンス対パワーとスピードで対応するBigBlueディフェンス。その均衡を崩す可能性があるのは、キッキングゲームです。
リターンTDを量産したオービック清水選手は引退したものの、オービックのキックリターン能力はトップクラスですし、キックカバーにおいても常に陣地奥に押し込んできます。さらにFGの成功率も高く、キッキングゲームにおいては正直なところオービック有利と言えます。この差を試合の中で縮めつつ、ディフェンスがどれだけ相手の攻撃を凌ぎ押さえるかが、この試合でのBigBlue勝利の絶対条件です。Go BigBlue!
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