東日本交流戦: オール三菱ライオンズ戦の見所
2014/06/09
パールボウル2014ブロック予選では、オービックシーガルズ(以下、オービック)に予想外の大差で敗れたBigBlue。昨年のパールボウルはトーナメント戦であったため、その時点で春の試合は終了でしたが、今年は隣接ブロックでの同順位チームによる交流戦が組まれています。BigBlueが対戦するのは、Cブロック2位となったオール三菱ライオンズ(以下、オール三菱)です。
パールボウル初戦では東京ガスクリエスターズと対戦したオール三菱は、相手に先制TDを許す厳しいスタートになったものの、後半2TDを上げて逆転勝利。しかし2戦目のノジマ相模原戦では、相手のオフェンス力を止められず、前半で42-0と試合を決定づけられブロック2位でパールボウルを終了しました。
オフェンスの見所
オービック戦では、相手ディフェンスの厳しいラッシュにQB#3クラフト選手のパスが安定せず、期待のハイパーオフェンスの力を発揮することが出来ませんでした。チームとしての反省点、改善点は既に共有されて、秋に向けてその対策も進められていると思いますが、やはりOLの粘り強さと、QB-WRのコミュニケーション不足が課題になると考えられます。
OL陣は昨シーズンから大きな変更は無いものの、オフェンスコーディネーターも努めるQB#3クラフト選手による今シーズンのプレーをインストール途中なのか、相手ディフェンスを漏らすシーンが多かったように感じます。昨年のオービック戦では80%を超えていたパス成功率は、一気に40%まで落ちました。相手の準備が優ったこともあるとは思いますが、なんとか60%台までで踏ん張れれば、試合の展開も変わってきたでしょう。この二週間での成果を、先ずは期待したいところです。
さらにパスプレーでは、アサイメントが崩れターゲットが変わった場合に投げられたパスの成功率が上がりませんでした。例えばセーフティーバルブとして常にフリーな場所に出られるレシーバー、QBがターゲットを探しているときに直ぐに向かえるレシーバー、そう言うことが一瞬の判断で切替でできるような、QB-WRの「以心伝心」のような信頼関係が、前回の試合では物足りない印象でした。上位チームのQB-WRのプレーを見ていると、そう言うことが出来る選手が必ず居て、そこから一気に得点へ繋がる足がかりを作ります。そのような関係構築の片鱗でも良いので、この試合では見せて欲しいところです。
ディフェンスの見所
オール三菱の2試合のスタッツを見る限りでは、相手オフェンスの中心はランプレーであり、BigBlueディフェンスとしても、まずはスクリメージラインを超えさせない位の意気込みが必要でしょう。オービック戦では、獲得ヤードの70%近くがパスによるものだっただけに、記録的にはランディフェンスが成功したように見えます。しかし、左右に展開されてロングゲインを許した場面もありましたし、ファースト、セカンドタックルで確実に相手をタックル出来なかった場面もありました。オール三菱はランプレーが中心であるだけに、そのあたりのスカウティングも十分に準備して試合に臨んでくるでしょう。BigBlueディフェンスとしても、力で押さえてスピードでさらに押し込む気持ちでのプレーが必要です。
ランプレー中心のオール三菱ではありますが、2試合で奪った5TDのうち、2TDはパスによるものです。パスによる獲得距離は多くなくとも、ショート・ミドルパスをしっかり成功させて、肝心なところでは確実にダウンを更新する力はあるチームです。TDを奪ったパスも、10ヤードと5ヤードと短い距離を確実に成功させてきています。こういう距離でのパスの場合、どうしてもレシーバーが先にボールを確保できますから、ディフェンスとしてはそのボールを奪う、あるいはハードタックルでボールをドロップさせるという守備が必要になります。オービック戦では、DB#6北守選手、DB#20矢部選手がインターセプトを見せましたが、その勢いで相手のキャッチミスを誘うプレーに注目です。
オフェンスに比べて新人選手が多く見られるディフェンスの場合、やはりプレーの途中に穴が出来る瞬間があり、そこを相手のランナー、レシーバーに攻められてビッグゲインやTDを与えてしまうシーンが何度かありました。それぞれで理由・原因は異なるとは思いますが、全体の動きの中で自分の仕事をするという事が、まだ徹底していないように感じられます。オフェンスはディフェンスを惑わせる動きをするわけですから、目の前の動きだけを追いかけては相手の作戦に嵌まるだけです。QBとレシーバーの関係のように、DL-LB-DBと言う階層が上手く重なり合って相手の動きを包み込むのが最高のディフェンスだと思いますので、そう言う意味でのチームプレーが、まだまだ今年のBigBlueには欠けている気がします。2週間という短い準備期間ではありますが、秋に向けて自信となるプレーをこの試合では見せて欲しいと思います。
試合の見所
この試合は1Q=12分計時で行われるため、オフェンスにしてもディフェンスにしても、スピード感が重要です。こちらのリズムに相手を引き込み、こちらが有利な状態で試合を進める事は大切であり、その為には相手の最初の攻撃は確実に押さえ、さらにこちらの最初の攻撃では必ず得点に結びつける事が必要です。何処のチームでも、キック・レシーブどちらの場合も想定した試合シナリオを準備して試合に臨むと思いますが、そのシナリオをどれだけ忠実に実行出来るかが、この試合での課題の一つでしょう。
また近年では登録可能数以上の選手が集まるチームにもなったBigBlueにとっては、この試合は今シーズンの登録メンバーを決める重要な機会でもあります。現役・ルーキー関係無く、勝つため必要な人材を選抜し、秋までにはさらに強いチーム作りをする必要があります。相手との戦いと同時に、自分自身との戦いともなるこの試合。得点を取る、QBをサックする、そんなグッドプレー、ナイスプレーも重要ですが、それ以外の部分でもチームにとってどんな貢献をしたプレーなのか、そんな点にも注目したい、この春最後の試合です。Go BigBlue!
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