あるOBの呟き- Japan X Bowl vs 富士通フロンティアーズ戦

2014/12/17

BigBlueにとって初めての大舞台、Xリーグのチャンピオンを決めるJapan X Bowlが始まります。1976年に社内同好会としてスタートし、その翌年に現在のXリーグの前身である東日本実業団リーグに所属。当初のチームネックネームは、IBMの社訓の一つ"THINK (考えよ)"からとった"THINKERS"でした。1989年に社内強化スポーツプロジェクトの指定を受けたのを機に、ニックネームを現在の"BigBlue"に変更。その後、1996年のXリーグ発足時はX2東地区からスタートし、何度も昇格のチャンスを逃しながらも、2001年にX2中地区で全勝優勝。入替戦では前年昇格した五洋建設パイレーツ(当時、現明治安田パイレーツ)に28-27の1点差で勝利してXリーグに悲願の昇格となりました。2005年には初めてリーグ戦で4勝1敗となったものの、得失点差で3位となり、なかなかFinal-6進出は叶いませんでした。2010年には地区2位となり2ndステージでは1勝1敗でしたが、就任初年度の山田ヘッドコーチがワイルドカードを引き当て初めてFinalステージへ進むことが出来ました。今シーズンは、自らの力で1stステージ、2ndステージ、そしてFinalステージと勝ち上がり、このJapan X Bowlに初めて進むことが出来ました。

対戦相手の富士通は、今シーズン負け知らずの8連勝でここまで駒を進めてきました。今シーズン攻守に強力な選手を補強し、オフェンスではQB#3キャメロン選手が自らのオフェンスチームを作り上げており、またディフェンスではDL#47フリン選手が毎試合のようにその破壊力で相手のプレーを潰してきました。BigBlueは、1stステージ第四節で対戦。それまで好調だったQB#3クラフト選手のプレーは相手に阻まれ、またディフェンスも相手のパスプレーを止めることが出来ず、13-41で完敗しました。富士通は、2ndステージでも圧倒的な強さを見せ、Finalステージでは5連覇を狙うオービックに競り勝ち、6度目のXリーグチャンピオンの試合で悲願の初優勝を勝ち取る準備は万端です。このシーズン最後の試合で、BigBlueが1stステージの雪辱となるか、あるいは富士通がその強さを遺憾なく発揮して6度目にして初優勝を勝ち取るか、両チームのファンでびっしりと埋まったスタンドを背に、富士通のキックオフで試合が始まります。
 

出鼻を挫かれるオフェンス、耐えるディフェンス

QB#3クラフト選手最初のオフェンスシリーズは、まずWR#81栗原選手へ3ヤードパスを通すと、TE#40スタントン選手、WR#17小川選手、WR#83松尾選手と、ショートパスを繋いでダウンを更新します。しかし3rdダウンコンバージョンのWR#16梶川選手へのパスを、富士通DB#14三木選手がインターセプトをすると、そのまま45ヤードを一気に戻されリターンTDを奪われてしまいます。再び富士通のキックオフで試合再開。気を取り直してWR#18上廣選手への11ヤードパスでダウンを更新するものの、味方の反則での罰退が響きパントで交代となります。

この試合初めての富士通のオフェンス。RB#29ゴードン選手の、左右に展開する走りに対応出来ずに相手の前進を許し、さらにはWR#81中村選手、RB#20高野橋選手へのパスも成功しゴール前35ヤードでファーストダウンを更新します。しかし、ここからディフェンスがQB#3キャメロン選手のパスを防ぎきり、なんとか37ヤードのFGの3点で終わります。

まだ序盤のうちに、こちらも得点をしたいBigBlue。しかし、最初にTE#40スタントン選手を狙ったパスはLB#49浦川選手にインターセプトされ、あっと言う間に攻撃チャンスを失います。逆に富士通は、ゴール前12ヤードからの1stダウンのプレーで、RB#29ゴードン選手が一回で走りきりTDを許してしまいます。序盤に続けてターンオーバーからの失点を許し、早くもチームの雰囲気も沈みがちになります。BigBlueオフェンスは、TE#40スタントン選手へのパスで9ヤード進むものの、残り1ヤードが取れずにパントで交替します。
 
続く富士通の攻撃は、DB#20矢部選手、DB#1中谷選手のパスカットで凌ぎ、このシリーズをパントで交替させます。その後も両チームのディフェンスがダウン更新は許すものの得点までは許さずパントで攻守を交代しつつ試合は2Qに入ります。1Q最後から始まったBigBlueの攻撃は、やっとリズムを掴み始めます。まずは左サイドラインを走るWR#17小川選手へ20ヤードのパスが通ると、今度はパスポケットからスクランブル気味に走り出たQB#3クラフト選手から、カムバックしてきたWR#81栗原選手へ26ヤードのパスが続けて成功します。さらにRB#10末吉選手がパスとランで10ヤード進みダウンを更新すると、レッドゾーン20ヤードでファーストダウンを更新します。さらにWR#11原選手、TE#40スタントン選手とパスが繋がり、ゴール前5ヤードでファーストダウンとなります。ここからWR#17小川選手へ5ヤードのTDパスがゴールポスト横に通り、やっと待望の得点がBigBlueに入ります。

続く富士通の攻撃は、ダウン更新は許すものの、LB#7岸本選手の好タックル、DB#32椙田選手のパスカットもありゴール前31ヤードで4thダウン1ヤードとなります。ここで富士通は早くもギャンブルを選択して貪欲に得点を狙いに来ます。左から右に走り込んでくるこの日好調なRB#29ゴードン選手にハンドオフフェイクを入れたQB#3キャメロン選手は、そのまま左サイドにQBキープでダウン更新を狙います。しかし、そのフェイクに騙されなかったDL#31藤井選手が目の前に控えており、すぐさまタックル。2ヤードのロスを奪いギャンブルを失敗に追い込みます。
 
ディフェンスの好プレーに刺激されたか、続くBigBlue攻撃ファーストプレーでは、WR#81栗原選手へ26ヤードのパスが通り一気に敵陣に入ります。しかしここでQB#3クラフト選手は、この試合三つ目のパスインターセプトを相手に与えてしまい、折角のチャンスを再び失います。逆に富士通はこのチャンスから、WR#81中村選手へのパス、RB#29ゴードン選手のランで前進し、最後はRB#29ゴードン選手が2ヤードを飛び込み、自身この試合二つ目のTDを奪い、点差を7-23と広げます。

まだ2Qは5分が残っており、なんとか点差を縮めて後半に入りたいBigBlue。RB#10末吉選手のランとWR#81栗原選手へのパスで敵陣に入ると、QB#3クラフト選手のスクランブルでダウンを更新。ゴール前28ヤードでファーストダウンを奪います。ここからRB#21髙木選手が突進しますが、富士通の厚い壁を破れず2ヤードでタックル。さらに2ndダウンのパスも失敗し、3rdダウンではQB#3クラフト選手がサックされ、4ヤードロスします。4thダウンとなり、K#8小田倉選手が47ヤードのFGを狙います。しかし、スクリメージライン中央を割って入ってきた富士通DL#91安井選手にキックをブロックされFGは失敗。ドームにBigBlueサイドのため息と相手チームの歓声が大きく響きます。

まだ1分22秒を残して富士通の攻撃。一気にTDを狙う富士通QB#3キャメロン選手ですが、DE#34ブルックス選手とDE#5トゥファーガ選手二人から激しいサックを受けて大きく後退。その後のパスも失敗したため、最後はニーダウンで時計を進めて前半を終了させます。7-23と予想外の点差、しかも3回のインターセプトが全てTDに繋がっているという悔しさ。なんとかハーフタイムのうちに気持ちを切り替えて、後半の巻き返しを期待したいところです。
 

オフェンスの要を双方失うも...

3QはBigBlue K#8小田倉選手のキックオフで開始。しかし、富士通オフェンスのQBは、#3キャメロン選手ではなく#12平本選手が登場してきます。キャメロン選手はサイドラインでグランドコートを羽織っており、どうやら前半のプレーで怪我をしたか、大事を取っての交代のようです。これはチャンスと思ったのもつかの間、RB#29ゴードン選手、RB#20高野橋選手のランに、RB#22宜本選手へのパスとディフェンスが対応出来ず、最後はこの試合3本目となるRB#29ゴードン選手の5ヤードTDランで終わります。

後半早々の失点にも負けず、なんとか得点を獲得して欲しいBigBlueオフェンス。しかし相手のラッシュが厳しくQB#3クラフト選手がサックを受けると、さらにDBのマークが厳しく投じるパスはカットされ、パントで攻撃が終わります。しかし、続く富士通の攻撃はディフェンスが踏ん張り4thダウンパントで直ぐに攻撃権を取り返します。

QB#3クラフト選手のスクランブルに、相手の反則も重なり敵陣32ヤードでファーストダウンを獲得します。ここからの富士通のディフェンスも激しく、3回のパスは失敗。前に進むことは出来ずに4thダウン10ヤードとなり、K#8小田倉選手が登場し、49ヤードのFGを狙います。ところが、スナップされたボールを受けたホルダーの#32椙田選手は、そのまま立ち上がるといつの間にかエンドゾーンに走り込んでいたDE#34ブルックス選手へパスを投じます。椙田選手は現在はDBですが、立命館大学時代はQBとして活躍し、甲子園ボウルMVPを獲得した程の選手。しかし、こんなギャンブルプレーにもしっかり富士通DB二人がマークしており、手前に走り込んだDB#14三木選手が、この日二つ目のインターセプト。起死回生を狙った一発勝負のプレーは、残念ながら不発となりました。
 
残念ながら得点には結びつかなかったものの、BigBlueディフェンスの気力は萎えず、続く富士通の攻撃を4thダウンパントで交代。自陣34ヤードからBigBlueの攻撃となります。ファーストダウンのプレーでは、WR#16梶川選手へ15ヤードのパスが通るものの、パスと同時にQB#3クラフト選手は富士通DL#13平井選手に激しいタックルを受けサイドラインに下がり、代わりにQB#4多川選手が入ります。突然の交代でしたが、QB#4多川選手はまずはWR#18上廣選手に11ヤードのパスを通し、さらにWR#16梶川選手へも13ヤードのパスを通して、ダウンを更新しつつ前進します。さらに、自らのキープにRB#10末吉選手のランでダウンを更新し、相手レッドゾーン内側17ヤードでファーストダウンを更新します。しかし、ここでターゲットを探すQB#4多川選手を、DL#47フリン選手がサックし大きく14ヤードも後退させられます。ここからWR#80瀧選手へのパスで9ヤード戻すものの、3rdダウンで再びQBサックを受けて後退させられます。4thダウン20ヤードとなったため、今回はFGを狙い、K#8小田倉選手が45ヤードのFGを成功させ、3Q終盤で10-30と点差を縮めます。

オフェンスがなんとかリズムを取り戻しつつあるだけに、なんとかディフェンスに頑張って欲しいところですが、4Qには入りWR#1強選手のランプレーにWR#81中村選手へのパスと、予想していたはずのプレーが止まりません。最後はWR#1強選手への7ヤードルックインパスが成功し、TDを許してしまいます。
 
続くBigBlueのオフェンスでは、一度サイドラインに下がったQB#3クラフト選手が再び登場。WR#17小川選手へのパス、RB#10末吉選手のランでダウンを更新しますが、QBサックを受けて後退。しかし、スクランブルから自ら走り出て14ヤード進みますが、再びサイドラインに下がりQB#4多川選手が入ります。自陣46ヤードで4thダウン3ヤードですが、時間と得点差を考えてギャンブルを選択。TE#40スタントン選手へ4ヤードのパスが成功し、ダウンを更新します。さらに、好調WR#16梶川選手へ9ヤードパスが成功。2ndダウン残り1ヤードから、QB#4多川選手がQBキープでダウンフィールドに走り出します。ところがここで激しいタックルを受けると痛恨のファンブル。ここから富士通はRB#29ゴードン選手がこの試合四つ目のTDを奪い、点差はとうとう10-44まで広がります。

残り時間も5分を切ってのBigBlueのオフェンス。RB#10末吉選手、RB#21髙木選手、そして自らのランで前進し、ゴール前18ヤードまで進んだところで最後のタイムアウトを使い時計を止めます。WR#11原選手がパスキャッチ後サイドラインに出て時計を止めた後、QB#4多川選手のキープでファーストダウンを更新すると、次のプレーはスパイクして時計を止めます。エンドゾーンまで2ヤード。しかしここでディレーオブザゲームの反則で5ヤード罰退。最後のプレーでWR#80瀧選手へパスが通りますが、エンドゾーンには届かず、そのまま時間が流れて試合終了となりました。
 

追う立場から、追われる立場に

1stステージでは大差で敗れましたが、その後チームとして盛り返してここまで厳しい対戦を勝ち上がってきただけに、正直この点差での敗退はショックでした。総合力でも、これまでの経験値でも相手の方が一枚も二枚も上手なのは確かで有り、今一番勢いがあると言われてもかなり厳しい試合になるとは予想できましたが、やはりターンオーバーを五つも献上しては、オフェンス獲得ヤードで相手を上回っても勝利には近づけません。オフェンスでは、QB#3クラフト選手のパスをレシーバーが待ってキャッチするような少し間の空いたタイミングが感じられ、そこに相手DBがインターセプトに入る余裕を与えていたように感じます。ランプレーでも、富士通のように左右にもっと揺さぶる様なプレーがあれば流れが変わったかもしれませんが、少し正直すぎるプレーが多かったように感じます。ディフェンスは、その左右に揺さぶられるプレー対応が出来ませんでした。その為、QBにも十分にプレッシャーを掛けることが出来ず、相手のパスプレーに余裕を与えていたように感じます。それがここまで何年も苦しんで成長してきた、トップチームの強さというものだと実感しました。

Japan X Bowlの結果は残念でしたが、これまで自力進出の最高は2010年の2ndステージ止まりで合ったものが、今シーズンは2ndステージを自ら勝ち抜き、さらにFinalステージでは2週間を開けて同じチームと再戦するという厳しい条件ながらも競り合いで勝ち抜いて、このJapan X Bowlに進むことが出来ました。2ステージを一気に駆け上がることが出来たことは、チームに取っても大きな財産でしょうし、またそれだけ力もついてきたと言えると思います。先ずは、この成長と財産を今シーズンは喜びたいと思います。

東京スーバーボウル時代も含めて、Japan X Bowl28回の大会に進出したチームは、BigBlueも含めて11チーム。そのうち、現在もXリーグで活躍しているチームは、西地区ではパナソニック、アサヒ飲料、サンスター(現、エレコム神戸)、東・中地区では、アサヒビール、オンワード(現、ノジマ相模原)、オービック、鹿島(現、LIXIL)、富士通、そしてIBMです。常に優勝争いをする強豪チームの末端にやっと手が届きましたが、それはそれだけ他のチームから追われる立場になるという事でもあります。チャレンジャーは、勢い・モメンタムで一気に進むこともありますが、追われる立場の場合は、苦しいときにもそれをひっくり返す底力、地力の強さが無ければ生き残れません。ますます厳しくなる競争の中で生き残り勝ち残るためにも、今シーズンの結果に満足せず、さらに高い目標に向かって来シーズンもBigBlueの活躍を祈りたいと思います。Go BigBlue!

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