2015 1st Stage: LIXIL ディアーズ戦の見所

2015/10/08

前節、アサヒビールから4シーズン振りに勝星を奪い、チーム初の開幕四連勝中のBigBlue。第五節の対戦チームは、昨年対戦した記憶もまだ鮮明なLIXILディアーズ(以下、LIXIL)です。2002年、BigBlueのXリーグデビュー戦の相手が鹿島ディアーズ(14-21)。以後2010年まで毎年対戦し、9戦9敗の対戦履歴が残ります。しかし直近の2シーズンでは、2ndステージ以降で3回対戦して3勝。特に昨シーズンは2ndステージで対戦し、そのままファイナルステージでも対戦する「ダブルヘッダー」に。ファイナルステージでは、4Q中盤で62-38と大きくリードするものの、そこから1分余りで2TD/2TFP(2点)を許し、62-54まで追い上げられました。最終的には69-54で勝利したものの、強豪チームの粘り強さを痛感した試合でした。

今シーズンのLIXILは、第一節でアサヒビールと対戦。互角の状態で4Q早々に同点に追いついたLIXILは、さらに時間を使いながら最後に得点をあげて逃げ切る得意の戦法で試合を進めます。しかし、最後にアサヒビールのインターセプトリターンTDで逆転され、初戦を落としてしまいました。この試合にLIXILが敗れると1stステージ3勝2敗となり、2000年シーズン以来の地区3位となります。逆にこの試合を取れば、地区1位あるいは2位が決まるため、昨年の2連敗に対する雪辱も含め、この一月半の間にじっくりと準備をして、この試合に全てを賭けていることは間違いありません。

ディフェンスの見所

厳しい試合が予想されたアサヒビール戦は、予想通りの内容になりましたが、予想以上だったのがBigBlueディフェンス。パッシングヤードで462ヤードを許した点は修正が必要ですが、成功率は33/62と約半分に抑え、さらに特筆すべきは5回のパスインターセプト(2回はリターンTD)、5回のQBサック、そしてラッシングヤードでは11回で-42ヤードと押さえ込んだことです。勝因は二つ。QBに対しての厳しいプレッシャーと、DB陣によるターゲットを絞ったマークです。

前節では両サイドをDE#34ブルックス選手、DE#5イートン選手に固められ動きが制限されたところへ、DL#31藤井選手、DL#96林選手、DL#98森田選手(当日#44から番号変更)が進入してQBにプレッシャーを掛けましたが、今回のLIXIL QB#9加藤選手に対してはそれ以上のプレッシャーが必要です。アサヒビールのQB Mills選手は左右への機動性もあるため長めにボールを持ちターゲットを捜す傾向がありますが、加藤選手はタイミング良くショート、ミドルのパスを的確に決める能力があります。従ってDLとしては、QBサックを狙うよりは、パスを投げさせても良いのでセカンダリーの守りも厚い中央付近へパスコースを限定させる事が重要になるでしょう。昨年の対戦でも、フラットゾーンにパスを通して、そこからランアフターキャッチで一気にゲインを許すシーンが何度もありましたが、ディフェンスとしてはLIXILのパスプレーをどれだけ限定出来るかが、勝負所になると思われます。

パスカバーに関しては、アサヒビール戦ではパスターゲットを#3 Wilson選手、#83林選手の二人に絞ることが出来ましたが、LIXILでは#11前田選手、#18永川選手、#23岩井選手をはじめ、複数のターゲットが揃っており、パスディフェンスには苦労しそうです。昨年のファイナルステージでは、LIXILは総獲得ヤード519ヤードのうち501ヤードをパスで獲得し、7TD全てをパスで獲得しました。試合には破れたものの、この破壊力には注意が必要です。ただし、初戦のアサヒビール戦、前節のBULLS戦では、そこまでパスに重心を置いたオフェンスをしているわけでは無く、この試合にどの様なゲームプランを準備してくるか未知数であることも確かです。

さらにLIXILの場合、好RB陣も擁しており、これまでで最もランプレーに注意が必要となります。特にRB#29丸田選手、RB#32前川選手には昨シーズンもゲインを許しており、この試合でもオフェンスプレーの軸になる事は確かです。その為、LB陣のB#7岸本選手、LB#9星田選手、LB#22中山選手に、DBの中ではストロング系のDB#1中谷選手、DB#23保宗選手、DB#26星田選手の機動的な守備が、ランプレーとパスプレー両方に有効になるでしょう。昨年のファイナルステージでは、LIXIL加藤選手から5つのインターセプトを奪いましたが、それに匹敵する活躍を期待したいところです。

オフェンスの見所

QB#3 Craft選手加入後、この時期の興味は彼のパッシング記録にあり、それだけ「BigBlueオフェンス=パッシングオフェンス」でした。しかし今シーズンのCraft選手はパスプレーを限定している雰囲気すらあり、実際ここまでの4試合で、パッシングヤードは1096ヤード、ラッシングヤードは951ヤードと、ほぼ五分五分の割合になっています。前節のアサヒビール戦では、パス199ヤード、ラン158ヤードとパスが優っているものの、試合全体を見た印象はランプレー中心の印象を強く受けます。その理由としては、やはりRB#10末吉選手とRB#21髙木選手それぞれが持ち味を生かしたランプレーを展開しているからです。昨シーズンも活躍した両選手ですが、今シーズンはさらにそのプレーに磨きが掛かり、レベルアップしています。どちらの選手も、一試合当たり100ヤードを獲得していますが、この試合でも同様のプレーを見ることが出来れば、勝利はかなり確実になるでしょう。

もう一つ今シーズンのCraft選手が変わった点をあげると、ここまでの四試合で被インターセプトが無い事です。パスプレー自体に慎重で、例年の半分程度のパス獲得ヤードと言う事もあるかもしれませんが、これは良い傾向と受け取るべきでしょう。ただ、QBサックを受ける事が何度か発生しており、これはOL陣の奮起を期待したいところです。昨シーズンは、ターゲットが空いていない場合自ら走り出ることが多くありましたが、今シーズンはそれよりも辛抱強くターゲットを捜している雰囲気が伺えます。これは、QB-レシーバーの信頼関係は勿論、QB-OLの信頼関係があってのプレーですから、OL陣はさらにその信頼に答えるプレーをこの試合では見せて欲しいと思います。

オフェンスの課題としては、どれだけ早く先制点を獲得することが出来るかに尽きます。昨年のファイナルシリーズでは、テンポ良くプレーが進み、開始1分34秒でWR#17小川選手への4ヤードTDパスが成功しリズムを掴むと、1Qでさらに2TDパスが成功し一気に21-0と大きくリードしたことが、最終的に相手の追い上げを振り切る「余裕」になりました。この試合は短い1Q=12分の設定のため、プレー数も少なくなり後半での逆転は難しくなります。第三節東京ガス戦では、最初の2シリーズは無得点で終わり、最初の得点は1Q中盤のRB#10末吉選手のTDラン。さらに前節のアサヒビール戦では、最初の得点はDB#26星田選手のインターセプトリターンTDであり、オフェンスの得点は2Q中盤でのTE#2河合選手への21ヤードTDパスでした。前節以上に厳しいディフェンスが予想されるだけに、いかにスタートアップに成功して先手を取るかが、この試合で勝利するための鍵となるでしょう。

オフェンスコーディネーターを兼ねるCraft選手としては、過去2年間で3回対戦し3勝している経験値は、この試合でも大いに役立つでしょう。LIXILディフェンスメンバーに関しては昨年から大きな変更は無く、ゲームプランも準備しやすいと考えられます。また1ヶ月以上前の対戦ではあるものの、ほぼパスしか投げなかったアサヒビールに対してのLIXILディフェンスの内容も大いに参考になるでしょう。この試合、オフェンスの鍵はランプレーであるものの、それをいかに上手くパスプレーで補完できるかが、オフェンスの課題であり勝利への道と言えるでしょう。

試合の見所

仮に立場が逆であったなら、前年の雪辱は勿論、15年振りの地区3位という不本意な成績回避のために、一月半という期間全てをこの試合の勝利のために費やしても不思議ではありません。それだけに、何度も対戦してある程度分かっている相手ではあるけれど、逆にそれを利用して何か予想もしないことを仕掛けてくるのではという不安も感じます。単に思いつきでやるのでは無く、しっかりと完遂するだけの技術も力もあるチームだけに、全く予想できません。ただ、だからといって逆にこちらから奇を衒ったプレーをすることはそのまま自滅することにも繋がるだけに、先ずはここまでの自分達自身を信頼して、自信を持って試合に臨むことが重要でしょう。そう言う意味で、ディフェンスはQBにプレッシャーを与え続けて相手のミスを誘い、オフェンスはランとパスで確実に前進して得点するというこれまでのゲームプランをどれだけ確実に実行するかが勝利の鍵となります。

BigBlueは仮にこの試合を落としても、11点差以内の敗戦であれば得失点差から地区1位となります。しかし勝点が8のままですから2ndステージのアドバンテージが減るため、この試合にも勝利し、1stステージを五戦全勝で通過し、初の地区1位を獲得しなければなりません。アサヒビール戦では、スロースタートながら再逆転をして後半逃げ切るという粘り強い試合展開をすることが出来ました。昨年までのBigBlueとは、またひと味違う強みが生まれています。この試合でも、さらに一皮剥けたBigBlueを生み出して欲しいと思います。 Go BigBlue!

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