あるOBの呟き- 第一節: vs 富士通フロンティアーズ戦

2016/08/30

いよいよ始まる2016年シーズン。リーグ戦の対戦方法が今回から新しくなり、これまで以上に厳しいシーズンが予想されます。その幕開けとなる第一節の対戦相手は、二年前のJapan X Bowl(JXB)で対戦した富士通フロンティアーズ(以下、富士通)です。二年前のシーズンでは、同地区であったため第四節で対戦し、13-41で完敗。その後JXBトーナメントをそれぞれ勝ち上がり、決勝で再び対戦するも10-44で完敗。このシーズン日本一を勝ち取った富士通の強さを実感したシーズンでした。昨年も日本一を狙った富士通でしたが、JXBでパナソニックに敗れて連覇はならず。しかし、3シーズン目となり日本のフットボールに慣れたQB#3キャメロン選手に、怪我による一年間のブランクから復帰したRB#29ゴードン選手を擁する富士通オフェンスは脅威です。二年前とは言え、続けて40点以上の失点を強いられたBigBlueディフェンスがどこまで踏ん張れるかが、この試合の勝敗を握ると言えるでしょう。

一方、前回の二回の対戦では10点台という低い得点能力に苦しんだBigBlueオフェンス。攻撃の核となるのは、春の試合で活躍したRB陣。彼らの走力がどれだけ富士通ディフェンスに通用するかが鍵です。特にこの日は台風10号の影響で、前の試合から雨が降ったり止んだりが繰り返される天候となり、パスにとっては余り良い条件とは言えません。当然ランプレーの比重が高まることが予想されます。速く力もある富士通ディフェンスの、特にDL/LBの最初の壁を破ってダウンフィールドに出られれば、後は一気にゲインが期待出来るだけに、その厚い壁をどの様に崩すかが鍵になりそうです。ディフェンスの踏ん張り次第ではありますが、20点台の後半から30点台位の得点を得ないと勝利は難しいことは予想されるため、早いタイミングでの先制点と、そこから一気に相手を攻めるモメンタムがいつも以上に重要となるでしょう。コイントスの結果、前半の選択権を辞退した富士通にかわり、BigBlueは前半レシーブを選択。いよいよ試合が始まります。

粘るディフェンス、欲しい追加点

WR#81栗原選手がゴールラインから19ヤード戻してBigBlueの攻撃が始まります。スターティングQBは期待の掛かるルーキーQB#14政本選手。3rdダウンでは得意のQBキープを見せますが、直前の罰退が響きダウン更新はならず4thダウンパントで攻守が交代します。富士通先発は予想通りQB#3キャメロン選手。1stプレーからパスを狙いますが、DL#2イェイツ選手、DE#34ブルックス選手、DL#98森田選手の厳しいラッシュにパスが通らずこちらも4thダウンパント。このパントキックをラッシュしてきたDL#2イェイツ選手がブロックし、敵陣26ヤードからという絶好のポジションで攻撃権を獲得します。

絶好の得点チャンスですが、富士通のディフェンスは厳しく、早いラッシュにボールは後退させられ、4thダウンで15ヤードとなります。ここでルーキーK#11佐藤選手が登場。48ヤードのFGを狙います。しかし激しくなる雨のためかコースが横にそれ失敗。絶好の先制点のチャンスを逃します。続く富士通の攻撃も、BigBlueディフェンスの厳しいラッシュで3rdダウン1ヤードを更新出来ずにパント。自陣21ヤードからBigBlueの攻撃となります。

1stダウンではTE#40スタントン選手へのバックパスから一気にサイドラインを駆け上がりダウンを更新すると、続けてRB#21髙木選手、RB#10末吉選手とロングゲインを得て敵陣に入ります。WR#81栗原選手、WR#80瀧選手、WR#83松尾選手へのミドルパスの間にRB#10末吉選手とQB#14政本選手のランを挟み、テンポ良くゴール前22ヤードまで進みます。OL#66伊藤選手のダウンフィールドブロックに助けられてRB#21髙木選手が一気に16ヤード前進すると、続けてすかさずTE#40スタントン選手へ6ヤードのTDパスが成功。見事なシリーズ構成で先制点を奪います。

しかしこれで富士通も気合いが入ったのか、続くオフェンスシリーズでは、RB#29ゴードン選手中心の組み立てが功を奏しじりじりと前進。2ndダウンゴールまで8ヤードとなったところで1Qが終わり、2Qに入ります。2ndダウンのコーナーパス失敗の後、再びTDを狙うQB#3キャメロン選手ですが、これをDB#23保宗選手がインターセプト! 攻撃権を奪い返します。ところがその直後のプレーで、一気にディープゾーンを狙ったQB#14政本選手のパスは、富士通DB#28石井選手がインターセプト。激しいディフェンス戦の様相となります。

再びチャンスを掴んだ富士通。しかしこの日のQB#3キャメロン選手はBigBlue DL陣の厳しいラッシュにパスが定まらず、またスクランブルで走り出すところをDE#2イェイツ選手にロスタックルされるなど良いところが無く、4thダウンパントとなります。ディフェンスの頑張りに答えたいオフェンス。しかし3rdダウンでQB#14政本選手が投じたパスはディフェンスにチップされると、これをDB#40アディヤミ選手がインターセプト。どちらのオフェンスも、リズムを掴むことが出来ません。

敵陣25ヤードでファーストダウンを得た富士通ですが、DL#98森田選手のロスタックルが響きダウン更新ならず、K#11西村選手の41ヤードFGで3点追加に止まります。ディフェンスの頑張りに何とか答えたいオフェンス。自陣17ヤードからの攻撃は、RB#21髙木選手、RB#10末吉選手、さらにQB#14政本選手のキープと繋がり、フィールド中央付近まで進みます。しかし、ここでRB#10末吉選手がボールをファンブル。またもやターンオーバーで攻撃権が移動してしまいます。

ところが富士通も、QB#3キャメロン選手がラッシュを気にして投じたパスをDB#20矢部選手がインターセプト。しかし直後のQB#14政本選手のパスは、DB#40アディヤミ選手がこの日2回目のインターセプトで取り返すという、出入りの激しい試合が続きます。敵陣39ヤードで攻撃権を得た富士通は、WR#81中村選手へのパスで大きく前進しますが反則で罰退。3rdダウン10ヤードのパスも失敗になりましたが、今度はBigBlueの反則でゴール前13ヤードでファーストダウンを獲得します。RB#6神山選手、QB#3キャメロン選手のランで5ヤード進むものの、どちらも厳しいタックルでボールをファンブルして辛くも自らリカバーするほどの厳しいBigBlueのディフェンス。3rdダウンのパスも失敗し、このシリーズもゴールラインを死守してFGの3点に抑えます。

2Qも2分余り残してのBigBlueの攻撃は自陣奥から。WR#80瀧選手へのパスでダウンは更新したものの、その後のプレーが止められて4thダウンパントで攻守は交替します。残り11秒のため、富士通も無理をせず、QB#3キャメロン選手がニーダウンをして時計を流し、7-6とBigBlueリードで前半が終了します。

終盤の追い上げも失点が響く

後半は富士通の攻撃から。WR#9宣本選手、RB#30金選手のランアフターキャッチが止められずBigBlue陣内へ侵入されると、DE#34ブルックス選手のタックルを受けながら投じたQB#3キャメロン選手のパスはWR#9宣本選手がキャッチ。そのままフィールドを斜めに駆け上がると、辛くもゴール前10ヤードでタックルします。ゴールラインを背負ってのBigBlueディフェンスは、3回の攻撃を阻止。4thダウンで6ヤードを残して富士通はFGを試みます。3点は諦めたFGトライアル。しかし激しい雨の影響かスナップされたボールは後ろに大きくそれ、何とかボールは確保したホルダーをDB#26星田選手がタックル。ここでもディフェンスが粘り腰の守備を見せてくれました。

ピンチを脱したBigBlue。しかし続くシリーズではダウン更新が出来ずに4thダウンパント。このパントをキャッチした富士通RB#6神山選手は、巧みにタックルをかいくぐると、一気にゴール前18ヤードまでボールを運びます。1stダウンのパスは失敗するものの、2ndダウンではゴールポスト真下に走り込んできたWR#22岩松選手にヒット。富士通待望のTDとなります。

7-13と逆転されたものの、まだまだ試合は中盤。自陣中央付近から始まるシリーズでは、RB#21髙木選手のラッシュでダウンを更新。さらにRB#10末吉選手の突破で敵陣に入りファーストダウンを更新します。しかし、ここからパスを狙うQB#14政本選手はLB#16ニクソン選手のQBサックで大きく後退。次のプレーでは自らキープして12ヤード進みますがダウン更新には1ヤード足らず、ここは4thダウンでギャンブルでダウン更新を狙います。サイドラインからは、DL#2イェイツ選手とDE#34ブルックス選手が入り、ラインを強化。スナップと同時に一気にスクリメージラインを押し上げ、そこにワイルドキャット隊形のRB#21髙木選手が飛び込もうとしますが、横から進入してきたLB#16ニクソン選手がタックル。ダウン更新はならず、攻守が入れ替わります。

富士通は、BigBlueフロントラインのラッシュを一度中央に集めて、空いた左右のスペースへパスを落としたりランを展開するプランに変更。これが功を奏して前進を許し、ゴール前23ヤードでファーストダウンを更新します。1stダウンのパスは、DE#34ブルックス選手のラッシュでQB#3キャメロン選手は投げ捨てますが、2ndダウンでは余裕を持ってターゲットを捜すと、左オープンのWR#1強選手にパスがヒット。DBのタックルもはね除けられて、23ヤードのTDパスが成功します。

2TD差に点差は広がったものの、まだまだ逆転は可能な範囲。BigBlueは、1st/2ndダウンのパスは失敗しますが、3rdダウンでTE#40スタントン選手に28ヤードパスが成功。一気に敵陣へ攻め込みます。相手のパスインターフェアの反則でさらに前進すると、RB#10末吉選手、WR#18上廣選手とロングパスが続けて成功。ゴール前7ヤードまで前進します。この後1stダウンでRB#10末吉選手のダイブがノーゲインで止められたところで、試合は最終4Qに入ります。2nd/3rdダウンとエンドゾーンを狙ったQB#14政本選手のパスは失敗。4thダウンとなり、K#11佐藤選手が登場し、今回はしっかりと24ヤードのFGを成功させ、10-20と点差を縮めます。

これでモメンタムがBigBlueに戻ってきたのか、次の富士通の攻撃はDE#34ブルックス選手がQB#3キャメロン選手を-14ヤードのQBサックで4thダウンパント。ところが続くBigBlueの攻撃も、RB#21髙木選手が痛恨のファンブルを犯しBigBlue陣内15ヤードで富士通に攻撃権が移動します。富士通はRB#29ゴードン選手の突破でTDを狙いますが、ここはDB#9星田選手、DB#23保宗選手、DL#98森田選手の好プレーが光り前進を止めます。3rdダウンのパスも失敗し、結局富士通は25ヤードのFGによる3点に止まります。

何とか追撃したいBigBlueオフェンスですが、RB#10末吉選手のビッグゲインでダウンは更新したものの、続くプレーは富士通の厳しいディフェンスに4thダウンギャンブルのパス失敗。逆に富士通は、RB#29ゴードン選手のランで大きくゲインをした後に、WR#81中村選手への14ヤードTDパスが成功。TFPの2点コンバージョンは阻止したものの10-29と3TD差まで点差は広がります。

続くBigBlueの攻撃は、3rdダウンで6ヤードと厳しい状況。QB#14政本選手はターゲットを探しますが、見つからないと判断するとスクランブル。ディフェンダーの手が掛かるものの、それを振り払うと一気に57ヤードを独走。反撃の切っ掛けとなるTDを奪います。続くキックオフでは、K#11佐藤選手はプーチキックを蹴ります。捕球を焦ったかRB#6神山選手がボールをこぼすと、飛び込んできたWR#81栗原選手がボールを掻き出し、そのボールをさらにRB#21髙木選手がリカバー。ゴール前17ヤードで再び攻撃権を奪います。RB#21髙木選手のラン、WR#81栗原選手へのパスと、再び二人のプレーで3rdダウン1ヤードとなると、再びDL#2イェイツ選手、DE#34ブルックス選手が入り、RB#21髙木選手がQBの位置に入るワイルドキャット隊形から飛び込み、今度はダウン更新に成功します。この勢いそのままに、残り6ヤードをRB#10末吉選手が突破してTD。K#11佐藤選手のTFPキックも成功し、24-29と1TDで逆転出来る点差まで攻め寄ります。

2分25秒を残してK#11佐藤選手は、今度は大きくフィールド奥に蹴り込みます。自陣7ヤードからの富士通の攻撃は、ランプレーで時間を使いながら逃げ切る作戦。何とか4thダウンパントで攻撃権を奪い返して最後の逆転に繋げたいBigBlueですが、富士通は4thダウンギャンブルを成功させさらにプレーを続行。結局最後は時間を消費して富士通が24-29で逃げ切り、試合終了となりました。

今こそブレークスルーの時

ひいき目無しに見て、ディフェンスは互角以上だったと思います。勿論、3TD/3FGの29失点は決して合格点では無いものの、ターンオーバー5回(3インターセプト/2ファンブルロスト)のピンチがあったことと、こちらも2インターセプトに2回のファンブルフォースを返しており、決して悪い内容では無かったと思います。惜しむらくは3Qに、2本のTDをあっけなく許したことでしょうか。この時間帯だけ、これまでのディフェンスに戻ってしまったように感じられます。前半のようなプレーが続けられれば、多分後半の23失点は無かったはずで、ぐっと勝利を手繰り寄せることが出来たことは確実です。これはディフェンスだけの責任では無く、多分富士通側も前半の内容を見てプレーを変更してきたように思われます。特にBigBlueの強力なフロントのラッシュを、一度中のプレーで内側に集めて、開いたオープンへプレー展開することでリズムを狂わされていた印象があります。今後の試合の課題になるのでは無いでしょうか。

オフェンスに関しては、ルーキーQB#14政本選手の活躍は素晴らしかったものの、やはり5回のターンオーバーは厳しく、改善が必要でしょう。前半にディフェンスが相手の攻撃を抑えて流れを掴んでいるときに、やはり得点しておくべきでした。その「もう一歩」が出せる強さが、上位チームと対戦するにはまだ足りません。ただ、4QのQB#14政本選手の独走TDを切っ掛けに、そこから再び攻撃権を得て追加点を上げた一連の流れは、これまでに無いBigBlueの今シーズンの期待値と言って良いのでは無いでしょうか。以前のチームならば、1本とっても後が続かない事が多々ありましたが、そうはならない粘り強さが生まれつつあると感じました。しかし、まだまだ十分ではありませんし、残り5試合全勝するためには、もっと粘り強くしぶとく貪欲に点を取りに行く気持ちが必要です。

幸いにも、次の試合までは3週間の余裕があり、今回の試合内容を反芻して修正する時間はあります。先ずは次の試合での初勝利を勝ち取ることは勿論、残り5試合を全勝して次のステージに進むためにも、今回の試合内容を糧にしてより大きな成長を見せて欲しいと思います。

OneBLUE! Go BigBlue!

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