第一節: 富士通フロンティアーズ戦の見所

2016/08/22

2016年シーズンがいよいよ開幕します。今季からリーグ戦の方式が変更され、昨年までのリーグ戦(1stステージ)5試合が6試合に増えると共に、そのうち5試合は東・中・西地区の上位3チームで構成される「Super-9」内チームとの対戦となります。その為、毎試合厳しい対戦が予想されますが、BigBlueの今シーズン開幕戦はその中でもトップチームの一つ、富士通フロンティアーズ(以下、富士通)との対戦となります。

富士通とはリーグ戦で4回対戦し勝ち星が無く、また直近の対戦となる2年前のJapan X Bowl(JXB)でも完敗しているチームです。特にJXBで対戦した2014年シーズンでは、第四節で13-41で破れ、その後JXBでの再戦も10-44と完敗。このシーズンRice Bowlも制して日本一となった富士通の強さを、文字通り体感したシーズンでした。昨シーズンは、JXBでパナソニックに破れて連覇はならなかったものの、それ故に今シーズンに賭ける意気込みはこれまで以上である事は確か。並々ならぬ思いで、富士通もこの初戦に臨んでくる事は確かです。

ディフェンスの見所

昨シーズン加入したDE#34ブルックス選手を核として大きな成長を見せたBigBlueディフェンス。それまで一試合平均2TD以上の失点を許していたものが、一試合平均で10点を切るところまで成長しました。しかしこのシーズンのターニングポイントとなる、LIXIL戦(第五節)OBIC戦(2ndステージ)では30失点以上を許してしまい、ファイナルステージ進出の機会を失う原因となりました。その為、今シーズンの最優先補強ポイントがディフェンス力の強化である事は言うまでもありません。

一つ目のポイントは横のライン、最前列のDLがさらに強力になりました。昨年のイートン選手に替わり、昨シーズンまでネバダ大学で活躍していたDL#2イェイツ選手が加入。189cm/124kgの体格は米国のカレッジフットボールの世界では決して大きな方ではありませんが、スピードを生かしてランプレーに対しての反応は随一のものがあり、Xリーグでは両サイドも中央も期待出来る選手です。さらに関西大学で活躍した、DL#44福岡選手、DL#99中村選手に、早稲田大学出身のDL#96長尾選手が加入。昨シーズンから成長著しく、春の試合でも大活躍したDL#98森田選手とともに、チームの中でも一番層の厚いユニットになりました。今シーズン怪我から復帰したRB#29ゴードン選手を筆頭に、強力な富士通のRB陣対策と、QB#3キャメロン選手へのプレッシャーをどれだけ続けられるかがこの試合で一番の見所です。

もう一つのポイントは縦のライン。強力なDLを背後から支えるLB陣には、昨年の東西大学チームトップLBの、LB#5コグラン選手(早稲田大学)とLB#47作道選手(関西学院大学)が加入。さらに学生代表選手でもあった京都大学のLB#35髙橋選手も加わり、一気にLB陣が若返ると共に、パワーとスピードも大きくアップしました。同様にDB陣にも強力なルーキー3名が加入。DB#29佐野選手とともに、世界大学選手権に出場したDB#25寺中選手(早稲田大学)と、RB#10末吉選手と大学同期のDB#37坂梨選手が加入。さらにキャプテンDB#1中谷選手に続く大型DBのDB#42宮川選手(法政大学)が加わり、こちらもパスディフェンスだけでなくランサポートも大いに期待出来る陣容となりました。

期待出来る選手が多く加入したものの、課題はベテラン選手とのコンビネーションがどこまで成熟できるか。春のパールボウルでもルーキー選手の活躍が目立ちましたが、一方でちぐはぐな場面や一気に得点される場面も見られました。この二月の間にどれだけ新旧メンバー間の融合が進み、広がりと厚みのあるディフェンスチームに成長できたか、この富士通戦で真価が問われます。

オフェンスの見所

2012年にQB#3クラフト選手がBigBlueに加入した時には、「全米カレッジの黒船来襲」と大きな話題になりました。そのクラフト選手のデビュー戦が、このシーズン第一節富士通戦でした。前半で2TD/1FGを奪うものの、後半逆に富士通に2TDを奪われて逆転負けを喫したこの試合でしたが、トップチームの背中が見えた試合でもありました。しかしその後、有名カレッジ出身のQBがXリーグで活躍する事が珍しくなくなり、またライバルチームのクラフト研究も進み、昨シーズンはオフェンスシステムを模索する一年だったとも言えます。

この課題に対して、今シーズンの回答がランプレーの再構築。往年の名RB中村多聞氏の指導を受けて開花した、よりパワフルでより貪欲にヤードを狙うプレーが、この春のパールボウル優勝を勝ち取った原動力の一つであった事は間違いありません。2年前のJXBでは、31回/95ヤードと全く仕事をさせて貰えなかった雪辱をどれだけこの試合で果たせるか。RB陣の意地の見せ所は、オフェンスの見所の一つとも言えます。

さらに今シーズンの切り札となるのが、QB#14政本選手(早稲田大学)の加入です。春のシーズンは、世界大学選手権への出場もあったため十分とは言えませんでしたが、その大器の片鱗を十分に感じさせるプレーを見せてくれました。パスのQB#3クラフト選手と、ランのQB#4多川選手という、タイプの異なるこれまでの二人のQBのギャップを埋める、パスとラン両方に秀でた能力を持つ政本選手の加入で、オフェンスの隙間がぴったりと嵌まったと言えます。春のノジマ相模原戦では、クラフト選手と交代すると試合の流れを変えるTDを奪い、モメンタムを大きく引き寄せる切っ掛けを作りました。またJXBでも決勝点となるWR#81栗原選手への逆転TDへと繋がるシリーズを作る切っ掛けを作り、ルーキーながらもすでにBigBlueオフェンスに欠かせない存在になっています。彼の活躍が、この試合でも流れを変える大きな切っ掛けになる事が期待されます。

対する富士通ディフェンスは、パールボウル予選以降入念に準備している事は確実です。特にクラフト対策に関しては、JXBでの経験もありこれまで以上に厳しい事は確実です。2年前の2試合では、それぞれ僅か1TDしか奪えず、力の差を実感した試合でした。春のパールボウルでも、LIXILディフェンスの厳しいラッシュに手を焼く場面があり、この試合までにどれだけOL陣が成長出来ているかが、オフェンスの成否を決める重要な要素です。ベテランのOL#58岡田選手、#76秋葉選手に、ディフェンスからのコンバートされた、#50青木選手、#55林選手、#71永山選手とのコンビネーションは、まだまだ課題はあるものの予想以上に効果があったと言えます。さらに、昨年のチーム新人賞を獲得した#66伊藤選手にルーキーの#61進藤選手という大型選手もプレーに馴染んできており、この初戦での活躍が大いに期待されます。

試合の見所

2年前のJXBでは、10-44という大敗。BigBlueが勝利を掴むためには、オフェンスもディフェンスもかなりの努力が必要です。オフェンスはランプレーに自信を付けてきているものの、厚い富士通DB陣に競り勝つWR陣の活躍が必須。確実にマークされるだろうTE#40スタントン選手、WR#81栗原選手の個人技は勿論、WR#18上廣選手、WR#80瀧選手等、パールボウルでの活躍以上の結果が必要です。ディフェンスは、まずはRBゴードン選手を筆頭にランプレー対策が最優先事項となるでしょう。その上で、WR#81中村選手、WR#9宣本選手、WR#1強選手といった豊富なレシーバー陣対策がどこまで通用するか、特に試合終盤での勝敗に関わる鬩ぎ合いに勝てるかどうかが重要です。

また、この試合と言うよりも今シーズン通しての注目選手として、ルーキーのK#11佐藤選手のキックプレーがあります。昨年早稲田大学を卒業しBigBlueに入部した佐藤選手ですが、来シーズンNFLへ挑戦する事を選択し、今シーズン終了後に渡米する予定です。FGやTFPキックは勿論、ノジマ相模原戦でも見せた、ゴール前への絶妙のパントキックなど、スペシャルチームの切り札として、この試合での重要な鍵を握る存在です。NFLプレーヤーに繋がるかもしれない彼のキックプレーは、全てに注目です。

注目のシーズン初戦、全てのプレー、最初から最後まで目が離せない事は確実です。 OneBLUE! Go BigBlue!

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