あるOBの呟き- Final Stage vs. パナソニック電工インパルス

2010/12/06

12月とは思えない暖かで快晴の天候に恵まれた大阪・長居スタジアムで、いよいよファイナルステージの試合が始まります。セカンドステージは1勝1 敗で終了したものの、抽選でワイルドカードを見事に引き当て、初めてファイナルステージに進んだIBM BigBlue。考えてみれば、今シーズンのBigBlueは「初物」づくしとも言えます。まずは、山田晋三HCは、XリーグのHCとして初めてのシーズ ンをBigBlueでスタート。そして、ファーストステージではこれまでの最高位である地区2位を初めて獲得。そして、ワイルドカードながらもファイナル ステージに初めて進出。この勢いで、初のJapan X Bowl進出やライスボウル進出も達成して欲しいところですが、そこまで欲張ると逆に罰が当たりそう。取りあえず今回は、このファイナルステージを勝ち抜 きたいところです。

対戦相手のパナソニック電工は、接戦の試合もあったものの、ここまで無敗で勝ち上がっている強豪チーム。昨年のセカンドステージでもBigBlue は対戦しましたが、圧倒的な力の差を見せつけられて大敗。この時は、BigBlueが地区3位だったためパナソニック電工が関東に遠征しての試合(川崎球 場)でしたが、今回は逆に相手の地元、大阪長居スタジアムでの対戦です。オービック戦では予想外の点差で敗れただけに、この試合はまずはディフェンスが踏 ん張り相手に得点を許さず、そしてオフェンスが確実に得点して僅差での接戦に持ち込むのが勝利の条件と思われますが、簡単にそうさせてくれる相手でもあり ません。いずれにしても、つまらないミスや反則で相手を利することだけは避けないといけません。

一歩物足りない前半

パ ナソニック電工のキックオフで試合開始。BigBlue最初のオフェンスはファーストダウンに1ヤード足りずパント。続くパナソニック電工のオフェンス は、パスで大きく前進を許しゴール前12ヤードでファーストダウンとなります。ここからパナソニック電工はランプレーでエンドゾーンを目指しますが、 BigBlueディフェンスもLB#55藤田選手の好タックルで3rdダウンまで防ぎ、4thダウンでFGを狙います。3点は覚悟したものの、パナソニッ ク電工はキックを失敗。BigBlueが勝負に勝ちます。

続くBigBlueのオフェンスではディフェンスの勢いそのままに前進。QBも#15岡村選手を中心に、#14多川選手をワンポイントで投入し、こ れが功を奏して敵陣に入ります。しかし、エンドゾーンを背にしたパナソニック電工ディフェンスも粘りを見せ、4thダウンギャンブルのパスが失敗して BigBlueも先制点はなりません。

1Qはお互いに手の内を探るように一進一退のまま進みます。しかし、二回目のオフェンスシリーズとなるパナソニック電工は、パス中心の組み立てに変 更。4thダウンギャンブルでもパスで大きく前進。さらにゴール前8ヤードまで進みファーストダウンを獲得。しかし1stダウン、2ndダウンと相手の突 進をLB#7岸本選手、#33須藤選手が止めたところで2Qに入ります。3rd ダウンでもLB#19鄭選手、DB#22中山選手が飛び込みゲインは無し。パナソニック電工は再びFGを狙います。再び3点を覚悟したものの、今度はDL に入ったOL#72村上選手がFGキックを弾き失敗に。再三の得点チャンスを防ぎ、BigBlueディフェンスが好調さを見せます。

何とかディフェンスの好調さを引き継ぎたいオフェンスですが、自陣奥からのシリーズは4thダウンパント。K#11井田のキックはフィールド中央付 近に届きますが、このボールをパナソニック電工のリターナーがこぼし、それをLB#6北守選手がリカバー。再び攻撃権を奪います。これで勢いを得たオフェ ンスは、QB#15岡村選手からWR#1岸選手への26ヤードのパスで一気に前進すると、今度は交代したQB#14多川選手からWR#17小川選手へ9 ヤードのパスが決まり、相手レッドゾーンに入ります。しかしここからのランプレーが進まず、3rdダウンでの#17小川選手へのパスもファーストダウンに は届かずFGへ。K#8崔選手が26ヤードのFGを成功させてまずはBigBlueが3点先行します。

しかし、これでパナソニック電工が目を覚ましたのか、RB#20石野選手のランプレーで一気に攻め込まれると、QB#8高田選手からWR#81塚崎 選手へのパスが決まりゴール前1ヤードでからくもDB#20古川選手がタックル。しかし、残り1ヤードも#20石野選手が飛び込みTDを許してしまいま す。さらに2Q終盤でも、QB#8高田選手からWR#81塚崎選手へ34ヤードのTDパスが決まり、点差は3-14と広がります。

残り1分35秒で、何とか得点して前半を折り返したいBigBlue。しかし厳しいマークにあい前進出来ません。WR#44天谷選手へのパスが成功してファーストダウンを更新しますが、その後のプレーが得点には結びつかず、やや物足りなさを残して前半を終了します。

18点差からの追撃

3Q はパナソニック電工のオフェンスシリーズから。#20石野選手のランでいきなりファーストダウンを奪うと、今度はQB#8高田選手からWR#3永富選手に 42ヤードのロングパスが決まり一気にゴール前へ。ここからWR#28栗原選手にTDパスが決まりさらに点差が3-21と広がります。

続くパナソニック電工のキックオフ。短くキックされたボールをDB#32飯塚選手がキャッチすると、相手カバーをかいくぐり大きく敵陣32ヤードま でボールを進めます。これでリズムを得たオフェンスは、RB#24中野選手のランでゴール前18ヤードでファーストダウンを獲得すると、次のプレーで WR#1岸選手に18ヤードTDパスが決まり10-21と点差を詰めます。

しかしパナソニック電工も、ラン・パスと組み立て前進すると、今度はRB#20石野選手へのパスでTDを奪います。これで10-28と点差は再び18点差に。

厳しい状況にあるBigBlueですが、ここから徐々にモメンタムがBigBlueに傾き出します。敵陣14ヤードまで前進するものの、4thダウ ンとなりK#8崔が31ヤードのFGをキック。しかしボールは無情にも右側のポールに当たり失敗。ところがここでイエローフラッグが出されます。パナソ ニック電工にホールディングの反則があり、ゴールまでのハーフディスタンスで4thダウンをやり直し。再びFGかと思われましたが、BigBlueベンチ はギャンブルに変更。これが見事に的中し、QB#15岡村選手からWR#1岸選手へ、この日2本目のTDパスが決まります。

さらに続くパナソニック電工のオフェンスでは、DB#22中山選手がパスインターセプト。オフェンス・ディフェンスが試合を支配し始めます。

このシリーズでは、WR#18高木選手にパスが通り、ゴール前9ヤードでファーストダウン。しかしここからのパスが通らず、3rdダウンで再 び#18高木選手にパスが通りますが、エンドゾーンには届かず3ヤード残して4thダウンとなります。ここで3Qが終了し、4Qに入りフィールドポジショ ンが左右入れ替わります。4Q最初のプレーは、K#8崔選手の20ヤードFGで、これを見事に成功させ20-28と相手を射程距離に捕らえます。

4Qに入りBigBlueオフェンスはランプレーも出るようになり、RB#30工藤選手、#26吉津選手がゲインを獲得して敵陣に入ると、今度は QB#15岡村選手からSB#25徳地選手、WR#18高木選手とバスが決まりゴール前15ヤードでファーストダウンを獲得。ここから、1プレーで WR#17小川選手へのTDパスが決まります。この時点で得点は26-28。ベンチからは2点コンバージョンの指示が出され、スクリメージラインに選手が セットします。スナップを受けたQB#15岡村選手はRB#24中野選手にピッチ。そのままオープンを狙うかと思ったところで、RB#24中野選手は WR#17小川選手にリバースのパス。さらに、WR#17小川選手は逆方向に残っていたQB#15岡村選手にパスを投じ、これをキャッチした岡村選手がエ ンドゾーンに走り込んで見事にプレーは成功。ついに、28-28の同点に追いつきます。

パナソニック電工のパントの後、BigBlueのオフェンスシリーズも4thダウン残り2ヤード。残り34ヤードのためFGを狙う隊形を見せます が、ここからK#8崔がパントを蹴ります。これが絶妙のコントロールキックになりゴール前に転がると、LB#33須藤選手が1ヤードで止めます。厳しい状 況にパナソニック電工を追い込んだものの、ここからパナソニック電工もランでファーストダウンを獲得すると、メインターゲットWR#7長谷川選手へロング パスが決まりBigBlue陣内に攻め込まれます。さらに、ランプレーで時間を使いながら前進すると、4thダウン4ヤードで3秒を残してタイムアウトを 取り、FGを狙います。スナップとともにラッシュするBigBlueディフェンスの上を越え、このキックが成功。1秒を残したものの、キックオフリターン は止められて試合終了。28-31と最後に逆転され金星を逃した試合になりました。

今シーズンの成長をさらに来年は伸ばす

18 点差を追い上げて同点に追いついたものの、そこからの追加点が取れず最後は地力で勝るパナソニック電工に逆転逃げ切りを許してしまいました。ひいき目なし に見ても、互角以上の試合だったと思います。強いて言えば、約3時間の試合時間中、BigBlueのプレーの好不調の波が大きかったのに対して、パナソ ニック電工にはその差が小さかったことが最後の逃げ切りに繋がったように思います。BigBlueも良いときはオフェンス・ディフェンス共に完全にパナソ ニック電工を圧倒していましたが、その波が下がったときには昨年のような弱さが感じられました。そういった好不調の波を出来るだけ小さくすることが、今後 上位チームと互角に対戦する時に重要になるでしょう。

同時刻に川崎球場で開催されていたもう一つの試合、鹿島vsオービックでは、オービックが残り1秒のFGで同点に追いつき、そこからオーバータイム に入りオービックが逆転勝利をしています。この長居スタジアムの試合と同様に最後のFGが試合を振り出しに戻し、さらにそこからオーバータイムで勝利を勝 ち取った、強豪チームとしてぶれない強さを見せた試合ではないでしょうか。BigBlueも3年前のオンワードスカイラークス戦で は、同じように終了間際に逆転のFGで勝利しましたが、そういうしぶとさ、粘り強さを常にどの試合でも発揮できるようになることが、来年のチーム目標だと 感じた試合です。そういうさらに高い目標設定が出来るようになったことが、今シーズンにチーム全員が払ってきた大きな努力の結果だと感じます。

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