あるOBの呟き- 準決勝: vs 富士通フロンティアーズ戦

2016/11/30

Japan X Bowlトーナメントは、いよいよ最後の関門である準決勝。対戦チームは、ここまで全勝で勝ち上がってきている、第一節でも対戦した富士通フロンティアーズ(以下、富士通)です。第一節での対戦では、ルーキーQB#14政本選手の活躍も有り、前半7-6で折り返すものの、3Qに一気に失点し7-20まで点差が広がります。しかしここから追い上げが始まり、24-29まで差を縮めますがもう一歩が届かず初戦を勝利で飾ることが出来ませんでした。この試合以降、僅差での競り合いとなる試合が続き、リーグ戦は3勝3敗の五分で5位通過。しかし準々決勝となるLIXIL戦では攻守に噛み合い、37-16で快勝。その勢いで今回も一気に攻め勝ちたい試合です。

富士通とは2年前のJapan X Bowl以来の対戦。2014年には、リーグ戦(13-41)、JXB(10-44)と二回対戦しましたが、何れも大差で力の差を見せつけられる結果となりました。しかし今シーズンは、第一節での僅差での敗退から、さらに当時は故障でコーチ役に徹したQB#3クラフト選手が復活しており、オフェンス力は向上しています。ディフェンスが前回以上の好プレーを見せて失点を減らせば、好調なオフェンス次第では十分に勝機のある対戦と言えるでしょう。富士通側は赤、BigBlue側は青で染まったスタンドを背に、BigBlue K#11佐藤選手のキックオフで試合が始まります。


追い上げて同点、しかし最後まで粘る富士通

富士通のオープニングドライブは、DL#98森田選手のラッシュにパスポケットを抜け出すQB#3キャメロン選手を、DE#34ブルックス選手がロスタックル。次のRB#29ゴードン選手のランも森田選手がタックルして阻止し4thダウンパントで攻撃権が移ります。続くBigBlueのオープニングドライブは、WR#81栗原選手のランアフターキャッチが伸びて28ヤード進み敵陣に入ります。しかし自らの反則で大きく後退しますが、RB#21髙木選手へのバブルパスで大きく戻すと、RB#10末吉選手がダウンを更新します。さらにWR#18上廣選手へのパスでゴール前12ヤードまで進みます。ここからエンドゾーンへTDを狙うパスを投じるものの厳しいディフェンスで失敗。反則による罰退もあり4thダウンで44ヤードFGをK#11佐藤選手が狙います。しかしキックされたボールは飛び込んできた富士通DB#34樋田選手がチップして失敗。先制点のチャンスを失います。

対する富士通も、ランとパスでダウンを積み重ねて敵陣に入ると、BigBlue DB#29佐野選手のホールディングもありレッドゾーンへ。しかしここからBigBlueディフェンスのパスデイフェンスが生き、富士通も4thダウンで31ヤードFGを狙います。K#11西村選手のキックは成功し、まずは富士通が0-3と先制します。この後お互いにパントを交換した後のBigBlueの攻撃シリーズ。2ndダウンから2Qに入りますが、このシリーズも繋がらず4thダウンパントとなります。ボールをキャッチしたWR#9宣本選手は、タックルに来る選手をかわすと右オープンに走り出て、そのままスピードで一気にリターンTDを奪い、得点は0-10とさらに広がります。

2Qに入ってもBigBlueのオフェンスはなかなか前進することが出来ず、苦しいシリーズが続きます。BigBlueディフェンスも、厳しいラッシュをQB#3キャメロン選手に与えるものの、上手くそれをかわしながらパスも成功し、厳しい時間帯が続きます。しかしDE#34ブルックス選手のタックルを一度はかわしたものの、無理な体勢から投げたパスをDB#20矢部選手がインターセプトし、流れを変える切っ掛けを作ります。

これがQB#3クラフト選手にも伝搬したのか、RB#10末吉選手、TE#40スタントン選手、WR#18上廣選手、と続けてテンポ良くパスが成功しダウンを更新して敵陣に入ります。さらに、スタントン選手へのパスでレッドゾーンに入ると、WR#16梶川選手への7ヤードパスが成功して、ゴール前13ヤードでファーストダウンを更新します。RB#21髙木選手が3ヤード進めた次のプレーでは、プレーアクションパスがTE#40スタントン選手へ通り、10ヤードTDパスとなります。

しかし直ぐさま富士通も、WR#81中村選手へのロングパスが成功し、26ヤードのTDパスで7-16と再び点差が広がります。そのTD後のTFPキック。K#11西村選手のキックしたボールを、飛び込んできたDE#34ブルックス選手が右手ではたき落とすと、バウンドするボールをタイミング良くDB#20矢部選手がキャッチ。DB#42宮川選手とDB#1中谷選手に守られながら、80ヤード近くを独走してタッチダウン。2点を逆に奪い、9-16と点差を縮めます。

これで流れを掴んだBigBlueオフェンスは、QB#3クラフト選手から、DBを抜き去り右サイドライン際を真っ直ぐ駆け上がるWR#18上廣選手に33ヤードのパスが成功。RB#10末吉選手が7ヤードボールを進めた後、今度は左サイドでフリーになっていたWR#81栗原選手へ35ヤードTDパスが成功し、K#8小田倉選手のTFPキックも成功して、2Q 39秒を残して16-16の同点に追いつきます。

このまま2Q終了と思われたのもつかの間、富士通はQB#3キャメロン選手が厳しいラッシュを受けて左右に逃げながらも、WR#81中村選手、WR#17秋山選手とパスを投げ分け、さらにサイドラインに出て時計を止めながら大きく前進します。最後はK#11西村選手が36ヤードFGを蹴り込んで、16-19と再びリードを奪われて2Qが終了します。

最後まで混戦、最後に地力の差

2Q最後に失点をして嫌な終わり方をしたBigBlue。3QはBigBlueの攻撃からです。キックオフボールをキャッチしたWR#81栗原選手は、上手くリードブロッカーの壁を利用して右オープンをフィールド中央付近まで戻します。RB#10末吉選手、RB#21髙木選手のランで大きく前進すると、TE#40スタントン選手へのパスでゴール前9ヤードでファーストダウンを獲得します。ここからTDを狙うQB#3クラフト-WR#81栗原のホットラインですが、栗原選手をマークするDB#25奥田選手の好プレーに阻まれて3回失敗。得点は残念ながら4thダウンでK#8小田倉選手の31ヤードFGの3点にとどまり、再び19-19の同点に追いつきます。

続く富士通の攻撃は、WR#81中村選手へ34ヤードのパスが通り、ゴール前22ヤードまでボールを進めると、RB#29ゴードン選手が19ヤード進みゴール前3ヤードでファーストダウンを更新します。ここからBigBlueディフェンスは、LB#9星田選手がファンブルを誘いゴールラインを守ると、失点をFGの3点に抑えます。

RB#21髙木選手のキックオフリターンで大きく戻し、自陣41ヤードからのBigBlueの攻撃。TE#84小林選手へのスクリーンパスは1ヤードにとどまりますが、その後RB#21髙木選手、QB#3クラフト選手のキープでダウンを更新。さらにRB#10末吉選手へのパスとランでさらに前進します。ここからWR#81栗原選手へ続けてパスが成功してゴール前11ヤードまで進むと、続くTE#40スタントン選手へのパスは後1ヤード足らずにファーストダウンとなります。QB#3クラフト選手がセンターに付きパワー隊形からのランと見せかけたプレーは、RB#21髙木選手へボールがピッチされ、そのまま右オープンを狙うと見せかけて、エンドゾーンに入ったTE#40スタントン選手へ髙木選手がボールをジャンプトス。これが見事に成功し、とうとうこの試合初めて26-22と逆転してリードを奪います。

続く富士通の攻撃では、RB#29ゴードン選手のランで一度はダウン更新を許すものの、DL#2イェイツ選手、DL#98森田選手のタックルでロングゲインは阻止します。またパスカバーでは、DB#23保宗選手、DB#26星田選手が厳しいマークでレシーブさせず、4thダウンパントで攻撃権を直ぐさま取り返します。

BigBlueオフェンスもモメンタムを維持し、TE#40スタントン選手への30ヤードパスで大きく前進すると、WR#16梶川選手へミドルパスが続けて成功。パス警戒で空いたダウンフィールドへ、今度はRB#10末吉選手がランで中央を真っ直ぐにボールを運ぶと、1stダウンでWR#18上廣選手へのパスが成功して、レッドゾーンに入ったところで試合は4Qに入ります。ダウン更新まで3ヤード、ゴール前18ヤードからの攻撃は、RB#21髙木選手のダイブは逆に1ヤード戻され、3rdダウンのパスも失敗。K#8小田倉選手が36ヤードのFGを狙いますが、このキックは失敗し得点は26-22のままで攻撃権が富士通に移動します。

自陣20ヤードからの富士通の攻撃は、パスからスクランブルに出たQB#3キャメロン選手を止められず、BigBlue陣内まで一気に進まれると、WR#9宣本選手へのパスでレッドゾーンに迫ります。さらにQB#3キャメロン選手のキープで7ヤード進められるも、次のプレーでは逆にDE#34ブルックス選手がQBサックで8ヤード押し戻します。さらに3rdダウンでのRB#29ゴードン選手のランはDB#1中谷選手が1ヤードに止め、結局4thダウンで富士通はK#11西村選手が40ヤードFGを蹴り込み、26-25となんとか逆転は阻止します。

まだ4Qは半分以上時間が残っているため、BigBlueは時間消費も意図しながらの攻撃シリーズを進めます。TE#84小林選手が弾いたボールを、横にいたWR#16梶川選手がキャッチするなど幸運も味方につけてのシリーズ。しかし、2ndダウン残り1ヤードでダウン更新で走り出たQB#3クラフト選手が痛恨のファンブル。富士通に攻撃権が移ります。しかし富士通の攻撃シリーズも、DL#2イェイツ選手がこの試合一番激しいラッシュを見せ、QB#3キャメロン選手を大きく押し戻し、4thダウンパントで攻撃権がなんとかBigBlueに戻ります。

4Q残り3分34秒からのBigBlueの攻撃。時計を進めながらボールを進めるものの、富士通も最後のタイムアウトを使い時計を止め逆転の攻撃機会をうかがいます。結局2回目のダウン更新が出来ず4thダウンパントとなり、1分21秒を残して攻撃権が富士通に移動します。既にタイムアウトを使い切った富士通は、時間とも戦いながらボールを進めます。残り時間が少ない中、インフィールドでダウンするプレーが続き、やっとパス失敗で時計は残り18秒で止まります。自陣41ヤードからの富士通の攻撃。ここからQB#3キャメロン選手は、左右のサイドライン際のレシーバーにバスを通し、レシーバーも直ぐさまラインを割って時計を止めます。ラッシュを受けながらもWR#81中村選手にパスが通り、サイドラインをBigBlue陣内28ヤードでわり、時計は残り2秒。この日、4FGを成功させているK#11西村選手は、この試合最長の45ヤードFGを狙います。スナップと同時にラッシュするディフェンスですが、キックされたボールはポストを通過。最後の最後に逆転され、26-28で試合が終了しました。


勝利の女神の前髪を掴め

今シーズンは、何度こんな試合を経験したのだろうかというのが最初の想い。そして次に思い出したのが、現在の山田HC就任初年度、抽選ながらもファイナルステージに初めて進出し、長居陸上競技場(当時、現在のヤンマースタジアム長居)でパナソニック電工(当時、現在のパナソニック)と対戦。4Qに28-28の同点に追いつくも、残り1秒で逆転のFGを許して28-31で敗れた試合でした。あの試合から4年後に初のJapan X Bowl出場を勝ち取り、そして今回3回目の準決勝(Final-4)まで進むことが出来ました。負け惜しみで無く、着実にチーム力は向上しています。特に今シーズンは、オフェンス・ディフェンスに入った新人選手が活躍し、それがベテラン選手やチームへの良い刺激になり、チームとして活性化していたと感じます。例年シーズンが終わると「あそこの補強が必要、ここをもっと強くしないと勝てない」という考えがまず浮かぶわけですが、今回はこのメンバーで、このチームで、もう一度来シーズン試合をして欲しいという想いをまず感じました。

それだけ「良いチーム」ではあったけれど、結果的には敗れた試合と勝った試合は同数で終わったからには「強いチーム」では無かったことも事実です。今シーズンの反省と分析、そして来シーズンに向けての対策がこれから準備されていくと思います。色々な理由から、選手を引退する者、チームを離れる者があり、入れ替わりに新しいメンバーが加わります。今シーズンのように新しい血が注入されてさらに活性化することは勿論、今シーズンのチームスローガンである「OneBLUE!」の気持ちは、更に高めて欲しいと願います。「チーム力」をどの様に高めていくのか、今シーズンの悔しさを大きな糧にして、来シーズンは「強いチーム」からさらに「勝つチーム」への脱皮を果たして欲しいと願います。OneBLUE! Go BigBlue!

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