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あるOBの呟き- パールボウル準決勝: vs ノジマ相模原ライズ戦

2017/06/05

パールボウルは、いよいよトーナメント戦に入り、準決勝の対戦チームは昨年と同じノジマ相模原ライズ(以下、ライズ)との対戦。昨シーズン加入したミシガン大出身のQB#98ガードナー選手は、その非凡な才能を見せ強豪チームとも互角の対戦を見せましたが、ツキにも恵まれずに勝ち星には繋がらず、Super-9で9位という不本意な成績でシーズンを終わりました。ガードナー選手自身1年のブランクがあったことや、BigBlueもそうであったようにチームのシステムに慣れて貰うのか、QBのプレーにチームが合わせるのか、その葛藤があったように推測されます。しかし今シーズンはその反省に基づき入念に準備をしてきたと思われ、その成果は前の試合で昨年の王者富士通を38-20で破ることで一つ証明をして見せました。

今シーズンのライズオフェンスは、なんと言ってもガードナー選手の「肩」と「足」に掛かっています。前回の富士通戦では、「肩=パス」では207ヤードを投げ1TDを奪っています。しかしさらに注意すべきは「足=ラン」。他の選手を圧倒する164ヤードを走り4TDを奪う活躍は、かなりの脅威です。193cm/98kgというサイズは、日本人の体格と比べると十分にオフェンスラインとして通用する程のサイズで有り、その選手が巧みなカットバックとスピードで突進してくるのはかなりの脅威。どの様にガードナー対策を準備してきたのか、BigBlueディフェンスにとっては、厳しい試合になりそうです。コイントスで後半の選択権を選んだBigBlueは、米国から帰国したK#11佐藤選手のキックオフで試合が始まります。


オフェンスの前半

ガードナー選手最初のプレーは、WR#6佐藤選手への9ヤードパス。自らのキープで簡単にダウンを更新します。その後WR#85八木選手へパスが通ると、辛くもDB#1中谷選手がタックルしますが一気にゴール前14ヤードへ運ばれます。しかし、1stダウンではDE#34ブルックス選手がガードナー選手を1ヤードのロスタックルに仕留めると、3rdダウンではRB#25東松選手をDL#98森田選手が5ヤードのロスタックル。そこで4thダウンで27ヤードFGを狙いますが、K#17市森選手のキックはポールに当たって失敗。最初のシリーズはぎりぎりでディフェンスが踏みとどまります。

続くBigBlueのオフェンスはQB#2政本選手が登場。まずRB#21高木選手へのスクリーンパスで進むと、次はWR#18上廣選手へのジェットスイープでダウンを更新します。さらに、今度はハンドオフを受けたRB#21高木選手が反対側から走ってきたWR#81栗原選手へリバースのトス。これで再びダウンを更新します。トリッキーなプレーが続いた後は、RB#21高木選手へのドロー。OL/レシーバー陣のブロックと得意のカットバックで、一気にゴール前19ヤードまで進みます。さらに相手の反則でボールはゴール前10ヤードでファーストダウンとなります。絶好のTDチャンスを迎えますが、しかしエンドゾーン内のTE#40スタントン選手へ投じたパスは、LB#41増山選手がインターセプト。タッチバックとなり攻撃権を奪われてしまいす。

ゴール前20ヤードからのライズの攻撃ですが、ドロップバックしたQB#98ガードナー選手にDE#34ブルックス選手がラッシュ。慌ててさらに後ろに逃げるガートナー選手をLB#6坂口選手とDL#44福岡選手がゴール前2ヤードで倒します。さらに、エンドゾーン内までドロップバックしたガードナー選手が投じたパスを、LB#5コグラン選手がインターセプト。相手タックルを掻い潜り惜しくもゴール前1ヤードまで戻します。このチャンスにRB#42森重選手が中央をダイブし、先制のTDを奪います。

ライズ2回目のオフェンスシリーズ。エンジンの掛かってきたQB#98ガードナー選手は、自らのランを基軸にミドルパスを組み合わせてダウンを更新。DL#93佐久間選手のラッシュを受けて下がるところに、ルーキーDL#92エルビー選手のサックを受けて後退する場面もあるものの、着実にゲインを重ねてゴール前18ヤード進んだところで試合は2Qに入ります。2Q最初のTDパスは失敗しますが、続くプレーではQBドロー気味にパスポケットから走り出すとタックルを振りほどいてダッシュ。右オープンを一気に加速すると、最後はタックルを受けながらも長い手でボールを差し出しパイロンを通してTDを奪います。しかしTFPキックは失敗。得点は7-6とBigBlueのリードが続きます。

自陣奥からのスタートとなったオフェンスは、TE#40スタントン選手へのパスでダウンを更新。さらにハンドオフを受けたRB#21高木選手が右オープンに出ながら、前を走るルーキーWR#7白根選手へパスが成功。タックルを受けながらも31ヤードを運び、一気に敵陣23ヤードまで進みます。相手のオフサイドの反則で5ヤード進み、さらにTE#40スタントン選手へのパスでゴール前6ヤードでファーストダウンを更新します。続くプレーでは、ロングスナップを受けたQB#2政本選手は直ぐに走り出すと左オープンを狙います。ゴールライン直前でLB#41増山選手にタックルを受けて体が中に舞いますが、右手を付いて体を支えつつ、ボールを持つ利き腕の左手を前に伸ばしてゴールラインを超えTDを奪います。

点差を縮めたいライズ。QB#98ガードナー選手へ厳しいプレッシャーをかけるBigBlueディフェンスですが、体勢を崩しながらも投じたパスが成功しダウンを更新しながら前進。ゴール前16ヤードでファーストダウンとなります。次のプレーでは、DL#98森田選手がガードナー選手の足下にタックルし体勢を崩しますが、体制を崩しながらもオープンに居たRB#2宮幸選手へピッチ。しかし直ぐさまDE#34ブルックス選手がタックルして4ヤードのロスとなります。ところが次のプレーでは、ハンドオフを受けたRB#2宮幸選手が大きく空いた中央を一気に駆け上がりTDを奪います。TFPでの2点を狙ったQB#98ガードナー選手をLB#6坂口選手がタックルしパスを乱して失敗に追い込み14-12と同点は許しません。

次のキックオフでは、WR#81栗原選手がリードブロッカーを巧みに使い抜け出すと敵陣44ヤードまで一気に持ち込みます。1st/2ndダウンのパスが失敗した3rdダウン。さらにフォルススタートで5ヤード下がり、3rdダウン15ヤードのプレーは、TE#40スタントン選手へのパスですが、12ヤードとダウン更新には3ヤード足りません。タイムアウトをとり入れたプレーは、得意のQB#2政本選手のキープ。これが、ダウンを更新するだけでなく、左オープンに走り出すとタックルに来るDB#22河石選手の上を飛び越え、ゴール前9ヤードまでボールを運びます。ところが1stダウンではディレーオブザゲームで5ヤード後退。やり直しのプレーではRB#21高木選手がエンドゾーンを目指しますが5ヤード残ります。次のプレー、一度フェイクで右のターゲットを狙ったQB#2政本選手は、直ぐさま左パイロン横にフレアーで走り込んだRB#21高木選手にピンポイントのパスが成功。21-12と再び点差を広げます。

2Qはまだ1分少しを残したライズのオフェンス。QB#98ガードナー選手は、パスと見せかけてLB/DBを下がらせると、その空いたスペースに走り出してヤードを獲得します。さらにWR#81鈴木選手へ21ヤードパスが成功し、BigBlue陣内へ。ここからDB陣のパスカバーが3回のパスを失敗させ、4thダウン残り10ヤードでゴールまで37ヤードとなります。ライズはFGではなく貪欲にTDを狙います。ガードナー選手はスナップを受けるとターゲットを探しますが、直ぐさまダウンフィールドに走り出します。予想していたディフェンス陣はタックルに向かうものの、ガードナー選手のカットバックに翻弄されて止められません。サイドライン際でDL#98森田選手が足下に手を掛けスピードを緩めさせると、DB#14宮川選手が外に押し出します。必死にボールを持つ左手を前に伸ばしてパイロンに当てようとしますが、右肘が先にフィールドにつきボールデッド。TDに届きません。残り3秒からの2ヤードの攻防。自らボールを持ちオフタックルを突くガードナー選手ですが、カットの時に足を滑らし体勢を崩したところに、上がってきたDB#25寺中選手がタックル。ゴール手前1ヤードで阻止し前半を折り返します。
 

ディフェンスの後半

両チーム点の取り合いとなった前半。後半開始のキックオフは、RB#19鈴木選手がキャッチするとDB#22中山選手のリードブロックを上手く使いながら50ヤードラインまで戻します。ここで相手の反則にも助けられて、ゴール前16ヤードでファーストダウンを更新します。ワンポイントでQB#3クラフト選手がパス通しますが、その後のプレーでもダウン更新には至らず、このシリーズは4thダウンでK#8小田倉選手が31ヤードFGを蹴り24-12とします。

まずはTDを奪い、点差を1ポゼッション差に詰めたいライズ。K#11佐藤選手のキックオフはタッチバックとなり、自陣25ヤードからの後半最初のオフェンスシリーズ。QB#98ガードナー選手は、WR#6佐藤選手への20ヤードパスで大きく前進すると、自らのキープとさらにTE#84吉田選手へのパスで続けてダウン更新をします。続く1stダウンのプレーでは、RB#2宮幸選手へフェイク入れて自らオープンに走り出しますが、9ヤード進んだところでルーキーDB#9神津選手が外に押し出します。2ndダウンのパス失敗の後、3rdダウンではピッチを受けたRB#2宮幸選手をDE#34ブルックス選手とDB#25寺中選手がロスタックルした4thダウン。DL#98森田選手にジャージを引っ張られながらも、QB#98ガードナー選手がWR#81鈴木選手へのパスでダウン更新をすると、さらに続けてパスが成功。最後もWR#85八木選手へ10ヤードのTDパスが通り24-19と点差を縮められます。

リターナーのRB#21高木選手が自陣31ヤードまで戻してオフェンスが始まります。ルーキーRB#30伊藤選手のオープンはロスタックルされるものの、次のRB#21高木選手へのスクリーンパスは、OL#53樋之本選手、#52坂口選手、#76秋葉選手のリードブロックでオープンを駆け上がると、一気に加速。さらにWR#18上廣選手のブロックも助けて、ゴール前22ヤードまで運びます。しかし、ここからエンドゾーンを狙うパスがタイミングが合わず失敗。4thダウンで再びK#8小田倉選手が登場し、39ヤードのFGを蹴り込み、27-19と点差を広げます。後半二回のオフェンスシリーズは、テンポ良くボールを進めるものの、最後はTDではなくFGとやや不満な結果。後半ライズの盛り返しに対しての不安が少し大きくなります。

再びリズムを使いみたいライズですが、自陣奥からの1stダウンのパスはDB#14宮川選手の厳しいマークで失敗。2ndダウンではRB#2宮幸選手のランをゲイン無しで止めた後、3rdダウンでもスクランブルに出るQB#98ガードナー選手をDE#34ブルックス選手がハードタックルで倒し、これもゲイン無し。ライズはP#14有輪選手が両チームでこの試合初めてのパントを蹴り攻守交代となります。

フィールド中央からのBigBlueのオフェンスはQB#3クラフト選手が登場。1stダウンでRB#19鈴木選手が3ヤード進んだところで、試合はいよいよ4Qに入ります。厳しいラッシュに左右に逃げながらターゲットを探すQB#3クラフト選手。ルーキーWR#9鈴木選手へ22ヤードパスが成功します。しかし厳しいプレッシャーにパスを投げるどころか、サックを受けて後退。4thダウンとなり、このシリーズもK#8小田倉選手が43ヤードFGを狙います。しかし、やや低めの弾道のボールは、ラッシュしてきたライズ選手がチップして失敗。残念ながら追加点は奪えません。

続くライズのオフェンスは、FGが失敗したため元のボール位置自陣26ヤードから。一度ダウンを更新して、自陣37ヤードでファーストダウンとなります。DE#34ブルックス選手とLB#6坂口選手二人がQB#98ガードナー選手にラッシュしますが、間一髪間に合わず投じられたパスをWR#15出島選手がキャッチすると、オープンを独走。辛くもDB#4佐野選手がゴール前7ヤードでタックルしてTDを阻止します。1stダウンでは、ダウンフィールドへ走り出したQB#98ガードナー選手を、DB#23保宗選手がゴール1ヤード前で辛くもタックル。2ndダウンでは、RB#2宮幸選手をフェイカーで中央に突進させ、ボールを持ったQB#98ガードナー選手が右オープンに走り出しますが、これをDB#1中谷選手がスクリメージ上でタックル。ここでライズは3回のタイムアウトを使い慎重にプレーを選択。3rdダウンのプレーは、今度はRB#2宮幸選手の中央ドライブですが、正面からLB#35高橋選手が足下に飛び込みタックルすると、すかさずDE#34ブルックス選手もタックルし2ヤード戻します。4thダウン3ヤードとなったライズは、FGではなくプレーを選択。RB#2宮幸選手へのハンドオフと見せかけて、ボールを隠してゆっくりターゲットを探すQB#98ガードナー選手ですが、DE#34ブルックス選手のラッシュでボールが浮いたかパスは失敗。再びディフェンスがゴールラインを死守します。

4Q残り5分20秒ゴール前3ヤードからのBigBlueのオフェンス。WR#18上廣選手へのフラットパスで14ヤード前進。さらにRB#21高木選手が8ヤード進めます。ボールを進める事以上に、プレークロックを目一杯消費して残り時間もコントロールしながらのシリーズは、反則の罰退とロスタックルで3rdダウンコンバージョンに失敗。4thダウンではBigBlueとして初めてパントとなり、2分17秒を残してライズに攻撃権が移動します。

ここでライズはQB#98ガードナー選手にトラブルが発生したのか、QBは#18荒木選手が登場。タイムアウトは消費しているため、パスで前進を試みますが、厳しいラッシュにコントロールが乱れて続けて失敗。3rdダウンになると再びガードナー選手が入ってきますが、DB陣の厳しいマークも有り2回とも失敗。1分53秒を残してBigBlueに攻撃権が移動します。ライズは時計を止められないため、ビクトリーフォーメーションを組んだBigBlueオフェンスは、40秒ぎりぎりでボールをスナップし時間をコントロールします。3rdダウンのニーダウンをしたところで残り20秒を切り、そのまま時計を流して試合は終了。27-19の接戦を制して、2年連続してパールボウル進出を勝ち取りました。


連覇に向けて、さらに厳しい戦いへ

予想通りガードナー選手のランプレーに手を焼いた試合展開となりましたが、ゴールライン背負ったディフェンスでは厚みのあるプレーで相手の攻撃を阻止。最初のシリーズでのFG失敗のためか、その後のゴール前のオフェンスでも、FGでは無くTDを狙いに来たと言う事もありますが、その挑戦を跳ね返して得点を与えなかったことが、この試合の大きな勝因でしょう。2Q最後のゴール前の攻防と4Q序盤のゴール前の攻防に勝ったことは、次の試合に向けても大きな自信になるはずです。

オフェンスも、後半は2FGとやや寂しい結果になりましたが、前半に3TDを上げており、ゲームコントロールと言う意味では合格点だったと思います。特に、1Q中盤にインターセプトからゴール前1ヤードのチャンスを掴むと、きっちりと1プレーでTDを奪いましたが、こう言う決定力がこれまで足りなかったものだけに、さらなる成長が期待されます。後半は、この決定力やパスの精度がやや乱れた印象が有り、その当たりをこの二週間でどれだけ調整出来るかが、連覇に向けての最大の課題と言えるでしょう。

BigBlueの試合に続いて行われたもう一つの準決勝の試合では、オービックシーガルズがLIXILディアーズに勝利し、3年振りのパールボウル進出が決定。オービックとは、昨シーズンオーバータイムまでもつれる試合で敗れているだけに、何としても雪辱したい相手。しかも、秋のリーグ戦では第一節での対戦が予定されているだけに、その前哨戦としても非常に重要です。春の試合から、全開状態でここまでの試合を勝ち上がってきているだけに、さらに厳しい試合が予想されますが、だからこそ試合に勝って、秋に向けて大きな励みにして欲しいと思います。 Go BigBlue!

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