パールボウル2017: オービックシーガルズ戦の見所

2017/06/10

昨年のパールボウル準決勝の再戦となったノジマ相模原ライズ(以下、ライズ)との一戦を、苦しみながらもQB#98ガードナー選手を攻略して勝利し、昨年に続きパールボウル決勝進出を果たしたBigBlue。決勝戦の対戦チームは、難敵OBICシーガルズ(以下、OBIC)です。昨シーズン、第五節で対戦したOBICとは、試合終了間際に同点となるTDを奪われオーバータイムへ突入。先攻のOBICがTDを奪うと、後攻のBigBlueもQB#3 CraftからTE#40 StantonへTDパスが成功するも、TFPキックの失敗で23-24で敗退。惜しくもOBICからの初の勝ち星を逃した試合でした。

そのOBICも、古庄ヘッドコーチ新体制1年目はJapan X Bowlで富士通に敗れてシーズン終了。2年目となる今年は、ハワイ大出身のQB#12ウーズィー選手を獲得しオフェンスを再編成。力のある新人選手の活躍も有り、既にリーグ戦に突入しているかのような勢いで、ここまでの試合を勝ち上がってきました。ベテランQB#6菅原選手に加えて、今シーズン中心となることが予想される#12ウーズィー選手の二枚看板が早くも確立し、さらにルーキーRB#41成瀬選手がその体格を武器に圧倒的なグランドアタックを見せれば、空中戦でもベテランWR#18木下選手を中心に、成長著しい若手WR#86前田選手活躍など、シーズン前にもかかわらずシーズン終盤の最高のピーク状態に達しているとも言えるOBICとの厳しい試合が予想されます。

デイフェンスの見所

ライズ戦の勝因はなんと言ってもディフェンスが、度重なるゴール前のピンチを凌ぎきり失点を許さなかったことにあります。特にQB#98ガードナー選手に対してBigBlueの守護神DE#34ブルックス選手を対決させ、ライズオフェンスの攻撃の幅を狭めたことが最大の勝因でしょう。パス能力にも定評のあるガードナー選手ですが、投げることも好きだが走ることも好きなプレースタイルを上手く利用し、自ら走り出させることでプレーを絞り、ディフェンスとしても守りの重点を絞ることが出来き、結果的にドライブは許すものの失点は最小限に抑えることで勝利に貢献しました。

今回先発が予想されるOBC QB#12ウーズィー選手も、そのスクランブル能力には要注意ですが、どちらかというとターゲットに投げ込みたいタイプのように伺えます。強力なOBIC OL陣あればこそのオフェンスに対して、BigBlueのDL/LB陣がどの様にその壁を崩してQBに迫るかが、この試合の見所になるでしょう。ただ、パスプレーが崩れた後、ライズ戦ではQBスクランブルがほぼ予想されたものの、OBIC戦ではどちらのQBが登場しても、次のプレーを予測することは難しいと言えます。昨年の対戦でも、パスが崩れでスクランブルと見せかけてからのバブルレシーバーへのパスでロングケインを奪われたり、バスを警戒する余り、広く空いたダウンフィールドにボールキャリアーが走り出て、そのままロングゲインを許す場面もありました。今回は、ライズ戦以上にDBとレシーバーのマッチアップが厳しくなる半面、その虚を突いて一気にダウンフィールドへ走り出される危険も大きく。ディフェンス陣としてはこれまで以上に集中力が要求されます。

ライズ戦では、体格的に優るガードナー選手に対して、DB/LB陣が二重三重のギャングタックルを見せ、数の優位で相手を止めるゲームプランが感じられました。また、パスオフェンスに対しても、QBへのプレッシャーは勿論ですが、ボールキャッチをしたレシーバーに直ぐさまハードタックルをすることで、パス失敗に追い込む場面が何度もありました。どちらのプレーも、これまでのBigBlueディフェンスではあまり見られなかった光景であり、そういう意味でディフェンスの進化を感じられる内容でした。同じ事をやっても、好調なOBICオフェンスには通用しないことは確実で、どれだけ更に進化したギャングタックル、ハードタックルをこの試合で見せられるかが、最大の見所で有り勝利への最大要因で有る事は間違いありません。

オフェンスの見所

スタッツだけを見ると、ライズのオフェンス獲得ヤードが422ヤード(ラン:143ヤード/パス:279ヤード)に対して、BigBlueは302ヤード(ラン:115ヤード/パス:187ヤード)と、ほぼ2/3の結果でしか有りません。それでも相手を上回る得点の最大の理由は、キッキングゲーム(キックリターン)ではライズは4回で81ヤードに対して、BigBlueは4回で139ヤード戻し、シリーズ開始のボールポジションで有利な位置から始められたことと言えるでしょう。さらに、双方1回のパスインターセプトを記録していますが、ライズはインターセプト(タッチバック)後オフェンスが押し込まれ、最後は逆にインターセプトを奪われてゴール前1ヤードまで運ばれると、BigBlueはその1ヤードを1プレーで突破しTDを奪うという対照的な結果も影響しているでしょう。そういう意味で、ライズ戦でのオフェンスは活躍したことは確かですが、スペシャルチームやディフェンスチームの隠れたサポートを受けての結果で有る事も忘れてはいけません。3Qにゴール前までドライブするにも決定力に欠けてFGに終わった2シリーズや、無得点で終わった4Q等、終盤での決定力不足はこの試合だけで無く、今シーズンも大きな課題となるでしょう。昨年のパールボウル決勝戦でも、勝ったとはいえ後半は得点力が下がっており、2年目を向かえたQB#2政本選手を中心に、どの様にOBICディフェンスを攻略するかが重要です。

2年目にして既にオフェンスの大黒柱に成長したQB#2政本選手。自らのスクランブル能力は、誰もが認める強みですがそれだけでは勝てないことも事実。ライズ戦の結果を見ても、まずは10/18(56%)というパス成功率をどこまで引き上げられるかが重要でしょう。BigBlueの歴代QBは、OBのQB#15岡村選手、#3クラフト選手と、成功率よりも必要な時に決める「決定力」を重視しているように思われます。それも一つのゲームプランとは思いつつも、テンポアップし、入れ替わりが激しくなってきた最近のXリーグでは、やはり投げたら決めるという「結果」が重要と思われます。特に昨シーズン、僅差で上位チームに敗れたことを考えると、BigBlueオフェンスの基本とも言うべきパッシング能力の向上は必須。昨年のパールボウル決勝では、QB#3クラフト選手が中心にプレーしたとは言え、パス成功率は70%近く(27/39)あり、LIXILディアーズの加藤選手の63%(20/32)を上回っています。秋のリーグ戦に向けて、どれだけ新旧のレシーバー陣との成熟度を見せるか、これも見所の一つと言えるでしょう。

勿論、RB#21高木選手、#19鈴木選手を中心としたRB陣の活躍も必見です。特に、OLを走らせるスクリーンや、OLのダウンフィールドブロックにレシーバーのリードブロックを組み合わせたパワープレーがこの春の試合では効果を見せているように感じられます。ディフェンスのギャングタックル同様、オフェンスもギャングブロックで相手を蹴散らすプレーを、是非この試合で見せて欲しいと思います。

試合の見所

チームとして初のメジャータイトル獲得となった昨年のパールボウル優勝に続き、今年も連覇を狙うBigBlue。方や若返りをして、新たな王朝を築く礎にしたいOBIC。春の総決算として、どちらのチームも負けられない試合で有る事は確か。さらに言えば、この対戦は、秋のリーグ戦第一節に既に予定されており、3カ月後には再び相まみえる事が決まっています。そういう意味では、秋に向けての前哨戦でもあるし、地ならしの一戦と言っても良いでしょう。BigBlueにとっては、昨シーズンオーバータイムまでもつれながらも惜敗しただけに、今年こそは雪辱したいところ。これまでの試合でも、何度か追い詰めながらも最後の最後に逆転されて勝ちきれなかった相手だけに、まずはこの春の試合で勝利し、その苦手意識を払拭したいところです。

オフェンスは、何よりも決定力に拘り、3rd/4thダウンコンバージョンを確実に成功させ、さらにはTD/FGいずれにしても得点をしてシリーズを完結させる実行力が必要。ディフェンスは、ライズ戦とは事なり、複数のターゲットを注意しないといけないOBICに対して、注意力が分散せずにボールキャリアーに対してどれだけ集まりボールを奪う守備が出来るか、その激しさが重要です。正直、勢いではOBICに分があるとは感じつつも、勢いがあるが故に足下の小石に気が付かずつまずく可能性もあるわけで、いかにミスをせずに相手の懐に飛び込めるかが試合の勝敗を決する事になるでしょう。いずれにしても、昨年以上の熱戦になる事は確実。大舞台にも慣れてきたBigBlueが、持てる力を全て発揮する試合に注目です。 Go BigBlue!

アーカイブ

BIGBLUE PARTNERS

日本情報通信株式会社 AIT 協和警備保障株式会社 SoftPlex BELL GROUP PM Global E-net UOS 日立チャンネルソリューションズ株式会社 AEON MALL イオンモール幕張新都心 BATHCLIN ADP 幕張温泉 湯楽の湯 urgent! Drone Center JETSTROKE R&Y RENTAL JOY ROUTE