第四節: エレコム神戸ファイニーズ戦の見所
2017/10/06
今シーズン開幕から順調なスタートを切ったBigBlue。しかし第三戦のノジマ相模原ライズ(以下、ライズ)戦では、お互い点の取り合いとなる厳しい内容となり、前半の失点が最後まで響き42-49と初黒星となりました。反省点は多々あるものの、直ぐに次の試合が予定されており、悔やんでいる時間はありません。短い期間でしっかり立て直して、次の試合に臨まなくてはいけません。第四節からは、他地区のチームとの対戦が始まります。その最初の対戦相手は、西地区から遠征をしてくるエレコム神戸ファイニーズ(以下、エレコム)です。
BigBlueにとって、エレコムとは今回が初対戦。エレコムは、初戦のパナソニックインパルス戦には破れたものの、続く名古屋サイクロンズ、アサヒ飲料クラブチャレンジャーズと連勝し勢いがあります。さらに、第三節の試合を9月17日に消化しており、この試合までにたっぷり三週間の準備期間を得ています。当然その間にBigBlueのこれまでの試合を入念に分析し、対策を用意してくることは確実で、BigBlueにとってはホームの試合となるものの、条件的にはアウェーの試合に等しいと言っても良いでしょう。僅か一週間のインターバルでこの試合に臨まなくてはいけないBigBlueにとっては、まずはライズ戦からの気持ちの切り替えをしっかり行い、どれだけこの試合に対して集中し、短い時間の中で準備出来るかが正念場となります。
オフェンスの見所
ライズ戦に敗れたとは言え、QB#3クラフト選手のパスオフェンスは、最近のシーズンの中でも最高と言って良い状態が続いています。特にクイックリリースからのミドルパスはこれまでに無く安定しており、TE#40スタントン選手や#84小林選手、さらにはWR#19鈴木選手や#18上廣選手と、レシーバー陣の中で活躍が目立つ選手が増えてきたことは明るい材料です。また、パスの精度が向上したからか、レシーバー陣も相手DBと厳しいマッチアップをしながらのキャッチも増えてきており、この試合でもさらにスリリングな場面が生まれるでしょう。ただ、ライズ戦では相手DL#53オジョムリア選手のプレッシャーが気になったのか、ロングパスがオーバースローになったりショートしたりと不安な場面も見られました。エレコムにもシンシナティ大学出身のDL#99ペース選手が加入しており、ライズ戦を参考に対抗してくることは確実です。ライズ戦での経験値を、どの様にこの試合で生かしていくのか、直接対決するOL陣は勿論、オフェンス全体の真価が問われる試合になるでしょう。
ライズ戦でのスタッツを比較してみると、パスはほぼ互角であったものの、ランはBigBlueが18回65ヤード(平均3.6ヤード)に対してライズは31回206ヤード(平均6.6ヤード)と大きな差が開きました。ただ、ランでの平均獲得距離が半分という点は課題だとしても、プレー内容を見るとRB#10末吉選手(7捕球48ヤード)も#21髙木選手(6捕球47ヤード)もレシーバーとして活躍しており、記録的にはパスプレーに分類される「長いハンドオフ」を使った準ランプレーと見ることも出来ます。このあたりのゲームプランをどの様に修正してこの試合に臨むかも、この試合の見所の一つと言えるでしょう。ただ、丁々発止のライン戦から、その間隙を突いて飛び出してくるキャリアーとセカンダリーとの対決が、やはりフットボールの醍醐味。オフェンスに厚みを増すためにも、末吉・髙木、二人の選手のグランドアタックに注目したいところです。
BigBlueオフェンスで気になる点は、QB#2政本選手の復活です。ライズ戦では途中出場し、心配される足の怪我も不安は無さそうです。クラフト選手が好調だけに、そのモメンタムを維持したいのかもしれませんが、この試合も含めて残り3試合で出場機会を増やし、試合感・プレー感を取り戻すことも必要でしょう。またタイプの異なるQBがプレーすることは、相手ディフェンスにとってもプレッシャーになるはずです。特に政本選手のキーププレーは強力な武器であるだけに、政本選手のこのプレーを見ることが出来れば、リーグ戦後半戦に向けてチームとして準備が整ったと言えるでしょう。
ディフェンスの見所
満を持して臨んだはずのライズ戦でしたが、QB#98ガートナー選手のパスとランを止められず、49失点という厳しい結果となりました。しかも、前半のTD時にRB#39ホマ選手が負傷しサイドラインに下がっての結果ですから、仮にホマ選手がそのまま試合に参加していたら、さらに点差は広がった可能性があります。BigBlueとしては、DE#34ブルックス選手、DL#92トゥアウ選手の二人を軸に、ガートナー選手へプレッシャーをかける作戦でしたが、タックルを受けても倒れずにパスを通し、さらにはスクランブルに出ればタックルをかわしてファーストダウンを奪うなど、まさに八面六臂の活躍でBigBlueのディフェンスを混乱させました。
エレコムQBの#11糠谷選手もパッシングQBですから、ライズ戦を参考にエンドゾーンを狙ってくることが予想されます。気になるターゲットは、前節で活躍したWR#16和田選手と、WR#80南本選手の二人でしょうか。ライズ戦では上手くゾーンカバーの裏をかかれパスを通される場面が何度もありましたが、当然その準備は怠りないはず。DB陣として、ライズ戦での経験と反省からどの様なパスディフェンスを見せてくれるかが見所となります。また地上戦では、アイオワ大学出身のRB#23カンゼリ選手が、ほぼ一人でラッシングヤードを獲得している状態です。その活躍の陰には、バージニア工科大学出身のOL#77ハンセン選手の活躍も見逃せません。まずは、ブルックス選手、トゥアウ選手のいずれかがハンセン選手と対決し、そこにLB陣がどれだけ詰めてカンゼリ選手を止めることが出来るかが勝敗の分かれ目になりそうです。
ライズ戦の反省としては、パスを警戒する余り空いたフィールドを走られ、それに対応しようとすると今度はパスが通されと言う悪循環を断ち切れなかったことです。流れを断ち切る一番の方法はターンオーバーを奪うことですが、それ以上に重要な事はやるべき事をしっかりやって、確実に4thダウンパントで攻撃権を奪い返していくことです。ライズ戦での後半中盤から終盤にかけては、この辛抱の時間をディフェンスは作り、それによって4Qの追撃が生まれるチャンスになりました。惜しむらくは、時間が足らず同点・逆転に追いつくことは出来ませんでしたが、その経験をこの試合では生かして、仮にピンチが続く場合であっても素早く気持ちを切り替えて次のプレー、次のシリーズに向かうことが出来るでしょう。その気持ちの強さを、是非この試合で見せて欲しいと思います。
試合の見所
どんな場合も負けていい試合はありませんが、負けても取り返せるのがリーグ戦の特徴です。特に現在2勝で並ぶ6チームのうち、BigBlue対エレコム、ライズ対LIXILの対戦がこの第四節に予定されており、この試合を落とすとプレーオフでの順位争いにも影響が出てきます。BigBlueにとっては、リーグ戦最後のホームゲーム。第五節のLIXIL戦はアミノバイタルフィールド、最終第六節は昨年同様関西遠征でアサヒ飲料と対戦します。LIXILとは、プレーオフでは4戦4勝ながらも、リーグ戦では鹿島時代から11連敗中という奇妙な結果が続いています。またアサヒ飲料には3連勝中ですが、昨年は非常に厳しい綱渡りの試合となり、油断出来ません。そういう意味からも、このエレコム戦での勝利は必須と言っても良いでしょう。
初戦でBigBlueに敗れたオービックは、次の試合でライズに対してしっかりと対策をし結果を出しました。その試合で敗れたライズも十分に準備をし、BigBlueに勝利しています。次はBigBlueが、ライズ戦の敗退から学び得たものを、この試合で結果として見せる番です。それが出来てこそ、今シーズンのスローガン「DOMINATE!」を具現化出来ているとも言えるでしょう。ライズ戦の敗因をあえて探せば、連勝しての油断もあったでしょうし、相手のホームゲームと言う事で試合会場雰囲気にも飲まれた部分あったでしょう。結局は、実力的に五分、あるいは優勢であっても、気持ちで勝てなければ試合にも勝てないという事を再認識したと言えます。この試合では、最初のプレーから相手を圧倒する気迫を見せて欲しいと思います。DOMINATE! BigBlue!
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