あるOBの呟き- 第五節: vs LIXILディアーズ戦

2017/10/23

リーグ戦第五節の対戦チームは、LIXILディアーズ(以下、LIXIL)。前身の鹿島ディアーズ時代も含めて、最も秋のリーグ戦、プレーオフで対戦しているチームで、これまでの対戦成績は4勝11敗。しかし、ファーストステージ、あるいは昨年からのリーグ戦では未だ勝ち星が無く11連敗しているのに対して、セカンドステージやフレーオフでは4連勝しているという、微妙な関係を感じる対戦相手でもあります。昨年は春のポールボウル決勝でまず対戦し、この時は21-20で勝利。続く第四節で対戦した時には、48-52とあと一歩及ばず敗戦。しかしプレーオフの準々決勝での再々戦では37-16と完勝。近年は勝ち負けを繰り返している相手です。

LIXILの注目点は、なんと言ってもリーグトップクラスの実力を持つQB#9加藤選手のパス。ここまでの4試合は、富士通、ノジマ相模原には敗れて2勝2敗の成績ですが、加藤選手を中心としたオフェンスは脅威です。さらに今シーズンは、アサヒ飲料からRB#22白神選手が移籍し、ランプレーにも厚みを増しています。白神選手には、昨年の第六節でアサヒ飲料と対戦した時にも苦しめられ、試合は13-7と何とか勝利したものの、終盤までは結果が見えない状態が続きました。ここまでの試合では、昨年以上に活躍しており、BigBlueとしては、いかにこの加藤選手のパス、白神選手のランを止めるかが、勝利への必須条件と言って良いでしょう。

台風の影響で小雨模様のあいにくのコンディションの中、LIXIL K#14青木選手のキックオフから試合が始まります。
 

堅実なプレーで前半を折り返す

キックオフボールを、WR#19鈴木選手が自陣41ヤード迄戻し、BigBlueの攻撃から試合が始まります。QB#3クラフト選手からRB#21髙木選手へのフラットパスは、ランアフターキャッチ(RAC)が伸びてダウン更新。さらに、WR#85鈴木選手へ26ヤードパスが成功し、一気に敵陣17ヤードまで攻め込みます。RB#10末吉選手のランに、WR#82白根選手へのパスでゴール前3ヤードでファーストダウンを更新します。しかしQB#3クラフト選手がDL#93重近選手、LB#57東条選手にロスタックルを受け大きく後退してしまい、このファーストシリーズはK#11佐藤選手の22ヤードFGの3点で終了します。

続くLIXILの攻撃は自陣40ヤードから。注目のファーストプレーは今シーズンアサヒ飲料から移籍したRB#22白神選手のランでしたが、LB#5コグラン選手が足下にタックルをすると、LB#35高橋選手、LB#22中山選手のギャングタックルで-1ヤードで押さえます。WR#7宮本選手のパスで大きくレッドゾーンまで攻め込まれますが、カットバックしたRB#22白神選手をDL#44福岡選手が-3ヤードのロスタックル。これが響きLIXILは4thダウンで35ヤードFGを狙います。K#14青木選手のキックしたボールは、大きくジャンプしたDE#34ブルックス選手の右手に当たり失敗。相手の得点チャンスを防ぎ、自陣24ヤードから攻撃が始まります。

反則で罰退するものの、WR#16梶川選手への21ヤードのパスが成功し陣地を挽回。さらにRB#10末吉選手がダウンを更新してボールを中央付近まで進めます。さらにRB#21髙木選手へのバブルパスが成功し敵陣にはいるものの、奥を狙ったQB#3クラフト選手のパスをDB#23脇選手がインターセプト。得点チャンスを失います。続くLIXILの攻撃では、フィールド奥のターゲットを狙っていたQB#9加藤選手がスクランブルに出たところに、後ろから来たDL#92トゥアウ選手がハードタックル。その為加藤選手は一度サイドラインに下がります。QBは#12大和田選手に交替。RB#22白神選手にピッチをしたところで、ブリッツをしてきたLB#6坂口選手が-10ヤードのロスタックル。大きく後退したところで、試合は2Qに入りますが、結局LIXILはダウンを更新出来ずにパントで攻守が移動します。

自陣30ヤードからのBigBlueの攻撃。RB#10末吉選手が、得意なカットバックとチェンジオブペースで相手ディフェンスを翻弄して33ヤード進みゴール前28ヤードでファーストダウンを更新します。TE#40スタントン選手へのヒッチパスは2ヤードでタックルを受けますが、次のRB#21髙木選手はリードブロッカーに助けられて12ヤードの前進。ゴール前14ヤードでファーストダウンを更新すると、次のプレーでは左からポストパターンに走り込んできたWR#85鈴木選手へTDパスが成功。さらに10-0と点差を広げます。

この後はお互いにパントで攻守交替が続き、2Q中盤からQB#2政本選手が登場します。ホールディングの反則も有り3rdダウン9ヤードからのプレー。ダウン更新を狙ってWR#16梶川選手にパスを投じるものの、手前に走り込んだLB#10安藤選手が大きくジャンプしてインターセプト。しかしリターン中の反則も有り、LIXILは敵陣40ヤードから攻撃開始となります。

LIXILはQB#9加藤選手が再びハドルに戻ると、WR#84西川選手、WR#81杉田選手とパスが成功してゴール前16ヤードまで進みます。1stダウンのQBキープはLB#5コグラン選手が2ヤードで阻止。次のRB#22白神選手のダイブは、正面からDE#34ブルックス選手が入りゲイン無しで阻止。さらに3rdダウンでTDを狙ったパスは、DB#23保宗選手がカット。4thダウンではK#14青木選手が31ヤードのFGを成功させて10-3と点差を縮めます。

残り1分55秒からBigBlueの攻撃は、再びQB#2政本選手が登場。RB#21髙木選手が9ヤード進めると、次のプレーではその髙木選手をリードブロッカーにしてQB#2政本選手がパワープレーでダウンを更新します。その後3rdダウン9ヤードとなると、今度はRB#10末吉選手がディレーでパスコースに出ると21ヤードのロングゲインで敵陣に入ります。RB#10末吉選手のランの後、QB#2政本選手のQBキープで15ヤード進みゴール前19ヤードまで進めます。この後RB#21髙木選手が4ヤードボールを進めたところで最後のタイムアウトを取り時計を6秒で止めると、K#11佐藤選手が登場。32ヤードのFGを成功させ、13-3と再び点差を広げたところで、前半が終了します。
 

4Qの波乱、生む地力の差

後半はK#8小田倉選手のキックオフからスタート。オフサイドで蹴り直しとなり、LIXILは自陣の46ヤードから攻撃開始となります。前半、ほぼその走りを止めていたRB#22白神選手ですが、このシリーズでは上手くタックルをすり抜けて、ゴール前24ヤードまで進めます。パス失敗の後、今度はDE#34ブルックス選手が白神選手をロスタックル。WR#7宮本選手へのパスは成功しますがダウン更新には足らず、LIXILは37ヤードのFGを狙います。スナップされたボールは、しかしホルダーの#83石毛選手の前でバウンド。慌てて石毛選手がボールを拾い上げて走り出しますが、タックルを受けてダウンとなります。エレコム神戸戦の時と同様に、ゴール前のディフェンスが活躍しています。

次のBigBlueの攻撃では、QB#3クラフト選手が再び登場します。TE#40スタントン選手へ続けてパスを通してダウンを更新すると、3rdダウンロングでは、ターゲットを探して左サイドに走り出たクラフト選手から、WR#85鈴木選手へ24ヤードパスで成功し敵陣に入ります。再び3rdダウンロングの場面となりますが、プレッシャーを受けながらも投じたパスが、WR#16梶川選手に成功。これが33ヤードのロングパスとなり、ゴール前4ヤードでファーストダウンを更新します。1stダウンではRB#10末吉選手が中央を突破しますが1ヤードでダウン。しかし次のプレーでは、ピッチを受けた末吉選手が左オープンを駆け上がり3ヤードTDラン。20-3となり、点差が3ポゼッション差に広がります。

次の攻撃でLIXILは、RB#22白神選手のダウン更新のランでボールをゴール前31ヤード迄進めますが、ここから3回のパスはディフェンスのプレッシャーもあり失敗。ここでLIXILは雨が降る悪コンディションの中、K#14青木選手が49ヤードのFGを狙います。今回もキッカー正面で大きくジャンプするDE#34ブルックス選手。しかしキックされたポールは、その上を大きく飛び越し、ぎりぎりの所でゴールポストをクリアー。20-6と再び点差を縮めてきます。

続くLIXILのキックオフ、ゴール前2ヤードでボールをキャッチしたRB#21髙木選手は、ブロックの壁に沿って左オープンに走り出ると、スピードで相手を抜き去りさらに加速。最後は俊足レシーバーのWR#81杉田選手に押し出されますが、ゴール前13ヤード迄戻すビッグリターンを見せます。このチャンスに、RB#10末吉選手もスクリメージラインを抜けると一気にエンドゾーンを目指しますが、残念ながら1ヤード手前でタックル。TE#40スタントン選手へのパス失敗の後、スクランブルに出るQB#3クラフト選手もLB#10安藤選手にロスタックルを受けると、次のRB#21髙木選手も押し戻されてしまいます。最後はK#11佐藤選手がこの試合3本目となる22ヤードFGを成功させますが、今ひとつ物足り無さと共にシリーズが終わります。

続くLIXILの攻撃はRB#22白神選手へのパスでダウン更新するものの、続くシリーズでのパスは4thダウン残り2ヤード。ここでキャッチアップが必要なLIXILはギャンブルを試みます。QB#9加藤選手は、サイドラインを駆け上がるレシーバーにパスを投じますが失敗。攻撃権がBigBlueに移ります。自陣43ヤードからの攻撃は、TE#40スタントン選手へのジェットスイープに始まり、RB#21髙木選手が2回運びダウンを更新します。さらにRB#10末吉選手と交替するとオープンを突いたところで、試合は4Qに入ります。すでにタイムコントロールを狙っているのか、4Q最初のプレーもRB#10末吉選手のラン。しかしこれはDL#1平澤選手が読んでいたかロスタックルとなります。さらにRB#37伊藤選手がスイープでオープンを狙いますが、これもダウン更新出来ず、K#11佐藤選手のパントで終了します。

キャッチアップを狙うLIXILは、WR#83石毛選手、 WR#18永川選手、そして再び石毛選手とパスが通りゴール前17ヤードまで迫ると、ここでBigBlueのパスインターフェアの反則でさらにボールは2ヤード迄進みます。ここから2回のパスは防いだものの、3rdダウンのパスが右から入ってきたWR#11前田選手に通り23-13と追い上げが始まります。

LIXILのオンサイドキックは、そのまま外に出て敵陣49ヤードからBigBlueの攻撃。RB#33森重選手、RB#21髙木選手とランで時間を進め、3rdダウンではTE#40スタントン選手へダウン更新の17ヤードパスが成功。しかし、ここからのランプレーで時間消費はしたもののダウン更新には至らず、K#11佐藤選手がこの試合4本目となる41ヤードFGを成功させ、26-13と点差を広げます。続くキックオフは、K#11佐藤選手がタッチパックキックのため、LIXILは自陣25ヤードから攻撃開始。パスラッシュを受けながらも、ダウン更新のパスが要所で決まり、ゴール前10ヤードで4thダウン残り4ヤード。当然LIXILはギャンブルを選択しますが、ここでDE#34ブルックス選手がオフサイドの反則でLIXILは5ヤード進みダウンも更新。WR#83石毛選手へ5ヤードTDパスが成功し、26-20と1TD差まで追い上げてきます。

続くLIXILのキックオフは当然オンサイドキック。K#14青木選手の蹴ったボールは、RB#83石毛選手の目の前に転がりリカバー。LIXILが攻撃権を奪います。残り2分29秒からのLIXILの攻撃はパス。3rdダウンロングの場面で、パスカットしたかに見えたプレーで、ディフェンスのインターフェアの反則でゴール前21ヤードでファーストダウンを奪います。ここからRB#22白神選手が最後は10ヤードを飛び込み、TFPキックも成功しとうとう26-27と逆転されてしまいます。残り1分9秒から逆転を狙うBigBlue。しかし、スクランブルに出たQB#3クラフト選手が痛恨のファンブルで攻撃権はLIXILへ移動します。この後、残り時間を流して、試合は終了となりました。
 

「やりきる」という事を最終節で

これで、今シーズンもLIXILにリーグ戦(1stステージも含む)で勝つことが出来ず、12連敗という記録だけが更新されました。それも、ほぼ試合全体にわたり4Q終盤までリードしながらも、最後に相手の地力の強さを打ち破ることが出来ず、1点差に泣く敗戦となったことは、正直悔しい限りです。勿論、選手一人一人、ベンチのコーチやスタッフも全力で試合に臨んだはずですが、第三節のノジマ相模原戦で狂いを見せた歯車が、第四節のエレコム神戸戦で戻ったように見えましたが、まだ少しぎこちなさを感じる内容でした。全く隙間無く噛み合った歯車は動くことも出来なく、しかし隙間があり過ぎる歯車もガタや無駄が多く力が伝わらなくなります。最高の状態に調整された歯車も、使ううちに摩耗し具合が悪くなるもの。常に自分の対する相手を見て、自ら最適な「間隔」を維持していくことが重要。それがチームワークで有り、信頼感であるはずです。次の試合までの準備期間は短いものの、必ず対策をして試合に臨んでくれると思います。

昨シーズンも、第五節の試合でオービックに延長タイブレークで1点差で敗れ、悔しい気持ちを抱いたままプレーオフ進出を掛け2勝3敗で最終節に臨みました。同様の立場であったアサヒ飲料は、試合開始早々の奇襲プレーでリズムを狂わし先制点を上げると、終盤まで自分達の試合が出来ない苦しい状態が続きました。それでも、4Qに同点に追いつき、さらに逆転をして勝利出来た原動力は、チームとして一人一人の気持ちが崖っぷちで一つにまとまることが出来たからでしょう。少なくとも今シーズンは、3勝2敗と昨年よりは好成績でここまで進んできています。最終節で勝利すれば、他チームの結果次第ですが、最高で3位通過の可能性もあります。逆に敗れれば、ワイルドカードに回る可能性もあります。全ては自ら勝ち取るか逃すかだけ。先ずは、自分達のフットボールを「やりきり」、リーグ戦を完結して欲しいと思います。 DOMINATE! BigBlue!

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