第六節: アサヒ飲料クラブチャレンジャーズ戦の見所
2017/10/25
2017年のリーグ戦は、早くも最終第六節。対戦チームは昨年と同じアサヒ飲料クラブチャレンジャーズ(以下、アサヒ飲料)と、やはり昨年と会場も同じエキスポフラッシュフィールドでの対戦となります。アサヒ飲料とは、2014年のセカンドステージでの対戦を皮切りに、翌年もセカンドステージで対戦し、昨年はリーグ戦で対戦。何れも勝利をし、これまでの戦績は3戦3勝となっています。しかしどの試合も大阪遠征での対戦で有り、慣れない試合会場や独特の雰囲気に飲まれた部分も有り、内容的には厳しい状況から何とか勝ち越した試合ばかりです。特に昨年の対戦は、両チーム共に2勝3敗で向かえた最終節で、勝てばリーグ戦5位で通過する可能性がある一方、敗れれば最悪9位となりシーズン終了の可能性まである、厳しい状況でした。
その為アサヒ飲料は、最初のオフェンスシリーズからトリックプレーを入れてTDを奪い試合の主導権を握ると、4Q序盤にBigBlueが同点に追いつくTDを奪うまで優勢に試合を進め、最後に何とかBigBlueが逆転し、ディフェンスも踏みとどまって13-7で薄氷を踏む勝利を得た試合となりました。今シーズンのBigBlueは3勝2敗で、すでにワイルドカード以上が確定。一方アサヒ飲料は、敗れた場合勝ち星でアサヒビールと並ぶ可能性があり、その場合他チームの結果次第ではリーグ戦9位でシーズン終了となる可能性もあるため、この試合に対する意気込みは昨年以上と思われます。昨年はオービックにタイブレークで1点差で敗れてから、一週間で試合に臨みましたが、今回も1点差での敗退から一週間後の対戦となります。短い期間でどれだけ気持ちの整理を付けてこの試合に臨むことが出来るか、チームとしての総合力が問われる試合になるでしょう。
オフェンスの見所
前節LIXIL戦の反省点は多々あるものの、オフェンスとして一番反省しなければならないのは、やはり3回のターンオーバー(ファンブル1回、被インターセプト2回)です。最初の被インターセプトでは得点チャンスを奪われ、さらに2回目の被インターセプトからは相手がFGの3点を追加。さらにファンブルが無ければ、逆転サヨナラ勝ちのチャンスがあっただけに大いに悔やまれます。被パスインターセプトに関しては、LIXILディフェンスが巧みだったこともありますが、初戦のオービック戦のパスオフェンスと比較して、QBとレシーバーの呼吸が少し間延びしている印象も受けます。それが、以前はピンポイントで通っていたパスが、現在は相手に付け入る隙を与えている原因では無いでしょうか。一週間という短い期間でどれだけ修正出来るかが、勝利への重要な鍵になります。
ランオフェンスでは、RB#10末吉選手とRB#21髙木選手、二人の活躍が鍵になります。現在ラッシングヤードでは、中地区で3位(髙木)、4位(末吉)の二人ですが、昨年と比べてもう一つその破壊力に物足りなさを感じることもあります。それだけ今年は相手チームのマークが厳しいという証拠でもあるでしょう。昨年の成績を見ると、26回で75ヤードと、決して満足出来る内容ではありませんでした。その分パスで、16/23回、250ヤードを獲得しており、今回もこの傾向は変わらないでしょう。ただ、それ故に昨年は最後まで苦労したわけで、今回の試合ではいかに地上戦を制するかが見所になりそうです。
今シーズンのオフェンスでは、TEの#40スタントン選手のジェットスイープや、RBの#10末吉、#21髙木選手へのフラット・バブルパス等、あまりポジションに拘らずにプレー選択をしている印象を受けます。またRBではルーキーの#37伊藤選手、レシーバーでは#82白根選手や#85鈴木選手等、アサヒ飲料にとっては馴染みの無い選手がここまで多く活躍しています。昨年とはひと味違うオフェンスが、どこまでアサヒ飲料ディフェンスに通用するか、この先のトーナメント戦も意識して、重要な試金石となる試合になることは間違いありません。
ディフェンスの見所
今シーズンのアサヒ飲料オフェンスは、ルーキーQB#10ニズナック選手を中心に、パスに軸足を置いたスタイルと言って良いでしょう。当初はパス成功率が50%と芳しくありませんでしたが、前節の富士通戦では強力な富士通ディフェンス相手に60%に改善しており、この2週間の間にさらに復調してくることが予想されます。ターゲットも、WR#1キング選手に前節はRB#22川淵選手へパスが集められており、オフェンススタイルはBigBlueと似ているようです。ここまでの試合の様子を見る限りでは、積極的に投げ込んでくるタイプのようで、対するDB陣としては最後まで気が抜けない厳しいマッチアップが続く一方で、インターセプトを狙える確率も高くなりそうです。
昨年の試合では、RBの白神選手(現LIXIL)に悩まされましたが、今回はRB#22川淵選手対策が大きな鍵になりそうです。直前の富士通戦では、ランでは10回43ヤード1TD、パスでも11回40ヤードと、ラン・パス共にチームトップの成績を残しました。サイズ的にも白神選手に似ており、昨年のさらには先日のLIXIL戦の経験をどこまで生かせるかが気になります。DE#34ブルックス選手、DL#92トゥアウ選手に、DL/LB陣が上手く絡んだ場合には効果的に相手オフェンスを押し込めていますが、RBのカットバックやチェンジオブペースには対応出来ないシーンもあり、この川淵選手もそのタイプのように見られます。#5コグラン選手、#6坂口選手、#7加藤選手、#9星田選手、#22中山選手、#35高橋選手らLB陣の機動性と、アサヒ飲料RB/WR陣とのスピードの対決が、ディフエンス最大の見所になると思われます。
ディフェンスとしては、どれだけQBのニズナック選手へプレッシャーを与え続けられるかがこの試合最大のテーマ。前節で向上したとは言え、ニズナック選手のパスを再び押さえることが出来れば、有利に試合を進める事が出来ます。また、昨年は最初のオフェンスシリーズで意表を突くフリーフリッカーでロングゲインをされ、そこからTDを許したことでリズムが狂い始め、その後苦労する原因となりました。最終節だけに、予想外のプレーを準備してくることは十分予想されます。どんな状況でも「勝ち抜く」という精神力の強さが要求される試合になることは確実です。
試合の見所
昨年と同じ場所での対戦となるこの試合、相手チームに地の利が有る事は勿論、アサヒ飲料は仮にこの試合に敗れると2勝4敗でアサヒビールと並ぶ可能性が生まれ、その場合はシーズン終了の可能性もあるため、この試合に対しての気持ちは特別なはずです。同じような状況でLIXILには終盤追い上げられて敗れているだけに、同じ轍を踏むわけにはいきません。また同日東西で開催される他チームの試合が終わるまで順位は確定しませんが、現在3勝以上のチームが7チームあり、3勝同士の対決であるエレコム神戸対LIXIL戦でいずれかのチームが3勝止まりとなるため、BigBlueが勝利をして4勝になれば、ワイルドカードを回避して6位以上が確定します。先ずは確実に勝利することが必要です。
その為には、オフェンス、ディフエンスがベストのプレーをすることは当然ですが、これまで以上にキッキングゲームの重要性が増すことにもなります。昨年の対戦では双方共にFGを失敗していますが、昨年以上にチーム力が接近し、僅差で勝負が決まる試合が増えており、FGの3点は勿論、TFPの1点も重要になります。K#11佐藤選手、K#8小田倉選手の確実なキックは勿論、相手のキックをできる限り失敗に追い込むプレーも必要です。今シーズンもDE#34ブルックス選手のブロックは健在ですが、例えばスナップが乱れたときのリカバー対策など、貪欲な気持ちが必要です。ここまでの5試合で出来なかったプレー、悔いの残るプレー、全てをこの試合で解消して欲しいと思います。DOMINATE! BigBlue!
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