あるOBの呟き- パールボウル2018: vs オービックシーガルズ戦

2018/07/04

春シーズン最後の大舞台となるパールボウル。BigBlueは三年連続でこの決勝戦に進出し、昨年と同じくオービックシーガルズ(以下、オービック)と対戦することになりました。昨年は、後半追撃し4Q中盤に2点差まで追いつくも、その後の「一本」が生まれずそのまま敗退。二年連続のパールボウル優勝を逃しました。しかし、二月後のリーグ戦初戦での再戦では、後半直後のビッグプレーで逆転をすると、そのままリードを保ち勝利。オービックから初白星を勝ち取りました。パールボウルでの悔しい敗戦が、その後の再戦でのエネルギー変わったと言って良いような内容でした。

ここ数シーズンのオービックは、2013年に日本一に輝くも、続く4年間はことごとく富士通に行く手を阻まれて、Xリーグチャンピオンの座から遠ざかっています。パールボウルブロック予選では、その富士通と同ブロックに入り、4シーズン振りに勝利すると、準決勝でもLIXILを破り二年連続のパールボウル決勝に進出しました。再び日本一を目指すべく、新規加入したQB#3ハワード選手を中心にしたさらに攻撃力が増したオフェンスに、リーグトップのディフェンス陣も健在。昨年以上の激戦が予想される試合です。試合は、後半の選択権を選んだオービックK#49星野選手のキックオフで始まります。
 

最後に反撃の切っ掛けを掴み折り返す

BigBlueのオープニングドライブには、QB#2政本選手が登場。最初のランは止められますが、自らのキープの後、WR#85鈴木選手へのパスでダウンを更新すると、続けて今度はWR#81栗原選手へダウン更新のパスが通ります。反則で後退したものの、自らのキープで敵陣に入ると、WR#19鈴木選手のランでダウンを更新し、敵陣42ヤードまで前進します。しかしここからオービックのディフェンスは厳しく、ゴール前41ヤードで4thダウン残り9ヤードとなります。ここでサイドラインのクラフトヘッドコーチ(HC)は、K#11佐藤選手を投入。ドームとは言え、59ヤードのFGトライとなります。蹴られたボールは、方向は良かったものの、残念ながら距離が足らずに失敗。攻撃権がオービックへ移ります。

続くオービックのオープニングドライブには、ルーキーのQB#3ハワード選手が登場。WR#84西村選手へのロングパスでダウンを更新すると、自らも巧みにタックルを掻い潜り一気にゴール前13ヤードまで進みます。さらに反則でゴール前2ヤードでファーストダウンとなると、一度はRB#32原選手のドライブを、DL#92トゥアウ選手とLB#14選手が押し戻しますが、最後はRB#43望月選手が1ヤードを飛び込み先制のTDを許してしまいます。

オービックのキックオフを、WR#81栗原選手が中央付近まで大きく戻し、自陣47ヤードからのBigBlueの攻撃。WR#7前田選手へのパスに、RB#37伊藤選手のランでダウンを更新すると、今度はWR#82白根選手、WR#89円谷選手とパスが続けて通りします。しかしダウン更新には至らず、敵陣30ヤードで4thダウン1ヤードとなります。タイムアウトをとり、クラフトHCとQB#2政本選手が出した結論はギャンブル。右サイドライン際のTE#40スタントン選手にパスが投じられますが、手前でオービックがカットし失敗。その場で攻守が交替します。続くオービックのシリーズから試合は2Qに入ります。オービックの攻撃は、LB#5コグラン選手の好タックルで4thダウンパントで終了。次のBigBlueの攻撃では、TE#40スタントン選手、RB#37伊藤選手、WR#81栗原選手とミドルパスが続けて成功し前進しますが、QB#2政本選手のランの後交替で入ったQB#3クラフト選手がQBサックを受けてしまい大きく後退し、こちらも4thダウンパントで攻撃権が移動します。

そのK#11佐藤選手のパントキックは、DL#31三井選手がチップし、オービックは敵陣42ヤードからと絶好のポジションを得ます。そのファーストプレー、QB#3ハワード選手は、右からジェットモーションで走り抜けるWR#7池井選手にボールをトス。池井選手は、一度左オープンに出ると、今度は右サイドにカットバックすると、23ヤードのロングゲインを許してしまいます。この後、反則もありゴール前30ヤードでオービックの3rdダウン14ヤードのプレー。ラッシュを受け右にロールアウトしながら浮かし気味に右エンドゾーン奥にQB#3ハワード選手が投じたパスを、WR#18木下選手が両手を伸ばしてTDキャッチ。0-14とさらに点差が広がります。

BigBlueの次の攻撃は4thダウンパントで終わりますが、K#11佐藤選手のキックはゴール前7ヤードで外に出ます。厳しい状況からのオービック最初のプレーはパス。ドロップバックしたQB#3ハワード選手に、真ん中を割って入ってきたDL#92トゥアウ選手が突進すると、そのままエンドゾーン内でタックル。セーフティを奪います。次もオービックのキックオフでBigBlueの攻撃が続きます。WR#16梶川選手へのパスは、右オープンを上手く駆け上がり23ヤードのゲイン。しかし、3rdダウン7ヤードでTE#40スタントン選手に投じたパスを、手前に入ってきたDB#1砂川選手がインターセプト。折角のチャンスを奪い返されてしまいます。

オービックは時間を消費しながら前進。しかし、BigBlueディフェンスもプレッシャーを掛け、パスを失敗に追い込み、ゴール前25ヤードで4thダウン5ヤードとなります。ここからオービックは、K#49星野選手が登場し42ヤードのFGを狙います。スナップされてキックされたボールは、中央を割って入ったDL#92トゥアウ選手がブロックで失敗。ところが、この時スナッパーに接触したと言う事で反則となり、逆にオービックはゴール前12ヤードでファーストダウンを獲得します。2Q残り40秒からのオービックのプレー、DL#92トゥアウ選手のラッシュをかわしたQB#3ハワード選手は、そのまま右オープンを駆け上がります。エンドゾーン手前で辛くもLB#14中山選手がタックルしますが、それをかわしたところにDB#1中谷選手がタックルに入り、手元のボールを奪いターンオーバーとなります。この後、BigBlueのプレーで時計が進み、前半を2-14で折り返します。
 

粘るディフェンス、苦しむオフェンス

後半3Qはオービックの攻撃から再開します。オービックはランプレー中心に組み立てると、RB#32原選手、RB#43望月選手、RB#29李選手、さらにはQB#3ハワード選手と、BigBlueのタックルをかわしてゲインを重ねます。ゴール前10ヤード、2ndダウンヤードからのプレー、ポケットの中でターゲットを定めるとQB#3ハワード選手は左パイロン目がけてパスを投じます。その先には、長身のTE#85ハフ選手がさらにジャンプしてDBをかわしてボールをキャッチ。後半最初のドライブでTDを奪われてしまいます。

続くBigBlue後半最初のドライブは、WR#18上廣選手、WR#40スタントン選手へQB#3クラフト選手からパスは通るものの、4thダウン1ヤードとダウン更新には至りません。ここで早くも1回目のタイムアウトを取ると、サイドラインのカウマイヤーコーチとも相談すると、クラフト選手が下がりK#11佐藤選手が登場。残念ながらパントで攻守交代となります。しかし、このパントもチップされたためボールは伸びずに、50ヤードからオービックの攻撃が始まります。

3Q中盤からのオービックの攻撃から、QBは#6菅原選手に交替。WR#86前田選手へのパスで大きく15ヤード前進しますが、ホールディングの反則で10ヤード後退し、さらにブリッツを仕掛けたDB#1中谷選手が10ヤードのロスタックルをし、自陣まで押し戻します。RB#43望月選手のランをタックルミスで11ヤード前進を許しますが、3rdダウン19ヤード。ここでQB#6菅原選手は、パスポケットの中でじっくりターゲットを探すと、今度も高さのあるパスをTE#85ハフ選手へ投じ、31ヤード前進します。最後はRB#29李選手が左オフタックルを抜けると、二重三重のタックルを受けながらも倒れず前進し、ぎりぎりエンドゾーンにボールを運び込みTDとします。

何とか先ずは一本返して切っ掛けを掴みたいBigBlue。TD直後のキックオフでは、ボールをキャッチしたWR#18上廣選手が、まずはフィールドを右から左に横断して相手のカバーを崩すと、カットバックで切り返してから一気に左サイドラインを駆け上がります。LB#6大滝選手の巧みなリードブロックも有り、再び左から中央に切り返すと、そのままエンドゾーンに飛び込みます。大きな歓声が響きますが、しかしフィールドにはイエローフラッグが。背後への不正なブロックの反則のため、TDは取り消され、自陣31ヤードからの攻撃に変わります。QBは再び#2政本選手が登場。WR#83中村選手へのパスでダウンを更新すると、さらに自ら相手を飛び越えるランで大きく前進したところで、試合はいよいよ4Qに入ります。

再び自らのランでダウンを更新し、WR#19選手がボールを6ヤード運んだところで、QBはクラフト選手と交替。2nd/3rdダウンとWR#81栗原選手にパスを投じますが、タイミングか合わずに失敗。4thダウン4ヤードとなりギャンブルでダウン更新を狙いますが、ここでQBサックを受けてしまい、攻守交代となります。自陣43ヤードからのオービックの攻撃は、時間消費も考えてランプレーに集中。しかし、DL#95樫村選手、LB#35高橋選手、DL#96植村選手らのタックルが光りロングゲインは許さず、ゴール前31ヤードで4thダウン6ヤードとなります。ここでオービックはK#49星野選手が登場し、48ヤードのFGを狙います。ボールがスナップされ、ボールは一度ゴールポストを通過しますが、ここでオービックにプレー中の反則が発生。さらに反則施行中にも反則が発生し、オービックは合わせて30ヤードの罰退になり、今度はパントで攻撃権がBigBlueに戻ります。

4Q中盤からのBigBlueの攻撃は、QB#3クラフト選手から、WR#82白根選手へのロングパスで一気に敵陣に入ると、WR#84近江選手へのダウン更新のパスが成功。さらにRB#37伊藤選手もダウン更新の走りを見せ、やっとリズムが生まれてきます。さらに再びWR#82白根選手へ、DB#1砂川選手とのマッチアップに勝ちゴール前6ヤードまで進みます。ところが、ロングスナップをQB#3クラフト選手がお手玉してしまい12ヤード後退しますが、逆に相手のラフィングザパサーの反則でゴール前9ヤードでファーストダウンとなります。WR#19鈴木選手のランが1ヤードで止められた後の2ndダウンのプレー、ゴールライン手前のTE#40スタントン選手へのパスは、チップして浮いてしまい、それをLB#28中西選手がインターセプト。万事休すとなります。この後、オービックはランプレーで時間を消費し、そのまま2-28で試合は終わります。
 

全ては8月26日の初戦に向けて

厳しい言い方をすれば、攻守ともに精彩を欠いた試合になってしまいました。オフェンスは、この試合エースランナーのRB#21高木選手が都合で出場出来なかったとは言え、23回で44ラッシングヤードは残念です。まずはスクリメージラインを超えるのが一苦労であり、さらに超えた途端にタックルを受ける場面が多々あり、このあたりは若手が多いオフェンスラインの秋に向けての課題かなと感じます。また、前回のノジマ相模原戦以上にパスの精度が落ちていた印象も受けます。この試合、WR#82白根選手の活躍が目立ちましたが、レシーバー陣として能力的に劣っている訳では無いはずで、豊富なレシーバー陣を生かすプランを秋までに是非仕上げて欲しいと感じます。

ディフェンスも、QBにプレッシャーを掛けているものの、どうしても左右どちらかは空いてしまい、そこを突かれるプレーが多かった気がします。また、QBのハワード選手は、上手くレシーバー能力の少し先を狙ったパスを投じており、それによってさらにレシーバー陣が活性化されていた印象があります。パスカバーとしては、そのあたりの読みが少し足りなかった印象もあります。さらにサイズのあるキャリアーに対してはタックルが甘く、ロングゲインを許す場面が何度もありました。確実なタックルは勿論、2Q最後にDB#1中谷選手がボールを奪った時のように、先ず相手の足を止め、体を止め、ボールを狙うというチームプレーをもっと意識しないと、上位チームとの対戦は厳しくなるでしょう。

春の締めくくりとしては、昨年以上に残念な結果に終わりました。昨年は、その悔しさが二ヶ月後のオービックとの再戦でエネルギーとなり初勝利を勝ち取れたわけですが、今回は昨年のJapan X Bowlで同じく大差で敗れた富士通との対戦です。対戦相手こそ異なりますが、状況としては昨年と同様と言って良いでしょう。その昨シーズンも、初戦でオービックに勝利したものの、その後の試合は決して満足出来る内容ではありませんでした。それらの経験をどの様にこれからの二ヶ月に生かしていくか、納得出来る回答を是非8月26日の初戦で見せて欲しいと思います。Go BigBlue!

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