パールボウル2019: 電通キャタピラーズ戦の見所
2019/04/15
今年もパールボウルの開幕とともに始まる2019シーズン。しかし例年と大きく異なるのは、参加するチームがX1 SuperとX1 Areaの二つのブロックからの12チームと言う事でしょう。昨年度のXリーグ18チームのうち、Japan X Bowl(JXB)トーナメントに進出した8チームが、今シーズンはX1 Super参加チームとして新しい方式で秋のリーグ戦を戦います。残り10チームに、X2からの昇格チームを加えた12チームは、4チームずつの東西のブロックに別れ、X1 AreaとしてX1 Super昇格をかけて秋のリーグ戦は鎬を削ることになります。そのX1 SuperとX1 Areaに所属する東日本のチームから12チームが、3チームずつ4ブロックに別れて予選を行い、各ブロックの1位チームが、パールボウルトーナメントに進出する方式は、これまでと同じです。BigBlueは、電通キャタピラーズ(以下、電通)、LIXIL DEERSとブロックCで対戦します。
電通とは、昨年のパールボウルブロック予選で初対戦し、今回は一年ぶりの対戦です。Xリーグ初挑戦となった昨年は、リーグ戦を2勝4敗で終了し、総合順位15位の成績で終了しました。Xリーグ初昇格ながらも、他チームでXリーグの経験豊富なベテラン選手あり、著名大学出身の選手ありと、陣容としては決して引けを取りません。しかし、やはり試合経験豊富な相手との対戦では、経験値の差から試合を落とすこともあり、今シーズンはどこまで昨年の経験をチーム力として生かせるかが、X1 Areaでの成績に繋がるでしょう。
オフェンスの見所
昨シーズンは、開幕直前のQB#3クラフト兼任ヘッドコーチの怪我もあり、実質的にチームオフェンスを一人で背負うことになったQB#2政本選手。今シーズンも頼れるスターターとして、この試合も先発する事が予想されます。昨シーズンは、得意のキーププレーを我慢し、ラン・パスとキャリアーを効率よく動かすことを念頭にプレーを組み立てていました。特にQBキープを警戒して上がってくる相手の裏側へ、スクリメージラインぎりぎりからパスを通すプレーは、昨年のキープレーの一つでした。今シーズンはそれを更に進化させ、プレーの精度向上と、決定力の確立がこの春の試合での課題と思われます。
対するレシーバー陣は、WR#16梶川選手、WR#18上廣選手、WR#89円谷選手らベテラン勢の引退はあるものの、昨年活躍したWR#84近江選手を筆頭に、WR#14前田選手、高さで勝負できるWR#82白根選手等、若手選手の台頭も著しく、ルーキー選手やポジション変更で加わる選手も含めて、今シーズンも最もチーム内競争の激しいポジションになりそうです。その競争意識が、どれだけプレーの中で生かすことが出来るか、試合前半のまだ明るいうちに、どれだけ印象づけるプレーが見せられるか、序盤の攻防がこの試合の見所の一つになるでしょう。
ランプレーでは、RB#19鈴木選手とRB#21高木選手が、文字通り両輪となって活躍した昨シーズン。ランプレーだけで無く、プレーアクションパスやバブルパス等、ユーティリティプレーヤーとしても活躍した両選手でしたが、あえて言えば、続く選手の活躍が物足りなかった気がします。そんな中でも、RB#47山中選手は出場機会は少なかったものの、昨シーズンは力強い中央突破型のプレーを見せてくれており、今シーズンのさらなるパワーアップが実現すれば、秋に向けて貴重な戦力になると期待されます。残りインチをめぐる攻防は、フットボールの醍醐味の一つ。サイズアップ中のOL陣とともに、確実にダウン更新するプレーは、秋のリーグ戦に向けて重要な試金石になるでしょう。
ディフェンスの見所
昨シーズンはカウマイヤーディフェンスコーディネーターを招聘し、オフェンス同様にシステムの改革を進めたディフェンスユニット。リーグ戦6試合での総失点が、2017年の120点から2018年は111点に改善したものの、富士通、オービック、パナソニック等ライバルチームは二桁の失点に留まっていることを考えると、一層の改革が必要な事は間違いありません。BigBlueの守護神、DL#34ブルックス選手、DL#92トゥアウ選手の二人が中心になることは変わりないものの、最近のシーズンでは相手チームも対策を準備してきています。言い方は悪いのですが、二人に頼る守備から、二人を上手く利用する・活用するシステムへの変革をさらに進めなければなりません。
その一端として、昨年の試合では相手OLが二人のブロックにリソースを割いている間に、DL#44福岡選手や、ルーキーのDL#90遠藤選手、DL#96植村選手がスクリメージラインを超えて進入する場面や、DB#25寺中選手のセーフティブリッツが決まるなど、これまで以上に積極的かつ攻撃的なディフェンススタイルに変わりつつあります。課題は、攻撃的故にファーストタックルで止められなかった場合に、ロングゲインやTDを許す場面が散見されたことでしょう。システムに対しての習熟と、プレーとしての確実性を、昨年一年間の経験値からさらにどれだけ伸ばせるかが、今シーズンの勝敗を左右します。この試合では、まずはプレーの正確性、特にファーストタックルで確実に相手を止められるかどうかが注目されます。
BigBlueを筆頭に、パッシングオフェンス中心の最近のフットボールでは、DB陣にとっては悩ましい試合が増えていきます。特に最近では、機動力のあるQBが増えてきたため、単にDL/LBがプレッシャー掛けるだけではパスを止めることは出来ず、またそんな体勢からでもエンドゾーン奥まで投げ込むことの出来るQBが増えつつあります。スターターが予想されるQB多川選手は、BigBlueのOBであり、ディフェンスの状況もよく把握しています。昨年許したパスでのゲイン95ヤードをどれだけ減らせるか、DBとレシーバーのマッチアップが最大の見所になるでしょう。
試合の見所
ヘッドコーチ兼任プレーヤーとして、1年前に大きな話題を生んだクラフトヘッドコーチ。どの様な「ブレイングヘッドコーチ」を見せるのか期待されたものの、リーグ戦直前の怪我のため、ほぼヘッドコーチとしてシーズン終盤まで専念することになりました。一昨年に続き、JXBまで進んだことは、チーム体制としては合格点と言えるものの、その真価が発揮できたとは言えません。今シーズンは、リーグ戦の方式が変わるため昨年以上に厳しい対戦が増え、さらに難しい条件の中、昨年以上の成績が要求されます。その第一歩として、「クラフトヘッドコーチ」&「クラフト選手」としての一挙手一投足が、まずは注目されます。
一方Xリーグ2年目のシーズンを迎える電通ですが、昨年の試合では昇格最初の試合という事も有り、前半で42-0と大差を付けられて折り返すと、3Q終了時には58-0とさらに点差が広がります。パールボウル予選特別ルールにより、4Qはランニングタイムが適用となり、最後まで力を発揮できずに63-0の大差で試合を落としました。しかし、秋のリーグ戦では2勝を上げるなど実力は向上。今シーズンに向けて、さらに上位を狙うために準備をしてきていることは確実です。BigBlue OBも含めてXリーグでの経験豊富なベテラン選手が多いだけに、一旦システムが構築されれば、確実にボールに対応するだけの力は持っているチームです。まずは油断すること無く、BigBlueとしてのプレーにどれだけ専念して実行出来るかが重要です。
また、春の試合は、ルーキーを含めた若手選手にとっては秋に向けて重要なアピールの場となります。オフェンス、ディフェンス、キッキングゲーム、どの場面でどんな若手選手が活躍してくれるか、それを発見することが、この春の試合最大の見所と言って良いでしょう。彼らの活躍に注目です。 Go BigBlue!
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