あるOBの呟き- パールボウル予選: vs 電通キャタピラーズ戦

2019/04/24

今年もパールボウルと共に始まる、2019シーズン。秋のリーグ戦は新方式での対戦が始まりますが、パールボウルはこれまで同様東日本の12チームが、3チームずつ4ブロックに分かれ、先ずはブロック1位を目指してのリーグ戦が行われます。BigBlueはブロックCに入り、対戦相手は電通キャタピラーズ(以下、電通)とLIXIL DEERS(以下、LIXIL)の2チーム。電通とは昨年もブロック予選で対戦し、その時はXリーグ昇格初の電通に63-0で完勝。LIXILとの春の対戦は、4年前のパールボウル決勝戦以来で、当然LIXILはあの時の1点差の雪辱を目指してくるでしょう。

Xリーグ初年度を2勝4敗で終わった電通ですが、ベテラン選手に大学時代の著名選手等、その陣容は決して他チームにも引けを取りません。また、BigBlue OBも多く所属していることも特徴の一つで、QB#4の多川選手は、今シーズンはオフェンスユニットの牽引役として昨年以上の活躍が期待されています。特に、熟知しているBigBlueディフェンスに対しては、アドバンテージを持っていると言っても良いでしょう。勿論、BigBlueディフェンスとしては、多川選手移籍後の2年間の成長を見せつける絶好の舞台にもなります。どの様なシーズン開幕戦になるか、米国でのTSL (The Spring League)から帰国したばかりの、K#11佐藤選手のキックオフから、いよいよ2019シーズンが始まります。
 

何か物足りない前半

キックオフはタッチバックとなり、最初のシリーズは電通が自陣25ヤードからの攻撃。先発は予想通りQB#4多川選手が登場。しかし、元チームメイトからの手荒い祝福を受け、4thダウンパントで攻撃権が移動します。続くBigBlueの攻撃は、QB#2政本選手が登場。WR#85鈴木選手へのパスでダウンを更新すると、自らのキーププレーも交えてランでレッドゾーンに迫ります。最後は、DBの裏を抜けたWR#84近江選手に23ヤードのTDパスが成功し、まずは7-0と先制します。

続く電通の攻撃も4thダウンパントで終わり、2回目のBigBlueの攻撃。自らのキープでダウン更新するものの、このシリーズはパスのタイミングが合わずに4thダウンパントで終わります。この後のシリーズは、電通、BigBlueどちらもパントで終わり、1Q最後の電通のファーストダウンの攻撃、QB#4多川選手からTE#19関選手へ20ヤードのパスが成功したところで、試合は2Qに入ります。

一度はLB#6大滝選手のタックルで後退しますが、直ぐにRB#6北村選手が左オープンを駆け上がり敵陣に入ります。ここからエンドゾーンを狙いたい電通ですが、DL#93佐久間選手の好タックルが続き、このシリーズもパントで終わります。早く次のTDを奪いたいBigBlueですが、次のシリーズも腰から下のブロックの反則で15ヤード罰退したことが響き、このシリーズもパント。なかなか繋がりません。

電通も何とか切っ掛けを掴むべく、ワンポイントでWRの#16坂梨選手をQBの位置に入れますが、ボールを進める事が出来ません。2Qも終盤4分を切って、BigBlueは自陣46ヤードでファーストダウンを得ます。この日好調なWR#84近江選手へのパスでダウンを更新すると、2年目RB#47山中選手が中央を突破してボールを進めます。さらにWR#85鈴木選手へダウン更新のパスが成功し、ゴール前9ヤードでファーストダウンを得ます。そのファーストダウンのプレーは、RB#19鈴木選手へのオープンピッチ。リードブロッカーの開けた右オープンを一気に駆け上がり、2本目のTDを奪います。

2Qも2分を切っていますが、まだ14-0と僅差であり、最後に少しでも点を返しておけば、まだまだ後半でのチャンスも生まれます。電通の攻撃は、WR#16坂梨選手、QB#4多川選手と、それぞれのキーププレーでダウンを更新。ダウンを更新してレッドゾーンを抜けた所で、一気にパスで前進を狙いますが、厳しいラッシュに続けて失敗します。3rdダウン残り10ヤード、ワンポイントで入ったWR#16坂梨選手からボールを受けたRB#30吉光選手がカットバックで上手くタックルをかわしフィールド中までボールを運びます。

堪らずタイムアウトを取るBigBlueディフェンス。しかし次のプレーでは、QB#4多川選手がパスからスクランブルに出ると、得意のランでタックルをかわし、ゴール前38ヤード迄ボールを運びます。残り6秒となり、電通はタイムアウトで時計を止め、55ヤードのFGで得点を狙います。電通キッカーはK#22小野選手。スナップを受けてキックしますが、中央を割って入ってきたDL#96植村選手がブロック。転がるボールを両チームの選手が追いかけますが、辛くも電通が自ら押さえ、2Qが終了します。
 

負けないけれど、勝てない試合

リードして折り返したものの、何かスッキリしない前半。後半はそんな気持ちを払拭して欲しい、BigBlueの攻撃から始まります。WR#85鈴木選手が好リターンを見せるものの、反則で罰退し自陣30ヤードからのファーストダウン。最初のプレーはTE#88細谷選手へのパス。これが一気にボールを敵陣に運び込む、34ヤードのロングパスになります。さらに、QB#2政本選手がスクランブル気味に投げたパスをWR#14前田選手がキャッチすると、左サイドラインを一気に駆け上がり、あわやTDとなるゴール前6ヤードまで進めます。QB#2政本選手は、ここからTDを狙いますが、続けてパスは失敗。しかし3rdダウンの攻撃では、ゴールポスト前のWR#84近江選手へ、この試合2本目のTDパスが成功。21-0と点差を広げます。

後半最初の電通の攻撃は、この試合好プレーをここまででも見せているLB#6大滝選手の活躍に、今シーズンDBへポジション変更をしているDB#29鎌田選手のタックルで4thダウンパント。続くBigBlueの攻撃から、QBはQB#3クラフト選手が登場します。RB#47山中選手、RB#37安斎選手と若手二人に持たせて5ヤード前進。3rdダウンコンバージョンでは、ルーキーWR#83遠藤選手(早稲田大)にパスが投じられますが、電通DB#9笠原選手のカットで失敗となり、パントで攻撃権が移動します。

何とか活路を見いだしたい電通オフェンスですが、このシリーズではDB#32高橋選手、DL#98森田選手の好タックルでダウン更新を許さずにパント。電通にとっては、苦しいシリーズが続きます。QB#3クラフト選手2回目のシリーズは、ルーキーのWR#83遠藤選手にパスを集めてレッドゾーンに入ると、同じくルーキーのTE#81松岡(早稲田大)にもパスが通り前進します。3rdダウン残り7ヤードとなり、今度はルーキーRB#16田中選手(東京工業大)が中央を突きますが、これは残念ながらロスゲイン。4thダウンとなり、K#11佐藤選手が34ヤードFGを狙います。距離は問題無かったものの、右手から走り込んできた電通LB#8井上選手が気になったか、ボールは左に外れて失敗。得点チャンスを逸します。

FGが失敗したため、電通は自陣20ヤードからの攻撃。この試合、電通のグランドアタックを牽引するRB#6北村選手がダウン更新をしたところで、試合は4Qに入ります。ルーキーDL#91蛭田選手(専修大)、DL#93佐久間選手らの厳しいラッシュを掻い潜り、多川選手得意のQBキープが出るようになり、電通オフェンスにもリズムが生まれてきます。さらに4thダウンギャンブルでのパスは失敗したものの、BigBlue側にパスインターフェアの反則があり、ゴール前26ヤードでファーストダウンを獲得。ここからTDを狙う電通オフェンスですが、ここではルーキーLB#33茂木選手(明治大)が好タックルを連発し4thダウンとなります。電通はK#22小野選手が再び登場し、37ヤードのFGを狙いますが、キックはそれて失敗。何とか失点を免れます。

追加点を狙いたいBigBlueですが、パスをキャッチしたTE#42高田選手がタックルを受けてボールをファンブル。フィールド中央で電通が攻撃権を奪います。3rdダウンロングの場面から、QB#4多川選手からWR#19関選手へダウン更新のパスが成功。一度は反則で大きく罰退するものの、激しいパスラッシュの中投じたパスは、フリーだったWR#86松岡選手へ通り、ゴール前11ヤードでファーストダウンを更新します。ここからエンドゾーンを狙う電通ですが、ルーキーコンビのLB#43近石(桃山学院大)、DB#17久保田(筑波大)が好タックルで止めると、3rdダウンのパスも失敗し、4thダウン7ヤードが残ります。電通はギャンブルではなくFGを選択。K#22小野選手が、25ヤードのFGを狙います。しかし今回もボールはポストを左にそれて失敗。運を味方に付けて、BigBlueディフェンスは無失点を護ります。

この後、BigBlueは残り59秒から自陣20ヤードからの攻撃。QB#3クラフト選手は、ルーキーRB#89牧村選手(東京工業大)にハンドオフをして中央を突きますが、反則もありダウン更新には至らず、最後は時計を流して試合終了となりました。
 

多くの課題を貰った試合

キックオフ時は、まだ少し汗ばむくらいの陽気だったのが、日が傾くにつれて寒さが段々と厳しくなって行きました。試合の流れもその天候と同じで、スタートダッシュはオフェンス・ディフェンス合格点だったものが、その後徐々に失速していったような内容でした。勿論、まだ本格的な練習の積み重ねが十分でない時期でもあるでしょうし、春の試合ということで特に後半は若手や新加入の選手中心に投入していったという事情もあるでしょう。ただ、そういう部分を割り引いても、物足りなさが残る試合でした。

オフェンスでは、パスプレーはまずまずの内容と言える半面、ランプレーに関しては正直消化不良。22回で78ヤードは、平均すると3.5ヤード/回となり、ぎりぎりファーストダウンを更新出来るかどうかと言う値です。昨シーズンのプレーと比べると、まだシーズン初めだからか、スクリメージラインを超える所で苦労しているようにも見られます。OLとのタイミングなのか、RBが突くべきホールの選択なのか、さらにはQBからのハンドオフにも戸惑いが見られる場面もありました。次のLIXILディフェンスでは、そう言うミスは決して見逃さないだけに、さらなるプレーの精度向上は勿論ですが、よりスピード感を感じるメリハリの利いたオフェンスが必要でしょう。

ディフェンスは、失点こそ無かったものの、3回のFGのうち2回の失敗は相手によるものだけに、決して満足出来る結果ではありません。パスディフェンスでは、QBに厳しくプレッシャーをかけ、結果パス成功率を35%(7/20)に押さえたところは良かったと思います。一方でランプレーでは、BigBlueよりも多い、113ヤードを許しています。一回平均でも3.2ヤード(113ヤード/35回)と3回でファーストダウン更新が可能な値であり、この点は修正が必要でしょう。特に、QBキープや遅いタイミングのプレー等に課題が見えた印象があり、次のLIXILオフェンスではQB加藤選手をキーとして、より機動力を高める必要があるでしょう。

次のLIXILとの春の試合は、4年前にBigBlueがパールボウル初優勝を飾った2016年の決勝戦以来となります。今シーズンは秋の対戦は無いため、それも含めてこの試合に対しての相手チームの集中力は、これまで以上のものになると予想されます。先ずは気持ちで負けないように、この一月弱の間にどれだけチームとして成長できるか、その結果を是非試合で見せて欲しいと思います。Go BigBlue!

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