あるOBの呟き- 第四節 vs. 鹿島ディアーズ
2009/10/17
も し「フットボールの神様」が存在するとしたら、8シーズンも続けてIBM BigBlue vs 鹿島ディアーズという対戦を設定することは、よほどこの対戦を楽しみにしているのか、あるいはへそ曲がりなのか。そんな事も感じる、今シーズンも実現した 鹿島ディアーズとの対戦。
鹿島ディアーズは、春のパールボウル優勝から好調さを維持し、ここまで3戦全勝。3試合のうち、2試合は完封勝ちであり、残り1試合も許した得点は 1TD/7点のみ。得点にいたっては、3試合で162点と1試合あたり54点という破壊力を見せています。そのオフェンス力も、ランプレー中心のプランで 得点しているだけに、単にランナー個人の能力もさることながらオフェンスラインの力強さを感じずにはいられません。BigBlueのディフェンスにとって も、これまで以上に厳しい試合になることは間違いありません。
雲がやや多く流れていく秋空ですが、日差しはまだ夏の暑さの名残を感じる絶好のフットボール日より。メインスタンドもバックスタンドも、ほぼ同じくらいの両チームのファンが詰めかけ、大いに盛り上がる中鹿島のキックオフで試合が始まります。
厳しいオフェンス・ディフェンス
WR#3 イアン選手が22ヤードのキックリターンを見せスタンドを沸かせた後、BigBlue最初のプレーはQB#15岡村選手からWR#17小川選手への11 ヤードパスがまず決まります。この後、鹿島のパスインターフェアの反則でさらにダウンを更新するものの、敵陣に入ったところでオフサイドの罰退もありダウ ンを更新出来ずにパント。しかし、続く鹿島のシリーズも一度ダウン更新を許すもののパントに追い込み、再びBigBlueのオフェンスが始まります。
1stダウンで、RB#26吉津選手が5ヤードのランを見せた次のプレー。QB#15岡村選手のパスは鹿島DB堀選手がインターセプト。折角のチャ ンスが潰れ、さらにBigBlue陣内33ヤードから鹿島に攻撃権を与えてしまいます。このピンチに、ディフェンスチームが燃えます。3rd ダウンで2ヤードの場面、鹿島のエースRB佐藤選手が突進したところに、DL#90小山選手がハードタックル。ここでファンブルを誘い、こぼれたボールを LB#33須藤選手がリカバー。さらに、鹿島のパーソナルファウルの反則も重なり、自陣40ヤードからの攻撃に変わります。
何とかこのチャンスを生かしたいBigBlueですが、鹿島ディフェンスも意地を見せます。1stプレーで、WR#3イアン選手へのピッチで5ヤー ド獲得するものの、その後のプレーをシャットアウト。4thダウンパントで直ぐに攻撃権を取り戻します。このあと鹿島のオフェンスが始まり1Qは両チーム 無得点のまま終了しますが、2Qに入りサイドが変わると鹿島のRB陣が爆発。プレー毎にダウンを更新して一気にゴール前1ヤードまで攻め込み、最後は先ほ どファンブルをしたRB佐藤選手が飛び込み、鹿島が先制のTDを得ます。
早 くキャッチアップしたいBigBlueですが、3rdダウン2ヤードのプレーで1ヤード足らず、4thダウンのパントに。逆に試合のモメンタムを掴んだ鹿 島は、ランプレーのパワーオフェンスでBigBlueディフェンスラインを押し下げ、ゴール前5ヤードで1stダウンを獲得。しかし、ここから BigBlueも意地を見せTDを許しません。3rdダウンでは、DB#9阿部選手が-4ヤードのロスタックルを見せ、ここはFGの3点に止めます。
何とか前半で1本返したいBigBlueオフェンス、しかし鹿島ディフェンスの堅い守りを破ることが出来ずに再びパント。逆に鹿島は、残り1分9秒 からのシリーズで時間を消費しながらゴール前17ヤードまで前進。ここで2秒まで時計を進めて前半最後のタイムアウトを取りFGで逃げ切りを狙います。鹿 島のタイムアウト明けで、キッカーがセットしたところでBigBlueもタイムアウトを取り相手のリズムを崩します。さらに、続けて2回目のタイムアウト を取り、キッカーにプレッシャーを掛けます。これが功を奏したのか、前半最後のFGトライアルは失敗。何とか0-10で折り返します。
モメンタムを掴んだ3Qの攻撃
何 とか気持ちを切り替えて、前半の劣勢を挽回したい3Qのスタート。BigBlueのキックオフの後の鹿島後半最初のシリーズは、しかし前半同様鹿島のRB 陣のパワーは衰えません。ほぼ、プレー毎にダウンを更新して前進。自陣に進入されてからも、ディフェンスが粘るいとまもなく後半開始早々にTDを許してし まいます。
この後、お互いにパントでダウンを交換した後、3Q2回目のBigBlueのオフェンスシリーズ。ファーストプレーは鹿島のパスインターフェアの反 則で3ヤード進んでファーストダウン。続くパスは失敗したものの、2ndダウンから今度はWR#1岸選手に4ヤードのパスが決まると、今度はRB#24中 野選手へのディレーパスでダウン更新と、やっと本来のBigBlueらしいオフェンスが戻ってきます。敵陣37ヤードからのファーストダウン、QB$15 岡村選手からエンドゾーンに鹿島DBとともに走り込んでくるWR#17小川選手にTDパスが投じられます。両選手の空中でのボールの奪い合いは、執念で WR#17小川選手がボールを確保。このプレーでは、ディフェンスのパスインターフェアの反則が発生したが、プレーとしてTDが成功しているため反則は取 らず、そのままTDが宣言され待望の得点がBigBlueに入ります。
こ れでリズムを掴んだBigBlueは、続く鹿島のオフェンスシリーズでもビッグプレーを見せます。一度ファーストダウン更新を許し、さらにそのファースト プレーでRB丸田選手に9ヤードの突進を許してしまいます。しかし、2ndダウンのパスを失敗に追い込み、3rdダウンでもRB丸田選手をロスタックルし 逆に3ヤード後退させた4thダウン残り4ヤード。フィールド中央付近のボールポジションのため、パントを選択する鹿島ですが、選手交代のミスがあったの か残り時間がダウンクロックが0秒になるのと同時に慌ててスナップ。しかし、これがキッカーの頭上を大きく越えるミススナップとなりボールはゴール手前ま で転がります。ここに両チームの選手が殺到し、BigBlueがボールを確保します。しかし、ここで両チームに反則が発生しており、結果反則は相殺されて パントの蹴り直しとなってしまいます。
折 角のターンオーバーのチャンスを失い、やや気持ちが落ち込みますが、オフェンスチームはしっかりモメンタムを維持していました。試合は4Qに入り、自陣 12ヤードからと不利な状況ながら、WR#17小川選手へ17ヤードパスが決まりダウンを更新。さらに、3rdダウンでWR#3イアン選手にパスが決まる とボールは丁度フィールド中央でファーストダウン。ここから、今度は期待のルーキーRB#26吉津選手が21ヤードのビッグゲインを見せます。エンドゾー ンまで29ヤードのファーストダウン、ここでQB#15岡村選手は再びWR#17小川選手にパスを通します。ボールをキャッチしたWR#17小川選手は、 相手ディフェンスをパワーとスピードで倒し、そのまま気迫のランアフターキャッチを見せてこの日2本目のTDを決めます。これで14-17となり、残り試 合時間も9分と十分に逆転圏内に鹿島をとらえます。
完全に試合の流れがBigBlueに傾いたと思われたのもつかの間、鹿島は再び強力なランプレーでオフェンスを立て直すと、3分足らずでTDを上げ 14-24と点差を10点差に広げられてしまいます。続く鹿島のキックオフ、リターナーに入っているWR#イアン選手はキックボールをキャッチすると、 42ヤードのビッグリターンを見せます。ここから、RB陣がゲインを重ねて、ゴール前20ヤードで2ndダウン10のプレー。ターゲットを探すQB#15 岡村選手は、エンドゾーンに駆け込んできたWR#44天谷選手にパスを投じますが、これを鹿島DB佐野選手がインターセプトし万事休す。この後、残り時間 を鹿島が消費し、今回も14-24と鹿島に敗れてしまいました。
今年はまだ終わりではない
無 得点に終わった前半、反則で取り消されたビッグプレーなど、反省すべき点は多々ありますが、例年と異なるのは今シーズンはまだまだリベンジのチャンスがあ るということ。この試合の結果、4勝・勝ち点8となった鹿島と同様に富士通は2位以上が確定し、2ndステージ進出が決まりました。例年ならば、これで Final-6が確定するわけですが、今回は残る1つの椅子を賭けて、次回明治安田パイレーツと対戦し、この試合の勝者が2ndステージ進出となります。 実は、仮にこの試合で鹿島に勝利していたとしても、この最終戦で明治安田に敗れてしまえば、勝ち点で並び直接対決で破れるため2ndステージ進出出来ない 場合も想定されます。従って、この鹿島戦の試合結果にかかわらず、1stステージ最終戦は必ず勝たなければならない試合であることに変わりありません。
正直、点差以上に力の差を感じた試合ではありますが、例えば鹿島も8回の反則を犯し、通常ならあり得ないようなパントのスナップミスがあったり、ま たFGでは神経戦でBigBlueが鹿島のキックを失敗に追い込むなど、要所要所では相手を追い詰めるシーンもありました。特に3Qから4Q途中までは完 全に試合のモメンタムはBigBlueにあり、逆転のチャンスもあったわけで、後はそのモメンタムを掴んで離さない、チームとしての気持ち・気概をどれだ け高められるかという点がこれからは必要なのではないでしょうか。そのためにも、1stステージ最終戦となる次回の明治安田戦では、これまでで最高の試合 を期待します。1st/2ndステージ7試合の、丁度折り返し点となったこの試合、まだたま足りない部分が多いことも確かですが、これからでも間に合う、 これからでも出来る事も多くあることを認識した試合でもありました。
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