あるOBの呟き- 第一節 vs. 富士通フロンティアーズ
2009/09/05
い よいよ今年もシーズン開幕。これまでのシーズンと異なるのは、すでに発表されているようにステージ制が導入され試合数が増えることです。これまでは、 Final-6に進出する上位2チーム以外は、レギュラーシーズン5試合で終わっていましたが、今年は上位3チーム、下位3チームがセカンドステージ (2nd Stage)に進み、他のディビジョンチームと2試合をさらに戦い最終順位が決定します。上位3チームの2nd Stageから、さらに1位の3チームと2位の最上位チーム1チームがファイナルステージ(Final Stage)に進み、Japan X Bowlに進みます。BigBlueとしては、とうぜん上位3チームに入らなくてはいけません。その初戦の相手は、強豪・富士通フロンティアーズ。チーム 同士の対戦だけでなく、ビジネスの世界でもライバル同士のIBMと富士通両社。東京ドームには、早くから両チーム・両社の関係者やファンが詰めかけ、キッ クオフ前から熱気がみなぎります。
コイントスの前には「オレンジリボンキャンペーン」のセレモニーが行われました。 「オレンジリボンキャンペーン」とは、子供への虐待防止を目的とした運動です。Xリーグはこのキャンペーンに賛同し、今シーズンの開幕戦でオレンジリボン キャンペーンの啓蒙活動をお手伝いしました。試合前のセレモニーでは、東京都福祉保健局長 安藤立美様が記念ボールを両チームのキャプテンに見事なスロー で始球式を行い、またコインのトスアップもされ、スタンドから大きな拍手を受けておられました。この結果、BigBlueのキックオフで今シーズンがス タートします。
モメンタムが引き寄せられない前半
BigBlue のキックオフは、相手の虚を突くためか変則的なスタートからK#8崔がキック。しかしキックが短かったこともあり富士通は大きく中央付近まで戻して最初の オフェンスシリーズが始まります。富士通のスターターQBは#19吉田。ファーストプレーで#17秋山に12ヤードのパスが決まり1プレーでダウンを更新 しBigBlue陣内に入ってきます。富士通はQBを#18出原に後退。今度は、RB#30金が17ヤードのロングランで一気にゴール前11ヤードに迫り ファーストダウンを奪います。ここで、1stダウン、2ndダウンのランアタックを1ヤードで止めたBigBlueディフェンスですが、WR80米山への 8ヤードパスが決まりゴール前1ヤードに。ここにエースRB#20森本がダイブして先制のTDを奪われてしまいます。
気を取り直して、BigBlueのオフェンスシリーズ。RB#2片岡が2回続けてハンドオフを受け、ダウンを更新。BigBlueも負けていませ ん。さらに、QB#15岡村からベテランWR#44天谷に12ヤードのパスが通り敵陣に入ると、ベンチもスタンドも一気に盛り上がります。さらに、#15 岡村のスクランブルでファーストダウンを奪い、相手陣内奥に進みます。しかし、ここからプレーが出ずさらにホールディングの反則で罰退。折角のチャンスは パントで攻守交代となります。
富 士通二回目のシリーズ。今回もQBを#18出原、#19吉田と交互に起用し、BigBlueにプレーを絞らせません。今回も、WR#80に37ヤードのロ ングパスが決まり一気にレッドゾーンに。ここから#19吉田は、WR#15ブレナンにパスを通してゴール前10ヤードに迫ったところで1Qが終わり2Qに 入ります。その2Q最初のプレーも、また#15ブレナンへのTDパスとなり、点差が0-14と開いてしまいます。
続くBigBlueのシリーズもパントで交替。富士通のオフェンスシリーズが始まり、WR#17秋山へのパスが決まりランアフターキャッチで一気に ゴール前に突進されます。しかし、ここでDB#9阿部のタックルがボールを叩きファンブル。これをリカバリーして一気に攻守交代となります。ゴール前2 ヤードからの厳しいオフェンスですが、RB#30工藤のランで陣地を回復しダウンを更新。このまま一気に攻め込みたいところですが、富士通の厳しいディ フェンスを破ることが出来ず、このシリーズもパントで終わってしまいます。残り2分からの富士通の攻撃。ランプレーで前進を許し、さらに反則で相手に前進 を許し、最後は再び#15プレナンに9ヤードTDパスが決まり、点差はさらに0-21に広がります。
残り28秒からのBigBlueのオフェンス。得点に結びつかなくても、何かを掴んで後半に繋げたいのですが、ここで#2片岡がファンブル。最後までモメンタムを掴むことなく、前半が終了してしまいました。
まずは1TDを返して反撃
厳 しい試合になる事は予想していたものの、予想以上に厳しい内容になった前半。3TD差を追いかけるためにも、早くTDが欲しいBigBlueのオフェンス シリーズで3Qは始まります。WR#17小川へのパスは通ったものの、反則で無効に。やや落ち込んだものの、次のプレーではWR#7福井に25ヤードのロ ングパスが通り敵陣に入ります。さらに3rdダウンロングの状況から、再び#44天谷に19ヤードのパスが決まり、一気にゴール前に。ベテランの活躍に大 いに盛り上がります。このチャンスに、最後は#17小川に5ヤードTDパスが通り、7分以上もの長いドライブの末待望の得点がBigBlueに入ります。
この勢いを何とかつなぎ止めたいBigBlue。しかし富士通もこの日好調なランプレーを中心にBigBlueディフェンスを苦しめます。ゴール前 14ヤードで3rdダウン残り2ヤード。ここでLB#56原のハードタックルで、ファーストダウンを狙ったRB#30金の突進をロスタックルで止めたとこ ろで3Qが終了しサイドが入れ替わります。
4Q 最初のプレーは、4thダウンからの富士通のFG。BigBlueの厳しいプレッシャーの中、富士通K#35西村は冷静に32ヤードのキックを成功させ、 点差を再び7-24と広げます。厳しい状況に追い込まれたBigBlue。過去4勝1敗で3チームが並びながら、当該チーム間の得失点差で3位に甘んじて きたBigBlueとしては、この試合を落とすとしても点差を縮めて終わりたいところ。そんな厳しい状況を象徴するように、4thダウン残り1ヤードのピ ンチをRB#26吉津へのパスで切り抜けます。ここからやっとリズムを掴んだか、WR#1岸に15ヤードのパスが決まりダウンを更新。ロスゲインの後、今 度はWR#7福井への11ヤードパスで大きく戻すと、残り2ヤードをRB#30工藤が8ヤードを走り抜け、ゴール前7ヤードでファーストダウンを奪い得点 チャンス。しかしここから富士通の堅いディフェンスラインを押し戻すことが出来ず、4thダウン残り4ヤードから、RB#26吉津がオープンを駆け上がり ますが、残念ながらエンドゾーンには届かず追加点にはなりません。
残り5分で富士通のシリーズ。富士通はプレーをランに絞り、かつぎりぎり40秒を使い試合時間を消費していきます。結局、ファーストダウンを更新してこの5分を使い切り、7-24で試合は終了します。
この敗戦を次の試合の糧に
残念ながら今回も力の差、経験の差を見せつけられた試合でした。特に、最初のオフェンスシリーズで確実に得点に結びつけ試合のモメンタムを掴むと、 それを離すことなく最後まで試合を支配したチーム力は流石にここ数年Final-6に常連として進出しているチームだけあります。
オフェンス力で見ると、パスは互角。一方、ランオフェンスでは、富士通の選手が一線を抜けてBigBlueのLB/DB陣を苦しめるシーンが多かっ たのに対して、BigBlueのランナーは第一線を突破する事に苦労している印象でした。以前のパス中心のオフェンススタイルから、ラン・パスを織り交ぜ たスタイルに移行する産みの苦しみの最中なのかもしれませんが、次の試合では何か解決策を見せて欲しいところです。
「負けてもいい試合」は無いとは思うものの、今シーズンのステージ制は幸いにもリカバリーが許されるシステム。昨年までのように「もう一つも落とせない」というプレッシャーではなく、まずは2nd Stage進出の最低ラインである「3勝」のためにこの試合の経験を生かしていけばと思います。勿論、目指すは鹿島ディアーズを倒して、残りの4試合に勝利することは言うまでもありません。
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